『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題 半袖
彼はわたしの二の腕が好きだと言って、半袖を着る時期はよく触っている。
さすがに人前じゃ触らないけど、家にいるときや車の中ではだいたい触られている。
触るというか、つまむ、つねるに近いので
ひどいと二の腕が真っ赤になっている。
わたしはそれを家庭内DVと呼んでいるのだが
当の本人は、『内側の肉は白くて柔らかそうだから』という理由で、まるで今まで正体を隠していた人喰い鬼みたいに
突然二の腕に噛み付いてきたりするので、いい加減うんざりしている。
基本的に苦しいのは得意だけど、痛みは痛みでしか感じられないので勘弁してほしい。
昨日のお題 天国と地獄
優しい男は死んだら天国に逝けるけど、
悪い男はわたしに天国を見せてくれる。
そんな感じの和訳をした人がいて、200回くらい頷いた。
地獄を見るって分かってても、悪い男って沼よね。
嵐のような週末が去って、一安心する。
今日は朝から雨が降っていて、今週はもうずっと雨らしい。
玄関で彼を見送って、そのうち梅雨入りだなと思いながら防水シューズどこにしまったっけ?と考える。
しあわせなんだろうか?しあわせなんだろうな。自分の中で行ったり来たり、そんな自問自答を繰り返す。
半袖について思ったこと
・半袖を着ると、何だか解放されたような気分になる。肩の重くなる上着、セーターから解放されるのだ。
・半袖になると、行動の自由が許される。両腕を真上に上げて背伸びをしたり、バレリーナがやってるような、片足を頭の上まで上げるあのポーズだって気楽にできる。
半袖を着ただけで何でもできるスゴい人になったような気分だ。半袖は着る人に行動の自由と無限性を与えてくれる。
これから半袖の季節が続く。秋まで。自由の始まりだ。
あの遠い夏の日。
貴方は私を置いていってしまった。白い無地の半袖Tシャツと一緒に。
貴方は海辺で私に言った。「俺ちょっと泳いでくるから待ってて。このTシャツ預かってて。」まだそう親しくもない私達の関係などお構いなしに貴方は脱いだTシャツを私にポイと軽く投げた。真夏の海辺の風は貴方が投げたTシャツを違う方向に空高くなびかせた。私があっと声を出しながら遠ざかるTシャツを追いかける。風がおさまりやっと私はひらひらと舞い落ちてくるTシャツを手に取った。もうホントに、貴方は人使いが荒いんだからって冗談交じりに思いながら貴方が走って行った海辺を見る。しかし、そこに貴方の姿は無かった。辺りを見回してもどこにも貴方はいなかった。あの日、あの時、なぜ貴方が私に何も言わずいきなり姿を消したのか。その理由は何か。どこへ消えてしまったのか。
それは永遠に解けない謎だ。
もうすぐで夏。Tシャツを着る時期。また私はあの夏の日の永遠の謎を思い出す。
ユートピア -理想郷-
死後の世界があるかなんて、実際に死んでみないと分からない。
死者が口を開き、そこがどんな場所だったかわたしに教えてさえくれればいいものだが。
それは叶わない。絶対に。
はるか太古から、あらゆる生命体は死んでいった。
数えきれない、星の数ほどの生命体が。
人間はどうやら他の動物よりも賢いそうで、死を恐怖する意識が備わっている。
そして、死という絶対に逃れられないイベントの恐怖から逃れるべく宗教を信じたりした。
また、死を最終手段として使って苦痛から逃れた者もたくさんいた。
もしもエデンや極楽があるとするなら。
そこにわたしの家族や知り合いがいるなら。
そこは人類の、あらゆる生命体にとってのユートピアに違いない。
わたしはそこへ行けるだろうか?
悪い子は地獄へ堕ちるのかな?
もしも死が無への入り口なら。
無こそが理想郷なのではないだろうか。
こうしている間にも、わたしは死へと確実に突き進んでいる。
100年後の世界に、わたしは居ない。
わたしが死んだら。
わたしの魂はどこへ行くのだろう?
ユートピアだといいな。
肉体を捨てて、自由になるなら、どこへ行こう?
逢いたい人がいる。
見たい場所がある。
戻りたい時間がある。
わたしが死ねば。
存在がこの世界から消えるだけ。
それは避けられないイベント。
夏は少しねぇ…
袖すりあうも他生の縁ってあるじゃん
半袖ですり合うって…
そうとう近いと思うんだ
引っ付きたがらない夏が来る。
五月晴れ とも言えない暑すぎる4月。
GW近いからって 出しゃばり過ぎな太陽。
気温優先 4月だって 半袖?
まだ4月 暦では春 肌を出すにはまだ早い?
めちゃくちゃ迷った 初デート服。
落ち着いたのは ニットの7分袖。
私たちの関係が 中途半端になっちゃったのは
中途半端な7分袖のせい?
まぁ 今だから なんとでも言えるけど。
#半袖
半袖だった。
真っ黒の無地の半袖。さりげないシルバーアクセサリーが左腕に嵌っていて、健康的な肌色と骨張った腕がペンを持っている。
風はなくて、君の奥二重は伏せられたまま静かに紙に向かってペンを走らせていた。
覚えているのはそれくらいで、名前も、何にも知らなかったけれど、少し肌寒い日に半袖だった君のことはよく覚えていた。
湿った空を君越しに見上げては、視線を戻す時には君の見かけによらず数のあいたピアスを盗み見るのだ。
君の声はどんな声をしているのかな。
どんな風に笑うのかな。
どんな音楽が好きなのかな。
どんな風に好きな人を呼ぶのかな。
「なに?」
「あ、ううん。なんでもないよ」
「大丈夫? ここ、わからない?」
君がそう言って指を指したのは、問6の問題で。すでに解き終わった君は首を傾げて私をのぞいていた。
君は空いたルーズリーフを取り出してペンを走らせた。
『ここに、xを代入。その式とこの公式をBで合わせる。そうしたらこの図のここが出るから。そうしたらあとは、この定理を使ったら解ける』
すっと紙を差し出してきた君の半袖からのぞいた肌が少し鳥肌が立っていた。
「寒いの?」
君は奥二重の目を見開いた後、顔を背けてしまった。数学の解説を無碍にしてしまったからだろうか。君の肩を叩いて振り返った君に「どうしたの?」と聞く。
「寒いの? って手話が……かわいくて」
恥ずかしそうに君は顔を赤らめて、曖昧な手話で返してきた。きっと声で話していたら、消え入りそうな声ってやつなんだろうな。
一気に暑くなったのか、顔を手でぱたぱたと仰ぐ君にほんの少しの風が吹いた。
半袖の君に会いたい…
会いたい!会いたい!君に会いたい!
あの日…君を見つけて…
半袖でない長袖の君を…見つけたよ…
駆け寄り…話したね…
高鳴る鼓動…二人の鼓動…
君の薄い桃色のシャツ…すき…可愛いミーチャン
半袖
5月の、蒸し暑い日
自転車に乗って
暗い雲の下を横切る。
ポツポツと当たる
大きな雨粒が
ペダルを漕ぐ足を催促させる。
腕に張り付いたシャツが
湿った空気を直に伝える。
手前を横切った小学生たちが
高い声を出してはしゃいでいる。
傘を持たずに走っていく。
彼らを見て
夏服で来ればよかった
なんて思った。
今日のテーマ
《半袖》
「寒くないの?」
「平気だし」
半袖ブラウスの袖口からのぞく腕にはうっすら鳥肌が立っている。
強がってるのは見え見えなのに、絶対に「寒い」と言おうとしない意地っ張りに呆れてしまう。
6月になって夏服に衣替えした途端、この時期とは思えないくらい低い気温になってしまった。
他の生徒は長袖のワイシャツやブラウスを着たり、カーディガンやセーターを着たりで温度調節しているというのに、隣を歩く幼馴染みは拳を握り歯を食い縛って寒さを我慢しながら半袖のまま登校している。
理由はたぶんいつもの兄妹喧嘩だろう。兄に煽られて引くに引けなくなった様子が手に取るように思い浮かぶ。
鞄にこっそりカーディガンかセーターでも入れてきて、学校についてから着てしまえばバレないだろうに、素直で真面目な彼女はそんなこときっと思いもしないんだろうな。
いや、そんなズルをするのは負けたみたいで悔しいのかもしれない。彼女はとても負けず嫌いだから。
そして俺は、そんな彼女の意地っ張りなところを誰よりも分かっている理解者でもある。
彼女を呼び止めて道の端に寄り、すかさず鞄からカーディガンを出してそれを羽織らせた。
「何これ」
「見てる方が寒いから今日はそれ着てて」
「別に私は寒くなんか……」
「うん、でも見てるだけで寒そうでこっちが風邪引きそうだから。俺のために、着てて。ね?」
強がる言葉を遮り、あくまでお願いの姿勢で頼むと、昔から俺にはお姉ちゃんぶりたがる彼女は満更でもなさそうに、でもあくまで渋々というポーズで頷く。
はっきり言ってチョロい。だがこのチョロさがたまらなく可愛い。
「でも、なんでセーター着てるのにカーディガン持ってるの?」
「急に寒くなる日とかあるじゃん。だから教室のロッカーに予備で入れとこうと思って」
「そのわりに、サイズ合ってなくない?」
「あ、間違えて去年のやつ持ってきたかも」
「ああ、あんたこの1年で背が伸びたもんね」
わざと今のより1サイズ小さい去年のを持ってきたことは当然言わないでおく。
去年の秋くらいにも同じようなことがあったからと念のために持ってきてた俺グッジョブと思ってるのも勿論ナイショである。
今の自分サイズのを持ってきても良かったけど、だぶだぶの男物のカーディガンなんか着せたら他の男子共からヨコシマな目で見られそうだし。
「あったかい……」
若干大きめなカーディガンから指先だけ出して、寒さで青白くなってた頬を仄かに色づかせながら小さな声でぽつりと呟くその姿は眼福もので、俺はニヤけてしまいそうになる口元を必死で引き締めた。
こんな地道であからさまなアピールを重ねてる俺の気持ちに、1日も早く彼女が気づいてくれますように。
そんな俺の祈りが成就するかどうかは神様だけが知っている。
ジメジメと蒸し暑い日が近づいて半袖を着る人が増えてきた
例に漏れず自分も半袖を着ている
ただ、どういう訳か友人は半袖の上に黒いカーディガンを羽織っている
暑くないの?と聞くと
もちろん暑い
黒いから熱を吸収して、ことさらに暑い
それでも何か羽織りたいのだ
と返ってくる
じゃあなんで、とさらに聞くと
「なんとなく」
そうはぐらかされた
梅雨が明け、本格的な夏がやってきた
おはよう、そう言ってやってきた友人は半袖だった
「半袖だ」
「暑いからね」
半袖から見えた彼女の腕は白く、眩しかった
〜半袖〜
★半袖
梅雨入りをした。
蒸し暑さとこれからくる夏のために
衣替えをしなければとクローゼットを整理する。
半袖のシャツと長袖の薄手の上着を何着か出して
左腕を眺める。
やはり夏になっても腕は出せない。
薄くなってきてはいるものの
人には見せられない幾つかの傷があった。
新しい傷はないけれど
それを見て心が落ち着くということは
私はあの頃と何も変わっていないのかもしれない
それでも、あの頃よりは少しはマシに生きている
そう思いたい
半袖から見えるはんこ注射に
あの日、泣き叫んでいたあなたが蘇る。
寒いよ、、。
過去の私達はいつもそう言っていた。真冬の空に親子で2人。寒いよお母さん、、。
ごめんね寒いね、、。
私達はいつもおんなじ服を着てたね。雪の滴る街で、半袖2着。お揃いだねお母さん、、。
そうだねお揃い、、。
大好きだよお母さん、、お母さんもだよ、、。
私達は2人で1つ。心は熱いよ、
ありがとお母さん。いつまでも。
〜半袖〜
半袖、夏、虫かご
あなたの笑顔が眩しい、あの夏の日
―半袖―
せっかく可愛い半袖シャツを見つけたのに
寒くなったら着れないじゃない
女の子は大変だ
どんなに暑くても日に焼けないように長袖を着て
いつだって可愛くあるためにメイクをして
女の子の日はイライラしちゃうし
女の子同士の関係もなにかの弾みですぐ壊れちゃう
もっと楽に生きられたらって思う
だからといって男の子にはそれなりの大変があるし
なりたいとも思わない
アダムとイブを作り出した神は
とても残酷だと思う
もう少し若い頃は抵抗があった。時期が来たからと言ってすぐには…。そんな感じ。
今はただただ快適を優先させるのみ。早め早めではいスッキリ♪
誰も見ちゃーおらんよ。思い出すのは母の声。
わたしの彼氏はいつも半袖だった。
イケメンで、優しくて、勉強も運動もできて……毎日半袖。冬でも半袖。
なんで?
その一点において激しく疑問を抱えていたわたしは、彼に尋ねることにした。
「どうしていつも半袖なの?」
すると彼は、
「うーん。まあ、強いて言えば、お前の愛が熱いから」
それは冗談をいう顔ではなく、マジだった。
「うっわ」
最悪である。とんでもないリアクションが口から漏れてしまった。
聞かれてないことを祈りつつ、彼を見やる。
彼はなんかすごく誤魔化すようにひどく変な顔をしていた。
やっぱりマジだったのか……。
凄いなわたしの愛!!
わたしが彼を愛しているかぎり、彼はわたしの愛を感じながら半袖を着続けるわけだ。
こんな簡単な相思相愛の確認方法があったのか。
わたしは、今度こそ確かな気持ちを言葉にする。
「もっと熱いやつ、半袖さえ着れないほどの愛を送ってやるよ」
「ふふっ、俺も負けてらんないな」
こうして、半袖男とノースリーブ女のカップルが誕生したとさ。めでたし。めでたし。
〜半袖〜
年間通して長袖しか着ないな。袖を捲くるだけだわ。「あれ?」ってなったら秒速で腹壊してるのと、日焼け対策に。マジで真っ赤になるだけなって皮むけて戻るからね。焼け損だよ。皮膚がんの可能性も高いとかさ、最悪じゃん。顔に日焼け止め塗って出てるとこ全部スプレーして長袖羽織る。
最近は涼しい素材多くていいけど、本気で真夏はセーブポイントかなってくらいには見えたコンビニ全部入るわ。そうすると寒暖差で腹壊すから長袖になるね。