🐥ぴよ丸🐥は、言葉でモザイク遊びをするのが好き。

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021【向かい合わせ】2022.08.25

なにかのときに、朝日の画像検索をした。これがいいな、と選んだ画像のキャプションを見たら、夕日だった。それなら?、と疑問がわき、夕日の画像検索をした。やっぱり、朝日がまじっていた。朝日も夕日も画像としてはまったく同じで、どちらもキャプションを見るまで区別がつかなかった。
私たちは毎日のように朝日と夕日の区別をしながら生きている。でも、その区別は、朝日なら朝日の、夕日なら夕日の、それぞれ固有の特徴を捉えて区別している、というわけでなかったようだ。ただ、時間帯と見える方向、それに依存して、朝日か夕日か区別しているにすぎなかったらしい。

それもそうだ。朝日も夕日も、地上から低い角度に太陽が位置している、という点ではまったく等しい現象なのだ。天球を南北に二分する子午線を対象の軸として向かい合わせになった、まったく双子の自然現象なのである。だから、だるま夕日があるなら、その向い合せのだるま朝日もある。それは、至極当然の自然の摂理だ。

にもかかわらず。人間は朝日と夕日を別個のものとして認識する。だんだんと明るく、暖かく変化していく朝日に希望を感じ、おもむろにうす暗く、冷涼に変化していく夕日に衰亡を見る。
折り紙をぴったりと真半分に折り重ねたように瓜二つの自然現象に、人間は、真逆の意味合いを付与する。写真に撮れば、たちどころに区別がつかなくなるというのに。それでも、真逆の意味を見出すのだ。

8/25/2022, 11:50:08 AM