『冬休み』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「世間は冬休みなんだね」
街中ですれ違う子供たちを見ながら彼女が言った。
「私冬休みとか、夏休みとか、そう言うの好きじゃなかったな」
「どうして」
「だって、好きな人に会えないじゃない」
彼女とは3年間、同じ高校に通っていたが長期休みが嫌いだなんて初めて知った。それから思い人がいた事も、初耳だ。
動揺を隠すようにして彼女から視線をずらせば向こうから手を繋いで歩いてくる高校生のカップルがいた。
すれ違う時にぶつからない様彼女の肩を抱いて少し横に避けると、高校生のカップルの方では、男の子が繋ぐ女の子の手を引っ張って自らの方へ引き寄せていた。すれちがいざまにペコリと下げられた頭にいい彼氏持ったな、と女の子に念を送る。
やはり年齢関係なく、男は好きな女を守るものなんだなとぼーっと考えていると抱き寄せていた彼女から小さく声が漏れた。
「ね、ねぇっ、いつまでコレ...」
「あ、ああ。悪い」
パッと彼女の肩から手を離すと下を向いた彼女の、顔か赤く染まっていた。
「俺は冬休みとか好きだったけどね」
「なんで?」
「会えない間に愛が募るから、かな」
ようやく顔を持ち上げた彼女の目がまんまるに開かれていた。
「好きな人、いたんだ...」
悲しげに伏せられた瞼に、彼女の思い人が自分であると確信してしまった。
そうと分かれば話は早い。
「あのねぇ、高校卒業してから短大、就職先、ずっと一緒なのになーんでわかんないかなぁ」
「え?」
「好きだからに決まってるでしょ。俺はお前が好きなの」
「...え?」
「お前が幸せになれるなら相手は俺じゃなくてもいいと思ってたけど、やーめた」
彼女の方を見下ろせば彼女は耳だけでなく、首まで真っ赤に染め上げていた。
「やっと俺のものにできた。もう離さないよ」
#冬休み
『 自殺ライセンス 』
宝くじ買ったんだよ。
年末ジャンボ発売最終日。
ガラス扉に頭ぶつけてさ。
えっ? これってまさか?
なぁんてね ... 思ったのは23年間寄り添った女房と冷戦状態でね。
10億円当たったら、それ、女房に叩き付けて ...
こんだけありゃ、まあ、なんとか最期までそれなりに窮乏に喘がずに鎮めるだろってね。
てな感じで年末ジャンボ宝くじかったよ。
自殺ライセンスね。
俺の。
冬休み
子どもの頃冬休みは、短かったけど、一年の最後に学校から解放されるご褒美みたいで、好きでしたね。
大人になった今は、冬休みなんてありません。逆に冬休みの時期は忙しくて嫌いな時期になりました。
冬休みなんてない。子どもの頃の記憶も夏休みの思い出だけで冬って休みの印象ないな。
正月も休みなしだし底辺は辛いね。宝くじとか競馬みたいな賭け事もやらないから人生一発逆転もないし、こんな人生がずっと続くと考えたら死にたくなる。
でも飯はうまいし娯楽は楽しい。まだまだ死にたいより生きたいが上だから生きている。
「冬休み」
私に長期休みなんてない。
いや、正確には休みという建前だけはある
蓋を開けてみれば、休みなんて欠片もないが
表向きには休みということらしい。
昔はちゃんと休みがあったのに今では常に動き続けている。
色んなことを知ってしまったから。色んな事に気づいてしまったから。分かってしまったから。
1度踏み入れてしまったそこからはもう二度と出られない。
ずっとそこを、さまよい続ける事になる。
長期休みなんて訪れない。
否が応でも毎日向き合わなければならないから
今の人生、生活ではそれとは切っても切れない縁で結ばれてしまっているから
今では家にいてもそれと向き合わなければならないから
だんだん常に見られている気さえしてくる
だから家でも辞めることが出来ない
私はそれに依存しているから。踏み入れてしまったから。
それの怖さを知っていながら、遠ざけることが出来ないから
1度してしまった思い込みから抜け出すことは中々出来ない
1度踏み入れてしまったものから抜け出すことも中々出来ない
依存とは恐ろしいものだ。
何もかも奪ってしまう。
生活も、暇(いとま)も、人生までもが狂わされる
それほどに歪めてしまう。
そう、人間関係という名の重労働から私は抜け出すことが出来ずにいる。
「ほら!こっちこっち!!」
彼は俺の腕を引いてキラキラとした街へと誘う。
2人で訪れた場所は冬のデートスポット、イルミネーションが輝く街だった。
「ちょっ、おい!」
彼の方が少し力が強いのか、俺か引っ張られる感じになってしまう。
溶け残る雪上を滑るように歩く。
「ほら、見て。」
彼が指さす方を見つめる。そこには月のあかりをもかき消すようにイルミネーションがきらきらと輝いていた。
「うわ、、やべぇなぁ。」
「だろ!!これ見せたかったんだよ!」
そう言って彼は俺と手を絡める。
「お前、最近忙しいじゃん。会えねぇのすげぇ辛かったんだぜ。だから、こうして会えるのめっちゃ嬉しいの。」
くる、と振り返って笑う彼はイルミネーションの明かりよりも輝いていた。
「、、、馬鹿。」
「なっ!?」
彼の肩に頭を預け、彼の大きな手を取って零す。
「俺だって出来ることなら毎日会いたいよ、、。」
そう言って彼の顔を覗く。彼は微笑んで
「何それ。誘ってんの?」
俺に顔を近づけた。
「じゃあ、後で、な?」
俺は静かにその言葉に頷いた。
#冬休み
電子音の雪崩が鼓膜を破らんとする。繁華街のネオンを束にしたような彩度の明かりが目を焼く。隣の中年男が紙煙草を咥えた。貼り紙は「電子タバコのみ可」と呟いていたが、囂しい筐体らの喋り声に阻まれて、その姿はすっかり隠されていたのだった。
アドレナリン、セロトニン、そして興奮。その裏に蠢く焦燥感。今日は幾ら溶かしたのだったか。指先が痙攣するように震える。それでもなお、玉を捻り出す手を止めることはできなかった。
大学生。ひとはそれを人生の夏休みと呼ぶらしい。では、今のおれの姿は、人生の冬休みと呼ぶべきだろうか。岩のような雪が道を塞ぎ、真白い風が視界を覆うように、先が見えない。
ああ、やめよう、こんなことを考えるのは。
丁度、ビビットな赤文字が目に入った。おれは生唾を飲み込み、ハンドルを握る手に力を込めた。
『冬休み』
小学生の頃は
冬休みも
夏休みも
ドリルに日記
絵や読書感想文
工作に自由研究
冬は長い半紙に書き初め
明日やろうはバカ野郎
になって
たんまり残った宿題を
最終日に必死でやるという
あるあるな思い出
冬の夜は火の用心があった
「火の〜よ〜じんっ!カチカチ」
時々お菓子をくれる
家もあったりして
火の用心の後
雪かき後に作られた
家のそばの小さな雪山に
一人大の字に寝転がって
「このまま寝たら死ぬのかな」
冬の綺麗な星空を眺めながら
まだ世の中の事なんか知らず
その険しい道を歩む事も知らず
そうボンヤリ考えてたのを思い出す
「冬休み」
みんなが楽しみ冬休み。短いけれどもお休みするにはいい感じ。宿題多いけれども早く終わらせたらいい気持ち。習い事もあるけれど早めに終わらせいい気持ち
子供にとっては長い方がいいけれど、大人にとっては短い方がいい。
長いければ長いほど友達と会えないし、
短ければ短いほど子供と親の休みがない。
冬休みっていい感じ。
『冬休み』
今日、ちょうどそのことを考えてた。
何をしてみようか。
小旅行? 雪を見に行くのもいいね。
でも今年はクリスマスにたくさん見たから、雪景色よりもあったいところに行きたいかな。
温泉入りたいね。
入りたいねえ。
そして美味しいものを食べる!
ごはんの価値観おんなじなの、幸せだね。
まあ、好きな食べ物はぜんぜん違うけどね。
たまに一口味見させてもらうのが楽しいんだよね。
もし学生の頃に出会ってたら、いっしょにどんな冬休みを過ごしてたと思う?
あー…お金なかったから…。旅行はむり。
そうだよねえ。
あ、バイト終わりに肉まん差し入れに行くよ。冬の夜道で食べる肉まん、すごい好きだった。
神じゃん。
そんで手を繋いで帰ろー。アパート近くのコンビニで食料買い込んで、ふたりで夜通し映画を見る。お笑いでも可。
それさ、今となにが違うん?
今日、ちょうどそのことを考えてた。
いつ、どこで、どんなふうに出会ったとしても、きっと今とおんなじふたりになるよ。
長期休みは嫌い。
だって、長い間、あなたに会えなくなってしまうんだもの。
でもね、冬休みは好きなの。
たったの二週間だもの。そのくらいは我慢できるの。
丁度いいと思わない?
私があなたに会えない間、あなたのことを頭の中で考えている時間が。
あなたも私と同じ気持ちだったら…なんて、馬鹿みたいなことも考えるんだけどね。
有り得ない話なんだけど…
冬休みが明けたら、一番最初にあなたに会いたい。
そんなことを考えるの。
___________end___________
長期休みは嫌いだ。
だって、長い間、あいつに会えなくなってしまうから。
でも、冬休みは好きなんだよなぁ。
たったの二週間だから。そのくらいは我慢できる。
丁度いいと思わないか?
俺があいつに会えない間、あいつのことを頭の中で考えている時間が。
あいつも、俺と同じ気持ちだったら…なんて、馬鹿みたいなことも偶に考えたりもする。
まぁ、有り得ない話なんだけどな…
冬休みが明けたら、一番最初にあいつに会いたい。
そんなことを考えるんだ。
___________end___________
大人になれば冬休みなんて何ら特別なわけでもない。ゴールデンウィークの方が休みは長いし,ほんの数日仕事がなくなるだけの日々にすぎない。
長期休み そんな理由がなくたって会おうと思えばいつだって会える。だってもう大人だから。
社会人にもなればお金はある。時間だって作ろうと思えば作れる。新幹線に揺られて一時間と少し。遠距離恋愛と言うには近すぎる距離は,二人を隔てる壁になんかなりもしないはずで。
なのに何でこんなに遠いんだろう。毎日のように電話して,たまには手紙も出しあって。写真のフォルダだって君でいっぱいなのに。
最後に君に会ったのはいつだっただろうか。もう思い出せもしないくらい前。あのとき君はノースリーブのワンピース姿で,浜辺ではしゃいでかき氷を食べて。そうかあれはそんなにも昔。季節二つも跨いでしまったのか。
「さみしい」
思い出してしまえばそんな思いにさらされる。なのに,恋しい愛しいってそんな思いで溺れそうになってもまだ動けない。
なにとなしにつけたテレビは帰省ラッシュのピーク予想を報じている。誰もが慌ただしく過ごす時間のなかで,ほんのひとときの安らぎを求め自分の古巣へ帰るとき。
「会いたいな」
ポケットに仕舞いこまれた予定帳を開く。仕事納めが終わればなにもないまっさらなマス目。
「帰ろうかな」
久しぶりに親の顔でも見に行こうかと,たまには向こうの友人たちと飲み明かそうかと そう思った。
そしたら,ついでに君の家にもよってみよう。君の好きなケーキでも持って。明けましておめでとうって。今年もよろしくって。そんな言葉を言い合いながら二人で時間を過ごしてみよう。
「同窓会のお知らせも来てたし」
納得できる理由を繕わないと,自分の欲に従って行動のひとつも出来ない臆病者だからさ。自分に言い訳して嘘をつくんだ。
本当はただ君に会いたいだけなのにさ。
─── ねぇ,大好きだよ。
冬休みの雰囲気のせいにしてしまえばそんな言葉も言えるかな。
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冬休み
夏休みよりも短いその期間は、何故だか二度寝を誘うし、一日中ごろごろとしていたくなるんだ。
そのくせ日が短くなっているから、一日がとても短く感じて、あっという間に終わってしまう。
だから、どうかお願い。まだ明日が冬休みでありますように。
冬休み、学校から出された宿題を冬休み後半らへんで慌ててやった思い出がたくさんある。当時の私からすれば、苦だったけど、今の私からすると、良い思い出だなって思う。今年の冬も慌てるのかなって考える。
冬休み、楽しんでいこう。今年も。
冬休み。
冬休みは
楽しい
事が
たくさんありそう。
ワンマンと
カウントダウンも
あるし。
推しのお誕生日も
お祝いできる?
今年の冬休みは
誰よりも幸せ。
冬休みに向けて、と書かれたプリントが配られる。
どうせいつものあれだ、早寝早起き、計画的に過ごすとか書いてあるやつだ。
小学校の頃も似たようなの言ってたよなぁ…と思う。
でも、みんな1番に考えていることは共通しているだろう。
「私いつも思うんだけど、冬休みって短くない?2週間ちょいぐらいしかないじゃん」
そう。その通り。冬休みは夏休み比べてはるかに少ない。
冬休みは結構あっという間に終わってしまう。
放課後となると、授業で渡された宿題や、冬休み関連の話になるのは仕方ない。
「ねぇ、英語の宿題みた?」
「見たー!マジ多くない?何あの量。しかも休み明けにまとめテストって…」
「数学とかもなかなかあるけどね…」
などと話しながら、校門を出て2人で駅に向かう。
「あーあ、私夏休みは宿題に追われてたから冬休みはゆっくり過ごそう!って思ってたのに」
「そんなこと言ってると、冬休みも追われちゃうよ?」
それはやだー!といいながら突然、隣の友人が拳をぶあっと上げだした。
「でも遊びたい!勉強ばっかじゃ何の休みなの!絶対に私は遊ぶの!」えいえいおー!と叫び出す。
「遊ぶ、遊ぶって何するのよ…せめて宿題だけはやりなよ」
「宿題は何とか終わらすから!それよりもどこ行く⁉︎」
「あ、遊び相手私?」
「えっダメ?遊ぼうよ。」
私はあんたと違って真面目に勉強する予定だったんだけど…とは思った。
でも、ここまでキラキラした目で誘われたら…
「しょうがないなぁ、良いよ別に」
「本当⁉︎やったー!!ありがとうねー」
素直じゃないなぁ、と思う。普通に誘われるのは嬉しかった。
まぁ、恥ずかしくて言えないけど。
とりあえず、冬休み楽しみだなぁ。
冬休み
深夜12時
毎年課題を溜める私は、
シャーペンを持って机に向かっていた。
理由は好きな人との通話。
勉強を教えてもらう口実で通話してもらった。
ただ、集中すると周りが見えなくなる体質のせいで
彼を放っておいてしまった。
声をかけても返事は無い。
ふと口にした「大好き。」
返事は無いはずなのに、返事を期待してしまう。
机に再び向かい直そうとした時、
彼のアイコンが光る。
俺も好きだよ。
冬休み
子供の頃は
冬休みだったものが
大人になってからは
冬季休暇になった
呼び名は 変わっても
休みが 終わる頃に感じる
憂鬱さは 変わらない
やったー!!!る冬休み最高!!!!課題はちょうどいいしゲームも沢山しすぎて退屈!!早く終われ
「冬はつとめて」その言葉を飲み込んで廊下のカーテンをあける。端のほうが結露した窓から外を見ると一面の雪景色だ。小さな頃はワクワクしたその光景も、今では寒いなぁという感想しか出てこなくなった自分に寂しさを感じる。さぁ、チビたちのあったかい服と手袋、遊んだあとのおしるこでも準備しますか。
2022/12/28『冬休み』