『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
じゃあねと別れた後、こっそり振り返る。別れがたくなってその背中を見送るのだ。あんまり見ていては気が付かれてしまうとちょっとだけ、そう三秒と決めて。
気づかれてしまう、と言うのもあるが先に決めておかなければ何時迄も名残惜しくなって立ち止まってしまうからだ。
この日も帰り道を一緒に歩きいよいよY字路に差し掛かる。
じゃあね。そういう前に君が立ち止まる。
「あのさ、いつも背中見られてばっかなの、寂しいんだけど」
ちょっとだけ顔を赤らめながらそう呟いた。
別れ際
#99【別れ際に】
「バイバイ」は、なるべく言わないようにしている。
「またね」と言えば
きっと次があるような気がして。
ある種の願掛けみたいなものを
「またね」の一言に込めている。
別れ際な去り際な感じで…
以前にエレベーターの中で…
扉の真ん前に居て…
後ろから…
すみません降ります!の声の後に
髪変えたんですね!って…
俺は…誰だ?誰だ?誰なんだっけ?
俺は…づら?(笑)じゃねえよ…って…応えて…
誰か聞かず…そのまま…見かける事はなくて…
電車でも…
白髪の御婦人が降りる際に…
お姉ちゃん元気ですか?と言われて
手を握られて…貴方も元気そうで…?と言われて…
誰なんだっけ?誰なんだっけ?誰だ?
俺は…とりあえず…
お互いに元気に過ごしましょうね!って…言って…
誰だ誰だ誰だ…
やはりそのまま見かける事もなくて…
でも言われた時に気づかず…
後で…突然…
あっ…
そんな事ありました…
踏切で通過を歩道帯で待っていたら
自転車が俺の後ろに来て…
リュックカッコいいねぇ!!って…言われて
あ!どうも!って…返して…
自転車の方は俺を追い越し行きました
その横顔が何処かで見た?誰なんだっけ?
誰にもカッコいいねぇ!!って…言う人いたよなぁ…?
誰だ??
忘れて過ごしていたら…
仕事先にエビスジーンズのカッコいい人が居て
エビスカッコいいねぇ!!って…
言った瞬間に…アッ(゜O゜;…あん時の…
ありませんか?誰だ?何て事が…
俺だけか?(笑)
……
ミーチャンの…
髪がふわっとろしてる時に
君の香りが好き…
別れ際に俺の鼻にかかると…
帰したくないので…
その笑顔と髪の香りに注意して下さいね✨🍀
『別れ際に』
「こんな消え方、かっこよくない?」
そう言って、君は笑う。
君は、僕の目の前で消えた。
最後にあの人に会ったのは
私は仕事帰りで
あの人は
大好きなサッカーの試合に行く
子供時代は
家庭の事情で
スパイクが買えずに
サッカーが出来なかった
入ったけど
お下がりのスパイクが小さくて
足を怪我して
辞めたと
聞いている
運動が好きな人だった
うれしそうな笑顔で
いそいそと着替えて
出掛けて行った
別れ際あの人は
少年のような笑顔だった
別れ際に、少し首をかしげて手を振る君の姿が大好きだったよ
いつもかわいい笑顔を胸に家まで帰ったものさ
もうあの姿が見られないなんて
もう二度と君に会えないなんて、今もまだ信じられない
夢なら覚めてほしいと思うけれど、そんなはずがないことも痛いほどわかっている
寂しい
もっといたい
離れ難い
遠くにいると
改めて感じる
トイレで大泣きして
搭乗口に向かった
会いたいな
----------------------------------------別れ際に
きみに、たったひとつ、ささやかないじわるをするために、秋の海にしゃがみこんだことを忘れない。近くでひろったシーグラスを便箋いっぱいに詰めておいた。きみに、それがわたしの骨であるかのように思ってほしかった。ただよう潮くさいにおいをだいて、たまにそれをを枕もとのひかりにかざし、わたしのことをときどき思い出して、胸のうちを痛めてほしかった。
別れ際に笑顔で手をたまーに振ってくれる貴方が大好きです。
ひどく気が重い。
なぜなら、今から世界で一番愛している彼女が遠くに行ってしまうからだ。
「電車出るからもう行くね」
向こうに行こうとする彼女の手を取る。
「離れたくない」
「でも、仕方のないことなの」
彼女は呆れたように笑う。
「君を一人にするのは不安なんだ」
「大丈夫よ。みんないい人だから」
今度は僕を諭すように笑う。
「でも君にさみしい思いをさせるわけには‥」
「ハイハイ、分かったから。じゃあもう電車出るから」
そう言って、簡単に僕の手を振り解き、さっさと駅の改札口に向かっていってしまった。
そっけない。彼女は僕に未練はないのだろうか。
やはり、もう一度話合うべきでは?
考え事をしていると、彼女が踵を返して戻ってくるのに気がついた。
何事かとかと思っていると、
「ごめん忘れてた」
そう言って、僕のほっぺたにキスをする。
「行ってきますのちゅー。晩ごはん期待してるからね」
そろそろ友達と別れる道迄行った時
前から人が来た
足が止まった
昔、僕を散々虐めていた人達だったからだ
俯いて立ち止まっていた
友達は何かを察したのか
僕の家の方に方向転換して
被っていた帽子を僕に被せ
手を引っ張ってくれた
僕を家迄送ると
何時も通り
「じゃあ、また明日ね」
と言い、自分の家に帰って行った
# 136
ずっと仲良しな友達が、ある日を境に仲良しじゃなくなった。
みんながドッチボールしていて「仲間入れてー」って言うと、「もうやめるからー」
とか。
みんなと一緒に帰ってたのに、「あ、忘れ物ー」ってみんなで学校戻って行って、1人で帰る事になったり。
些細な事。
たまには1人で過ごす休み時間、1人で帰る帰り道も悪くなかった。
いつものメンバーとは違う友達と仲良くなったり、新しい発見があったり。
避けられてるなって自覚はあったけど、『いじめ』って言えるほどのことじゃないと、僕は思った。
今になって思えば『いじめ』なんじゃない?って思ったりするけど、小学生だったあの頃は些細な事って思っていた。
今、考えたらイジメられてるって思いたくなかったのかもしれない。
中学になって、たまたま同じ運動部に入って、友達から仲間って感じになった。
チームメイト。勝つ為の仲間。学校って言う巨大な組織の中の一部で、同じ目標に向かって走る仲間。
過去の出来事はなかったかのよう。
僕は誰にも話した事なかった。
話す気もなかった。
ある日、家族で夕飯を食べている時、僕の小学校の話しになって、僕はその時の嫌な感情が蘇った。
家族に「昼休みにボッチにされたりもしたよ」って程度にサラッと軽く話をした。
家族は「その時の、あなたは大変な思いをしたね。」と。あと、「今は辛くない?」と聞いた。
今、仲間になった友達とは嫌な感情は不思議となくて、ただ、あの時、なぜハブられたのかはわからないままが気持ち悪い感じはするけど、それ以外は信頼できる友達でチームメイト。
だから、「今は大丈夫」って答えた。
『今は』って答えた時に、あぁ、あの子とは生涯の友達とか仲間って思ってないんだなって。
いつか、進路とかで別れる時が来たら、なんで小学生の時にハブられたのか聞いてみようと思う。
今はその時じゃないだけ。
今、理由を聞いても平気だし何も変わらないと思うけど、それは僕だけで相手は違うかもしれないから。
別れ際に、もうお互いが必要なくなったら聞いてみよう。
#別れ際に
大好きだから
大切な人だから
愛してるって心で叫びながら
サヨナラを言ったわたしに
あなたは
わかってる…と一言
抱きしめてくれた
月明かりの下で
付き合っている間は
別れ際がとても辛くて
いつもいつも送って貰って
やっと同じ場所へ
帰ることが出来るようになって
別れることがなく
安心していられます
そのうち子供が大きくなり
来年からは社会人
巣立って行く
その別れ際はまた
辛くてでも嬉しくて
待ち遠しいやら
待ち遠しくないやら
気味が悪い。
第一印象はそれだった。
ネット上で知り合った友人と見事出会い厨を果たしたはいいものの、その友人になんとも言えない違和感があった。口調も話す内容も彼女だけど、雰囲気が釣り合っていない気がする。えも言えぬ不安感を抱えながら過ごした一日はどっと疲れた。
「ふぅ〜楽しかったァ」
終電も近づいてきた時間帯、一通り遊び尽くした私たちは帰路につこうとしていた。早く帰りたかった私は早々に会計を済ませ店を出る。
「じゃ、今日はありがとう。終電も近いし、私帰るね。」
切り上げようとすると、不思議そうな顔で彼女は止める。
「え。なんで?まだ終電まで時間あるよ?」
「ぁ、や...」
もっともな疑問に思わず詰まる。私が駅で買いたいものがあると言い訳をすると、彼女は駅まで送るよと言って捏ねた。なんとかそれを宥めることに成功した私は急いで1人で駅へ向かった。一刻でも早く彼女と別れたかったのだ。
数分歩き、駅の人混みが遠くに見えてき出した頃、私はやっと安心してきた。少し落ち着いた頭で、彼女とは会うのを控えようと1人反省会をするほどには冷静さを取り戻していた。その油断がいけなかった。
「...っ!?」
ガンッという鈍い音と全身に走る激痛。頭を殴られたのだと理解するのにそう時間はかからなかった。人通りの少ない路地に小さな喘ぎ声が響く。
「ゥ...あ......ッッ」
今まで味わったことの無いような痛みに悶えながら、両手で強く頭を抑えた。
「痛い?」
ガンガンと鳴り響く脳内に甘い声が降かかる。さっきまで一緒にいた彼女だ。
「会った時から違和感に気づいてたんでしょ」
まるでおもちゃを手に入れた幼児のように、心底楽しそうに彼女は言う。倒れ込んだ私の隣に小躍りしながら屈むと、首を傾げて覗き込んできた。
「でも別れ際は隙だらけだもんね」
睨みを効かせて見た彼女の顔は、今日1番の笑顔だった。
[題:別れ際]
別れ際に
父に頬を叩かれた母
叩いた後
父は私に手を差し出し
おいで と
この状況で
行けるわけ無いでしょ
2才児に気を使わせたら駄目でしょうよ
そして
歯医者さんに行ってくるからね
と言った母
私は頷いたけど
帰って来なかったよね
"別れ際に"
「…っと、そろそろ行く」
いつもの休憩スペースでだべっていると、時間になったので椅子から立ち上がり、帰ろうとする。
「ん、そうか。……」
俺が立ち上がったのを見て、飛彩が左腕に着けた腕時計で時間を確認し、少々名残惜しそうに(何か言いたげな顔をしながら)立ち上がる。その様子に小さくため息を吐く。
「まだ時間あっけど、テメェの事だから早めに行って準備してぇんだろうと思って」
俺がそう答えると、フッ、と鼻を小さく鳴らして
「思った以上に俺を理解しているな」
と、感心したような顔でこちらを見る。
「当たり前だ。俺を誰だと思ってる」
「それもそうか」
んじゃ、と一歩踏み出し休憩スペースから出ようとする。
「ぱにゃにゃんだー」
「…はぁ?」
ふいに謎の言葉(言葉か?)をかけられ、思わず振り返って怪訝な声を出す。
「ぱ、にゃ…、なんだ?」
「《ぱにゃにゃんだー》。ラオス語で《頑張れ》という意味だそうだ」
──ラオス語…。という事は、れっきとした外国語か。つーか、何で急に…。まぁどうせ『何となく』なんだろうけど。
「ほぉー…」
──だが分かったところで、どう返せと?
「因みに対となる《頑張る》は《ぱにゃにゃん》」
と、まるで俺の思考を読んだかのような言葉を続ける。
「へ、へぇ〜…」
「だから」
「は?」
──だから、という事はまさか…。
「俺に言えって事か?」
そう続けると、コク、と首を縦に振った。
──マジかよ…。
意を決して、グッ、と唇を固く結び、口を開く。
「……ぱ、…《ぱにゃにゃ、ん》………っ」
しりすぼみになりながらも言い切った。
「…これで満足か?」
そう言うと、飛彩は「あぁ」と満足げに頷いた。
「あっそう。じゃ、今度こそ行く」
恥ずかしかにいたたまれなくなり、まくし立てるように言い放つと今度こそ帰ろうと足早に廊下へと大股で歩く。
「……」
廊下まであと一歩のところで、ピタリ、と足を止めて振り返る。
──テメェが俺なんかを激励してどうすんだよ。
急に足を止め、振り返った俺に不思議そうな顔をする。
「……ぱ、」
「?」
不思議そうに首を傾げて言葉を待つ。
「…《ぱにゃにゃんだー》……」
──激励すんのはこっちの方だ。
一瞬驚いて少し大きく目を見開く。すぐ元の表情に戻ったかと思うと
「あぁ、《ぱにゃにゃん》」
柔らかく、ふわりと微笑みながら返してきた。その表情に胸が跳ねる。かぶりを振って
「じゃ…、じゃあなっ」
半ば吐き捨てるように廊下に出る。後ろで「あぁ、また」と声がかかる。早足で病院から出て、敷地外に出てそそくさと自分の病院に戻る。少々乱暴にポケットから鍵を取り出し、錠を開けて中に入り扉を閉める。閉めたと同時に両手で顔を覆い、その場にしゃがみ込んで
「あぁー…っ」
と、大きなため息を吐く。
「穴があったら入りてぇ〜…」
会いたかったよ、ずっと
君は最後にそう言って困ったように笑った。その笑顔この先も忘れられないと思う。
僕はなんと言えば君のことを引き留められたのかな。
別れ際に
時間はあっという間に過ぎていく。
まだまだ一緒にいたかったのに。寂しさが少しずつ少しずつ募っていく。
ホームに電車が入ってきた。するりと解けていく手を別れ際に、もう一度握る。
そして、へにゃりと笑って、またね、と言った――
【別れ際に】
雨が止んだ。
青空が窓から見え、雲の間から陽の光が差す。
「じゃあね」と立ちあがったおれに、君は「気をつけて帰れよ」と優しく答えた。
……おれは通り雨にかこつけ、雨宿りを口実にして君の家にやって来た。
君の久しぶりの休日を邪魔したのに、シャワーを貸してくれ、着替えを貸してくれ、オマケにわざわざビールまで買って来てくれた。
いつだって優しい君。
おれのこんがらかった話も辛抱強く聞いてくれる。
でもさ、それはおれだけじゃなくて、君は誰にでも優しいから。
おれは「気をつけてって、真昼間だぞ?」と笑った。
「おれは大丈夫」
自分に言い聞かせて、ヒラヒラ手を振った。
「──なあ、やっぱり帰るなよ」
別れ際、君がさっきまでの優しい顔じゃなく、不機嫌そうにおれの手を握る。
「帰るなよ」
誰にでも優しい君じゃなく、ワガママな君はおれだけのものだ。