『友だちの思い出』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ここは月のコーヒー屋さん。毎日に悩み事を抱えてしまった人もくるお店。
今日も、オーナーのひつじがキッチンで忙しそうに準備をしています。
さて、今日はどんなお客さんが来るでしょうか……
2品目 「あんドーナツ」
「はぁ。」
安藤美鶴はため息をついた。小学校から家に帰るまでの道のりの中、これが3回目のため息である。
いつもより重い足取り。いつもより家まで遠く感じる通学路。そして、何よりいつも隣にいる愛衣が今日はいなかった。
それもそのはず、愛衣と今日、初めての喧嘩をしてしまったからだ。
ことの経緯はこうだ。愛衣には実は、好きな人がいる。その好きな人と、美鶴が今日の席替えで隣になってしまったのだ。愛衣に、こっそり席を交換してほしいと席替えに使う番号札を渡されたが、美鶴はそれを断ってしまった。なんだかズルしているような気がしたからだ。
愛衣が怒って美鶴にあたったのは放課後のことだった。
ほどなく家に着き、時間だけが過ぎて夜になった。
美鶴は、何度も何度もどうしたら仲直りできるか考えた。でも、いい策は寝る前の布団の中でも思い浮かばない。うーんうーんと考えているうちに、眠気に負けて眠ってしまった。
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「お客様。もうすぐできあがりますから、あと少々お待ちくださいませ。」
見知らぬ声で目が覚めた。
まず視界に入ってきたのは……ひつじ?だろうか。
2本足で立ち、何やら油で揚げ物をしている。
「ここはどこ?」
美鶴は目を丸くしながら聞いた。
「ここはね、月の上にあるちょっとしたカフェみたいなもんです。お客さん、安心して大丈夫ですよ。ちゃんと家に帰れるし、夢だと思って楽しんでくださいな」
そうひつじに言われると、
ああ、なんだ、そっか、大丈夫なんだ。
と美鶴は不思議と肩の力が抜けた。
「お待たせしました。こちら、今夜のスイーツ、
あんドーナツでございます」
コトリ、と良い音を立てて皿が置かれた。その上には
餡子とクリームがサンドされた揚げたてのドーナツが置いてある。
「さあさあ、お客さん、召し上がれ」
美鶴はあんドーナツにそーっと手を伸ばした。
一口、かじりつく。ジュワッとした生地と餡子の甘さが口の中で踊り出すかのようだ。
"そう言えば、愛衣と一緒にドーナツを作ったことがあったっけ"
美鶴はそんなことを思いだした。あれは小学2年生の時だったか。
「ドーナツってね、一個だけ揚げるんじゃあ勿体ないから、何個か揚げるでしょ?で、1人では食べきれないから誰かと一緒に食べる。簡単で、友達同士とも気軽に作れる。それに、友情の輪の形をしているみたいじゃない?」
ひつじはコーヒーを飲みながら続ける。
「誰だって、美味しいものやスイーツの前ではニコニコになれる。大丈夫、そんな簡単にドーナツも友情の輪も切れやしないから。」
美鶴は目の前の半分残ったドーナツを見つめた。
"半分こにしても、誰かと一緒に食べるって美味しいんだろうな"
明日、愛衣にドーナツを作ろうと誘ってみよう。
最初は気まずいかもしれない。でも、その先にある愛衣と笑いあっている未来を想像して、美鶴は満足げに目を閉じた。
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〈友達の思い出〉
「私はね…」「俺はこの時に…」「僕はあの時…」
何故か授業中に思い出大会が始まった。
「私は小学生の頃に1度だけ大きな火傷をしちゃって、今は隠れてるんだけど、まだ痣が治らないんだよね。」
彼女は僕の幼なじみで、その火傷をおった現場を見たことがある。
その火傷は僕のせいだ。僕があの時に押したから…
「でもあの時に𓏸𓏸がいたから、親がすぐ気づいてくれてさ、𓏸𓏸は命の恩人なんだよ!!」
「おおー!」「さすが𓏸𓏸!」
親には言った。僕がやったから。のにあんなことを言ってくれる彼女に片思いだった。
私の手はいつも冷たかった。冬などは、何に触れても、じわじわとした不快な痺れがあるばかり。
彼女は私の同級生で、部活動も同じ、帰る道の方向も同じだった。運動神経がよく、勉強もでき、絵を描くのも上手かった。努力を惜しまない人だった。
親友などと呼ぶほどには、互いの距離は近くもなかったけれど、下校時間にこっそり買って、二人で駐輪場の屋根に隠れて食べた、一つ百円ぽっちのアイスの味は、どうしてあれほど美味しかったのだろう。
ある冬の午後。下校時間に二人で帰路につき、他愛もない話をしながら並んで歩いていた。指先のかじかむ私の手を見て、彼女がそっと手を差し伸べた。温めてあげるよ、と。
繋いだ彼女の手の温かさが、私の冷たい手の血を絆す。与えられる優しさに心地よさを覚えながら、二人、いつもの帰り道を歩いていく。
ふと、
私は気づいた。彼女の手が冷たくなっていくことに。彼女は顔色ひとつ変えず、にこやかに私に話しかけている。私の手は、たしかに彼女の温もりを得たのに、それでも冷たいままだった。繋いだままの二人の手が、どちらも熱を失っていく。それでも、彼女は放そうとしなかったのに。
「もう大丈夫。」
私は彼女の手を放す。与えられるものもなく、奪い続ける浅ましさに、私自身が耐えられなかった。そう、と彼女が答えたのは、ちょうど二人の分かれ道の上。またね、また明日、そう互いに声をかけて分かれたら、その冬も、次の冬も、痺れる指を握りしめ、私は彼女と、二度と手を繋がなかった。
【友達の思い出】
星が好きなあの人
夜になると2人で空を見上げてた
あの星は?
あれは?
夏の大三角形
北斗七星
誰にも邪魔されない2人の時間
それはそれは短くてあっという間
次の夜はいつくるのか?
友達以上? 恋人未満?
ちょっと背伸びした不思議な夜の物語
自分の性格上、友だち付き合いを続けるのが難しい。
その時その時の環境に合わせた友だちは存在したものの、こちらの環境が変わるとそこで関係が終わってしまう。
これは私がマメな性格ではないこともあるだろうけれど、いちばんは口が悪いことだ。
冗談がきつすぎるために相手を傷つけてきた。
社会人になってからもう数十年経つが、私は友だちを作ることをやめた。相手を傷つけるような軽口しか叩けない私だから、やめた。
いまは顔見知り程度のつながり、よくて挨拶を交わす程度の人たちしか周りにいない。
これでいい。
冗談を言えるほどの仲にならなければ、相手を傷つけることはないから。
7/6 お題「友だちの思い出」
あれから8年経っていた。
「…懐かしいな」
「そうだね」
「クリスマスにおまえんちで麻雀した時にさ、あいつ、夜中じゅうケーキ食ってたよな」
「あれ罰ゲームじゃなかった?」
「そうそう。ていうか誰だよ、バイトで余ったの持ってきた奴」
「僕」
「ひでえなー!」
「いや、食わす方がひどいだろ」
酒を飲みながら話は盛り上がり、やがて。
「いいやつ、だったよな…」
ぽつりと落ちたつぶやきの後、部屋は静けさに満ちた。
俺はまだ、あいつらの思い出の中に存在するようだ。
8年。ようやく犯人は見つかって逮捕され、俺が思い残す事はなくなった。
8年ぶりに、穏やかな笑みと、温かな涙がこぼれた。
(所要時間:8分)※構想除く
「友だちの思い出」
みんなどうしてるかな
学校の廊下を、一緒に手を組みながらスキップして大爆笑したりとか。
黒板に絵を書きまくって、「画伯じゃん(笑)!」とお互い言い合ったりとか。
人通りの少ない階段で、秘密の話をしたりとか。
卒業したら、こういう時間が懐かしく思うようになるんだろうなって思ってた。だから大切にしなきゃねと。
でも分かってなかったんだ。卒業したら、もう二度とあの親友達とこういう時間を過ごせないんだって。
卒業してようやく気づいた。
楽しい時
一緒に大声で笑った
つらい時
黙って話を聞いてくれた
苦しい時
一緒に泣いてくれた
嬉しい時
自分のことのように喜んでくれた
その時々に
そんな友だちに出逢えたから
私もそんな人になりたいと思えた
あの日はそうだな、中学最後の花火大会だった。
受験勉強の間に行ったそこでは、人混みの中で背の高い君を必死に追いかけてた。
一緒に屋台は回ったけど、得に買うものもなく離れたところから花火を見ようとした時だったか。
君は僕に耳打ちしたんだ。「あそこにいる子、めっちゃ可愛くね!?」
それが僕ら3人の初めての出会いだったわけで、
それから僕ら3人高校一緒になってさ、ずっと一緒にいたわけよ。ほんとに仲良しで、今でも僕にとってはふたりが1番の友達なんだ。
ふたりが付き合った時も、最初は遠慮してふたりにしようとしたけど、特に今までと変わることも無くて、邪魔者扱いしない君たちがほんとに好きだった。
というわけで、色々あったけどさ、ほんとに僕がいちばん嬉しいんだ。
涙声で続ける。
「結婚おめでとう!」
会場には拍手が響き渡って、僕は一生懸命涙を拭いていた。
天気のいい春の日の、親友の結婚式の話。
─友達の思い出─
すぐ返すからと金を無心する奴ほど救いようのない奴だ、それも御丁寧にすぐ返すから金と前置きをつける。こちとら無理な事だってをわかってるけど、色々な面でお世話になっているから許容範囲のなかで金を貸したがノラリクラリ言い訳をつけちゃ返す気なく、この人もこれで私の中の抹消リストその一。話は変わり、先日四谷の四谷メディカルキューブに診察にいった。PT検査で体内のガンを見つけるらしい?結果はまた先、どんな結末になることやら?
見返りは求めていない。与えたぶんだけ欲しいとも思わない。仲良くなったのは理由があったんだろうけれど、思い出せない。
学生時代、誕生日にピアスをあげたらとても喜んでいたのを覚えている。それはあなたらしくなかった。まだ耳に穴あいてなかったし。
ふせた睫毛や、銀色のピアスを揺らすあなたのふしばった指に、私はいつもドキドキしていた。
留学するというあの人に最後にあった日、さみしさよりも不安がまさっていた私に、彼は言った。
「君との友情は失いたくない。これからも。」
寡黙なあの人の言葉が、私の心にすとんとおさまった。彼への尊敬、憧れ、悲しみ、怒り、いつか抱いた胸の高まり。
いつしか、私の霧がかった初恋は、何にもかえがたい友情に落ち着いていた。
今は寒い国に住んでいる、あの人。
元気にやっているかな。
一緒に買い物に行ったり、テーマパークに行ったり、カラオケに行ったり、食い倒れしたり、長電話したり、愚痴を言い合ったり、慰め合ったりとか、そういうことを積み重ねて、私たちは思い出を糧に毎日を生きていく。
いつもそばにいてくれたあなた。
1歳の頃から一緒だったよね。
喧嘩してもすぐ仲直りしてた。
少し長かった時もあったけど、
長くても2日ぐらいだった。
あなたは覚えてるかな?
覚えてないことが多いと思うけど、
さりげないあなたの気遣いに
私はよく救われてんだんだよ。
例えば、ハンカチを教室に置いてきてしまった時。
それに気づいたあなたは「ほら。」って言いながら
私にハンカチを貸してくれたよね。
その時に、やっぱりあなたは優しいなって思った。
他にも、私がしんどかったり気持ちが
落ち込んでたりした時には何も言わずに
ただそばで寄り添ってくれてたよね。
私はそれがすごく嬉しかった。
あなたは私のそばで自分のやりたいことを
していただけかもしれない。
でも、私はあなたがそばにいてくれたことで
すごく気持ちが落ち着いたし、安心した。
私は多分、これから親友と呼べるのはあなたしか
居ないんじゃないかって思ってる。
まず、あなたみたいな人に出逢えると
思ってないけど。
中学生からは全然会えなくなって寂しい。
その分たまに会った時に話すのがとても楽しみ。
これからも仲良くしてね。
大好きだよ。
#友だちとの思い出
『徐行運転』
徐行運転はノスタルジーだ ぼやけた頭 少しの眩暈
僕は今泣いてるんだろうか 上水路にあの日の友達
影になった思い出はなんだかはしゃいでいるようだ
ありったけのコインは偽物だけど たった1枚の百円玉は本物だ ペットボトル 炭酸飲料を分けあって 冒険に出かけたんだな 見通しの悪い交差点 青信号が僕を囃し立てている
最近痩せたんだ。鬱んなっちゃって。
ショウコちゃんっていつも酒のんで酔っ払ってるよね
私たち二人、おかしいですか?
出会いから何年経つだろう。
優しいあなたは、地下鉄で会いに来てくれた。
半分のあなたは、なぜか半分知っている叔母に
先に、声をかけられ
私は、不思議なまま話しかけた。
鬱を打ち明けてくれてありがとう
偏見どころか、、
助けにきたよ。
よく、頑張ったね。
おめでとうありがとう
:D santa clause
友だちの思い出とかいう話題が心底嫌いだ。何故なら語れる話を持ち合わせて居ないから。
まず第一に友だちと呼べる人間が居ない。学友は皆知り合い以上友だち未満、ただ偶然同じ年に同じ学校の同じ空間で時を共にしただけの他人だ。
そして二つ目、思い出になどそもそも興味が無い。俺にあるのはただの記憶であり、それらは思い出と言えるほど感情が含まれるものでは無い。
そんな俺にとって友だちの思い出なんて避けたい話題の最上位だ。のらりくらりと何とか躱したが、思う所が無いと言えば嘘になる。
関わりが無くなって十数年、今思うと悪くない奴らだった。詳しく覚えている訳では無いし、あってもなくても変わらない学生時代だった事は確かだ。でもそれでも────悪くなかったと、そう思う。何かが違えばわいわいと喋る奴らのようにキラキラとした思い出があったかもしれない。
とはいえそんな事を言っても今は今だし過去は過去。何が変わるわけでもなければ、相も変わらず思い出に興味は無いし不要だとも思う。我ながら友だち甲斐のない人間だなと独りごちた。
これからも、今までと変わらずこの手の話題は流し躱して過ごすのだろう。
胸の奥底、記憶の隅に確かに存在するそれを認める日。掬い上げられる日は果たして来るのだろうか。
2023.07.07朝「友だちの思い出」#09
【短歌・病褥】
「自信作」初めて食べたその粥は
塩味が強くて優しかった
-燭台切光忠・へし切長谷部-
(友だちの思い出)
あなたと過ごした
何気ない時間
そのすべてが
今となっては貴重なもの
たとえあなたが忘れても
わたしはずっと覚えてる
―友だちの思い出
僕たちは付き合いが長い。
友達の時から今までずっと仲良しだ。
もちろんケンカもするけど。そんなにないし。
あちこち遊びに行って遅くなった日は親に怒られたりさぁ。テスト期間中勉強どころじゃなくなったりさぁ笑
友達期間が長い。僕はずっと忘れられない出来事がある。
君が初めて泣いた日だ。
いや僕が泣かせてしまったんだ。
あの日から僕は君を泣かせないと決めたんだ。
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『好きだよ』
「え⁈なにどしたの急にやめてよ!照」
『こんなに1人の人とこうして長くいられるのはなかなかないと思うし、君だからなんだろうなって。
いつもありがとう。』
「、、や、やめてよ。、、」
『あ、泣いちゃった、ごめん笑』僕は彼女を抱きしめる。
「、、、私だって、す、すきだよ。、これからも、よろしくお願いします照。』
『ははっ。うん、もちろん!こちらこそよろしくお願いします!』
ぎゅーっと抱きしめる力がお互いに強くなる。
強く、
『いだだだっ!笑笑ちょっと!笑強く抱きすぎ!』
「離さないんだからっ笑」
あははっと君が笑えば僕は幸せ。