ひちめ

Open App

別れ際に私に言ったばいばい。
永遠に忘れないからね。
ずっと、ずっとね。
私はその声だけを頼りに、あなたをどこにいても見つけ出すからね。
あなたが生きてるか、分かんないけど、私は生きてるって信じたい。
あなたが誘拐された時、私がなんも出来なくて、
見てるだけだったのに。
あなたは言葉をくれた。
ばいばい。
泣きながら、私を不安にさせないように笑顔を作って。
本当に情けなくてごめんね。
こんな母親でごめんね。
あなたが産声をあげた日をまだ鮮明に覚えてるよ。
7歳の頃からのあなたの記憶を返して欲しい。
あなたが心配。
ひどい仕打ちを受けて悲しくて、苦しくて、死にたくてたまらない思いをしていないかなって。
もうあれから3年、他の人にとってきっと何ともない3年、私にとって絶望の3年。
2人きりの部屋だったのに今では1人。
お父さんは
あなたの妊娠を告げた瞬間逃げちゃってたの。
ごめんね、ごめんね。本当に、ごめんね。
だめだ、泣いていてばかりいちゃ。
きっとあの子の方が
怖くて、怖くて、不安でいっぱいよ。
今日も私はあなたを探しに行きます。
待っててね、必ず、
あなたを見つけるから。
あなたとまた、一緒に暮らせれたら、
私はあなたの大好きな
いちごのケーキを一緒に食べたいな。

















外に出ると、ドアの横に、異常に大きい荷物があった。
私、荷物なんて頼んだかしら……。
疑問に思いつつも、部屋に持ち帰り、
カッターで封を切る。
なんだか、変な匂いがしている。
ナマモノかしら……?
開けたら、そこには。
バラバラになったあなたがいた。

9/28/2024, 3:05:22 PM