君と一緒に』の作文集

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君と一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/7/2026, 10:24:38 AM

#53【君と一緒に】
※同性愛要素を含みます


「そのおやまどーやってつくったのー?」
君はいつも、好奇心で溢れていた。
「そのスコップかして、いっしょにつくろ!」
俺はいつも、君に教えてばかりだった。
まるで凸と凹みたいに、俺に足りないところは君に。
君に足りないところは、俺にあって。
気付けば保育園、小学校、中学校とずっと一緒に成長していた。
___そして、今。
「この話したら、もう俺ら一緒に居られんかも」
君は神妙な顔で口を開く。
「そんな訳ないだろ笑 何年一緒にいると思ってんの?」
こんなに真剣に話をしたことがない俺は、いつもの癖で笑い飛ばそうとしてしまう。良くない癖なのは痛いほど分かっているのに。
「真剣に聞いて、マジで頼むから」
「あー…悪い、真剣に聞く」
口では「真剣」と言いつつ、心の中ではそこまで大事な話だと思っていなかった。
「…俺、おれ…、颯のこと、ずっと好きだった」
今までにないほど顔を真っ赤に染める君に、俺は困惑した。好き、なんて言葉を、俺に向かって言っていることが信じられない。
「俺も…好き、」
自分の顔も、熱くなっていくのが分かる。
「は…?え、待って、うれしい…」
「これからもずっと一緒にいよーな」
そう言って君を抱きしめた。

1/7/2026, 10:15:26 AM

「貴方の隣で。」


涙が枯れてなにも感じなくなったら消えてしまえるのかもしれない。
貴方からの「愛してる。」という言葉が無くなって
生きることに執着し、醜くなれなくなった私はもう。


「おかえり。」
その言葉を言うだけで幸せだった。
「ただいま。」と疲れたように言う貴方を抱き締めたら
あらかじめ沸かしておいたお風呂に貴方を詰め込む。
そしたら机に貴方の大好きな鮭と味噌汁と気持ち多めに盛ったお米を並べる。
お箸は貴方が好きな落ち着いた赤色で白色の箸置きにそっと置いておく。
貴方と私の好きなビールを缶のまま机に2本並べてガラスのコップに氷を5つ入れたものを2つ並べる。
後は貴方が来るのをまっておくだけ。
もう6年目の結婚生活で大分慣れた。
付き合いたて、新婚のときとは比べて多少触れ合う時間は減ったけれどご飯を2人で食べて、暇なときは
映画でも見る。
休日には出掛けるのもよし、ダラダラ過ごすのもよし。2人で過ごせることが何よりも嬉しくて幸せだった。


ある朝身体が重くて頭がいたくて胸が激しく痛んだ。
病院に行き、診断を受けた。
私は極めて珍しい病になった。
この病気になった人の7割は病が原因で亡くなったそうだ。
さらに完治は難しく、治ったと思ってもすぐに再発するらしい。私は生きられるのだろうか。

病が見つかってから入院生活が始まった。
帰ってきた貴方に「おかえり。」と言う日常はなくなってしまった。
けれどいつかはまた家に帰れると信じて生きていこう。


彼が事故に遭った。
トラックが歩道に突っ込んできて彼は即死だったらしい。
その話を聞いた私は悪い噂話だと思い切りどうにか彼が生きていることを信じていた。
本当は分かっていたんだ。あの噂が本当で彼が私のお見舞いに来なくなったのはもう死んだからなんだって。


私は泣いた。泣いた。
ずっと泣いて泣いて。
言葉がでないほど喉が乾いて水分が足りなくなっても
涙が止まることはなかった。
ある朝目が覚めると涙が止まっていた。
鏡に写る私は彼の隣に居た私ではなかった。
頬が痩けて目が真っ赤に染まり醜く見えた。
あぁ。涙は枯れ果てたんだ。

涙が枯れるほど苦しんで、なにも感じなくなった。
こんなに生きたんだからもういいじゃないの。
貴方の隣に行っては行けないの?
時間が来れば私も死ぬのだろう。
私の一生は病院のベットの上で終わるのだろうか。

私は頑張った。頑張った。
だからどうか貴方の隣に行かせてください。
貴方の隣に逝かせて。
瞼が重くなってきた。2度と目が覚めないような予感がした。
それでも抗うことなく、私はそっと瞼をとじた。
「愛していましたよ。」心のなかでそっと唱えた。
「貴方の隣に行く私をどうか許してくださいね。」
私の目からは涙が少し滲んだ気がした。
花が枯れても心は枯らさずに貴方の隣で生きていた私が枯れるのだから、少しぐらい泣いてもいいでしょ。


涙が枯れても、もう少し泣いていたい。
貴方の隣で笑い合っていたい。

確かに貴方の隣で生きていた私の存在を証明するために。






「貴方の隣で。」

1/7/2026, 9:59:37 AM

夜明けが来る前に愛を語ろう。
暗闇のなか、近付くきみと。
その先に感じる熱い視線。
あなたの笑顔に溺れてこれからも過ごしたい。
窓の外にきらめく星にそっと誓いを立てる。
これから先の道のりがどんなに曲がりくねっていても僕は一生かけて君のもとへ歩いていく。
僕はそう決めたんだ。
だから。
あなたに言って欲しい。
僕を愛してると。
その鼓動を隠さないで。
夜明けが来る前に愛を語ろう。

あなたが近づいて熱い息遣いが触れて。
言葉よりも熱い絡まる視線。
心のままに抱きしめよう。
密かにあなたの為に誓いを立てる。
僕はきみの隣りを歩いて行きたい。
だから。
あなたに言って欲しい。
僕を愛してると。



                 (君と一緒に)
                  好きなうた。
         もっと素敵に語源化したかった。

1/7/2026, 9:55:52 AM

「君と一緒に」

ぼくがまだシーラカンスだった頃を思い出す。
暗い海、岩肌の隙間で、君と一緒に過ごした日々を。

1/7/2026, 9:52:13 AM

少し早く起きて、
朝ごはんを食べて、
仕事に出掛ける準備をする。

髪の毛のセットだけを残して
布団に戻る。
1時間だけ二度寝する。

私が準備を終えるとソワソワし出す。

布団に向かうと待ってましたと走り出し、
私のお腹に飛び乗る犬。

そして一緒に寝る。

こそーっと隣にきて
気付けば2人と1匹に増えている。

毎日のこの時間が幸せ。

1/7/2026, 9:43:14 AM

いつかこの世を旅立つとき
君と人生を歩めて幸せだったと
そう思いあえるような
時間を積み重ねていきたい


-君と一緒に-

1/7/2026, 9:41:54 AM

望めど、望めど、この手の平が掴むは虚空。

——————
君と一緒に

1/7/2026, 9:41:52 AM

あーあ。わたしが『君と一緒に』いられる時間は本当に、残りわずかになってしまった。こうして手を伸ばせば届くくらいの距離、つまり、君の後ろの席で、君のブレザーのエリを見つめられるのは3月まで。もちろんそれまでに、手を伸ばしてもおかしくない関係になる、なんてことは不可能で──例えば、バレンタインに勇気を出したとしても、それは絶対にあり得ない。

 っていうか、その前に乗り越えなきゃいけないのは受験で、これでその後の人生が変わっちゃうとか、本当に? って思う。
 そして次の4月には、ここではない、新しい場所にいるはずで、それって──本当に本当なのかな?

 冬休み明けで久しぶりに君の背中を見れたうれしさと、とうとう年が明けちゃったなっていう絶望感とでぐちゃぐちゃになってる人間が、君のすぐ後ろにいるってことを、君は知らない。

 ああもう、なにもかもどうでもいいから、ずっとこの時間に、閉じ込められちゃえばいいのに。
 受験とか将来のこととかなんにも考えずに、こうやって、君の後ろの席に座ってる、顔も作画されないモブでいられたら、それだけで……なーんて。あーあ。

1/7/2026, 9:38:57 AM

君と一緒に

―もし、私が永遠に君といたいって言ったら、どうする?

―どうぞ、って言うよ。拒否したら、どちらにも得はないし。

―そう…。面白味のない回答ね。

―そうやって、面白味を求めても、得はないと思うけど。

―得を求めている人にはいわれたくなかったな。

―…そうだね。

―似た者同士だね。何かに飢えているんだろうな。私たちは。

―他の人、この世界の誰もが何かに飢えていると思うけど。

―それじゃあ、私たちの関係もありきたりなのかな。

―そうでもそうじゃなくても、嫌な気分になるだけだよ。

―…私は、君が一緒なだけでも嬉しい。だからさ……

貴女は笑って言った。

―永遠に君といたい。

1/7/2026, 9:35:09 AM

父母妹以外の人間と長期間暮らした経験が無い。だから他人と生活を共にする自信が無い。
家族にも見せない一面もあるし、全てさらけ出さなきゃいけない訳でもないのだけれど、自分の嫌な部分を見せるのが怖い。いや、相手の嫌な部分を見るのが怖いのかな。

#君と一緒に

1/7/2026, 9:34:00 AM

囲炉裏端で少女は姿勢を正して座り、訪れるはずの神を待っていた。
今年も、何事もなく年が明けた。やがて、山から神が降りてくるのだろう。
小正月になると、この村には来訪神が訪れる。山から村へと訪れ、家々を巡り歩くという。
少女の家にも、毎年のように来訪神が訪れていた。もっとも、それは村の男たちが来訪神に扮していたものではあったが。
だが一度だけ少女の家に、本当の来訪神が訪れたことがある。七年前の小正月の晩に訪れた来訪神は、泣きじゃくる少女の弟を戒めるでもなく、両親や祖父母に気にかけられることもなく、ただ静かに玄関に佇んでいた。
音もなく開く戸。風や火の音以外に何も聞こえなくなる感覚。七年経った今も、少女ははっきりと思い出すことができる。

不意に、家の外が騒がしくなってきた。村の男たちが扮した来訪神が訪れたのだろう。
がらがら、と戸が開けられる。異形の面を被り、藁蓑《わらみの》を纏い、手には刃を持った来訪神の訪れに、だがその姿に怯える子供は少女の家にはいない。少女の弟は本物の来訪神が現れた年の二月、春を待たずして流行り病で亡くなった。

「おめは、ほんっとに泣がね子だな」

どこか呆れを滲ませながら笑い、来訪神に扮した男は少女の頭を一撫でしてから去っていく。
少女は表情を変えず、微動だにしない。ぴん、と伸びた背を崩すことなく、男が去った後も玄関を見つめていた。
両親と祖父は、男について家を出た。この後、村の集会場で行われる祭りに参加するのだろう。その準備で祖母は昼過ぎから家を出ており家にはいない。
今この家にいるのは、少女だけだった。



ひょう、と風が鳴いた。ざ、ざ、と土を踏みしめ歩く音が近づいてくる。
僅かに目を細め、少女は玄関の戸が開くのを待った。やがて音もなく戸が開かれるのを見て、ゆっくりと立ち上がる。
入ってきたのは、先程の男のように異形の面を被り、藁蓑を纏った大柄な神だった。少女と向き合い、面越しに視線を交わす。
お互い何も語らず、聞こえるのは吹き込む風がかたんと戸を鳴らす音や火が爆ぜる音くらいなものだ。

「――削がれているな」

低くもなく高くもない声が、部屋に落ちた。吹き荒ぶ風に似ている声だった。

「削がれたわ。火班《ひがた》の代わりに削がれて、弟と共に連れていかれてしまった」

ぱちん、と囲炉裏で一際大きく火が爆ぜる音がした。

「だから行く。あなたと一緒に」

迷いのない声音だった。視線を逸らさない少女を暫し見つめ、来訪神は何も言わずに去っていく。
その後に、少女は続く。家を出て、山へと向かい歩いていく。
不思議なことに、来訪神が訪れる時には聞こえていた足音は今は少女のものだけだった。足跡すら残さず進む来訪神の姿に少女は僅かに目を細めるが、進む足取りに恐れはない。
村の集会所は、山の入り口とは正反対の方角にあった。それ故か少女を見咎める者は誰もいない。
遠く聞こえる祝いの音を背に、無言のまま少女は歩き続けていた。来訪神の後に続く少女の足跡が、家から山へと続いていく。

そして、来訪神と少女が山へと消えた後、厚い雲に覆われた空から雪が降り始めた。
しんしんと降る雪は一晩中村に降り積もり、辺りを白く染め上げていく。

そして小正月の祝いを終えた村の大人たちが家々に戻る頃。
少女の姿は村から忽然と消え、いくら探しても二度と見つかることはなかった。



それ以降、この村の小正月の晩には、来訪神に似た何かが現れるようになった。
異形の面を被り、藁蓑を纏ったその姿は来訪神のもの。だが、左目から頬にかけて大きくひび割れた面や、怠け者や泣く子を戒めるでもなく佇むその姿に、村の誰しもが眉を顰めた。

「あれはヒガタじゃねぇ」
「似ているが、違う。別のもんだ」
「おっかねぇ。泣ぐ子でねくて、泣かん子を攫っちまうモドキだ。浜吉の娘っ子も、そうだったんでねぇべか」

その何かが現れてから、次第に村は小正月に来訪神を拒みはじめ、小正月の祝いも行わなくなった。

そして月日は流れ。
風習は朽ち、今では村に残る僅かな住人が記憶に留めているだけとなった。





宮代燈里《みやしろあかり》がその来訪神について知ったのは、務める出版社に届いた一枚の手紙からだった。

「よくある怪談話の一つだ」

コーヒーを片手に、編集長である南方夏煉《みなかたかれん》は淡々と告げた。

「うちは民俗誌だというのに、相変わらずこういった類の話が紛れ込んでくる。気にするな、宮代」
「ですが……」

手紙に目を通しながら、燈里は眉を寄せる。
とある村に伝わるヒガタと呼ばれる来訪神。その神に似た何かが村人を攫って行く。
よくある話だ。元を真似た怪異が人に害をなす話はありふれており、特段珍しいものではない。
だがこのヒガタと呼ばれる来訪神が気にかかる。泣かぬ娘を連れていったという神。何故、娘を連れて行ったのか。何故、何も言わずに家の中に佇んでいたのか。
この手紙が、まったくの創作という可能性は大いにある。それでも燈里は気になって仕方がなかった。

「止めはしない。進めることもないがね」

そんな燈里を一瞥し、夏煉はコーヒーを煽る。追加のコーヒーを取りに席を立ちつつ燈里の頭を撫で、苦笑した。
仕事始めなのだから、あまり負担になるような仕事はさせたくはないというのが本心ではあった。ただでさえ昨年は色々なことに巻き込まれ、精神的な負担が強かったはずだ。
だが同時に、夏煉は燈里の望むことはできる限り叶えてやりたいとも思っていた。
そんな相反する思いをおくびにも出さず、夏煉は普段と変わらぬ淡々とした口調で告げる。

「小正月に現れる来訪神は、本来は春を告げ、五穀豊穣や豊漁をもたらす存在だ。肩の力を抜いて、旅行を楽しむくらいの余裕を持っていけばいい。どうせなら、婚約者と一緒に行ったらどうだ?そいつの旅費くらいは私が持とう」
「そ、そんな、申し訳ないです!」

頬を赤く染めながら、燈里は必死に首を振る。どこまでも真面目で控えめな部下に、夏煉は気にするなとばかりに肩を叩き、給湯室に向かいながら手を振った。

「私からのお年玉だと思えばいい。くれぐれも無理はせず、婚約者と楽しんでおいで」
「っ、ありがとうございます」

頬どころか耳まで赤くしながら、燈里は夏煉の背に頭を下げる。
恥ずかしさと申し訳なさで、落ち着かない。熱の引かない顔で視線を彷徨わせ、何気なく窓の外を見た。

「雪……」

厚い雲に覆われた、重たさを感じる空。
しんしんと、雪が降り始めていた。



20260106 『君と一緒に』

1/7/2026, 9:33:43 AM

真夜中に
君と一緒に目が覚めた。 

2人でみた星空は
いつもより輝いていた。




君と一緒に見る景色は
どんなものでも美しい。



いつまで
君と一緒にいられるかは
分からないけれど
(できればずっと側にいたいけど)

星空を見上げる君の凛とした横顔を
キラキラした星空を 
今、この瞬間の輝きたちを


ボクは
しっかりと
目に焼きつけている。

1/7/2026, 9:32:09 AM

詩のようなもの
タイトル『君と一緒に』


冬の晴れた日を
君と一緒に歩きたい

見える景色が白いのも
悴んだこの手が赤いのも
君の隣にいる今は
特別な意味を持つから

昨晩まで降り続いた涙も
いつしか冬の寒空に乾いて
透き通るような高い空は
雲ひとつない澄まし顔

君の歩幅に合わせながら
ポケットの中で指が迷う
君のぶら下がる手を
僕の視線が追いかける

過ぎていく冬を
君と一緒に歩きたい

君の吐く息が白いのも
風に当たる頬が赤いのも
君が隣にいる今は
特別な意味を持つから

「寒いね」と言おうとして
君が「寒いね」と囁く
気まずく返した「そうだね」は
君に見透かされたかな

ようやく這い出た僕の手が
ぶら下がった温かさに触れる
迎えてくれる小さな指先は
ポケットよりも優しく温かい

やがて来る春も
君と一緒に歩きたい

流れる雲が白いのも
野に咲く花が赤いのも
君と一緒にいられれば
特別な意味を持つから 

無言で俯く君の横顔に
「待ってるよ」と声をかける
この寒い冬が終わる頃
君は遠い海の向こう

それでも君の隣に僕はいるから
空はどこまでも繋がっていて
影は同じ方向に伸びている
だから顔を上げて笑って見せて

こうしていつまでも
君の隣を歩きたい
君の存在そのものが
特別な意味を持つから 

#冬晴れ
#君と一緒に

1/7/2026, 9:27:42 AM

君と一緒にされたくなくて
君とは違う音楽を聞いて
君とは違う服装をして
君とは違う話し方をして
君とは違う人を好きになって
君とは違うサヨナラをして
君とは違う生き方をしてきた

君と一緒にされたくなくて
君とは違う街で暮らし
君とは違う仕事につき
君とは違う価値観を得て
君とは違う人生を歩んできた

それなのに君は僕と遠くならない
遠くならないどころか近づいている
いつのまにか君と僕は入れ替わって
一緒にされたくないのが僕の方になる



#詩のようなもの

1/7/2026, 9:26:27 AM

『君と一緒に』

 高校時代、仲のよかったクラスメイトと、こじんまりとした同窓会を開くことになっていた。
 俺自身は軽い飲み会の気分でいたのだが、同窓会が明後日に控えた今になって、規模が大きくなっていたことを知る。

 参加者の中には当時の交際相手もいるようだった。

 長年片思いをしていた彼女を妻に迎えて3年余り。
 俺は彼女に同窓会に参加することを伝えていたし、彼女は俺を快く送り出そうとしてくれていた。
 しかし、元カノが参加するとなると話は変わってくるだろう。
 状況が変わり、俺は参加を取り止めようと彼女に事情を説明する。

「元カノも何人か来るみたいで……」
「何人かって……」

 しまった。

 動揺のあまり、正直に伝えすぎた。
 案の定、彼女は眉を寄せながらソファの背もたれに体を預けて、天井を仰ぐ。

「そんな若いときから節操ないつき合い方してたわけ?」
「ぐっ」

 高校2年生のときの夏休みに、俺は彼女に一目惚れをする。
 あのとき、彼女には既に交際相手がいた。
 幸せそうに笑う彼女を泣かせたり、浮気をさせるなんて俺にはできない。
 横恋慕する勇気もなく、結果として、俺は彼女を諦めるために、何人かの女性と関係を持った。
 俺なりに誠実に交際相手と向き合ったつもりだったし、いくらヤケになっていたとはいえ同時に複数、ということは誓ってしていない。

 節操がない、とまで言い切られるのは腑に落ちなかった。

 いや、こんなのはただの言いわけだな。
 身から出た錆には変わりない。

 年明け早々、不愉快な話を聞かせてしまった彼女には申しわけが立たなかった。

「すみません。飲み会は断っておきます」
「なんで? れーじくん、今日の飲み会、楽しみにしてたじゃん」
「それは、まあ」

 料理も酒もうまそうな店だったから、楽しみにはしていた。

 とはいえ、彼女を不安にさせてまで参加したい飲み会なんてない。
 ……の、だが……。
 彼女が気にしているそぶりは全くなかった。

「それに、こんなドタキャンみたいなことしたら幹事に迷惑かからない?」

 それどころか、もっともらしい正論で嗜められてしまう。

「それは、そうですが……」

 は? なんで?

 俺が彼女の立場なら発狂ものだ。
 男がいる飲み会だけでも気が狂いそうなのに、俺がいないところで彼女と元カレが同じ空間にいるとか耐えられる気がしない。

 というか、ちょっとくらい嫉妬しろ!?

 澄ました顔であくまでも送り出そうとする彼女のクールな態度に、若干の切なさ覚えた。
 彼女への愛が足りていないのだろうか、俺が知らないうちに高感度が下がってしまったのだろうかと不安に苛まれる。

 ネガティブな思考を制御できずにいると、彼女が俺の左手を両手で掬い取った。

「虫除け」

 薬指で光る結婚指輪を見つめたあと、すり、と頬に当てがわれる。
 縋るような眼差しを受け、彼女が不器用に不安がっていることを察した。

「ちゃんとしてくれるんでしょ?」
「もちろんです」

 頼りなく溢れる彼女の言葉に、俺は即答する。
 ホッと口元を綻ばせて、彼女は俺の左手を離した。

「飲みすぎなければ、2次会とかも行ってきて大丈夫だから。本当に、私のことは気にしないで楽しんできてね?」

 ワタワタと、少し照れくさそうに彼女は取り繕う。
 俺はたまらずに彼女の体を抱き寄せた。

 躊躇っていた彼女の腕が焦ったいほどゆっくりと俺の背中に回される。

 一生、推す……!
 絶対、推す……!

 キュンキュンと胸をときめかせながら、俺は改めて、彼女を愛することを誓うのだった。

   *

 同窓会の当日。
 程よく酒を入れつつも一次会で抜けてきた俺は、急いで自宅まで直帰した。

 事前に帰宅の連絡を入れていたため、彼女が玄関で出迎えてくれる。

「戻りました」
「おかえり」

 玄関先でのハグを受け入れた彼女は、意外そうにに首を傾げた。

「……って、全然酔ってないじゃん」

 ハグひとつでどうしてそんな判断を下したのか甚だ疑問ではあるが、事実である。

 彼女を不安にさせないように、写真を撮っては逐一、メッセージアプリに連絡を入れた。
 うまい飯と酒の画像や、映り込んだ旧友の関係性だったりを伝える。
 なるべく男同士で固まっていたし、これみよがしに左手を使って結婚指輪をアピールした。

「馴染みのメンツというわけでもありませんでしたし、ハメを外すような飲み方はしませんよ」

 勧められた酒をかわしたり受け入れたり、不自然にならない程度に隙を見せずにやり過ごす。
 自分のことは棚に上げて、酒に飲まれるような子どもじみた飲み方はしないと、念を入れて牽制もした。

「女の子たちの前でカッコつけたんだ?」

 全ては彼女のためだというのに、どういう解釈をしたらそうなるのか。
 彼女はワザとらしく唇を尖らせてふてくされた。

「ヤキモチですか? かわいいですね?」

 彼女の意地悪な物言いがかわいくて、俺もつい同じ土俵に立つ。

「あ、本当に飲みすぎてないだけで、しっかりお酒はちゃんと入れてきたな?」

 からかわれたことに気づいた彼女は、イヤそうに俺の腕から抜け出した。

「それにしても早かったね? 2次会は?」

 いそいそとリビングに逃げ出す彼女を、上機嫌に追いかける。

「しますよ♡ これから♡ あなたと♡」
「は?」

 エコバッグを掲げて見せると、彼女の頭上にハテナマークが浮かび上がったのが見えた気がした。
 ポカンと瑠璃色の大きな瞳を瞬かせる彼女の目の前で、エコバッグに入っているリンゴの缶チューハイを取り出す。

「いや、こんな時間からお酒はちょっと」
「半分……、いえ、ひと口だけでいいんです」

 普段から彼女が摂生していることはわかっていながらも、俺は俺の主張を押し通した。

「残りは俺が引き受けますから、少しだけ、つき合ってくれませんか?」
「う……」

 雰囲気に流されやすい彼女は、俺があざとくお願いをすればある程度なら聞き入れてくれる。
 押しつけるように彼女の目の前で差し出せば、ラベルを確認しながら缶チューハイを受け取った。

「3%か……」

 アルコール度数を確認した彼女は、深くため息をついた。

 プシッとその場でプルタブを立てた彼女は、乾杯の音頭もなく口をつける。
 こきゅこきゅと、かわいらしい嚥下音を鳴らし、湿度のこもった目で俺を睨みつけた。

「こんなんで酔えるほど、かわいい体質してないからな?」
「かまいませんよ」

 缶チューハイを持ったまま、彼女はソファに座る。
 足を組み、ソファの背もたれに体を預けて、彼女は缶チューハイをあおった。
 そんな彼女に俺もならう。
 真横に腰を下ろし、その小さな体躯に甘えるために擦り寄った。

「酔ってほしくて飲ませているわけじゃありませんから」
「あっそ」

 ローテーブルに置いたエコバッグの中から、缶ビールを取り出す。
 ツンとした態度を崩さない彼女の缶口に自分の缶を当て、コチンと、軽く音をたてた。

1/7/2026, 9:25:12 AM

雨が降っている
傘で上半身は守れるが足元は既にずぶ濡れだ

この傘は自分で買ったものではない
家にあったものを適当に取って出たらこれだった
ビニール傘だが花のパターンが散りばめられている

あの日
朝から続いていた雨は
確か夜には止んでいた
傘を忘れて出て行ってしまったのか

酷いことを言ったと思っている

傘を返しに行くついでに謝ろう
謝るついでに傘を返そう


謝ろう


そしたらコーヒーでも飲もう
昔ふたりで行った喫茶店で
駅から少し遠くにある喫茶店


また 君と一緒に



-君と一緒に-

1/7/2026, 9:24:45 AM

【君と一緒に】

君と一緒にここを飛べたら
どんな世界が待っているんだろう
その勇気がまだない僕は
弱虫で臆病で非力で仕方のないゴミ虫以下だ
それなのに君は見捨てないで
傍に居てくれた
助けられていたのは僕の方で
君はいつだって優しかった
初めて人を好きだと思えた
ずっとこのまま
優しい場所に浸っていたい
離れたくない離したくない
そう思って手を握り返した
この先の未来
僕がもっとしっかりとした大人になれたら
今度は僕が君を守りたい
だからまだこの世界を諦めないで
君の悩みは僕も一緒に考えるから
泣かないで
笑顔が素敵な君
今日はこのままここに居よう
世界が終わりまた明日が来る
この場所で

1/7/2026, 9:18:28 AM

君と一緒に


はじめて君と一緒に話したのはいつだろう

はじめて君と一緒に遊んだのはいつだろう

はじめて君と一緒に通話をしたのはいつだろう

はじめて君と一緒にいたいと思ったのはいつだろう

はじめて君と一緒に笑ったのはいつだろう

はじめて君と一緒にいるのが苦しくなったのは
なぜだろう

君と一緒に僕らは
お互いから離れた

1/7/2026, 9:04:14 AM

どんな顔で手を振ったものやら、あまり記憶になかった。良くない考えがわっと襲ってきて頭が爆発しそうになる。感情が渦巻く。考えが追いつかなくなる。
『オッケー、多分そっちじゃないんだ。この方法は一旦おしまい』
 君の留める声がする。立ち止まり、ようやくそっと息を吐く。
 自分ではない視点で考えること、反対の意見を想像すること。そのうえで、嫌だと感じたらやめること。あの頃よりは随分上手くできるようになった。
 君と離れてからも、私の中にはたぶん君がいて。君ならどう言っただろうと考えればなんて乗り切れる気がしてる。
 そばにいてもいなくても、一緒にいることはできるから。最後に握った手のあたたかさを思いながら、断りの連絡をするために私はスマホを取り出した。

『君と一緒に』

1/7/2026, 8:52:11 AM

「ねぇ、何願ったの?」
「……内緒」
「ずるい。じゃあ私も内緒!」


そんなやりとりをしたあの日が、
ずっとずっと遠い過去のように思えた。

見上げれば星空は変わらずそこにある。
ただ静かに瞬いて変わらずそこにある。

なのに、傍に寄り添う温かさだけがもう無い。


“これからも、ずっと一緒にいられますように”


「……うそつき」

星が願いを叶えてくれるだなんて、
一体誰が言ったんだろうか。

流れ星はささやかな願いですら
叶えてくれやしないと知ってしまった。



#君と一緒に S7 幕間 side.S

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