『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「一緒の帰り道」
家が近くだからって、陽が落ちてくると危ないからって、幾つも理由をつけて、君と一緒の帰り道。
たぶん周囲にはバレているのに、君にはバレていないとか、鈍すぎやしないか。
ついゆっくり歩いてしまいそうになる。
あぁ、もうすぐ別れ道。
名残惜しくて、こっそりと見つめてしまう。
この気持ちを伝えても、君は戸惑うだけだろうな。
小さく手を振る君。
頷いて、歩き出して、振り返る。
ドアを開ける君を見届けて、歩き出す。
またひとつ、季節が進む。
ひんやりとした風。
卒業まで、あと一年と数ヶ月。
進路のことは、考えないように、話題にしないようにしている。
きっといつか、次に会える日がいつなのか、わからなくなる時が来るかもしれない。
『それぞれの道』ってやつ。
それを思うだけで、息が詰まりそうになるのに、まだ時間があるからと、今日も伝えられないまま。
たったひとこと。
幼い頃は、何も考えずに言っていた。
どうして今、これだけは言えないのだろう。
その理由ばかりを探し、君の鈍さのせいにしている自分に嫌気がさす、ひとりの帰り道。
────別れ際に
別れ際に
別れる時はいつだって寂しい
次に会える時の事を考えたいけれど
そうして
二度と会えなくなることだってある
悪いことばかり考えすぎとか
不謹慎だとか言われるかもしれないけれど
何かあった時に後悔したくない
いってらっしゃい
いってきます
さようなら
またね
後悔したくないから
別れる際はなるべく丁寧に言葉を交わしたい
別れ際に私に言ったばいばい。
永遠に忘れないからね。
ずっと、ずっとね。
私はその声だけを頼りに、あなたをどこにいても見つけ出すからね。
あなたが生きてるか、分かんないけど、私は生きてるって信じたい。
あなたが誘拐された時、私がなんも出来なくて、
見てるだけだったのに。
あなたは言葉をくれた。
ばいばい。
泣きながら、私を不安にさせないように笑顔を作って。
本当に情けなくてごめんね。
こんな母親でごめんね。
あなたが産声をあげた日をまだ鮮明に覚えてるよ。
7歳の頃からのあなたの記憶を返して欲しい。
あなたが心配。
ひどい仕打ちを受けて悲しくて、苦しくて、死にたくてたまらない思いをしていないかなって。
もうあれから3年、他の人にとってきっと何ともない3年、私にとって絶望の3年。
2人きりの部屋だったのに今では1人。
お父さんは
あなたの妊娠を告げた瞬間逃げちゃってたの。
ごめんね、ごめんね。本当に、ごめんね。
だめだ、泣いていてばかりいちゃ。
きっとあの子の方が
怖くて、怖くて、不安でいっぱいよ。
今日も私はあなたを探しに行きます。
待っててね、必ず、
あなたを見つけるから。
あなたとまた、一緒に暮らせれたら、
私はあなたの大好きな
いちごのケーキを一緒に食べたいな。
外に出ると、ドアの横に、異常に大きい荷物があった。
私、荷物なんて頼んだかしら……。
疑問に思いつつも、部屋に持ち帰り、
カッターで封を切る。
なんだか、変な匂いがしている。
ナマモノかしら……?
開けたら、そこには。
バラバラになったあなたがいた。
別れ際に
私はいつも誰かと別れる時に、“またね“と言うようにしている。
仕事でお客様の相手をした時も、“今日はありがとうございました“ではなく、“今日はありがとうございます“と言う。
変に思われるかもしれないけれど、ただ過去にするのではなく、また次もあると感じてもらえたら嬉しいと思う。
何より、私自身がそう信じたいから。
一度関わりを持った人に、また次も会えたら、その時に相手が少しでも私のことを覚えていてくれたら、それを誰かに共有してくれることもあるかもしれない。
そうして広がる人との関わりが人脈となって、私や私と関わってくれる人たちの将来を広げてくれるはずだから。
別れ際にほんの少しだけ気をつけていること。
別れ際
恋人との別れ際に言われた言葉で一番心に残っているのは、「お前が俺をこんなダメな男にしたんだ。」だ。
この言葉を言われた瞬間、私は確信した。
ああ、この男と別れて本当に良かった、と。
お陰で何一つ後悔がない。
お題
別れ際に
あれからずいぶん
時間が経ったけれど
何よりも先に
思い出すのは
別れ際に目にしみる
8mgの香り
あの日あなたと初めて会った時のこと
今でも鮮明に…
あなたは言った「こんにちは」と
あたしも言った「こんにちは」と
あの日あなたと別れの際のこと
今でも鮮明に…
あなたは言った「またね」と
あたしは言えなかった「またね」と
「またね」の意味が曖昧な私は言えなかった
「またね」の嬉しさが分からない私は言えなかった
あんなにもあなたと会えて嬉しかったこと
あなたと別れるのがどんなに悲しかったこと
初めての経験をありがとう
私も誰かに「またね」と言えるようになるまで…
別れ際に
友達はいつも「また明日!」と言って去っていく
私はその言葉で生きている。
魔法のことば
明日は何をしようか、
どんなことが起こるだろうか、
また明日
「おあとがよろしいようで」
と言って、この世を去りたい。
#別れ際に
別れ際に
デートは、金曜日の夜から始まって、日曜日の夕方迄の週末だけのカップル…
平日は、お互いに、スケジュールが合わなくて、電話すら出来ない…
ただ、あなたと過ごす週末の為だけに、生きてる私…本当は、一緒に暮したいって伝えたい…ずっとずっと心の中に溜め込んだこの想いを…
だからこそ、この別れ際には…
#別れ際に
別れ際に、いつも君は笑う。
どんなに辛い別れだとしても、
それは「さよなら」じゃない
またいつか、この空の下で会えるから
…だってさ。
そんな映画みたいなことを言ってた。
君と離れて一年。
私は空を見た。
もしも、
私が一つ 歳をとるか
君が一つ 若返ったなら
同い年として、ずっと一緒にいられたのに。
淡い妄想、儚い願い
数多の感情を風に乗せて
君のいる空に届けと願った。
「お疲れ様です」と言った私にあの人は「また明日」と言って笑った。私は「また明日」も会うつもりなんてなかったから、それには答えず足早に駅へと向かった。
飛び乗った地下鉄のドアに凭れる。
くたびれた顔が映っている。
疲れ果てた顔。つけてるリップの色、本当は好きじゃない。ピアスも本当は開けたくなかった。
「·····」
好きだった。
あの人の好きな私になりたかった。
優しい笑顔に、よく響く声に、慰めてくれた手に焦がれた。
でも、あの人にとって私はただの同僚で、都合のいい〝オトモダチ〟で、それ以外の何ものにもなれなかった。あの人には、既にパートナーがいたのだ。知らないとでも思っていたのか。それとも私の想いに気付かぬフリをしていたのか。もう、どっちでもいい。
「好きでした」
別れ際にそう言ってやれば、少しは気が晴れたかもしれない。
「バーカ」
ガラスに映る疲れた顔にそう言って、私はずるずると座り込んだ。
END
「別れ際に」
別れ際に花を贈っただけで、お綺麗な別れになると勘違いしてるあんたが大嫌い。
こんなん貰ってどうしろって言うの
うち、花瓶なんかないんだけど
■別れ際に
別れ際に寂しそうに私を強く抱きしめる君が
可愛くて恋しくて愛おしくて抱きしめた
力の強さ分想いを感じた
壊れないように優しく
それでも全部が伝わるようにって
君のそんな想いまで
大丈夫だよと今は胸を張って笑えないけど
君がいてくれるから私は素直に生きられる
いつもありがとう
また次もあるからその日までまたね?
その日、世界は灰色だった。
垂直に地面目掛けて落下してくる水滴が、私たちの傷だらけのボディにぶつかって、音もなく垂れていた。
くたびれて帰還した機兵たちの、長い列が伸びていた。
腱のゴムパーツが断絶した左足を引き摺りながら、ボディの半身が無惨に抉れた部下の、まだ若い機体を揺すり上げて、列に向かって一歩を踏み出した。
神経パーツを断絶されて、だらりと垂れ下がるばかりの部下の爪先が、ぬかるみの泥をふんだんに掬いとった。
泥が跳ねた。
足と部下を引き摺って、列の末尾に並んだ。
前に並んでいるのは、友人だった。
入隊の時期が一緒の同期で、ボディの機種や分類された兵種こそ違ったが、基本研修の時期は同じで、人工脳のバージョンも同じ。
前の作戦で同じ部隊だった。
よう、友人はまるで食堂で会った時のような明るさで、かろうじて破損していない方の片手を挙げた。
よう、私も返した。
「ひどい雨だな」友人はそう言った。
「いや、今日は風がない。まだマシだと思う」
列が一歩進んだ。
「風はないが、雨粒が冷たいじゃないか。これでは体が冷えてしまう」
「…私たちには、温冷感神経パーツはつけられていない。気温に操作されずに動ける」
「そりゃ、理屈で言えばそうだけどさ」友人は口を尖らせながら続けた。
「さすが、現場指揮兵に分類された脳は規格外だな、いろいろと」
列がまた少し進んだ。
友人のこの軽い皮肉は、私たちにとっては挨拶みたいなものだ。
だから私も、まだ意識の戻らない、ずり落ちてきた部下を揺すり上げて前に進みながら、言い返す。
「なんだ、また戦友だの歩兵だの捕虜だのが風邪を引くのを心配してたのか?…お前、やっぱり装甲の下では、血液が涙でも流れてるんじゃないか」
常々、私は半分本気でそう思っていた。だから私は、密かにこの同期のことを“友人”と呼んでいた。
友人はいつものようにちょっと笑って、何も言わなかった。
また列が一歩ずれた。
私たちは使い捨ての兵だ。
人の細胞から作られた人工脳を、屑みたいなスクラップとプラスチックで組み上げた、使い捨ての兵。
人類が、できるだけ被害少なく、倫理的かつ人道的な戦争をするために生み出された、人類の駒。
それが機兵であり、私たちだ。
私たちは、使い捨てで現場の即戦力を想定されているため、安価に作られている。
ボディはそれこそ現場の小さな基地で修理できるほど、粗雑な素材でシンプルに。
知能も、司令官や将校クラスの機兵に積み込まれる人工知能ではなく、人工脳があてがわれる。
人工知能よりも人工脳の方が、学習をするのが早いからだ。人工脳は人工知能に比べるとコストも低い。おまけに、意識を持つため、現場の人間や民間人にも受け入れやすいという利点まである。
私たちは帰還すれば、まず基地の工場に向かう。
そして、選別を受ける。
そこでは、負傷の程度と戦況と物資の状況を加味して、3つのグループに分別される。
異常なし、修理、処分の3つに。
異常なしの兵は兵舎で休む。修理の兵は工場で修理。そして、修理すらできないほど大破した兵は処分。
バラバラになって、他の機兵や兵器を治す糧、或いは新しい機兵を生み出す糧になる。
そして、夜が明けて、次の出撃命令が下る。
この長い長い列は、その選別のための列だった。
列は少しずつ、確実に進んでいく。
私は、自分の右肩に体を預け、引き摺られるままである部下を見やる。頭部パーツが力無く垂れ下がり、ほのかに人の体温ほどに保たれるはずの人工脳収納部が、死体が握りしめたままの銃のように冷たくなっている。
…おそらく処分だろう。部下、いや、後輩は。
目の前の友人を見やる。
右腕パーツの破損、左腕パーツの大破、頭部パーツに致命的なヒビ、腹部パーツの中破…。
…友人も処分だろう。
今の戦況は決して芳しくなく、だからこそこの列がべらぼうに長いのだ。
「そんな顔するなよ」
ぽつんと、友人が言った。
私がどんな顔をしたというのだろうか。
「…私の表情モニターは残念ながら破損している。外部から私の意識は読み取れない」
友人はまた、何も言わずに笑った。
列がまた一歩進んだ。
「…お前はさ、修理だろうな。破損が軽微だから」
「…ああ、おかげさまでな」
私は、ぐったりと手応えのない部下の体を、軽くゆすってみせた。
友人は、良い奴だな、いつかご一緒したかったもんだ、と目を細めた。
列が進んだ。
「…お前の負傷は、そっちの腱パーツと表情モニターとそこに付随してた片目の視覚パーツくらいだろ?それくらいなら治るよ。視覚パーツは無理だろうけど」
そう言って友人は笑った。
「上手くやれよ。お前は、生き残れよ」
なんだそれ、私から掠れた声が漏れた。
友人は、聞こえないフリで無視を決め込んだ。
そういう惚け方をする時に、明後日の方向を向くのが友人の癖だ。付き合いが長いから知っている。
ずるい、と思った。
工兵がすぐそこまで歩いてきていた。
修理に分類する兵が多くて列が進みにくいから、選別だけ先にしてしまって、処分と異常なしを列から外すつもりなのだろう。
「じゃあ、さよならだ」
部下のもう一方の肩に、腕を差し入れながら、友人は言った。
「元気でやれよ」
「…あ、」
急に、肩が軽くなった。友人が、部下を肩で担いで、その手をこちらに軽く挙げてみせた。
「…ああ、さよならだな……部下を頼む」私の声はひどく弱々しかった。
友人は少し寂しそうに笑った。
それが、私の大切な人たちとの、最期の別れ際になった。
別れ際に
今日話そうとしてたことをお互い忘れてて全然関係ない話してたな〜って毎回なる
"別れ際に"まだ話していたいと思う相手は
自分の人生において大切な人らしい。
出会ったばかりの人でも
まだこの人と話していたいと思うことがある
相手の話が興味深い内容だったり、何となく居心地がよかったり
そういう相手との別れ際は少し寂しい
けれど、その別れを経て気づくことや得られるものがあると思う。
結局そんな風にして出来ているんだろうな、人生って。
別れ際に
静かな電車。もうすぐ私が降りる駅…。何か気持ちを伝えないと!何か!何か!
まもなく梅田〜
「私、ここだから帰るね。」
また別れ際に感謝の気持ちを伝えれなかった。
別れ際に
影をひとつ ぽつりとおとす
別れ際の
影をひとつ あなたはおって
その意味を 知るとき
荒れくるう 海にも似た
わたしの心に ふれるのでしょう
なんで笑うの?
冷たくならないで
、、
また、ふりだし。