『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつも
向かい合わせだった
御飯食べる時も
他愛ない話をする時も
お菓子をシェアして食べる時も
君と。
だけど、居なくなってしまった
君は居なくなってしまった。
僕ひとり、この部屋に残された。
御飯食べるのもひとり
他愛ない話は独り言になり
お菓子はもう食べる気すら失った
だけど…、
これで良かったんだ、とも思う
これ以上、君の苦しむ姿を
君が苦しい思いを
もう見なくても
もうしなくても
いいから。
だから向かい合わせの
僕の視線の先には
もう君はいないけど
…良かったんだよ。これで。
そう、自分に言い聞かせる
夏の終わり
#向かい合わせ
ギッという音を鳴らしながらキャスター付きの椅子に彼が座った。座ったまま足を蹴ってコロコロとこちらへ近づいてくる。その距離はどんどん近づいていき、とうとうトン、と膝同士が当たってしまった。おずおずと膝から顔を上げて彼を見るとニヤリと笑っている。
「な、なに」
「お見合いするって聞いたんだけど」
「う、うん...」
何を思ったか彼はさらにその距離を縮めてきた。もうこれ以上詰められることは無いと思っていたのに。彼の太腿の間に私の足が挟まった。
「俺の事好きなのに?」
「好きなんて言って無い」
「顔を見れば分かるよ」
近い。ドッドッと鳴る心臓はこれ以上ないというぐらいに動いている。顔に熱が集まっていくのが分かる。彼が私の頬に手を添えた。
「そんな顔で行くつもり?見合い相手が可哀想だろ」
「どんな顔」
「俺のことが心底好きだって顔」
ああ、いつから。彼の瞳に映る自分はとてもふやけた顔をしていた。私は彼に会う時いつもこんな顔をしていたのだろうか。
「うん。すきだよ」
段々と彼の顔が近づいてくる。一瞬触れた唇は少しかさついていた。離れた彼を見た。
「ふふふ。あなただって」
「何が?」
「私のことが心底好きな顔してる」
「........お見合い断って」
そう言って再度落ちてきた唇は私が息を吐き出した隙間を見逃さずにスルリと口の中に入ってきた。やわやわと動きだした舌をメッとばかりに少し噛んだ。
「...何」
「まだ聞いてないんだけど?」
彼は少し考えて、キャスターをコロコロっと私から距離を取った。そして膝を合わせて、向かい合わせになった。
「俺と付き合って」
結果なんて聞かなくても分かっているはずなのに、膝の上で拳を握る彼がとても愛しく思えた。
明日に控えていたお見合いをどんな理由で断ろうかと頭の隅で考えながら、返事代わりの短いキスをする為に彼の方へ、今度は私からコロコロと近づいた。
#向かい合わせ
【向かい合わせ】
なんてステキな言葉
ひとりではできない
ふたりでしかできない
向かい合わせが
できる人がいる幸せ
ぼくは自分が嫌いだ
いつかしっかりと向き合わないと と思うけれど
なかなかうまく向き合えない
毎日毎日向き合おうとするけれど
心のどこかにある嫌いな自分が
向き合うなと行ってくるような気がする
いつ僕はちゃんと向き合えるのだろうか
少しずつ向き合っていくしかない
いつか自分が好きになれるように
じしんをもとう
向かい合わせになっている椅子に
ただひとりぽつんと座った。
もしもうひとつの椅子に誰かがいたら、
どんな話をして、どんな関係になるのだろう。
そんな事を考えていても
誰かが椅子に座る事はなかった。
“向かい合わせ”
嫌いな人、苦手な人はきっと誰にでもいるよね
でもなんで嫌いか、なんで苦手か言える?
嫌いなところがあるから嫌い?
苦手なところがあるから苦手?
それなら君の大切な人たちの
嫌いなところや苦手なところは1つもないの?
嫌いな人、苦手な人ほど向かい合ってみよう!
もしかしたら君はまだその人の
ほんの一部しか見えてないかもしれないよ
向かい合わせで話してみよう
その人のことを知ってみよう
嫌いだと思ってたのに、苦手だと思ってたのに
実はめっちゃ気があって仲良くなれるかも
それでも本当に根から合わない人もいる
だから無理はしないでね
お題「向かい合せ」
玄関扉、上がり框を挟んで向かい合わせ。
1日が始まる、行ってらっしゃい。
暖かいご飯を置いて向かい合わせ
今日のおかずはあなたの好物で、あなたがニッコリ笑ってた。
小さなことで喧嘩になり、仏頂面で向かい合わせ
どちらも言葉が口から出ない。
ダイニングとソファー、各々の場所で視線が合わない時間だけがただ過ぎていた中、あなたが小さく「ごめん」と言った。
弾かれたような私の視線が、あなたの視線と合わさって、私もちゃんと、ごめんなさいを口にする。
あなたがいるソファーへ近づいて、しっかり心で向かい合う。
いつもありがとう、大好きだよ。
向かい合わせ
電車で向かい合わせの人たち。
みんなスマホ見てる。
私が変顔してても誰も気づかない。
顔を上げようよ。
顔を上げたほうが何かいいことあるかもよ。
部屋の乱れは、心の乱れ
021【向かい合わせ】2022.08.25
なにかのときに、朝日の画像検索をした。これがいいな、と選んだ画像のキャプションを見たら、夕日だった。それなら?、と疑問がわき、夕日の画像検索をした。やっぱり、朝日がまじっていた。朝日も夕日も画像としてはまったく同じで、どちらもキャプションを見るまで区別がつかなかった。
私たちは毎日のように朝日と夕日の区別をしながら生きている。でも、その区別は、朝日なら朝日の、夕日なら夕日の、それぞれ固有の特徴を捉えて区別している、というわけでなかったようだ。ただ、時間帯と見える方向、それに依存して、朝日か夕日か区別しているにすぎなかったらしい。
それもそうだ。朝日も夕日も、地上から低い角度に太陽が位置している、という点ではまったく等しい現象なのだ。天球を南北に二分する子午線を対象の軸として向かい合わせになった、まったく双子の自然現象なのである。だから、だるま夕日があるなら、その向い合せのだるま朝日もある。それは、至極当然の自然の摂理だ。
にもかかわらず。人間は朝日と夕日を別個のものとして認識する。だんだんと明るく、暖かく変化していく朝日に希望を感じ、おもむろにうす暗く、冷涼に変化していく夕日に衰亡を見る。
折り紙をぴったりと真半分に折り重ねたように瓜二つの自然現象に、人間は、真逆の意味合いを付与する。写真に撮れば、たちどころに区別がつかなくなるというのに。それでも、真逆の意味を見出すのだ。
明日先生に会えるといいな
先生がいるかどうかだけで明日行くんだよ?
そんな事考えてるのは絶対に秘密
うららかな陽射しに、肌を撫でるそよそよと心地のいい風。今日は絶好の散歩日和だ。思わずスキップしたくなるような気持ちで家を出る。今日はいつもは通らない道でも通ってみようと、適当な路地を曲がって、曲がって、知らない場所に辿り着くまで進んでみた。段々と人通りが少なくなり、景色が見慣れないものへと変わっていく。
何度目かの路地を曲がると、煉瓦畳の細い道へと辿り着いた。
「こんな路地、あったんだ」
好奇心に心を躍らせ路地の奥へと進む。
塀の上で黒猫が欠伸をしている。
どこかからかはみ出た薔薇の花が道を飾っている。
雨が降ったのだろうか、花弁に水滴がついている。
地面の水溜りが空と私を映している。水溜りの中の私と目が合い、何故か夢を見ているような不思議な感覚に陥った。
ニャー
猫の鳴き声に、ハッと意識が現実へ戻る。目線をあげるとアンティークショップらしき店が目に映った。いつの間にか路地の最奥まで来ていたようだ。
「やってんのかな、この店」
人通りの一切ないこんな路地裏に客が来るとは思えない。隠れ家的なテイストを売りにしているのだろうか。
カランカラン
そっと扉を開け店に入る。
美しい金色の装飾に青い羅針盤の懐中時計、深い黒の中に薄っすらと青や紫が反射しているインクや、シンプルだけどところどころについた銀の装飾が映える万年筆。映画の中でしか見たことないような、英国風のクローゼット。
普段見ることのないアイテムが陳列された店内に、思わず目を奪われてしまう。
「いらっしゃいませ」
「わ!」
背後から声をかけられて驚いてしまった。店なのだから店主がいるのは当然なのだが、珍しい品々にめを奪われていた私はそこまで思い当たらなかった。
「すみません! 大きな声を出してしまって」
慌てて振り向いて謝罪をする。店主は店の雰囲気によく似合う、老紳士といった見た目をしていた。
「ふふふ、大丈夫ですよ。そんなに輝いた目で見て貰えると親としても嬉しいです」
「親?」
「ああ、失礼。ここにある品々は、私にとっては子供のようなものなのです」
不思議な雰囲気を持つ人だ。老人なのだから年は離れているに決まっているのだが、なんとなく数十年どころではない年代の違いがあるような貫禄がある。見慣れない品々達の持つ雰囲気も相まって、異世界に来たように感じた。
「どうです? 誰か気になる子はいましたか?」
物を言い表す言葉にしては違和感を覚えるが、それだけ商品のことを大事にしているのだろう。
ふと視線を感じた私はくるっと店内を見渡した。すると、1つの鏡が目に入った。
私の背と同じぐらいの全身鏡で、じっと見つめると鏡の中を私も見つめ返してくる。すると、また夢を見ているような感覚に包まれた。しかし、どこか悪い気はしなかった。
「ふふっ、その子ですか」
「あっ」
いけない、またぼーっとしてしまった。
「どうでしょう、その子。引き取る気はありませんか?」
「え?」
思いがけない店主の申し出に驚く。しかし、今は手持ちがない。
「すみません、今持ち合わせがなくて……」
「ああ、お代は結構ですよ」
「え? で、でもそんなわけには……」
「実はね、ここの子たちは売っているわけではないんですよ。私はこの子たちが望むべき場所へ行けるように手助けをしているだけなんです」
そう言って、店主は愛おしげに鏡を撫でた。不思議なことを言う店主に、この人もしかして電波なのかなと薄っすら思った。
「あなたはきっと優しい方なんでしょう。どうか、この子をよろしくおねがいします」
そんな店主の声が聞こえた次の瞬間、私は自分の部屋にいた。夢を見ていたのだろうか、なんて考えながら部屋を見渡すと、1つだけ家を出たときと違う点があった。
「鏡……」
先程のアンティークショップで見た鏡があったのだ。恐る恐る鏡の正面に立ち、じっと映る私を見る。また、私と目が合った。鏡の中の私はどこか満足げな雰囲気を漂わせていた。
─向かい合わせ─
🍀向かい合わせ
私と先生が向かい合わせになることは
もうそうない。
教室の廊下側の席の1番前。
そこが私の指定席かつ特等席。
授業の内容を教える先生の姿を誰にも遮られずに
ずっと見ていられる。
授業中だから目が合っても大丈夫。
目が合うと恥ずかしいからすぐ逸らすけどね。
でもこれは昨年までの話。
今年は先生の受け持つ科目がないから。
だから授業をしている先生の姿を見ることは出来ないし、
目を合わせる機会もない。
でもね、先生と話す機会が完全に無くなった訳ではないの。
先生とはすれ違う度に
挨拶して、自販機に来てたら「奢ってくれるんですか!?」とか言って、頑張って話題見つけて繋がり保とうとするの。
あとは先生の教える科目ではないけど
担当の先生の教え方がいまいち分からないから
遅くまで先生に教えて貰って。
(ちなみにめちゃめちゃ分かりやすかった。担当の先生より分かりやすかった)
向かい合わせになることは減ったけど、
前と変わらず関わりもててる。
「向かい合わせ」
I really don't like the seats facing each other.
私は、向かい合わせの席がすごく苦手。
You have to look the other person in the eye and talk,
相手の目を見て話さないといけないし、
and you feel strange pressure.
変なプレッシャーも感じてしまうから。
That's why I always have a counter seat when I eat out or eat at home.
だから外食する時も家で食べる時も絶対全てカウンター席にしている。
You don't get confused by the other person's pace at the counter.
カウンター席は相手のペースに惑わされないから。
When I tell my friends about it,
they say, "It's like a society."When I asked him,
そんな事を友人に話すと、「まるで社会のようね」と言った。
"Why?" he said,
どうして?と聞くと、
"Because when you go face-to-face, you feel very inferior when one of them grows up.But if you go side by side, you don't feel pressured no matter who grows up." When I heard my friend's words,
「だって向かい合って進むとどちらかが成長した時、すごく劣等感を感じてしまうじゃない。でも隣に並んで進めば、どちらが成長してもプレッシャーを感じないもの」
I thought,
私は友人のその言葉を聞いて、
"Oh, that's right.
ああ、その通りだと思った。
わたしは、君と向かい合わせになったことはない。
いつも、離れていた。
ときには、近いこともある。隣にいるときもある。
でも、いつもは違う。ただ運がいいだけ、
もしかしたら、これからもそうなのかもしれない。
向かい合わせ。
今日の2人は
向かい合わせで
少し遠かった。
でも久しぶりに見れて
本当に嬉しかったよ。
明日も向かい合わせで
見れるように
今から頑張るよ。
待っててね。
お題「向かい合わせ」
向かい合わせで、にこっと笑う。よし、今日も一日乗り切ろう、そう思いながら化粧をする。
私が目元に色を乗せれば、あなたも同じようにのせる。目を開ければあなたと目が合う。
話しかけても同じように口を動かすだけ、返事はくれない。何も言わずにまねっこするだけ。
どんなにぎこちない笑顔でも、涙を流しても、あなたは私のまねっこをするだけだ。
向かい合わせのあなたが、励ましてくれたらいいのに
ーー今 東を向いて
私は西を向く。
夕陽が オレンジ色に
窓いっぱいに広がっている。
500キロ離れてても
あなたと私 今
向かい合わせ、、、
再び鏡の中に視線を落とす。
美しい金縁に似合わない私が、
つまらなさそうに自分を見つめている。
私だが私ではないそれを"自分"と呼べるのは、
鏡を隔てることで互いを向かい合わせているからだろう。
「あなたは誰?」
『誰?知らない。だって私がそこに立っていなかったら、私は私じゃない人を映すから』
ガラスの向こうで彼女がくすくすと笑う。
"それ"はもう、私の姿ではなくなっていた。
向かい合わせ.
向かい合わせ
あなたとわたし
向かい合わせ
真剣なあなたの瞳
嘘偽りもないきもち
あなたをじっと
見つめるわたし
無言の時間
ぽつりとあなた…
話し出す
ぼくにはあなたが
必要です。大切な
人です
愛してる
涙溢れて…
うれしい…
とってもうれしい
あなたをじっと見つめて
わたしも愛してる
愛してる…
大切な大切なあなた…