刹那』の作文集

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刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/29/2023, 2:09:50 AM

窓に映る空には、何かが欠けていた。何処に何を忘れて来たのかも解らないけれど、決定的な何かがそこには無かった。周りからは、クラスメイトの話し声や騒いでる音が聴こえてきた。休み時間にはどことなく孤独を感じる。別に仲の良い人が居ない訳では無い。けれど、嫌われているのでは無いかという強迫観念に近い思いが僕が誰かに話しかける勇気を奪っていった。他人や自分に期待したり信じたりするのは辞めた。勝手に期待したり信じたりしては勝手に傷つくなんてあまりに身勝手だし、何より傷つきたくないから。
…生きるのって、辛いな。嗚呼、神様。もし居るなら、何故僕の様な出来損ないを消さないんですか。しかし、問いには誰も答えなかった。ただチャイムが鳴り響き起立礼着席をするといつもの様に授業が始まり気が付けば5時間目も

4/29/2023, 2:01:28 AM

#刹那


放課後、2人。

小さな時間に閉じ込められた

蚊取り線香の香り。

ほんの少しの記憶の欠片。


私はあなたを忘れられない

あなたとの時間を忘れられない


毎年夏が来ると焚かれる蚊取り線香が

憎いぐらいあなたを思い出させる。















この"刹那"をあなたは覚えているだろうか

4/29/2023, 1:58:40 AM

『刹那』

 視界の外から迫ってきた軽自動車。
 あ、と思った次の瞬間、空を飛んでいた。

「いやー、生きててよかったな!」
 ケラケラと笑う友人は、自分で持ってきた土産の果物をもりもり食べている。
 空を飛んだ俺は運良く歩道に落ち、全治ニヶ月の骨折と打撲と擦過傷で入院するだけで済んだ。
「相手の運転手、心臓発作だったんだって?」
「向こうのほうが重症なんだよ……。手術してまだ意識戻らないって言うし」
「ふーん……。お前は被害者だからな。あんまり気にすることないぞ」
 葡萄をひと粒口に放り込んだ友人は、思ったより真面目な顔をしていた。
「お前も人がいいからな。自分は生きてたから、とか思ってるかもしれんが、ちゃんと貰うもんは貰えよ」
「わかってるよ。俺もそこまでお人好しじゃない。交渉は保険会社の方に任せてるから大丈夫だよ」
「ならいいけどな。なんかあったら言えよ」
「おう」
 心配性な友人は、いつも我が事のように俺のことも心配してくれる。いいやつだが、お前持ってきた果物自分で食い尽くす気か。俺一口も食ってないんだが。
「お前、それ俺への見舞いじゃねぇのかよ」
「ん、なんか思ったより元気そうで安心したら腹減っちまってな」
「俺にもよこせ」
 口を開けると、一口大に切ったメロンが放り込まれる。うまい。
 飲み込んで口を開け、また果物を放り込まれる流れを繰り返す。
「ほういえばはぁ」
「飲み込んでから喋れよ。何言ってんのかわかんねぇ」
「空飛んだ時にさ、走馬灯っぽいものを見たわけよ。今までの人生がばーっと。今思うと、それがほとんどお前と一緒でさぁ。笑っちまうよな。どんだけ一緒にいるんだっての」
「……これからもぜってぇ離れねぇけどな」
「え、なんか言った?」
「いや? ほら、こっちも食えよ美味いぞ」
 口にパイナップルを突っ込まれて大人しく咀嚼する。
「めちゃくちゃうまい」
「だろ。次もうまいもん持ってきてやるよ」
「やった〜。助かる〜」
 食事制限がなくてよかった。友人の選ぶ食い物に外れはない。入院中の楽しみになりそうだ。
 まさか、こいつがこれから毎日おやつを持って見舞いに来て、退院の日にはレンタカーで迎えに来て、いつの間にか一緒に暮らすことになるとはこの時の俺は想像もしていなかったのだった。

2023.04.28

4/29/2023, 1:58:30 AM

―刹那―

「せつな、たせつな、ろうばく、むこりった」

とある映画に出てきた台詞

何かの呪文のような言葉

夕日に照らされた空の色が生まれては消える時間の流れというような意味だと語られていた

その響きがなんとも素敵で、ずっと耳に残っている

4/29/2023, 1:41:52 AM

お題「刹那」

その時間は僕であり
僕ではない

音に意識を集め
メロディに言葉を乗せる

その時間は僕であり
僕ではない

声を出した疲れは確かにある
けれど

その時間は僕であり
僕ではない

紡がれた言葉の世界に漂い
積み上げた音の海に揺れる

ほんの数分のステージは
僕であり
僕ではない

4/29/2023, 1:33:54 AM

ウゥン___ウゥゥゥン___。

一畳にも満たない個室に取り付けられた手水の座椅子が唸る。

私はその座椅子に座り込んでいる。
あまつさえ、今現在、手袋を被せられた両手でスマートフォンを滑らかに扱って、この小説を書いている。

ちなみに手袋をして手水に居る理由は、
鶏皮の唐揚げを作ろうと思った刹那に、自身の下腹部が尋常ではないほどの振動と悲鳴をあげたからであった。


私はゆっくりと右を向いた。トールサイズの煙草箱三つ分の備え付け機器がある。それにはボタンが沢山あり、よく分からないものまであった。


暫し眺めたあと、気になるボタンを一つ見つけた。

『おしり』と記載されたボタンを、目を細くして眺めた。


アルファベットのダブリューの角を削って丸くしたような絵文字に、噴水を象った点々がある。




これは、なんだろう?

おしり……お知り?

もしや、私に問いかけてきているのか?



私は一度トイレを立ってから、そのボタンを恐る恐る押してみた。

すると、ゥゥゥン___ウゥゥゥン。

今度は怒ったような音を鳴らす座椅子。
穴をひょっこりと覗いてみると、何やら細い棒が私に向けて動き出しているではないか。

その細い棒には小さな穴がぽつんとある。

刹那____何が起こったのか。



それは、ここまで読んでいる賢者ならば気づいたのではなかろうか?

4/29/2023, 1:19:50 AM

刹那/2023.4.29

世界なんてほんの瞬きの間に変わってしまう。
ぱちり。
ズレが生じて、
ぱちり。
歪になっていく。
一体何が悪かった?
瞬き、くしゃみ、蝶の羽ばたき。
一体何が悪かった?
それは誰にもわからない。
時間を細かく輪切りにしていった、ほんの薄皮一枚で、私の世界は崩れていく。
連写した世界に埋もれて、間違い探しを繰り返す。
悪魔が写った時間を探す。
悪魔が写った時間を探す。

4/29/2023, 1:07:51 AM

周囲からのアドバイス
 自分が熟考した上で出した結論
 諸々の思考や反射神経
 生存本能など

 こういった様々ある僕を動かす原動力の中で
 心という僕にとっていちばん不可解な部分が
 いちばん躊躇わずに動いた瞬間は
 僕にとって何にも代え難い結果を生み出す

 反省することはもちろんあるかもしれませんが
 後悔はありません



【刹那】

4/29/2023, 1:03:30 AM

その刹那が、いつまでも記憶に焼き付いて永遠になる
時間感覚なんてものは案外、不安定なものなのかもしれない

(刹那)

4/29/2023, 12:40:22 AM

[刹那]

 タイトルを書き込んで。
 こういうのを書こう、って考えて。
 一文字目をタップしたその刹那。

 朝だったって訳ですよ。

4/29/2023, 12:34:43 AM

キミを想うのはずっと。

キミと話すのは一瞬。

本当、刹那って辛いな。

4/28/2023, 11:47:53 PM

わたしはきみの彼女ではなかったけど
何回も肩が触れて、手を握って
でも最後まで何もなくて
あやふやな関係性がちょうど良かった
きっとお互いがそう思ってた

そんなきみに彼女ができた
多分、今後会わないね

きみとの刹那の記憶を、
お気に入りの一眼レフで撮って
金庫の中に大切にしまっておきたかった

【刹那】

4/28/2023, 11:28:12 PM

『刹那』

揺れる電車はかなしくなるほどオレンジで
つかれた脳内に苦い味
忘れたい
電車はもう次の駅
夜はまだ先

4/28/2023, 11:13:52 PM

今日のお題を見て
私は、写真フォルダを開いた。

あっという間に通り過ぎた
そのひとつひとつが
そこには、ちゃんとあった。

写真1枚から、あの日々が
色を増して蘇ってきた。

極めて短いじかん、刹那とは
人生にもいえることだろうか。

記憶はいつしか薄れゆくかも
しれないけど
記録を残す事も大事だなと
思えた、お題だった。


【お題:刹那】

4/28/2023, 11:07:36 PM

そして5年経過4年経過そしてから約9年経過していた


玲翔「……………おいお前ら…」
龍翔「はい?」
玲翔「新しい奴だ」
マイキー「入れ…」
蓮「久しぶりです…」
玲翔「ハァ!!」
龍翔「どうした玲翔」
三ツ谷「…もしかして……!」
玲翔「三ツ谷言うな!!!」
三ツ谷「……わかった…」
玲翔(ドクンドクンドクンドクン…ハァハァ)
玲翔(やばい…あってしまった10年は会わないって言ってた
のに最悪だ三ツ谷と俺しか気づいてない)
三途「おい玲翔、俺の部屋後でこい」
玲翔「わかった…」
そして三途の部屋
玲翔「ガチャ、なんだ?春ちゃん?」
三途「入ってきた蓮って言う奴9年前の奴だろお前の従兄弟
だよな?」
玲翔「………そう…だね…」
三途「で、なんでそんなに怯えてんだ?」
玲翔「そ、それは…ハァハァハァハァ…」
三途「落ち着け、玲翔お前の正体はまだ誰一人知らない」
玲翔「うん、春ちゃんありがとニコ」
三途「無理に笑うなよ、で、話せ…ゆっくりでいいから」
玲翔「わかった…」
そして次々と話していき
玲翔「まぁ、10年経たないと行けないって言う事」
三途「なんでだ?別に良くないか?」
玲翔「それがダメなんだ、俺には」
三途「なんでだ、」
玲翔「俺が"死ぬ"からだ」
三途「嘘…だろ…」
玲翔「俺が生きるには、"蓮"を殺すしかないのだ」
三途「ちょっと待て、ココを呼ぶ」
三途「おい!ゴラァァ!!!!ココこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ココ「うるせェェェ!!!!ぶっ飛ばすぞぉぉ!!!!」
玲翔「うるさい俺の事わかって言ってんのかよ💢」
ココ三途「すいません…」
ココ「で、なんや」
三途「蓮のことに着いて調べて欲しい」
ココ「もうわかっておるがな」
玲翔「教えてくれ…」
ココ「あいつは組織グループの首領だ」
玲翔「!!!!まじかよ…」
三途「だよなーなんかおかしいんだもん」
玲翔「ココちゃん、10年経たないとあいつにあっちゃいけな
いんだ、じゃないと今は9年俺は死ぬ1週間以内に殺さ
なければいけない」
煌焚「殺すか殺さないかはお前の判断だでもお前が死ぬと犯
罪組織梵天は────ことになるぞ」
三途「お前誰やねん!急に入ってくんなや!」
ココ「こいつ誰、いつの間に入ってんの」
玲翔「あー、ごめんごめん俺の弟煌焚(こうた)だ」
煌焚「よろしくっす!」
ココ「なんだよ( '-' )」
三途「知らねー」
玲翔「まぁ、そういうこと」
煌焚「ε-(`・ω・´)フンッ!」
玲三コ「やれやれ(´-ω-)」

玲三コ煌「ガチャただいま」
蓮「ここの首領は誰だよ!」
蘭「教えねぇって言ってんだろ!」
竜胆「うるせぇ!」
マイキー「なんか言ったら分かんだよ!」
蓮「教えろって言ってんだろ!」
玲コ煌三「なにしてんの」
マイキー「いやぁ、こいつが首領誰だって何回も言って来る
んだよな」
玲翔「へー言ってもいいんじゃない?殺すから」
三途「スクラップだぁぁぁ!!!!
煌焚「三途っちうるさい!」
三途「ごめんごめん」
ココ「ʬʬʬʬ」
玲翔蓮以外「サァッ、」(膝を着く)
マイキー「首領は玲翔だよ…」
玲翔「なんで言うんだよ9年間も騙して来たのに」
堅 「仕方ねぇだろうるせーんだし」
玲翔「(-ω-´ )ぷい」
三ツ谷「仕方ねぇだろ…」
玲翔「お前は死ぬ事になる俺の裏を知った所で」
蓮「まぁいいだろ、だって通話繋いでるから」
三途「へーwやるじゃんw」
玲翔「殺す…」(カタカタカタ、撃てない…どうすれば…)
雪「じゃあ、玲翔うちに殺らせて?」(久しぶりの登場)
玲翔「わかった…」
雪「(`・ω・´)▅=┻┳=━💥==・」
蘭「やるじゃん♡」
蓮「ポタポタ、ありがとう…後は任せたぞバタッ」
玲翔「サッ、(消える)」
敵「動くな!!!!」
蘭「ヤベッ」
警察「頭を伏せろ」
マイキー「( -ω- ´)フッ…」
玲翔「俺の仲間に何手ぇ出してんだ?」

その後全員死亡

竜胆「やりすぎな、」
玲翔「(・д・)チッうっせぇ、こいつら処分しとけ」
翔「本当、兄貴って切れるよね…」
ココ「だから急に入ってくんなよ」
玲翔「すまん、俺の弟でな…」
龍翔「てか、なんでお前らがいるんだ?」
煌焚「えー玲兄誘われた?」
翔「うんそんな感じ」
玲翔「俺のせいにすんなよ来たいって言ってた共が」

5話ここで終わるべその前に新人を紹介しよう

煌焚「えーと煌焚ですよろしくっす」
翔「………………」
玲翔「えーと翔は無口なので俺が変わりにします翔ですよろ
しくっす」
まぁこれで終わりっすねじゃあーねー

4/28/2023, 11:02:39 PM

『刹那』

思い出していたんだ

君のこと

刹那

向かい風が吹いた

まるで

君が僕を止めるように

だから

僕は、もう少しだけ生きてみようと思うよ

君を殺したこの世界を

4/28/2023, 10:57:08 PM

【刹那】

 忘れられない景色がある。時間にすればほんの一瞬、ひと刹那の情景だ。だけどそれでも、僕の記憶に焼きついて消えることのない、美しくもほろ苦い思い出だった。

 白銀の満月がやけに大きく輝く、静寂に包まれた紺青の夜。軽やかなステップで僕を振り返った君は、月を背に負い悠然と瞳を細めた。
 いつだって明朗で闊達だった君のイメージとはかけ離れた、やけに大人びた仕草だった。口元に浮かんだ笑みはひどく繊細で、銀色の月影があわあわと君の姿を包み込んでいた。
 寂しげで、哀しげで、まるで月に吸い込まれてしまいそうなほどに儚い微笑み。引き止めなければ、手を伸ばさなければ、そんな焦燥が僕の心を掻き立てた。
 けれどほんのひと刹那だけ見せられたその神秘的で幽玄な景色は、すぐにいつもの溌剌とした君の笑顔にかき消された。いつも通り大きな声で、君は何でもない日常を面白おかしく語り始める。だから僕は何も触れずいつも通り、君の語りに時折笑い時折ツッコミながら、月の光に照らされた夜の道を君と並んで歩き始めた。きっと今にも壊れてしまいそうにか弱いあの微笑みは見間違いだったのだと、そう愚かにも信じ込んで。
 ――君が誰にも何も言わずに行方をくらませる、その前日の夜の話だった。

 もしもあの時、君の名を呼びその腕を掴んでいたならば。はたして君は今でも、僕の隣にいたのだろうか。
 何も掴めなかった右手を見下ろしながら、擦り切れるほどに思い返した君の刹那の微笑みを、ひとりきり月を見上げながら僕は今日も呼び起こした。

4/28/2023, 10:50:34 PM

刹那/



いまだけでいい、と思えて
危険な想いを手にする

いまがよければ、なんて
くだらないとわかっていて

頭が子どもにもどったんだ、と
自分を見くだすいいわけをする

なにも変らない、知ってる
だったら

やけっぱちの想いをしっかり握る
武器(えもの)は重みを増す

今夜ぶち壊せなくても
わずかに抉(えぐ)るだけだとしても

諦めるな ずっと抉れ
いつか砕ける どうせなら

十のがらくたと引き換えに
一つのかがやく刹那をつかめ

4/28/2023, 10:48:31 PM

「人間、何か選ぶとき、実は脳ではパッと見の刹那だけでもう決まってる、てのはデマだっけ?」
最大9連休など何処吹く風。ぼっち予定無しの某所在住物書きが、早朝の塩分と糖質を茶で胃に流し込む。
「事故りそうになった時とかに、刹那の時間がバチクソ引き伸ばされてるように感じるのは事実だったか」
朝食のシリアルの隣には常設の菓子入れ。チョコを食べたくなって、衝動的に1粒つまんだ。

「このアプリ用の物語も、パッと見で良い話浮かんで、引き伸ばされた時間でパッパと書けりゃ、なぁ」
問題はその、刹那で浮かんだ最初の物語展開より、その後で考えつく文章の方が、比較的納得のいく良い出来になりやすいこと。

――――――

変な夢を見た。
自分のアパートで、割烹着を着た二足歩行の子狐が、どこから持ってきたとも知れぬ和箒で床を掃いたり、本棚の上のホコリを拭いたり。
ともすれば冷蔵庫の中の食材と自分で持ってきたらしい野菜だの調味料だので、一汁三菜の完全和風な朝食を作ったり。
『とんとんとん、こったお肩、たたきましょう
コンコンコン、こった首すじ、もみましょう』
仕事を始めれば、よく冷えた緑茶にみたらし餅。
それから時折のマッサージ。

疲れているのだろうか。
疲れていたのだと思う。

『子狐?おまえ……』
お前、一体何が目的で、私の部屋に来たんだ。
オートミールの袋に何故か威嚇する子狐を見ながら、夢の中の私はそれを聞こうとして、刹那、


「……まぁ、夢、だよな」
刹那。真昼のベッドで目が覚めた。

スマホを見れば、既に外気温は23℃。雪国の田舎出身な私には、いささか暑いくらいで、電気代は少々惜しいがすぐエアコンのスイッチを入れた。
「なんだったんだ。いったい」
何か妙な夢を見て、核心にもうすぐ触れそうな直後、結末迷子の尻切れトンボで目が覚める。
多くはなくとも、誰もが経験し得ることと思う。
部屋に童話チックな子狐が来るだけでも理解不能だというのに、その子狐が掃除やら料理やら、肩叩きやらまでし始めたのだから訳が分からない。

疲れているのだろう。
疲れているに違いない。

そういえば、新年度がスタートしてからこのかた、上司へのゴマスリばかりの後増利係長から、大量に仕事を押し付けられっ放しで、ろくに休めていなかったように思う。
「今日は仕事抜きで、少し休むか」
そもそも今日と明日は休日だから。別に昼に起きようと、部屋の外に出なくとも。
「……ん?」
まだ寝ぼけているらしい頭を起こそうと、冷蔵庫を開けて、緑茶の水出しポットを取り出した私は、刹那、

「これ、……いつ作った?」
刹那。その、「よく冷えた緑茶」を自分がいつ仕込んだか、思い出せないことに気がついた。
さあ、いつだったかしら。
冷蔵庫の奥ではこれ見よがしに、「みたらし餅」の載った皿が、ラップを被って鎮座している。

4/28/2023, 10:21:10 PM

青年は古い小屋に倒れていた。

最初は何も見えなかった。

ひとつの明かりもなかったから。

目を凝らして周りを見渡す。

青年は他に人がいることに気づく。

青年は刹那の間、老人と顔を見合せた。

そしてなぜか見せている笑顔を眺めた。

青年は少し怖くなった。

何も言わずに笑顔で居るなんておかしかった。

「ここどこなのか知ってますか?」

青年は老人との会話を試みる。

老人は応えることなく笑顔を崩さなかった。

早くここから出たい。

そういう思いで青年は出口を探し始めた。





─────『刹那』

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