五 月 雨

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6/30/2024, 5:26:56 AM

__ 高校受験が終わり、4月から高校生 。

高校時代 は 青春 。なんて 言う けれど 、私は 全然 そんな事 無かった 。



高校生になってから進む月日はとても早くて、あっという間に6月の梅雨 。



_ かと思えば梅雨も明けて、今じゃ晴天続きだ 。

私の暮らす場所は山の中 。周りが田んぼに囲まれた道を自転車で通り抜ける 。と 、目線の先に見えた小さな店 。老夫婦が営業している店だ 。かき氷と書かれた暖簾が少し暖かい夏の風に揺らめくのが見え 、思わず唾を飲み込んだ 。

こんなに暑いんだ 。少しくらいご褒美を貰っても罰は当たりはしないだろう 。

そう思い自転車を隅に停め 、暖簾を潜り中に入る 。中では扇風機が回っており心地良い風が吹いていた 。

目当てはかき氷だったけど 、ふと横を見れば光に照らされて美しく青く光る飲み物 。そう 、中にビー玉が入っているアレだ 。目に入った瞬間 、これにしようと決めた 。

レジに行けば 、老夫婦のお婆さんの方が奥から顔を出してきた 。

「 お 買 い 上 げ あ り が と う ね 。」

そう、笑顔で伝えてくるお婆さんに気恥ずかしくなりながらも、「 い え 、」と 私も笑顔を返した。


「 も う 、夏 も 本 番 だ ね ぇ 。入 道 雲 も 毎 日 の 様 に 出 て る 。」

「 ‥ そ う で す ね 。」


お婆さんが会計を進めながら 、私に話し掛けてくる 。急に何だ?と思いつつ 適当に返事を返す 。

ふと 、お婆さんが


「 夏 は 、好 き か い ? 」


と、尋ねてきた。突然の質問に目を丸くして驚いてしまったが、゛そ ん な に 。゛ と 、目を伏せ答える 。゛そ う か い ゛ と 、微笑み返答するお婆さんに私は少し変わった人だなと思った。



帰りは 、お婆さんが外まで来て見送ってくれた。

「 ど う ぞ 、 ご 贔 屓 に 」

深々と頭を下げるお婆さんに此方も、少し頭を下げた。



その場を後にし 、青く輝く飲み物を自転車籠に入れて家へと帰る 。自転車を停め 、ラムネを手に持ち 、家に入ろうとしたら何かの紙が落ちた 。なんだと思い紙を取れば __


゛ かき氷 無料 券 ゛ そう 書かれていた 。


「 ... こ ん な 気 遣 い 要 ら な い の に 、」

でも、口から出る言葉とは裏腹に 心の中はとても 暖かく 目頭が少し熱くなった気がした。



大きな入道雲と共に、夏の日差しが照り付ける。太陽に重ねるように、青く光る其れを 空に掲げた。




「 ‥ こ ん な 青 春 も 、悪 く な い な 。」





始めて心からそう思えた 。






#2

「 入 道 雲 」

7/25/2023, 5:34:10 AM

俺は余り人との関係を築くことが苦手だ 。
友達 、とか親友とか正直良く分からない 。少なからず向こうから話しかけて来る奴も居るが、いつも上手く対応出来ずに気まずくなるだけだ 。だから皆離れてく 。

… いや、でもそうだな
一人だけこんな俺に怯まず毎日話し掛けてきてくれる奴が居た 。始めはどうせ直ぐ離れて行くと思ってたから毎日塩対応してた 。けど、どんなに酷い対応をしても折れずに歩み寄ってくる彼奴に俺の方が折れた 。

そこから初めて友達、親友ってのに巡り会ったんだ 。
_ でもその中で 、ただ一つ信じたく無かった出来事が起こった 。其れは、彼奴が余命宣告されたこと 。初めて聞いた時は なんの事かさっぱりだった。頭が追い付かなかった。…彼奴が病気持ちで入院してたってことも。

責めたく無かった 。けど、感情が其れを許さなかった。
” 何で 言って くれなかったんだ!”

そんな 言葉 が口から零れる 。其れを聞いた彼奴は
” ごめん 、心配させたくなかった 。親友の 君には どうしても 伝えられなかった ” なんて 力なく笑った 。

そんな顔して欲しいんじゃない 。違う 、俺はただ _

” 俺たち の 友情 に 掛けて 、 絶対 戻れよ ”

人嫌いだった 過去の俺は 未来でこんな 言葉を言うなんて思っても 居ないだろう 。だけど、これは本音だ 。



なんて 、これはもう 過去の話 。あの時学生だった俺は今じゃ社会人だ 。… あぁ、親友はどうなったのか?
さぁ 、どうだろうな 。あ 、悪い電話 掛かってきた 。

親友からの ご飯の誘いだった。あの頃と変わらず親友の彼奴からの誘いだよ 。これでもう 分かったろ?

友情 が 病気に勝った 、なんてな 。







#1

「 友 情 」