『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私はあまり外で半袖を着ない。
着ないのは日光アレルギーという理由でもあるが、見られたくない傷も多々あるのだ。
傷が気持ち悪いからと…
半袖は着れない。
こんなに痩せてと…
上着を羽織りなさいと言われる。
だから、誰もいない夜道を
歩くときだけ
思い切り伸びをして歩くんだ。
腕を大きくふって
夜風が、鼻先にツンと沁みて
泣かないよ。
胸を張って、歩くんだ。
【お題:半袖】
半袖
さて、服の風通しも変わったし
私もそろそろ
こっちにも顔、出していきましょうか!
わたしの好きな人はなかなか半袖を着なかった。
長袖を肘までまくり上げて、どうせまくり上げるなら半袖にしちゃえばいいのにな、なんて、こんな小さなことにも鼓動が逸るような、それでいてどこかあったかくなるような、そんな気持ちでわたしはいつも、みんなの前に立つその人を見ていた。
血管の浮く、引き締まった腕が好きだった。
周りの男の人たちと比べると少し小柄な身体をめいっぱいに動かして、楽しそうにつくりあげる音楽が好きだった。
詩と真剣に向き合う考え方も、擬音ばかりの指示も、よく通るテノールの歌声も。
その人が好きな音楽を一緒につくり出せることが、その音楽の一部になれることが嬉しかった。
わたしにできることなら、なんでもしたいと思えた。
今日もまた、長袖をまくってる。いつ半袖にするのかな。
今日は半袖だ!なんだかレアなところを見た気分になるな。
指揮者と奏者の距離の分を、どうしても踏み越えられずに立ち竦んでいた臆病なわたしは、流れていく短い年月を徒に見送って。
想いの分だけ小さな輝きを重ねていた、そんな日常を、
もう失ってしまった。
-半袖-
お題【半袖】
「ふつー、下になんか着るもんじゃねーの」
男の指摘に、むっとして「この暑さで重ねて着ろって?」と睨みつけた。
めいいっぱいの棘を込めたのに、男は気にしたふうもない。それどころか不躾で不埒な視線が、遠慮なく注がれてくる。まっすぐに胸部へ。ふっくらと曲線を描く身体、白いワイシャツは案外無防備らしく、同じく白い下着を薄っすらとうつしている。
普通ならキャミソールやら着るのだろうが、暑がりの自分にとってそれは自殺行為である。たまにこの花すら枯れ始める真夏に学校指定のセーター来ている生徒がいるが、本当に同じ生物なのか怪しいものだ。
「羞恥心はどこに落として来たんだよ」
「はっ、別に裸じゃあるまいし。下着だって形だけでしょ」
直接見えるわけでもない。気にするほどではない、公然わいせつ罪にあたるなんてこともないはずだ。
少々男子のうるさい視線が面倒だが、暑さと天秤にかければ。いやかけるまでもない。涼しさの方が大切だ、なんたって命にかかわる。わりと本気で。
「じゃあせめて長袖にしとけよ」
「死ねって?」
「言ってねぇよ」
呆れた男が仕方なさそうに立ち上がり、気怠げにちょい、と袖を掴んできた。
くいっと引っ張られ、胡乱に男を見上げる。何が言いたいのか、したいのかさっぱり理解ができない。
男はほら、と指をさす。
「腕上げたら、裾から下着が丸み」
「――変なとこまで見てんじゃないわよッッ!」
ばしんと渾身の力で男の頬を引っ叩く。げふっとうめき声がしたが謝る気どころか、もう一発食らわされないだけありがたいと思えよ、吐き捨てた。
男はなんでこうも、どうでもいいところで目敏くて、面倒なの!
鳥肌を立つ両腕を、己を抱きしめるように擦って早足で、その場を立ち去る。後ろから気をつけろよー、と呑気な男の声がしたが、当然無視した。
【半袖】
僕は春夏秋冬、朝昼晩、どんな時でも長袖を着ている。
ずっと着ていて不思議に思う人や気味が悪いと思うもいると思う。
けど、僕にもちゃんとした理由がある。
ただ決して日に焼けたくないという訳では無い
僕は長袖を着ないと腕や脚が痒くなる。
原因はよく分からないがなぜか痒くなってしまう。
おそらくはストレスだと思うが詳しい事はよく分からない。
だから僕はどんな時でも長袖を着る。
【半袖】
講義室の左奥、ドアの近くのいつもの定位置。効きすぎた冷房の風に半袖から覗く腕をさすっていれば、不意に机に影が差した。
「また羽織るもの忘れたの?」
呆れたような声とともに、僕の肩へと布がかけられる。君のお気に入りの薄手のジャケット。それをそっと、落ちないように手で抑えた。
「一限の講義があると、朝あんまり余裕なくて。うっかり忘れちゃうんだよね」
「わかってるなら前日のうちに用意しなよ。風邪引いても知らないから」
ぶっきらぼうに言いながら、君は僕の前の席へと腰を下ろす。そうそうに文庫本を開いた背中に謝罪と感謝を告げれば、気にするなとでも言うようにひらりと片手を振られた。
いつも一人きりで本を読んでいる、とっつきづらい雰囲気の孤高の人。それが同学年の連中からの君への評価だ。だけど僕は知っている。君が本当はとても優しくて気の回る人だってことを。
ねえ、君は気がついているのかな。一限に講義がある日、僕がわざと羽織りものを家に置いてきていること。君より早く大学に来て、教室に入ってきた君の目につく場所でこれ見よがしに寒がってみせていること。だってそうしたら君はいつも、僕に構ってくれるから。
君の纏っていたジャケットから、ほのかに漂う甘い香水の香り。照れくささと嬉しさの入り混じった弾む気持ちで、僕は手の中でくるりとシャーペンを回した。
半袖
蒸し暑い日が続いていた。町の外れにある食堂、銀枝亭の面々は朝から汗だくで働いている。
「あっついなあ」
店のカウンターで釣り銭を用意するフィンは額を拭い、袖を捲る。机や椅子を運ぶシャーロットは起きた時から半袖だし、厨房のアリスは油跳ねや怪我を考慮して長袖だが氷の精霊に頼んで辺りを冷やしながら動き回っている。
「大丈夫?」
シャーロットが心配そうに声をかけたのはカイだった。彼ももちろん汗だくで息も荒い。だというのに長い袖を捲ることもせずに掃除を続けている。
「だいじょぶ」
「いやいや、汗だくじゃん! 顔も真っ赤だし、着替えておいでよ」
「やだ」
「なんで」
カイはムスッとしたままそっぽを向いた。
それからそっとシャーロットのむき出しの二の腕を見る。
「細いから」
「うん?」
シャーロットは聞き返す。
「だから! 細くてかっこ悪いから、腕を出したくないの!」
銀枝亭のフロアに沈黙が広がった。フィンは俯いて肩を震わせ、シャーロットはぽかんと目を丸くする。
カイは再びそっぽを向いた。
「あら、どうしたの?」
誰も動けずにいるところにアリスが厨房から顔を出した。
「いや、ちょ、ちょっと」
フィンは笑いながら説明する。
「ああ、なるほど。だから、あなた最近筋トレしてたのね」
「ちょっと! 姐さん言わないでよ!!」
こともなげに言うアリスにカイが涙目で噛み付く。
「そんなすぐには効果は出ないわよ」
追い打ちをかけるアリスにカイはがっくりとうなだれる。
「こ、今度から一緒にやろ?」
シャーロットの優しい(?)誘いに、カイは小さく頷いた。
お題
『半袖』
私の好きな人はいつも半袖半ズボン
こーゆー人って大抵一年中この格好だよね(笑)
ある日その人がその格好でベンチに座ってたの
あ、Aくんって例えよっか。
私が、いつもこの、時間に、
座っているベンチ
何も言わずに座る
横を見るとAくんは少し体を震わせてたの
カタカタカタカタ
見るからに寒そう。今日は風もあったから余計に
「ねぇ、寒いでしょ、、?」
『、いや、、平気。こんくらい』
震えてるのになんで強がるの……。
「いや、平気なわけないでしょ。」
「はい。これ私の上着、小さいかもしれないけどないよりマシ」
『…………。』
「ほら、早く。風邪ひいちゃうよ?」
Aくんは少し黙ってから私の上着に手をかけた
『あり、がと、、。』
「じゃあ、私帰るね?」
『あ、待って、』
さっきまで無言だった癖に
急に話しかけてきた。
『上着、ありがと。』
「あ、うん。」
『でも、もうちょっと一緒にいたい、かも。』
振り返ってようやく分かった。
Aくんが思ってたこと。というか聞いたって言った方が早いか、
”Aくんね、私のこと好きだったんだって”
遠い冬
あの頃の色は
淡い色
季節
夏になると太陽は糸を紡ぐ速度を上げ
織る月はせっせと働く
それでも余る明るい糸は月の手からこぼれ
光となって地上に降り注ぐ
その光はひまわりとなり
月の代わりに太陽の相手をしてくれる
※半袖
テーマ:半袖 #196
半袖着たい暑い季節が
もう、すぐそこまで来ている気がする。
暑さに負け時と体を動かすが、
暑さに負けてダウン。
もっと体力つけなきゃなぁ……。
夏、蒸し暑さが嫌になる。でも、それ以外に───。
「どうしたの? 真っ赤な顔して。」
「ううん、な、なんでもないよ。」
それ以外に冬服では見えなかったが夏服の半袖になると丸見えになる彼の逞しい腕とそこから流れる汗に私は毎年ドギマギする。
ああ、夏で暑い体がさらに暑くなって下敷きで仰ぎながら私は窓から空を眺めて彼と話をする。
彼女は夏になるといつも顔を赤くする。その理由は半袖になって半袖から見える俺の腕にドキドキしているからだろう。その姿が可愛くてからかうように毎年見せて
いるのだ。だから俺は夏服の半袖を着られるこの夏が一番好きだし、楽しみでもある。ああ、早く君がこの俺の恋心に気付きますように。そう思いながら今日も君に
話しかける。
「どうしたの? 真っ赤な顔して。」
『半袖』
入部して3ヶ月目になった
なぜ、バスケ部かって
音楽好きだからか
あのリズミカルな音が好きなんだ
たまに見学しに来てくれる君へ
いつか
お気に入りに夏歌、教えてくれたっけ
まだまだ未熟な俺だけど
肌に感じる風と
音を一緒に共感してたい
✳︎半袖✳︎
爽やかな春の風が過ぎ去って
じりじりと暑さが迫ってくる
少しずつ羽織が薄くなって
汗がベタつく……
──もうすぐ夏、か──
そんなに見つめないで?
ダイエットしてからって
決めてたのに……
そろそろ限界かもしれない
でも……
昨日はケーキで蓄えて
その前はドーナツで蓄えて……
その前も……振り返れば、ずっと蓄えてる……
じめじめとくっつく服……
そろそろ限界かもしれない
暑さは
私に“あせも”という
デキモノを作り始める
紫外線からも身を守りたいけど
あせも、が邪魔をする
あぁ……やっぱり、もう限界だ……
覚悟を決めて──
二の腕(あたし)、参上──!
今日から半袖!
あぁ、涼しくて爽やかになった──!
(2023.05.28/半袖)
〈半袖〉
夏の陽射しは、燃えるように照りつけていた。風もなく、熱気が襲ってくる。彼女は、白い半袖を着ていた。その半袖は、彼女の美しい肌を引き立てていた。彼女の髪は、あざやかな黒色で、軽く風に揺れていた。彼女は、まるで夏の女神のようだった。
彼女が歩くと、周りの景色も輝き始めた。自然の緑が、彼女の美しさをさらに引き立てた。彼女が笑うと、太陽の光がより明るくなり、周りが華やかな色彩に包まれたように感じた。彼女の美しさは、まるで自然そのものだった。
彼女の半袖からは、爽やかな香りが漂っていた。その香りは、まるで夏の風を感じさせるようだった。彼女の半袖は、軽やかな素材でできていた。風になびく様は、まるで楽曲のように美しかった。
彼女の半袖を見ると、涼を感じた。彼女は、まるで夏の太陽そのものだった。彼女の美しさは、誰もが魅了されるようなものだった。
今日は、朝方はそうではなかったけれど、
午前から気温が上がり、昼にはTシャツになった。
5月からこの気温はどうかと思うけれど、
ここ2、3日は、半袖が必須だ。
夜になって気温も下がり、そよ風も吹くように
なった。半袖になった腕が心地よい。
明日は雨の予報、気温もさして上がらない。
薄手の長袖の出番かな。
もうすぐ梅雨や夏がやってくる。
本格的な半袖の登場だ。
ちょっと、楽しみかもしれない。
「半袖」
僕の腕には傷が沢山ある。
それを隠すように夏でも長袖しか着れなかった。
友達がそれを知り、
タトゥーを傷の上からいれてくれた。
そのタトゥーがお気に入りになった僕は
その日から半袖で外に出ることが
できるようになった。
【半袖】
#33
君が半袖を着てきた。
もうそんな季節なのか。
そういえば、中間が近いもんな。
中間。
中間試験。
.....................。
勉強しないと、と思うたびに
自分の数少ないやる気が干上がっていく。
教室の窓を開けて身を乗り出す。
来年からは教室にエアコンがついて、
窓には転落防止用の突っ張り棒がつく。
こうして柔らかい風を感じられるのもあと少し。
夏って暑いから嫌だけど、
なんでか大好きなんだよな。
ああでも暑すぎる。
早く紅葉が散りますように。
半袖
夏に近づいてきて暑くなり半袖になりたいって思いが増えてきた。
半袖になったら暑さを和らげることができて少し楽になるけど、その分自分の嫌なところが見えてくる。
ご飯の食べすぎで太くなった二の腕とか、
色々なコンプレックスが気になり始める。
あぁー、嫌だな。
なんて思いながらも暑さに耐えられず半袖になる。
これからもっと暑くなるのに憂鬱だ。
早く夏終わらないかな。
半袖
「暑くないのー?」
「うん、全然」
「えー、みんな半袖なのにー!」
あの子はいつも長袖だ。真夏のお昼でも、何かを羽織って
いて、腕を誰かに見せたことはない。ある日、手を洗って
いるところをみかけた。何やら赤いものがべったりとその子の腕にくっついていた。
「血って、なかなか落ちないんだよね」