『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
"別れ際に"
繋いでいた手が解かれることはなく
むしろ固く、ぎゅっと繋がれる
見上げれば君の寂しそうな顔
思わずつられる
気づけば視界は真っ暗、君の腕の中に
近づく電車の音
雑音のなか君と交わすくちづけ
別れ際に
「じゃあ、またね」
日付けのない約束をする
その日が来ないこと
お互い知っているのに
指先から離れる熱が酷く惜しくて。
もう少し。欲張りたくなる気持ちを抑えて「じゃあね」とあなたに笑いかけるのです。
まだあなたと話がしたい。まだ、あなたと触れ合っていたい。
そんな私の想いが通じたのか、別れ際にあなたは私に愛の証を示してくれました。
そうしてまた、あなたに惚れ直してしまって。
あなたとの別れが、一層辛くなるのです。
『別れ際に』
別れ際に
何か言わないと。
そう思ったのに、何と言えばいいのか分からなくて俯いた。
もうすぐ分かれ道だというのに、二人分の足を眺めて無言で歩き続ける。
気の利いた一言くらい、言いたい。
でも言えないから。
「またね」
「……また明日」
定型文のような言葉を交わしあって、右に曲がった彼女を横目に、真っ直ぐに進む。
明日の別れ際を想像しながら、明日こそは違うことを言おう。
昨日も同じことを考えて何も進展しなかったから、明日こそは、とそう思うんだ。
またねの言葉に返事はなかった。
一度もこちらを振り向かなかった。
胸騒ぎ。
最後の日ではなかったけれど、
残ったのはあの日の光景。
もういい加減忘れたいのに。
-別れ際に-
#別れ際に
バイバイしながらちょっと寂しそうな顔するの反則です。
またすぐ会おうね。
「さようなら」
そういうと、あなたは涙を流し、去る
こうなることは何となくわかってた。
これで良かったのかな……と疑問が思い浮かぶ。
あの人は今日、白い服を着ていたけれど、途中から気づいたらしい赤いことに。
そもそも、さよなら…ってどっちが言ったのかしら
これってほんとに別れ話?
死人に口なし……か。
別れ際にキスをした。
「んっ、付き合おうか」
触るだけのキスをした。
それ以外も沢山した事があったが、少しドキドキした。
結果だけ伝えると、何故か振られた事になっていた。
相手の事を好きかと聞かれるとグレーで、好きになれたらいいなと前向きに思っていた。
その後に、ある事ない事を言いふらされた。先生まで知っているぐらいに。
好きだと言われた。
断ったが、「友達でいいから断らないで。好きになって貰えるように頑張るから」と言われた。
その後、卑怯な手も使われたり、色々あった。
デートっぽい事もした。
「気持ち悪いから、近づくな」
これが正解だったんだろうか?
別れ際にキスをした。
学校の立ち入り禁止の階段で。
ホコリが舞う僕の隠れ家で。
「少し考えさせて」
そう言われた。
⬛︎別れ際に
今までありがとうございました!と叫んでみた。
返事はもちろんない。
また帰ってくるからね、待っていてね!と続けて叫ぶ。
何も返ってこない。
それでも、何も言わずにはいられなかった、と言うべきだろうか。どうしても、たとえ意地でもこれだけは伝えておきたかったんだ。声に出して言いたかったんだ。
お世話になりました!
こだまもしない。観衆はいない。あ、いや、散歩中のあの人ビクってさせちゃったかも。ごめん。
うん、満足した。目の前に広がるのはいつもの町並みの風景。ここの高台、いつ来ても町が一望できて良いな。そう思った。
踵を返して立ち去る。もう暫くは戻れないんだ。
1度だけ振り返った。眩しい橙色、赤色、周りの緑色とそれに混ざる桃色、飛び交う桃色の花びら。
気合を入れて、1歩を踏み出した。
【別れ際に】
あの時なんて言ったの?
あとで聞けばいいと思ってた
なのに君は居なくなってしまった
もう二度と会えない
その声ももう聞けない
別れ際に彼は言った。今度会う時は久しぶりじゃなくて、はじめまして、だね。
そして、いくつかの時が過ぎていったある日、彼は言った。
「○○○○○」
またね、と言って去る君に
またね、と返して何度目だろう
繰り返された、またね、のうちに
たしかな想いが積み重なる
いつか、じゃあね、を前にして
またね、と言ってみせるため
今日も、またね、を繰り返す
〜別れ際に〜#13
チャレンジ69(別れ際に)
近所のラーメン店が、先月で店を閉じた。ねぎチャーシューが美味い店だった。夫婦で営業していたが、ご主人が入院を経験し、やむなく閉店の決断をした。右半身に麻痺が残るご主人は、毎朝の散歩を欠かさない。今朝も挨拶した。
鍋は持てなくなりましたが、足だけは達者でいたいもんで。
別れ際に、ご主人は言った。ゆっくりと歩く後ろ姿は、力強かった。
別れ際に君が送ってくれた言葉
僕には大切な親友がいます。
とても大切な人です。
血が繋がっているわけでも、恋人という関係でもありません。
ただ、一緒にいてとても心地が良く、ずっと親友でいたいと思えるような人です。
その親友はとても活発で、小さい頃からヤンチャして、先生に怒られてました。
大人になった今も変わらず元気で、たまに仕事場の上司に怒られることがあるそうです。
反対に僕は大人しく、何にも構わず突っ走って行動してしまう親友の、ストッパーのような立場でした。
けれども、僕は親友の元気ハツラツな行動を見れることが毎日の楽しみのようなものでした。
そんな楽しみを止めることをするのは、少し、悲しかったです。
その親友は、一度も病気になったことがない、と満点の笑顔で、自慢するように言っていました。
にわかには信じがたい話でしたが、確かに親友には病気という病気にかかっていたような日は一度もなかったような、と認めざるを得ませんでした。
反対に僕は病気がちで、小さい頃なんて毎日のように咳や熱に苦しめられ、外で遊ぶことのできる親友が少し羨ましく感じていました。
けれども親友が、外で遊べない僕を可哀想に思ったのか、僕の雑談話に付き合ってくれました。
そんな優しい心を持った親友に、僕は憧れを抱いたんです。
僕と親友の性格は、ハッキリ言って正反対でした。
こんなにも正反対な人っているのか、と感心した程です。
けれども、正反対だからこそ、お互いの足りないところを補い合えて、そんなお互いを認められるようになったのだと思います。
ずっとそんな関係が続くと思ってたんです。
現実は、そう甘くありません。
親友は、人生で初めて、病気にかかりました。
今まで一度も病気にならなかったからなのか、親友は自身の病気の看病の仕方も分からず、病気がとても悪化させてしまうことになり、最終的に入院することになってしまいました。
慣れない環境にいるせいか、慣れない体の状況でいるせいか、親友はどんどん痩せ細っていきました。
それでも僕は、親友にできる限りのことをし尽くしました。
親友に病気の看病の仕方を教えたり、雑談をしたり、容体が悪化してしまったときにはすぐにナースコールを押し、大丈夫だよ、と体を擦ってあげたり……。
どれもこれも、幼い頃、親友が病気がちだった僕にやってくれたことでした。
まるであの時から、立場が逆転したような、そんな雰囲気でした。
親友の体は段々と回復していきました。
それでもまだまだ体は弱まっている状況です。
看病はお医者さんや看護師さんがやってくれるとしても、僕にできることは親友の体が完全に回復するまでやりたいです。
そんなとき、仕事で遠い場所に長い期間、出張しないといけなくなりました。
僕は最初、勿論拒否しました。
親友の看病を、できる限りして親友が元気になるまでずっと見ているんだ、と。
親友のことを信用していない、とか、そんなことで親友は死なない、と言われても構いません。
ただ、僕には親友の背中は小さく見えて、いつか消えてしまいそうに思えたんです。
だから、その仕事を拒否しようとしたんです。
しかし、そこで親友が
「自分は大丈夫。構わずに仕事に行ってきて。」
と言ったんです。
心優しい親友のことでしょう、恐らく僕が仕事を拒否したあとの会社での信頼や、他の会社員に出張の仕事が来てしまう、という心配から言ったのでしょう。
僕はその言葉を受け、渋々ながらも、仕事を受け入れました。
出張する当日、親友はメールでこう送ってくれました。
「君が帰った頃に、絶対に元気になって待ってるよ。」
僕はその文を見て、
「よし、仕事頑張ろう。」
と、つぶやきました。
そして出張から帰る日に一通の留守番電話が来ていました。
内容は、親友が亡くなった、と。
~~終わりに~~
親友がどんな性別で、
どんな年齢で、
どんな容姿で、
どんな病気になって、
どんな死因だったのかは、
全て、あなた次第です。
あ 言ったよね
い うん
あ 前みたいになるよ
い わかってる
あ それでも?
い きっと後悔するから
あ 馬鹿だよ
い 馬鹿だね
『別れ際に』
「ここ前に来た時はライトアップされてたよな」
ー前に、来た、?ー
私が首をかしげる。
すると、君はわざとらしく
「あぁ、似たとこだったかな」と言った。
違う。私と夜に外に出かけたことなんかない。
「行ったことないと思うけど?」
「デジャヴかな」そう言って口角をあげる君。
目が笑っていない。
あぁ、この顔…
見たことある。デジャヴなんかじゃない。
「そっか、嘘つき。」
今更「好きだ」なんて
デジャヴはやめてね、
全部元から無かったんでしょう
『別れ際に』
夏の終わりをつげる
今年最後の花火大会
浴衣を着て
神社の前で待ち合わせ
夜風が少し涼しくなり
暗くなりはじめた海岸沿いを
2人で歩いていく
浜辺につくと
花火が打ち上がる音がした
夜空を見上げると
色とりどりの花火が
空一面に広がった
水面に花火が反射して
海がきらきら光っている
はじめて君と見る花火に
胸が高鳴った
別れ際に
勇気を振り絞って
君に思いを伝えた
君は笑顔で
「うん」とうなずいた
ほてった体を
心地いい夜風が通りすぎていく
波の音を聞きながら
海岸沿いを手を繋いで帰った
「別れ際に」
別れ際に挨拶をするように心掛けている。
友人と別れる時の「さようなら」はもちろんだけど、
買い物行ったり、ご飯食べに行った時、店員さんに
「ありがとうございます」「ごちそうさまでした」
を言ってお店から出るようにしてる。
仕事で接客をしている時に、
お客さんにそう言われると嬉しいし、気分がいい。
そんなの当たり前なのに、気付くのに時間がかかった。
もう会うこともないかもしれないけど、
お互い気持ちよく別れたいな、と思う。
『別れ際に』
鏡を見た。
醜すぎる。
醜すぎるよ、
ジブン。
刺激ばかりに負けてばかりで、
強いと思い込んでた花は元々枯れていて、
ずっとずっと負けていたんだ。
そんな事も知らずに前に進んでいたなんて。
いや、前になんか進んでないね、
後退ばかりだ、後退ばかりしている。
いい加減にして。
鏡を割ってやろうか、
割れるものならやってみろ、
割れる気すらしない、弱気、弱気だ。
どっちが自分/ジブンなのかがわからない。
もう鏡なんて見たくない。
ジブンは本当に生きているのか?
そもそも自分すら生きていないのに、
呼吸すらしていないのに、
何故ジブンが存在しているのだ?
ジブンが自分を無くしたのか?
どこかに落としたのか?
本当の自分を見つけねば…
ジブンという存在が映る鏡から去る。
鏡を見ない。
振り返りもしない。
ジブン/自分と別れたのなら、
もうなにもない、なにもない。
別れ際に全て無になるんだ
無にするんだ
これから
…
別れ際にいつまでもいつまでも手を振る友人に毎回「今生の別れか!」とつっこんでしまう