『君からのLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「あんたってなんでそんなキモいの?」
「知らないよ、どうでもいいよ」
「いやだからあんたキモいんだよ」
「あのさ、別にキモくないでしょ」
「もういいわ話が通じん」
「話が通じてないのはどっちだよ」
「逆ギレしてて草」
「ねえ、人違いじゃないの?左上みてよ」
「ごめんなさい」
「いや、もう無理」
「君は人違いだったとしても」
「誰かにこんなライン送ってるって事でしょ?」
「違う」
「ごめんなさい」
「もうやらないから」
「もうやらないとかそういう事じゃなくて」
「手っ取り早く言うね」
「もう君と関わりたくない」
「君がそんな子だとは思わなかった」
「面と向かって言えないのは残念だけど」
「僕と別れて」
「いや、ねえそんな、私の話聞いてよ」
「どうでもいいからさっさと僕の目の前から消えろ」
「ねえ、」
「え、既読スルー…?」
「ねえ!既読つけて!!」
「もしかしてブロックした?」
「私とやり直さない?」
「ねえ」
_2023.9.15「君からのLINE」
毎日のように君からのLINEを待ってるけど、既読だけ。
1週間と2日ぶりにつけたね。
返事ができない理由ははっきりとは分からない。
体に力が入らないのかな。
いつか治るよ。絶対
君からきたLINEは
想像もしていなかった〝言葉だった〟
何があっても親友だからなっ
自分を大切にね
また遊ぼうぜ
絶対な真友
『君からきたLINE』
「だ、大丈夫……だよね?」
何回も書き直して固くなりすぎず、かと言って先輩へ送るLINEの文面として失礼にならない程度に。
「えいっ!」と送ったLINE。
待っていたというように、10秒も経たないで通知音がなった。
目が覚めました。
朝に鳥が囀るのはあまり前だと言うことと
同じくらいにLINEがなりました。
嬉しいです。
“おはよう”って一言で
小鳥が初めて空を羽ばけたかのように
なんとも言えないワクワク感がします。
だから僕は朝が好きです。
そしてそれ以上に、君が大好きです。
【君からのLINE】#47
『今、貴方に容疑が掛けられているわ。明日には警察がそっちに行くらしいの。
欺くには隣にあるであろう男を部屋から出さないと。』
君からのLINEで我に返った。
俺は被害者の身内であるとは言え、完全に関係の無い男だったはずなのに。
警察は鼻が利くらしい。
今隣に居るこの男はどうしようか。
この部屋は愛する君と俺との愛の巣だったはずなのに。
痕跡から血液からなにから綺麗さっぱり無くさないと。
手始めに切断だと切れ味の悪い鋸を手に取った時、通知音がした。
『ごめんなさいあなた。
私、警察と組むことにしたわ。今アパートの前にいるの。
きっと牢屋から出られることは無いけれど、地獄ではあたしを恨まないで?』
最後に見た君からのLINEは 私が愛した女に最も相応しく、最も憎たらしいものだった。
#君からのLINE
「『LINE』はこれで今年3回目なんだわ……」
7月11日の「1件のLINE」、9月1日か2日付近の「開けないLINE」。そして「君からのLINE」。
さすがに4度目のこのアルファベット4文字は無いだろう、多分。某所在住物書きは配信された題目に対して、昨日に続き今日も、頭を抱えた。
ネタの枯渇である。加齢で固くなった頭で、そうそう何度もグループチャットアプリの物語を書けようか。
「『1件のLINE』は、普通にちゃっと風景書いたわな。『開けないLINE』は『開けない、既読を付けない』って話を書いた。……次は……?」
これ、次回のお題も難題だったら、どうしよう。
物書は悩みに悩み、何か突破口は無かろうかと、スマホの中のチャット履歴をそれとなく辿った。
――――――
3連休初日だっていうのに、心の中が嵐だ。
理由は2個ある。ひとつは金曜の昼休憩。私が読んでた推しの二次創作、「書きかけ」タグが付けられたやつの完結編が、推しの死ネタで幕を下ろしたこと。
なんか涙出そうになったけど、コレはコレで別に良い。二次創作だし、なにより物語そのものは感動できる終わり方だったから。
もうひとつがクソだ。職場のゴマスリ上司、後増利係長が、その日の夜に私達の仕事の成果を盗んでった。
コレのせいで、せっかくの土曜の、先輩のアパートでの美味しいシェアランチが、
ランチが、
……でも美味しい。
後増利係長。課長にその名のとおり、ゴマスリばっかりしてるエロクソ上司。
面倒な仕事は全部部下に丸投げして、その成果だけ横取りしてく、悪い上司の見本その2。
ちなみにその1はゴマスリの前任。今年の4月に成敗されたオツボネ係長だ。
ゴマスリは、私と先輩が、頑固なお客さん相手にコツコツ信頼関係結んで、何度も足運んで修正して、そうやって契約間近まで持ち込んだ仕事を、
最後の最後、あとは契約書にサインするだけって段階になって、「本来は自分の仕事だから」って。
うん(言葉にならない憤り)
「茶が入った。飲むか」
どちゃくそ頑張ったのに、その頑張ったのが、全部全然頑張ってないゴマスリの物になった。
それが金曜日。3連休前日の夜。
「おちゃ……」
私はもう、二次創作の感動と、悲しみと、色々かきむしりたくなる仕事の怒りとで、情緒がぐっちゃぐっちゃのまま土曜日に突入して、
朝ごはんも、昼ごはんも作る気無くて、そのぐっちゃぐっちゃを先輩に心配されて、チャットアプリのメッセでランチに誘われた。
『飯を作り過ぎたから食いにこないか』って。
「ごめん。機嫌悪いから、貰っても飲めない」
「そう言うな。ミント入りの、台湾烏龍だ。スッキリするぞ」
「無理ったら、無理。気持ちだけ」
「連休明けに赤っ恥確定のゴマスリをツマミに飲む茶は美味いと思わないか?」
「へ?」
「先方のご意向だ。大分お怒りになられてる」
火曜まで内緒だぞ。軽く人差し指を唇に当てて、スマホのチャット画面を見せながら、先輩が言った。
「金曜日、後増利係長に、仕事の成果を取られただろう。つまりあの件の担当者が、私とお前から、後増利係長に移るわけだ。
よって『担当が変わる』と、金曜の夜すぐ、あの客に連絡を入れたら、『お前らだから話を進めたんだ』、『担当を戻せ』とお叱りを受けてな」
ほら、コレだ。
先輩が見せてくれたチャット画面には、担当が私と先輩から、ゴマスリ係長になるって事実に対して、荒れに荒れまくってるお客さんのメッセが怒涛の勢いでブチ込まれてた。
わお(言葉にならない浄化)
「火曜日、朝イチで、電話によるご連絡を先方から」
氷の入った薄琥珀色、それで満たされたカップを、先輩が私に差し出した。
「スッキリするぞ。きっと」
しっとり汗かいたカップを受け取って、例のお客さんから来たメッセを見ながら飲んだお茶は、
確かにミントが鼻に抜けて、すごく、すっごく、スッキリした。
君からのLINE
うるさく言いたい訳ではないけれど、一言だけでも送って欲しい。落ち着かずに何度も画面を確認するくらいならお風呂に入ればよかったなと昨日と同じ後悔し始めた。
「……はぁ」
体を伸ばしながら視線を上げると短針は下半分を過ぎたくらいだった。自分がこんなに心配性だとは知らなかった。いくつになっても知らないことがあるのね、と暇つぶしに何度開いたかわからないニュース記事を見ながら思った。
私が同じ年頃にはメールがあった。今より通信制限があったし気軽なものではなかったから似てるとは言えないけれど、だからこそスタンプのひとつでも送って欲しいと思ってしまう。同時にそんなことわかってるけど面倒くさいのよねとあなたの気持ちをわかるフリもしてしまう。
「あー、もうやんなっちゃう!」
いつまでも考えてたらきっと帰ってきた時にやつあたりしてしまう気がして重たい腰を上げようとしたそのとき、この時間だけオンにしてる通知がなった。見慣れたアイコンと「もうすぐ家」とひとこと。座り直しながらこっちにも準備があるんだからもう少し早く連絡しなさいよと心の中で呟いた。だいたいもう着くなら送ってこないでさっさと帰ってきなさい。そんな理不尽なことを思いながら、あなたにおかえりなさいを言うための準備を始めた。
届かないと知っていても。
届くことがないと分かっていても。
それでもぼくは。
きみを、忘れたくないよ。
たとえもう二度と、会えなくても。
生まれ変わってしあわせに
「君からのLINE」
君からのLINEが来なかったら
私はナマケモノになっていただろう。
___まぁ、そのLINEもナマケモノだったらしい
通知がOFFになっていた。
君からのLINEはいつもそっけない
何してる?元気?
そうなんだ
おもしろいね
そっか
じゃあまたね
顔文字もない
それなのに
来ると嬉しい
またちょうだいね
君、君、君は誰?
ぽっちゃり系なあの子かな
ゴリマッチョなあの子かな
素敵なLINE 楽しいLINE
でもね、私にゃ届かない
何で、どうして、それはね
LINEを入れてないからさ~♪
おわり
君からのLINE
いない
もう返ってこない
送れば返信が来そうなくらいなのに
わかってる やっぱりわからない
最後に会った時
何を話したかな
なんて言って別れたかな
いつかはまた会うものだと思ってた
勘違いだった
会うべき人と後悔のないよう
君からのLINE
私はずっとそばにいてくれた人からLINE来るのが1番嬉しい!
いつも忘れた頃に返信が帰って来る。
たわいもない話しだから、それくらいがちょうどいいのかもしれない。そんなやり取りで、もう4年近くも続いており、今も続いている。
返信がいつ来るのか気にしていないし、自分自身も忘れていることが多いから、通知が入っていただけで少し嬉しくなる。
こんな、のんびりしたやり取りができる相手がいるのも良いものだなぁ。
「今までありがとう、愛しているわ」
――妻からラインが来た。
僕はベッドで横になってその文章を読む。
自分の体より、スマートフォンの方が温かいのは何故?
目を瞑っていると、また音が鳴る。
送られてきたのは数枚の写真。
近くにある公園で撮ったもの、遠い海に行って撮ったもの……
そして、僕と君が笑顔でピースをしている写真。
僕は微笑ましく思った。
嗚呼、また君に会いたい。
この体が動くのなら。
「……僕も、愛してるよ」
再び目を閉じる。
愛しい妻の声が聞こえたのは、その直後だった。
〜命が燃え尽きるまで〜
〜君からのLINE〜
君からのラインは来るはずもなくまた今日を迎える。
おはよう。毎日の朝は、過去の私にあいさつと呪いでトーストとコーヒー。
君の気持ちに気づいていながらそしてどうしようもなく君のことが好きだった私はその本気さゆえ君とラインをしない選択をした。
何も自立できていなかった学生は君を幸せにできないと考えたらしい。
今君は学生と付き合ってる。
君の幸せを考えるのはただの私のエゴで、あなたの幸せを願うことが私の幸せだと気づいたからまた明日からコーヒーとトーストを眺めて願うことにした。
僕が入院してた時から歯車は狂っていたのかな。君からのLINEが来なくなって3ヶ月。退院したら別の職場になってた。もう君には会えないのかな。これが、自然消滅ってやつなのかな。恋しいけれど、時間が過ぎるごとに君へのトキメキ忘れていく……。恋ってあっけないな。
デジタルデトックスとやらを
しようかと思い
スマホを開けないようにしている
しかしどうも気になる
LINEはきてないかなと
なんだか落ち着かない
便利なようで困ったものだ
うつ伏せで寝れるようになりたい。
悪夢を見れるから。
君が私に恨み言を言いながら、首を締めてくる。
私はいつも息を切らせて飛び起きる。
首をさすりながら、あれは夢なんて確かめてがっかりする。
君はこんな夢でしか出てきてくれないから。
LINEひとつ返してくれない、薄情な君に会いたいから。