『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初恋の日など
覚えていられる筈がない
恋というものは
後々そのどうにもならない感情に
名前を付けてみているだけなのだから
【284,お題:初恋の日】
俺は稲妻に撃たれた。
一瞬本当に死んでしまったのかと思った、全然生きてた。
ふざけてないよ?本当にそれ程までに衝撃的だったんだ。
隣のクラスのマドンナで皆の女王的存在、カリスマ性に溢れてて何より美人
消しゴムを取って貰っただけでこんなにドキドキしている、俺って結構単純なのかもしれない
きっと叶わない恋だろう、それでもこの熱を大事にしたくて
どうしたらお近づきになれるか考えた、初々しい春の日のこと。
5月7日は初恋の日かと調べてみたら全くそういうことはなかった。
初恋の日自体は存在するようだ。10月30日。島崎藤村の詩『初恋』が発表されたのが由来らしい。
あまり文学に明るくはないが読んだ覚えがあった。
せっかくだから他の作品も読んでみたらいいのはわかるのだが、今日更新された漫画をまだ読んでいないし、青空文庫のサイトを閉じてしまった。
教室の隅で一人静かに本を読むあなたに見惚れた
大切そうに、愛おしそうに本のページを繰るその手に
夢中になって文字を追うキラキラしたその瞳に
面白かったのだろうか、時々緩むその口元に
私は見惚れていた
あなたをもっと近くで見ていたいと思った
初恋の日
忘れたくても忘れられない日
あの日から、私の灰色の世界は淡く輝き出した
惚れた腫れたを理解するには、まだずっと幼かったあの頃。
つい目で追いかけたり。
ほかの誰かといっしょだと悲しくなったり。
少しでも長く自分といてほしかったり。
おとなになって、酸いも甘いも噛み分けた今だからこそわかる。
あれは“初恋”というものだったのだろう、と。
相手が誰だったか、なぜ好きだったかさえ思い出せない。そんなうんと幼い頃の思い出。
2024.5.7【初恋の日】
『初恋の日』
今日はあの子への初恋の日。
いくつ季節が過ぎようと、鮮やかに覚えている。
日に透けるようなキラキラの金髪と、その奥に隠れた青空みたいな瞳。
それがとても綺麗だったんだ。
「ねぇ、出会った時のこと覚えてる?」
「忘れたくても、忘れられないよ」
大きくなったあの子は、変わらない綺麗な青い瞳で見つめながら言葉を返してくれる。
「あの時僕は君を好きになったんだから」
「私も、だから忘れられないなぁ」
きっかけはなんだか忘れたけれど、私があの子を泣かせてしまった。
潤んだ青い瞳が、その瞳からこぼれ落ちる涙が、私を見上げるその怯えた顔が、私の背骨に衝撃を走らせた。
(あぁ、今私はこの人を支配している)
ゾクゾクした。歓喜した。
私の全てが、この人を支配したくて堪らなくなった。
こんなに腹の底から熱くなる感情が私の中にある事に驚いた。
「ねぇ、好きだよ」
これが私の、初恋。
初恋の日
初恋の日は忘れても
初恋の人は忘れられない
初恋の人は自分と誕生日が
同じだったんだもん
だから誕生日を勝手にね
初恋の日にしてる
自分の誕生日の度に
初恋が会いに来るよ
毎年
初恋の日に
[初恋の日]
中2、3の担任だった先生。とても明るくて優しい先生。この気持ちが恋なのかわからないけど、先生の中では一番好きだった。
中2の終わり頃、不登校になった。理由は学校にいるのがつまらなくて行きたくなかったから。一人の時間が欲しかった。友達といるのがしんどいと思った。話しを合わせるのが嫌だった。推しの話しばかりであきた。
中3になっても、不登校。受験のため出席を目的に別室登校。学校にいるのはやはりつまらなかった。勉強は追いついているから学校にいかなくても良かった。
先生方は心配してくれていた。いつも来てくれて体調とか話しをした。担任の先生は面白い。いつも笑わせてくれる。一緒にいると楽しかった。理科の先生で私も生き物が好きだから生物の話とかをよくしていた。
つまらなかった日常がとても楽しくなった。ずっと一緒にいて話していたいと思った。でも、卒業だからお別れ。高校生になって今でも寂しいな。
早くまた会いたいよ。
※この作品はにじさんじの二次創作・同性愛の表現を含み、卒業したライバーが出てきます。
それでも宜しければこのままお進みください。
初恋の日は今でもよく覚えている。
あの日は、初めてハヤトさんに会った日だった。
初めて会った時はまだお互い小さくて、正常な判断がしづらかった程だった。
だけど、俺ははっきりこの人が好きだと理解していた。
周りがどう思うが関係ないが、相手に嫌われるのは嫌だからずっとこの恋心を隠してきた。
また施設に顔を見せに来た時も、同じにじさんじのライバーになった時も、ずっと。
あれから10数年、俺は今でも本心を隠している。
ういはたちや不破くんたちにも話したり、相談したこともない。
ハヤトさんは立派な大人になって、ハヤトさんのお父さんの会社を継いで代表取締役となった。
物腰も柔らかく、万人受けするようなカッコいい大人だ。
だから、告白しても多分受け入れてくれる。
まあ、それは嫌だけど。
どうせならあの日、さっさとこの恋を終わらせたらよかったな。
…なんてね。
【初恋の日なんて、無ければ良かったのに】
初恋の日
その日は雨だった
傘を持ってきていない私は濡れて帰るしかないと思った
そこへちょうど先輩がと思って
「まだあるからこれ使いな」
と言って貸してくれた
それが私の初恋だ
みたいな感じの出会いがしたかった、
初恋の日
初恋は甘酸っぱいというのが定説だ
ところで甘酸っぱいとはどんなものだろう
レモンサイダーみたいな味だろうか
いや意外とレモンには苦みがある
合成甘味料の酸っぱさを期待するとがっかりすることがある
梅干しみたいな味だろうか
いや梅干しは酸っぱいか甘いのどちらかに振りきっている印象だ
ちなみに甘い梅干しを私は受け付けない
はて何か良いものがあるだろうか
ああそういえばピュレグミは甘酸っぱかったような覚えがある
形もハートだった気がするし丁度良い
ではピュレグミを初めて食べた日を初恋の日としよう
初恋は小学校4年生。
明るくて笑顔のかわいい同じクラスの子に惹かれました。
この気持ちに気がついた出来事は、休み時間中にお菓子を分けてくれたこと。たったそれだけのことですが、当時はそれだけで十分です。
きっと
それが恋だと認識してなかったと思う
もしくは
それが恋だと思い込んでいたのだと思う
likeもLoveもまだわからない
初々しく残酷でもある。
私の初恋は
焦らされ期待させられ泡となり
消えた。
【初恋の日】
たった一瞬。本当に、一瞬だった。意識していなかった相手。
「あ、好きだ。」
その自覚をした瞬間、私の初恋が始まった。
No.13 _初恋した日_
皆様、いつも見ていただきありがとうございます。
支離滅裂、誤字脱字、薄っぺらい内容ですが、今後とも頑張っていく所存ですので、よろしくお願いいたします。
霧つゆ より
初恋の日
昔から恋という言い回しがあまり好きではないので、初恋の日というものが明確にいつを示すのか自分でもよく分かりません。ただ恋と呼ばれているものについて一つ言えることは、世の中には"大事にしたい人"と"そうではない人"の二通りの人間が存在している、ということです。そういった感覚的な問題に、恋なんて大層な名前を付けなくても良いんじゃないかと、そういう風に考えます。自分はそういった事前に枠のような物で取り囲まれた一種のストーリーのような物に己を当て嵌めてしまうのがどうも苦手で。それに恋と言ってしまうと問題が複雑化・顕在化して大変なことになってしまいます
初恋の日
私の初恋は多分ヒソカなんだと思う。
ヒソカのカードを手帳に挟んでたり、
ヒソカの下敷きも持ってた。
でもオタクってバレたくなかったから隠して学校行ってたな。
小さな私が初めて好きになった人は
ジャングルジムの上から
私の名前を呼ぶ4つ上のひとでした
どこでどう知り合ったのか
今となっては忘れてしまったけれど
ジャングルジムの上からの笑顔は
覚えている
あの笑顔が私の初恋の日
胸がざわざわして
落ち着かない
何も手につかない
変に意識してしまう
初恋の日
初恋の日
1日中ずっと、
頭の中にちらつく時、
それに気付いた時、
これが好きってことなのかなって。
#大人しい2人がまったり恋してみる話 (BL)
Side:Tenri Fukaya
僕は生まれつき、声がものすごく小さい。
体育会系男子並みの大声を出そうとすると、喉を裂かれるような痛みに襲われる。
そんな僕はいつしか、人前で一切声を出さなくなった。
何度も聞き返されるのは苦痛だし、頑張って大声を出そうとするのも苦痛だから、僕の場合は少し手間はかかるけどメールや筆談で伝えたほうが早く伝わる。
"天宮先生の最新作発売の告知をしてからSNSでのいいねの数がものっっすごいことになってますよ〜!見ました!?"
"そうなんですか?SNSってあまり使わないのでよく分からなくて"
"ふっふっふ、これからさらに先生の評判もうなぎ登りになっていくと思いますよ!"
僕の名前は深屋天璃 。高校生の頃からずっと恋愛小説家「天宮シン」として創作活動をしている。
ずっとお世話になっている担当編集の佐藤さんは僕の声の小ささのことをよく理解してくれていて、それが本当にありがたい。
「…これで暫くは、ゆっくりできるな…」
ところが、大きく伸びをしてから立ち上がって後ろを振り返ったとき、僕はあっという間に締め切り明けの開放感から現実に引き戻された。
「…また部屋が悲惨なことになってしまった…」
…そう。僕は創作活動をしていると、集中しすぎて身の回りのことが一切できなくなってしまうのだ。
ひどい時だと、寝食すら忘れてしまうこともある。
このままではいけないと分かってはいるのに、この散らかりきった部屋を見る度に僕に生活能力がまるでないことを思い知らされる。
高校卒業と同時に母の生家だった一軒家を借りて一人暮らしを始めて、それから今までの数年間は1人で何とかやってきたつもりだったが…そろそろ人の手を借りなければ足の踏み場がない状態の一歩手前までになりそうだ。
「…だが、こんな僕と少し手間がかかる会話を続けていける気の長い人なんているのか…?」
思い切って家事代行サービスのサイトを検索したはいいものの、早速大きな壁にぶち当たってしまった。
耳が聞こえるのに声を一切出さずに筆談だけで会話をする三十路男が雇い主なんて、僕の声の事情を知らなければ絶対気持ち悪がられるに決まっている。
だからといって担当編集の佐藤さんに掃除まで手伝わせてしまったら佐藤さんの負担も倍になるし、絶対に迷惑がられてしまう…。
ネガティブ思考の無限ループにハマり始めたその時、家事代行サービスに登録している家政婦さんたちのリストの中の、とある家政婦…いや、家政夫さんの名前に目が留まった。
「野藤玲於さん…というのか。女性の方が多いけど、同性のほうが気が楽かも…」
野藤さんは僕より9歳年下の21歳で、家事代行サービスに登録している人の中では数少ない男性でありながら、家事全般を得意としているオールラウンダー。
そして何より僕が惹かれたのが、彼のプロフィールに書かれていた「口数は少ないほうですが、会話を長く続けることが苦手な方をはじめ、病気などが原因で会話が上手くできない方でも対応できます」の文字。
「…この人なら…」
──────────
「…やってしまった…」
約3時間かけて、ついに僕はおそらく僕の人生史上いちばん大きな決断を下した。
僕の荒れきったこの家の家事代行を野藤さんに任せることにしたのだ。
初めて利用するサービスということで、とりあえず契約時間は3時間にした。
幸いなことに今日は野藤さんに先約がない日だったようで、連絡したらすぐに来てもらえることになった。
「…この惨状を見てドン引きされることは覚悟しておくか」
約40分後。
何となく落ち着かないまま玄関のドアの前を歩き回っていた時、インターホンが鳴った。
…覚悟を決めるんだ、僕…。
「…はじめまして。この度深屋様の家事を代行させていただく、野藤玲於です」
「…!?」
初対面の彼に僕が抱いた第一印象は「怖そう」だった。
僕よりもかなりガタイがよくて、身長は明らかに190センチはある。
そして…声色は落ち着いているけれど、どこか無感情だ。
…本当に、彼に任せて大丈夫なのだろうか…?
"はじめまして、深屋天璃です。声が小さすぎてよく聞き返されるので、普段から筆談で会話をしています。すみません、話しづらくはないですか?"
「…あぁ、なるほど。筆談を用いる方への対応は初めてではないので、大丈夫です」
"ありがとうございます…では、どうぞ"
簡単な自己紹介をした後、僕は野藤さんを自分の部屋へ案内した。
…彼の反応は、だいたい分かりきっている。
「…これは…」
"…すみません。創作活動をしていると他のことがおざなりになってしまいがちで、ついにこんな惨状に…"
「…いえ、掃除しがいのある部屋だなと思っただけです。早速始めるので、触ってほしくないものがあればその都度教えてください」
…いや、そうでもなかった。
今回はむしろ、彼のこの落ち着きように救われたかもしれない。
野藤さんはエプロンとマスクと手袋で武装した後、かなり慣れたペースで淡々と掃除を始めた。
彼は本当に口数が少ないタイプのようで、僕が別作業をしていても必要以上に話しかけてくることはなかった。
でも…僕にはそれが、何だか心地よく感じた。
──────────
「…さん」
「…?」
「深屋さん」
「…!」
なんということだ…。思いのほか緊張しなくていい空気感で気が抜けてしまったのか、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
僕がハッと体を起こすと、時刻は午後6時。契約時間は3時間だったにもかかわらず、気づけば1時間以上タイムオーバーしていた。
"すみません…いつの間にか眠ってしまっていたみたいです。延長料金はいくらでしたっけ?"
「…いえ。俺が望んで残ったので、その必要はないです」
「…?」
辺りを見回すと、あんなに散らかり放題だった僕の部屋はビックリするほど片付いていた。
あの部屋を…約3時間ちょっとで片付けられたのか?
そして、望んで残っていたとはいったい…。
その理由は、キッチンから漂ってくる美味しそうなにおいですぐに分かった。
"もしかして、夕食まで作ってくれたんですか?"
「あ…はい。片付けていた時にパスタの作り方の本を見つけたので、作り置き用のおかずと一緒に作ってみました」
"ありがとうございます…何から何まで"
「いえ…では、俺はこれで失礼します。ご利用ありがとうございました」
…なんだか、泣きそうだ。
一人暮らし続きで孤独を感じていた心が、野藤さんの優しさでじんわりと癒されていくのを感じる。
部屋は見違えるほど綺麗になったけど…もし僕がまた家事代行をお願いしたら、彼は来てくれるだろうか?
またいつか、彼の優しさに触れられるだろうか?
そう考えるより先に、僕の体が動いていた。
「…?深屋さん?」
「…」
野藤さんが玄関のドアを開けて出て行く前に、僕は彼の服の裾を掴んで彼を引き止めた。
そして僕は出せるだけの勇気を全て出して、彼にこう提案した。
"契約の延長もしくは、再契約は可能ですか"
「…!」
この瞬間を、後に僕は何度も思い出すこととなる。
今日が恋愛小説家でありながら恋とは何かを知らなかった僕の、初恋の日となったのだから。
【お題:初恋の日】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・野藤 玲於 (のとう れお) 攻め 21歳 家政夫
・深屋 天璃 (ふかや てんり) 受け 30歳 恋愛小説家(PN:天宮シン)