五 月 雨

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俺は余り人との関係を築くことが苦手だ 。
友達 、とか親友とか正直良く分からない 。少なからず向こうから話しかけて来る奴も居るが、いつも上手く対応出来ずに気まずくなるだけだ 。だから皆離れてく 。

… いや、でもそうだな
一人だけこんな俺に怯まず毎日話し掛けてきてくれる奴が居た 。始めはどうせ直ぐ離れて行くと思ってたから毎日塩対応してた 。けど、どんなに酷い対応をしても折れずに歩み寄ってくる彼奴に俺の方が折れた 。

そこから初めて友達、親友ってのに巡り会ったんだ 。
_ でもその中で 、ただ一つ信じたく無かった出来事が起こった 。其れは、彼奴が余命宣告されたこと 。初めて聞いた時は なんの事かさっぱりだった。頭が追い付かなかった。…彼奴が病気持ちで入院してたってことも。

責めたく無かった 。けど、感情が其れを許さなかった。
” 何で 言って くれなかったんだ!”

そんな 言葉 が口から零れる 。其れを聞いた彼奴は
” ごめん 、心配させたくなかった 。親友の 君には どうしても 伝えられなかった ” なんて 力なく笑った 。

そんな顔して欲しいんじゃない 。違う 、俺はただ _

” 俺たち の 友情 に 掛けて 、 絶対 戻れよ ”

人嫌いだった 過去の俺は 未来でこんな 言葉を言うなんて思っても 居ないだろう 。だけど、これは本音だ 。



なんて 、これはもう 過去の話 。あの時学生だった俺は今じゃ社会人だ 。… あぁ、親友はどうなったのか?
さぁ 、どうだろうな 。あ 、悪い電話 掛かってきた 。

親友からの ご飯の誘いだった。あの頃と変わらず親友の彼奴からの誘いだよ 。これでもう 分かったろ?

友情 が 病気に勝った 、なんてな 。







#1

「 友 情 」

7/25/2023, 5:34:10 AM