副作用 (ミュート推 ⚠13ℓ )

Open App


hと付き合ってすぐの時、hはおれに「自分は何をしたらいいのか」と問うてきた。そのときおれはなんにも考えずに、「恋人らしいことできたらいいね」とか何とか返した記憶がある。思い返すとその言葉がだめだったのかもしれない。その次の日から、hは無理をするようになった。
"暗躍"をしなければならないおれは、たいていの日は寝るためだけに深夜だけ支部に帰っている。そんなおれに会おうとhは3時頃まで玄関で座って待っていたらしく、その後帰ってきたおれは玄関で倒れ込むようにして寝てしまっているhを見て心臓が飛び出る思いをした。sやkが声をかけたと聞いて、安心して帰るとまた玄関先で死んだように寝ていてびっくりする。深夜になるとおれも眠くて眠くて予知が全然役に立たなかった。そんなことが何度もあって、hの生活リズムはどんどん狂っていった。ごはんをあまり食べなくなって、ふらふらすることも多くなった。
yもsもtも、支部の全員が不安そうにしていた。
何度目かにそれがあった次の日、おれは18時頃に支部に帰った。おれと目が合ったhは、やつれた顔をしつつも顔を輝かせておれの傍に寄ってくると、思いきり抱きしめてくれた。
「j、おかえり………あの、それ、が、ずっといいたかった」
ちいさく肩を震わせるhを抱きしめ返して、
「無理をさせたよな、ごめん、h」
「おれは、離れててもどっかでhが生きている、って思いながら生きていられたらそれでいいんだよ、何もいらないから、hはどこかでずっと笑っててよ」
涙を流しているhの背中を擦りながら、俺は小さくそう言った。hはゆっくり頷いて、俺の胸で静かな眠りに落ちていった。
hの心臓が穏やかに動くのを感じた。

────────────────────
君と一緒に j × h
(視点 : 左)

1/7/2025, 10:30:26 AM