『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ひどく気が重い。
なぜなら、今から世界で一番愛している彼女が遠くに行ってしまうからだ。
「電車出るからもう行くね」
向こうに行こうとする彼女の手を取る。
「離れたくない」
「でも、仕方のないことなの」
彼女は呆れたように笑う。
「君を一人にするのは不安なんだ」
「大丈夫よ。みんないい人だから」
今度は僕を諭すように笑う。
「でも君にさみしい思いをさせるわけには‥」
「ハイハイ、分かったから。じゃあもう電車出るから」
そう言って、簡単に僕の手を振り解き、さっさと駅の改札口に向かっていってしまった。
そっけない。彼女は僕に未練はないのだろうか。
やはり、もう一度話合うべきでは?
考え事をしていると、彼女が踵を返して戻ってくるのに気がついた。
何事かとかと思っていると、
「ごめん忘れてた」
そう言って、僕のほっぺたにキスをする。
「行ってきますのちゅー。晩ごはん期待してるからね」
そろそろ友達と別れる道迄行った時
前から人が来た
足が止まった
昔、僕を散々虐めていた人達だったからだ
俯いて立ち止まっていた
友達は何かを察したのか
僕の家の方に方向転換して
被っていた帽子を僕に被せ
手を引っ張ってくれた
僕を家迄送ると
何時も通り
「じゃあ、また明日ね」
と言い、自分の家に帰って行った
# 136
ずっと仲良しな友達が、ある日を境に仲良しじゃなくなった。
みんながドッチボールしていて「仲間入れてー」って言うと、「もうやめるからー」
とか。
みんなと一緒に帰ってたのに、「あ、忘れ物ー」ってみんなで学校戻って行って、1人で帰る事になったり。
些細な事。
たまには1人で過ごす休み時間、1人で帰る帰り道も悪くなかった。
いつものメンバーとは違う友達と仲良くなったり、新しい発見があったり。
避けられてるなって自覚はあったけど、『いじめ』って言えるほどのことじゃないと、僕は思った。
今になって思えば『いじめ』なんじゃない?って思ったりするけど、小学生だったあの頃は些細な事って思っていた。
今、考えたらイジメられてるって思いたくなかったのかもしれない。
中学になって、たまたま同じ運動部に入って、友達から仲間って感じになった。
チームメイト。勝つ為の仲間。学校って言う巨大な組織の中の一部で、同じ目標に向かって走る仲間。
過去の出来事はなかったかのよう。
僕は誰にも話した事なかった。
話す気もなかった。
ある日、家族で夕飯を食べている時、僕の小学校の話しになって、僕はその時の嫌な感情が蘇った。
家族に「昼休みにボッチにされたりもしたよ」って程度にサラッと軽く話をした。
家族は「その時の、あなたは大変な思いをしたね。」と。あと、「今は辛くない?」と聞いた。
今、仲間になった友達とは嫌な感情は不思議となくて、ただ、あの時、なぜハブられたのかはわからないままが気持ち悪い感じはするけど、それ以外は信頼できる友達でチームメイト。
だから、「今は大丈夫」って答えた。
『今は』って答えた時に、あぁ、あの子とは生涯の友達とか仲間って思ってないんだなって。
いつか、進路とかで別れる時が来たら、なんで小学生の時にハブられたのか聞いてみようと思う。
今はその時じゃないだけ。
今、理由を聞いても平気だし何も変わらないと思うけど、それは僕だけで相手は違うかもしれないから。
別れ際に、もうお互いが必要なくなったら聞いてみよう。
#別れ際に
大好きだから
大切な人だから
愛してるって心で叫びながら
サヨナラを言ったわたしに
あなたは
わかってる…と一言
抱きしめてくれた
月明かりの下で
付き合っている間は
別れ際がとても辛くて
いつもいつも送って貰って
やっと同じ場所へ
帰ることが出来るようになって
別れることがなく
安心していられます
そのうち子供が大きくなり
来年からは社会人
巣立って行く
その別れ際はまた
辛くてでも嬉しくて
待ち遠しいやら
待ち遠しくないやら
気味が悪い。
第一印象はそれだった。
ネット上で知り合った友人と見事出会い厨を果たしたはいいものの、その友人になんとも言えない違和感があった。口調も話す内容も彼女だけど、雰囲気が釣り合っていない気がする。えも言えぬ不安感を抱えながら過ごした一日はどっと疲れた。
「ふぅ〜楽しかったァ」
終電も近づいてきた時間帯、一通り遊び尽くした私たちは帰路につこうとしていた。早く帰りたかった私は早々に会計を済ませ店を出る。
「じゃ、今日はありがとう。終電も近いし、私帰るね。」
切り上げようとすると、不思議そうな顔で彼女は止める。
「え。なんで?まだ終電まで時間あるよ?」
「ぁ、や...」
もっともな疑問に思わず詰まる。私が駅で買いたいものがあると言い訳をすると、彼女は駅まで送るよと言って捏ねた。なんとかそれを宥めることに成功した私は急いで1人で駅へ向かった。一刻でも早く彼女と別れたかったのだ。
数分歩き、駅の人混みが遠くに見えてき出した頃、私はやっと安心してきた。少し落ち着いた頭で、彼女とは会うのを控えようと1人反省会をするほどには冷静さを取り戻していた。その油断がいけなかった。
「...っ!?」
ガンッという鈍い音と全身に走る激痛。頭を殴られたのだと理解するのにそう時間はかからなかった。人通りの少ない路地に小さな喘ぎ声が響く。
「ゥ...あ......ッッ」
今まで味わったことの無いような痛みに悶えながら、両手で強く頭を抑えた。
「痛い?」
ガンガンと鳴り響く脳内に甘い声が降かかる。さっきまで一緒にいた彼女だ。
「会った時から違和感に気づいてたんでしょ」
まるでおもちゃを手に入れた幼児のように、心底楽しそうに彼女は言う。倒れ込んだ私の隣に小躍りしながら屈むと、首を傾げて覗き込んできた。
「でも別れ際は隙だらけだもんね」
睨みを効かせて見た彼女の顔は、今日1番の笑顔だった。
[題:別れ際]
別れ際に
父に頬を叩かれた母
叩いた後
父は私に手を差し出し
おいで と
この状況で
行けるわけ無いでしょ
2才児に気を使わせたら駄目でしょうよ
そして
歯医者さんに行ってくるからね
と言った母
私は頷いたけど
帰って来なかったよね
"別れ際に"
「…っと、そろそろ行く」
いつもの休憩スペースでだべっていると、時間になったので椅子から立ち上がり、帰ろうとする。
「ん、そうか。……」
俺が立ち上がったのを見て、飛彩が左腕に着けた腕時計で時間を確認し、少々名残惜しそうに(何か言いたげな顔をしながら)立ち上がる。その様子に小さくため息を吐く。
「まだ時間あっけど、テメェの事だから早めに行って準備してぇんだろうと思って」
俺がそう答えると、フッ、と鼻を小さく鳴らして
「思った以上に俺を理解しているな」
と、感心したような顔でこちらを見る。
「当たり前だ。俺を誰だと思ってる」
「それもそうか」
んじゃ、と一歩踏み出し休憩スペースから出ようとする。
「ぱにゃにゃんだー」
「…はぁ?」
ふいに謎の言葉(言葉か?)をかけられ、思わず振り返って怪訝な声を出す。
「ぱ、にゃ…、なんだ?」
「《ぱにゃにゃんだー》。ラオス語で《頑張れ》という意味だそうだ」
──ラオス語…。という事は、れっきとした外国語か。つーか、何で急に…。まぁどうせ『何となく』なんだろうけど。
「ほぉー…」
──だが分かったところで、どう返せと?
「因みに対となる《頑張る》は《ぱにゃにゃん》」
と、まるで俺の思考を読んだかのような言葉を続ける。
「へ、へぇ〜…」
「だから」
「は?」
──だから、という事はまさか…。
「俺に言えって事か?」
そう続けると、コク、と首を縦に振った。
──マジかよ…。
意を決して、グッ、と唇を固く結び、口を開く。
「……ぱ、…《ぱにゃにゃ、ん》………っ」
しりすぼみになりながらも言い切った。
「…これで満足か?」
そう言うと、飛彩は「あぁ」と満足げに頷いた。
「あっそう。じゃ、今度こそ行く」
恥ずかしかにいたたまれなくなり、まくし立てるように言い放つと今度こそ帰ろうと足早に廊下へと大股で歩く。
「……」
廊下まであと一歩のところで、ピタリ、と足を止めて振り返る。
──テメェが俺なんかを激励してどうすんだよ。
急に足を止め、振り返った俺に不思議そうな顔をする。
「……ぱ、」
「?」
不思議そうに首を傾げて言葉を待つ。
「…《ぱにゃにゃんだー》……」
──激励すんのはこっちの方だ。
一瞬驚いて少し大きく目を見開く。すぐ元の表情に戻ったかと思うと
「あぁ、《ぱにゃにゃん》」
柔らかく、ふわりと微笑みながら返してきた。その表情に胸が跳ねる。かぶりを振って
「じゃ…、じゃあなっ」
半ば吐き捨てるように廊下に出る。後ろで「あぁ、また」と声がかかる。早足で病院から出て、敷地外に出てそそくさと自分の病院に戻る。少々乱暴にポケットから鍵を取り出し、錠を開けて中に入り扉を閉める。閉めたと同時に両手で顔を覆い、その場にしゃがみ込んで
「あぁー…っ」
と、大きなため息を吐く。
「穴があったら入りてぇ〜…」
会いたかったよ、ずっと
君は最後にそう言って困ったように笑った。その笑顔この先も忘れられないと思う。
僕はなんと言えば君のことを引き留められたのかな。
別れ際に
時間はあっという間に過ぎていく。
まだまだ一緒にいたかったのに。寂しさが少しずつ少しずつ募っていく。
ホームに電車が入ってきた。するりと解けていく手を別れ際に、もう一度握る。
そして、へにゃりと笑って、またね、と言った――
【別れ際に】
雨が止んだ。
青空が窓から見え、雲の間から陽の光が差す。
「じゃあね」と立ちあがったおれに、君は「気をつけて帰れよ」と優しく答えた。
……おれは通り雨にかこつけ、雨宿りを口実にして君の家にやって来た。
君の久しぶりの休日を邪魔したのに、シャワーを貸してくれ、着替えを貸してくれ、オマケにわざわざビールまで買って来てくれた。
いつだって優しい君。
おれのこんがらかった話も辛抱強く聞いてくれる。
でもさ、それはおれだけじゃなくて、君は誰にでも優しいから。
おれは「気をつけてって、真昼間だぞ?」と笑った。
「おれは大丈夫」
自分に言い聞かせて、ヒラヒラ手を振った。
「──なあ、やっぱり帰るなよ」
別れ際、君がさっきまでの優しい顔じゃなく、不機嫌そうにおれの手を握る。
「帰るなよ」
誰にでも優しい君じゃなく、ワガママな君はおれだけのものだ。
ばいばい
この4日間自分の気持ちを整理するのに必死やった..
これからも応援したいけど 多分このまま一緒に居たら
私が壊れちゃう...
卒業するって聞いてからずっと考えてた...
ねぇ(ありがとう)(ごめんね)なんて言わないで
何も出来てないのに お礼言われるの辛い...
覚えてる?
私は(ばいばい)って言葉が嫌い...
最後の時もまたねがいい
私が後悔するぐらい大きくなってね
ちゃんとついて行けば良かったて思うぐらい大きくなってね...
最後のわまがままいい?
ずっと好きで居るよ
君がこの星に旅立つ時
君の家族や仲間は喜んだ
この星ならではの
新しい体験ができるねと
〜別れ際に〜
別れ際に
「じゃあね、」
その声はなんの未練もなさそうに響いて、トドメを刺すようにヒールの足音が私を追い越した。
「あ…。」
「…なに?」
「いや…。」
何か言いたかった。言いたくて、声を発した。振り返りもしないで返事をした彼女の香りが遅れて漂って、サンダルウッドの香りが鼻をくすぐる。
何も言えなかった。彼女の足音は清々しそうに去っていった。
そうだ。いつだって、彼女の方が大人びていたんだった。
サンダルウッドの香水の印象だけが、なんだか苦く残った。
別れ際に手を振って「じゃあね」と言う。
だけど、その数秒後には、また会いたくなる。
好きな人と離れるって寂しい。
寂しいから、大事にしよう。
一緒にいれる時間の一分一秒を。
別れ際にあなたと見た月も
あなたとは違う誰かと繋がっているんだと
ふと感じてしまうことがあるのです
そんな僕を酷い奴だと思いますか?
でもね、長く、長く生きていると
誰にでも心の中に
そんな誰かがいるものです
目の前のあなたとは違う誰かを
想う瞬間もあるのです
そういう僕も
どうしようもなく、僕の一部なのです
『別れ際に』2023.09.28
「したっけバイバイ」
それが俺たちの別れ際の挨拶だ。
北海道出身の彼の口癖が俺たちの間で流行ってから、ずっと続けて来ている習慣。
「したっけね」
が本来の別れの挨拶だと北海出身の彼は言うが、気に入ってしまったものは仕方がない。内輪で使う分には問題ないはずだ。
怒っていても悲しくても嬉しくても、その挨拶だけは絶対にするのだと決めている。俺たちの約束だ。
「俺ぁね、リーダーの葬式の時にはね、したっけバイバイって言うって決めてるとよ」
「待て、勝手に殺すな」
「焼かれるときに起き上がって、大きな声で、したっけぇバイバァイ! つって言うんだろ」
「もうホラーだわ、それ」
「いやいや、別れるときはそういう約束でしょ」
「あのなぁ、死んだら意味ないんだって」
俺の言葉に、しんとなる。そう、死んだら俺たちのお決まりの挨拶もできない。
ベッドの上で横たわる最年少の彼は、目を閉じ口を結んでいる。
「ねぇ、分かってる?」
最年少の彼の先輩である彼が、涙ぐみながらそう声をかけた。ぐすぐすと鼻を鳴らし、涙まで流している。
「したっけバイバイしたかったなぁ」
北海道出身の彼がそうつぶやいた。金髪の彼も涙をこらえるように黙ったまま俯いた。
「……寝れないんですけど」
ずんと沈む俺たちの耳に、心底迷惑そうな声が届いた。
眠っていたと思われる最年少の彼が、目を開けてじろりとこちらを睨んでいる。
「いい加減、そっちも寝てください」
「なしてさ、構ってくれよぉ」
北海道出身の彼が最年少の彼の布団に潜り込んだ。俺たちはそんなからかいに満足して自分の寝床に戻る。
未だにわちゃわちゃしている二人をそのままに、電気を消して完全に寝る態勢に入った。
「あれだな、解散するときはしたっけバイバイって言いたいな。みんなでさ」
俺がそう言うと、みんなは一瞬黙ってから、すぐにそれぞれ思い思いの返事をしてくれた。
「したっけバイバイ」
五十年後にそれをみんなで言う日まで、俺たちは一緒に舞台に立ち続けることだろう。
最後だなんて言わないで
聞きたくなかったその言葉
はじめて会ったとき
また会えると思った
私の心にはあなたがいた
あなたの心にいたい
ずっと永遠に
別れることは簡単だった
だけど
別れ際にあなたの後ろ姿を見た
離したくない
一緒に永遠を見たい
その先を歩みたい
「じゃあ俺とデートしようよ」
にこりと笑ってお兄ちゃんが言った。“お兄ちゃん”、と呼んでるけど、別に血が繋がった本当の兄ではない。家が近くて、小さい頃よく遊んでくれた1つ年上の人。いわゆる幼なじみという間柄だと思う。
そのお兄ちゃんと学校からの帰り、駅でばったりあって一緒に帰ることになった。何のきっかけか忘れたけど、話の流れで私の女友達のことを話した。いつも仲が良くて土日のどっちかは一緒に遊びに行く子。なのだが、その子にこの間めでたく彼氏ができた。その途端、休日は土日どちらとも彼氏と過ごすようになってしまい私のことを構ってくれなくなったのだ。その文句と寂しさを話したら、
「じゃあ俺とデートしようよ」
「へ」
「嫌?」
お兄ちゃんはぽかんとしている私の顔を覗き込んできた。嫌、とかそんなんじゃなくて。なんで私がお兄ちゃんとデートすることになるの?そんな疑問をぶつけるより早く、じゃあ明日の9時に迎えに行くね、と話を進めてゆく。
「どこに行く?お前の行きたいとこでいいよ」
「別に、そーゆうの考えてなかったからすぐ浮かばない」
「じゃあ遊園地にしよう。定番だし」
「それはいいけど……いいよ?別に、無理しなくて」
「何が?」
きっとお兄ちゃんは私の機嫌を直すためにデートに行こうだなんて提案をしたんだ。そこまでしてもらう義理なんてない。貴重な休日を潰してしまったら申し訳ない。
「別に私そこまで気にしてないからさ。だから大丈夫だよ。気にかけてくれてありがとね」
「そうなの?」
「うん」
夕暮れ時の住宅街はどこからともなく美味しそうな匂いがする。私達の家まであともう数十メートルの距離だった。今日の夕飯なんだろな。呑気にそんなことを考えていた。
「気にかけてない、って言ったら嘘だけど、普通にお前とデートしたいって思ったんだけどなぁ」
「え……」
「だから行こうよ。遊園地」
夕陽を背負ってお兄ちゃんが笑いかける。いつから、こんなに格好良くなってしまったんだろう。高校生になったら話すことはめっきり減ったけど、会えばこうして構ってくれる。普通は、これくらいの歳の男の子は無愛想になったりするもんかと思ってたのに。お兄ちゃんはいつだって優しい。だから何でも許せてしまう。
「うん。じゃあ、明日よろしくお願いします」
「こちらこそ」
家の前についた。じゃあね、と言って玄関門を開けるところで、待って、と呼び止められる。振り向いた私の頭にお兄ちゃんの手が乗った。大きくて暖かいその手が私の前髪をすくう。そして、露わになった私の額にそっと何かが触れた。お兄ちゃんの唇だった。
「また明日」
去っていく後ろ姿に何も言えず、自宅の前で間抜けに立ち尽くす。やがて我に返ってまず初めに思ったこと。明日どうしよう。もしかして、もしかしなくともこれって。
「本当のデート……になるよね」
別れ際には拳を合わせる
俺たちの挨拶
初めて会った人との別れ際も拳を合わせる
仲間になれた気がする
また会おうぜの挨拶