友情』の作文集

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友情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/25/2023, 8:37:45 AM

~友情~

私達は仕える者同等の立場ではありません
それゆえ友と呼ばれることはないのです


56文字の黒の史書

7/25/2023, 8:19:25 AM

今日のテーマ
《友情》





「あのね、お願いがあるんだけど」
「なに、そんな改まって」
「今、好きな人がいるの。それで、協力してほしくて」
「別に構わないけど、相手は? 協力って何すればいいの?」

クラスで一番仲が良い、親友とも呼べる相手からの言葉に、わたしは詳細を聞くこともなく頷いた。
飛び抜けて美少女というわけではないかもしれないけど、友人は女のわたしから見ても庇護欲をそそるタイプで、顔も可愛い。
掃除をサボる男子相手に箒を振り回して追い立てるわたしと違って、こんな子に告白されて悪い気がする奴はそうそういないだろう。

大好きな友達に彼氏ができてしまうのは、本音を言えば少しさみしい。
だけど、友達として、その恋が叶う協力を惜しむつもりはない。
一体その果報者はどこのどいつだと身を乗り出して聞くわたしに、彼女が告げた名前はとても意外な相手のものだった。

「幼馴染みなんだよね? 私、あの人のことが好きなの。協力して?」

拝むように手を合わせ、小首を傾げる様子はまるでリスのよう。
でも、その表情からはどことなく必死さが窺える。
きっと、それだけ本気だということなんだろう。

彼女の言う『あの人』とわたしは、確かに俗に言う幼馴染みだ。
もともと親同士が学生時代からの友達で、小さい頃からよく一緒に遊んでた。
学校ではあまり話さないけど、今も休みの日に行き来してゲームしたり遊びにいったりしている。

ガタイも良く、ぶっきらぼうなあいつは、女子からは少し敬遠されるタイプだ。
あいつの方も女子はあまり得意じゃないと常日頃から言ってる。
ちなみにわたしは子供の頃からのつきあいで気兼ねもせずに済むから平気らしい。
いわゆる女らしさとは無縁なタイプだから、たぶん女子の括りに入っていないんだろう。

恋人ができたら、普通は友達よりそちらとのつきあいを優先するものだろう。
あいつだって、彼女が自分より友達を優先したら面白くないだろうし、彼女にしても彼氏が自分以外の女と遊ぶのはいい気持ちがしないに違いない。
それらを踏まえると、この2人がつきあったら、わたしは友達を2人同時に失うということになるのだろうか。

いや、2人がつきあい始めたからといって、わたしを邪険にするなんてことは思ってない。
2人ともそんな薄情な性格じゃないのはよく分かってる。
それでも、心の狭いわたしは、どうしても疎外感を感じてしまわずにはいられない。

「……駄目かな?」
「あ、ごめん、ちょっとぼーっとしちゃっただけで。駄目なんて、そんなことないよ」

自分は上手く笑えているだろうか?
嫌だなって思う気持ちが顔に出てしまっていないだろうか?
胸がきゅっと苦しくなるのを必死で宥めながら、わたしは何でもない振りでそう答えたのだけど。

「嘘つき」

拗ねたような声音できっぱりそう詰られて、ぎくりと身が強張った。
こちらを見上げる彼女は、怒っているような、哀しみを堪えているような、そんな顔をしている。
どうやらわたしの狭量な胸の内は彼女には筒抜けだったらしい。
恥ずかしさと居たたまれなさで、わたしは苦笑いして前髪をかき上げた。

「ごめん、心が狭くて……」
「別にそんなことないでしょ。好きな人を横から取られそうになって平気な人なんているわけないし」
「ん?」
「これで自覚したでしょ? もう、見ててずっと焦れったくてしょうがなかったんだよね。自覚したなら、さっさと告って纏まっちゃってよね」
「……は?」

目を丸くして聞き返すわたしに、彼女の呆れた眼差しが突き刺さる。
つい今し方までの庇護欲がそそられる恋する乙女の姿はもうどこにもない。
狐の抓まれたような気分で瞬きを繰り返すことしかできないでいると、廊下からバタバタと騒々しい足音が近づいてきた。

勢いよく教室のドアが開く。
噂をすれば何とやら、駆け込んできたのは幼馴染みの彼だった。
血相を変えて、という表現がよく似合う、どこか切羽詰まった様子に驚く暇もなく手を取られる。

「好きだ!」
「はい?」
「子供の頃からずっと好きだったんだ! だから、オレとつきあってくれ!」

走ってきたせいばかりではない、真っ赤な顔で告げられた言葉が、ゆっくりとわたしの頭に浸透してくる。
これは、もしかして、告白というやつだろうか。
彼が? わたしに?

突然のことに頭の中はパニック状態で、何が何やら理解できない。
だけど、じわじわと込み上げてくるのは間違いなく嬉しい気持ちで。
そこでやっと、自分もまた彼のことが好きだったのだと、遅まきながら自覚した。

さっきの彼女の言葉にさみしさを感じたのは、友達としての彼を失うかもしれないことだけじゃなく、無自覚の恋が叶わない哀しみもあったのかもしれない。
後にそのことを彼女に告げたら、思いきり呆れた顔で「気づくの遅すぎでしょ」とツッコまれた。

彼の告白は、彼の親友が彼女と同じことをした結果によるものらしい。
要は、彼らは共謀してわたし達に発破をかけるべくそんな嘘のお願いをしてきたというわけだ。
鈍いわたしが恋心を自覚するより早く、もともと自覚のあった彼の方が動いてああなった、と。

わたし達が無事にくっついたことで、わたしの親友と彼の親友が実はつきあっていたのだということも判明した。
発端は「見ていて焦れったかった」「ダブルデートがしたかった」という彼女の要望によるものだったのだという。

「これは、友情に感謝すべき案件かな?」
「いや、そういう側面がないとは言わないけど、オレは絶対感謝なんかしたくねえ」

わたしの感想に、彼は顔を顰めてそう断言する。
でも、彼らのおかげでこうして幸せを満喫できているのは事実なわけで。
こんなことがなければ、きっと今もまだ自分の気持ちに気づかないまま、いつか離れ離れになってたかもしれないんだし。
だから、振り回された形の彼には悪いけど、わたしはやっぱり彼らの友情にこっそり感謝をしてしまうのだった。

7/25/2023, 7:38:27 AM

友情はいつか壊れる。
私は裏切られた過去があるから素で笑うことが出来ないし今仲いい子のこと信じていいのかも分からない。

7/25/2023, 7:18:29 AM

私はそんな不確かなものを信じられない
信じたこともあった
信じていたかった
それは、裏切られたから

利用されていただけだった
彼女にとって私は道具に過ぎなかった

確かな繋がりだと思っていた
それは簡単に切れてしまうものだった

力になりたいと願った
全部全部嘘だった


表面だけの友情は
果たして友情と呼ぶにふさわしいのか

友情とは
それで許されてしまう程度のものなのか

考えても分からなかった
分からなくなった
疑いだした
信じなくなった

期待したって無駄なのだから
私はもう、信じない

7/25/2023, 7:18:05 AM

男女の友情は 存在しない。
私はそぅ考える。

仲良くしている男女は
何らかの理由があって。

どちらかが 恋心を押し殺している
自己犠牲の上に成り立つ 友情。

もしくは
それで十分なんだという
自己満足の元の友情。


男女の友情は
悲しくて美しいもの。



#友情

7/25/2023, 7:04:48 AM

【友情】


中学の頃から、男女問わず人の輪の中心に彼女はいる。
僕はその輪に紛れていたり、遠くから眺めたり。
目が合うと手を振られるから、僕も笑顔になって近づく。
おかげで、社交的でないのに多くの友だちができた。

同じ高校に進学したのは僕と彼女だけ。
僕らは家が近いらしく、帰る方向がいつも一緒だった。
「着いてきてる?」なんて疑われたこともあったけど。
誤解はすぐに解けて、僕らは寄り道仲間になった。

初めは天気とか趣味とか、お見合いみたいな話ばかり。
それが今では「好きな人いないの?」なんて話もできる。
彼女は新しい店や商品を見つけるたび、僕を誘う。
好みが合うから気を許し、長い付き合いになっている。

今日も誘われ、キッチンカーでクレープを買うことに。
僕はクリームたっぷり、彼女はお食事系を選んだ。
半分ほど食べたところで彼女の視線に気づく。
甘さが欲しくなったらしい彼女と交換して残りを食べた。

翌朝、電車で会った彼女に話しかけると気まずそう。
ぱっと顔を背けられ、別の車両へ行ってしまった。
それから距離を取るようになり、一緒に帰らなくなった。
彼女が嫌ならと思い、僕もあまり近づかないようにした。

僕らは親しかった。でも、きっと仲違いしたと思われる。
最近の僕はおかしい。いや、おかしいのは彼女もそうか。
僕は輪に寄らず眺めるだけで、彼女は目が合うと逸らす。
並んで帰っても会話は弾まないし、物を分け合わない。

入学当初はもっと普通で、なんていうか自然だったのに。
話題がなくても話せたけど、用事がないと言い訳をする。
彼女の目を気にしてしまい、気持ちが落ち着かない。
今までどう話していたのか、わからなくなってしまった。

7/25/2023, 6:59:16 AM

「友情」#8

友情を感じる時は
情を受けるよりかは与える時のほうが強く感じる
あっ自分目の前のやつを友人と思い、
思いの強さだけ情を与えているんだって!
もちろん受けて側の方が楽だけど
こと愛情友情というものは与えてやっと気づくものだと思う!
受けすぎるとそれが当たり前になってしまうから、、、

7/25/2023, 6:53:34 AM

#友情

友情は、話してるだけでも楽しい大切な人。実は、
友情はなによりも硬いんだ。たとえば、恋人が1人、友人が1人といたら、縁が深いのは友人ってわけ。なんでかって?『友人』は、元々知らない人でしょ?元々知らない人なのに、ここで友情まで届いてるということは、恋人より縁は深いのだよ。
まだ、恋人の方が縁が深いと思うでしょ?
恋人は、結婚相手とか、付き合った同級生だとか、色々あるけど、恋人も、知らない人から始まりだけど、『付き合って』とか、「結婚して」とか、
言い方もある。
でも、自分で考えて、友人になるまで努力して、今友人が沢山いる人と、告白をして彼女がいるのとだったら、友人の方が人数も多く作れるし、恋人よりはよりよいはず。

それに、「友達になってください」と、『付き合ってください』で、言い方は違う。僕は、「友達になってください」の方がドキドキすると思ってるかな

7/25/2023, 6:53:18 AM

大切だから話を聞いてあげたいと思う
失いたくないから手を差し伸べたいと思う

悩みも不安も全て背負い一緒に悩んで泣いてあげる
友情はそうやって築き上げるものだと信じていた

それなのにどうして私がこんなにも苦しいのだろう
全てを一身に受け止めた私の中に
ドロドロと黒い塊が溜まっていく
そのうち黒い塊は私の全てを覆うのだ

………

大切で失いたくない存在を
私は自ら手放してしまった

7/25/2023, 6:42:31 AM

みんなの一歩後ろに居て笑い合う様子を見るのが好きだ。
みんなの表情がころころと変わっていく様子を見るのが好きだ。
個性あふれる容姿を見るのが好きだ。
ひとりひとりの性格を感じる言葉遣いを聞くのが好きだ。

でもやっぱり、
1番は
そういう素晴らしいところに
さりげなく、
私も混ぜてくれるところかな。

7/25/2023, 6:21:41 AM

"友情“



母はこう言った
  「友人は多く居ても心を許せる人は少ない」と。

昔の私は、それがよく分からなかった。

けれど、今ならそれが、よく分かる。

少しずつ変わっていくのだと。
多く友人がいるのが一番と言う訳では無いのだと。

なんて言って、纏めたらいいのだろうか…私には、文才が無い。だから一丁前に、良い事は言えない。
だから、こう言おう。


 「全て多ければ良いと言う事では無いのだと。」

7/25/2023, 6:15:10 AM

「おはよう」
「だよね〜」
「わかる」
「またね」

必要な単語はそれだけ。あとは笑顔と頷き。同意して肯定して同調して慰めて。毎日毎日そうやって時間が過ぎてゆく。

正直多分彼女のことは何も知らない。それはきっとお互い様で。ここにいる誰も何にも興味ない。ただ作られる"わ"から外されぬよう努め時を待つ。


それを"友情"とラベル付けしているの。

7/25/2023, 6:08:27 AM

僕は君が嫌いだし、君だって僕のことが嫌いだろ?
 それでもこうやって行く先々で出会ってしまうのだから、妙な縁だと言うしかないね。
 え? それなら今から背中合わせになって、それぞれ反対方向へ進んでいけばいいだって?

 なるほど。それはなかなかにいいアイデアだね。よし、君のその案に乗ろうじゃないか。
 もしかしたら、これが君と顔を突き合わす最後になるかもしれないな。
 それでは、記念に握手でもしとこうか。

 ん? 何だいその嫌そうな顔つきは。
 君ね・・・・・・。こういう時くらい愛想のひとつも見せたらいいじゃないか。嫌いな相手とも上手く付き合うのだって、大人の嗜みだぜ?

 あー、はいはい。僕だって君とは金輪際、顔を突き合わせたくないよ。

 だから、ほら、手、出して。

 ──痛い、痛い。

 思いっきり握り締めないで。
 まったくもう。
 こんなに遠慮なく僕みたいな奴に突っ掛かってくる馬鹿は、この広い世界で君くらいのものだよ。



【友情】

7/25/2023, 6:07:47 AM

「自分の宝物を紹介しよう」

学校の授業でその課題が出た。

私の宝物…?

私は全然思い浮かばなかった。

そこで授業後に私は友達に
「どういうのが宝物だと思う?」
って聞いた。

すると、友達は
「もし、それが無くなったら絶対嫌だなって
 思うものじゃないかな。」
って答えてくれた。

私は家に帰ってから、いろんなことを
思い返したりしてたくさん考えた。

そして、私は宝物だって言えるものを見つけた。

それは「親友」だった。

1歳の頃からの幼なじみ。
性格はほとんど正反対。
似てるところはとても少ない。
中学校からは別々の学校に通ってる。
それでもたまに遊びに行ったりする。
1番一緒にいて落ち着く存在。

出会ってからのことをいろいろ思い出していた。

彼女がいなくなったら、私は心の支えを
失ってしまうかもしれない。

それぐらい大切な存在なんだって改めて思った。

これからもこの友情が続いていくことを願おう。




#友情

7/25/2023, 6:07:30 AM

友達はいません。どこから知り合いから友達になるのか。
遠慮せず会話が持てるようになったら友達なのか?
相手が好きで相手も自分が好きなら友達なのか。
今日から「友達です」と宣言したこともなく。
いたらいいのか?いない方がいいのか。
分からない。

7/25/2023, 6:05:40 AM

子供の頃から長く続いた彼との友情は突然終わりを告げた。

「僕と結婚してください」

 いや受け取ったけどさ。

「友情から愛情になったね」

 って、やかましいわ。バカ夫。



お題:友情

7/25/2023, 5:58:19 AM

美しい友情を築くにあたり大切なこと。互いの信頼と、勇気と、思いやりの心。

「コミュニケーション能力!」

なぁに? それ。

「ボクコミュ障だから、友情なんて欲しくても手に入らないの」

喋れないわけじゃあないんでしょ? 言い訳しちゃだめだよ。

互いの信頼、勇気、思いやりの心。これさえあれば、人類皆友達さ。

7/25/2023, 5:34:10 AM

俺は余り人との関係を築くことが苦手だ 。
友達 、とか親友とか正直良く分からない 。少なからず向こうから話しかけて来る奴も居るが、いつも上手く対応出来ずに気まずくなるだけだ 。だから皆離れてく 。

… いや、でもそうだな
一人だけこんな俺に怯まず毎日話し掛けてきてくれる奴が居た 。始めはどうせ直ぐ離れて行くと思ってたから毎日塩対応してた 。けど、どんなに酷い対応をしても折れずに歩み寄ってくる彼奴に俺の方が折れた 。

そこから初めて友達、親友ってのに巡り会ったんだ 。
_ でもその中で 、ただ一つ信じたく無かった出来事が起こった 。其れは、彼奴が余命宣告されたこと 。初めて聞いた時は なんの事かさっぱりだった。頭が追い付かなかった。…彼奴が病気持ちで入院してたってことも。

責めたく無かった 。けど、感情が其れを許さなかった。
” 何で 言って くれなかったんだ!”

そんな 言葉 が口から零れる 。其れを聞いた彼奴は
” ごめん 、心配させたくなかった 。親友の 君には どうしても 伝えられなかった ” なんて 力なく笑った 。

そんな顔して欲しいんじゃない 。違う 、俺はただ _

” 俺たち の 友情 に 掛けて 、 絶対 戻れよ ”

人嫌いだった 過去の俺は 未来でこんな 言葉を言うなんて思っても 居ないだろう 。だけど、これは本音だ 。



なんて 、これはもう 過去の話 。あの時学生だった俺は今じゃ社会人だ 。… あぁ、親友はどうなったのか?
さぁ 、どうだろうな 。あ 、悪い電話 掛かってきた 。

親友からの ご飯の誘いだった。あの頃と変わらず親友の彼奴からの誘いだよ 。これでもう 分かったろ?

友情 が 病気に勝った 、なんてな 。







#1

「 友 情 」

7/25/2023, 5:08:24 AM

「友情っつー友情でもないが、3月7日か6日あたりに『絆』っつーお題があった。あと、友情じゃなく愛情。『愛と平和』とか『愛を叫ぶ』とか」
ひとつ物語を組んでは納得いかず白紙にして、もうひとつ物語を閃いては以下省略。このままでは19時に次の題目が来てしまうと、某所在住物書きはため息を吐いた。
「書いて消して書いて消して。自分の納得いくハナシが出てこないからまた消す。……妥協って大事よな」
愛情の長続きも友情の長続きも、小説書くのも意外に根っこが一緒で、適度な距離を保ってどこかで妥協するのが大事、なのかも。
物書きは再度息を吐き、天井を見上げた。

――――――

寂しがり屋な捻くれ者と、その後輩が、美しき友情により結託して、高温続く今日から金曜までのリモートワークを勝ち取る。
そんなネタを、思い浮かんだは良いものの、うまくストーリーを組めなかった物書きです。
そこで本日は昔のおはなし、年号が令和に切り替わった直後のおはなしを、ご用意しました。

「藤森。この案件は、お前がやれ」
「お言葉ですが、宇曽野主任。私などが担当するより、主任がおやりになった方が、確実に、迅速に終わると思いますが」

5年前、2017年の都内某所。某職場。限りなくブラックに近いグレーのそこ。
2023年現在は隣部署同士。しかし当時は同部署の、入社3年生な捻くれ者と、その教育係兼上司。藤森と宇曽野という親友ふたりがおりました。
右手と左手を合わせ、握り合い、
左手と右手でバインダーを押し返し合い、
ギリギリギリ、グギギギギ。足を開き腰に力を入れ、柔道ごっこかレスリングごっこをしている様子。
親友同士が手を取り合って、譲り合う。
友情いっぱい。とても美しい光景ですね。

「お前が他のやつらを全然頼ろうとしないから、協力し合う習慣をつけさせるために、これを預けるんだ」
「人は得意不得意があります。私は単独の方が力を発揮できるし、ミスも少ない。ご存知でしょう」
「うるさいコレでチームを頼れ。誰かと手を取り合うことを学べ。お前に足りないのは『他人』だ」

他人に手を差し出せ。上司の宇曽野が諭します。
その他人に心をズッタズタにされたので、無理です。3年生の藤森が訴えます。
ともかく宇曽野は藤森と他人の手を繋がせたがり、藤森はまだ宇曽野以外の他人が怖いのです。
片や友を思うがゆえの厳しさ、片や目の前の親友ひとり以外心を開けない弱さ。初々しい背景ですね。

「そもそも何故友人の俺に他人行儀で話す」
「ご自身の役職お忘れですか。宇曽野『主任』」
「また他人行儀で言った。ペナルティーにこの案件」
「『パワハラ』もお忘れのようですね。『主任』」

ギリギリギリ、グギギギギ。
仕事の譲り合いはその後数分続き、結局、藤森が受けて単独で処理。
そんなこんなしていたふたりも、5年経過した現在では、双方職場でもタメグチの仲良しで、笑い合い語り合い、互いが互いのプリンを勝手に食べて喧嘩したりするのですが、
その辺に関しては、過去投稿分参照ということで。
おしまい、おしまい。

7/25/2023, 4:47:49 AM

下校中の暑い夏の1日、アスファルトから立ち上る熱気と強い陽射しを浴びながら、クラスが離れた君と歩く道。
授業で出た課題への愚痴、部活での失敗、新しい友達の面白かった話、SNSで見た新作コスメ。
話題には事欠かないのに、少しばかり感じる疎外感。
友情が不滅だとは思わない、些細なきっかけで変化することもあるだろうと理解もしている。
けれど今は、今だけは見ないフリをすることを許してほしい。
こんな気持ちから目を反らして、話を合わせて笑ってみせる、情けない私を許してほしい。
明確には出来ない、でも現状を受け入れきれないまま明日もまた君と道を歩く。

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