『冬は一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「なあ、姫子。クリスマス俺と一緒に過ごそうぜ」
「……!」
相変わらず天野くんはオープンだ。周りの目などお構いなしに誘ってくる。
今も校内の廊下ですれ違いざま。周りの男子がおおー、勇者だねーと冷やかしていく。
「ちょっと。声が大きいよ、何なのいきなり!」
物陰に押し込んで抗議する。
でも彼はけろっとしたもので、
「今から誘いますって宣言してから誘う奴いる?受けるー」
「……あのねえ」
頭痛くなってきた。
「すまんすまん。姫子と冬も一緒に居られるの、なんか嬉しくてさ。盆と正月がいっぺんに来たみたいなんだよ。浮かれてごめん」
あんまりストレートに言うものだから、私は言葉に詰まる。
天野くんは笑った。
「クリスマスなのにおかしいよな。でも一緒に居たいのは本気。予定ないなら俺とどう?プラネタリウムとか」
「……天野くん、それって私に織姫の頃の記憶取り戻させようと、狙ってるでしょ?」
そう突っ込んであげると、あはは、それは裏読みすぎ、と笑い飛ばされた。
「まぁ前向きに考えといてよ」
じゃな、と手を振って行ってしまう。
ほんとにもー強引なんだから。私はため息を吐きながら、彼を見送る。
まぁ天野くんとプラネタリウムで星を見るのもいいかなと思った。
織姫の記憶がどうこうと言うより、純粋に一緒に過ごしてもいいかなという気持ちになっていた。この、開けっぴろげな彼と。
彦星の生まれ変わりと信じて疑わないひとと。
#冬も一緒に
『冬は一緒に』
雪は降る 皆で過ごせと 語ってる
家族で炬燵に入って団欒
みかんを食べて
手を繋いだときの温もりを
忘れるくらいの緊張で
手を急速に暖める
冷たい風が肌を容赦なく刺激する
着込んでも小さな隙間から当たる
でもこの季節は君と居れるチャンス
「寒いからあっためさせて!」
なんて言って周囲から「人間カイロ」と名付けられた君の手を握る
やはりこのあだ名の通りで手は暖かく 君は苦笑する
「冬は私の事毎日暖めて!」
とか言うけどほんとうは違って
君に会いたいから
冬は一緒に居れるチャンスだから
君は気づいてないだろうけど。
今日はなんて話しかけようか、と考えていたら
不意に手を握られ
驚いて後ろを振り返ると
君がいた
「暖めにきたよ」
「冬は一緒に」
冬は一緒にソファに座りながらひとつのブランケットを2人で羽織って映画を見る
2人の体温が溶け合う
冬は合法的に近づける時期
人肌がとてもあたたかい
思考にのまれる
頭が重く言葉が出てこない
行動する前にローディングの時間が長い
人としての尊厳も何も無い
他人から言われて世間の常識と離れた自分
波長が、ズレて合わせるチャンネルがズレた
冬は一緒にさ雪だるまを作ろう雪ウサギさんも作りたいねそれとも一緒にお散歩する?
きっとなにしても楽しい冬になるよ
冬は一緒にコタツでのんびりしたい。
ポカポカしながらみかんを食べて、ゆったりと時の流れに身を任せたい。
そんな老後を送りたい。
君がくれた思い出と僕の心に眠る記憶が相まって
僕は、ひとりアルバムを覗いてみる
君はいない、、、
夏の思い出とクラブでぬぐわれたグロス
腕には入場するためのナンバーがヒラヒラ踊る
沢山の人のなかにそっと腰を下ろした僕は
なぜ君と出会い、別れ
また始まるのだろう
そっとサイドミラーにつぶやいた
またこの助手席を降りたらしばらく逢えない、、、
泣かない
強いわけじゃない
僕はずっと何十年も泣き続けているんだっけ
止まらない涙があなたには見えないの
たまに晴れた日は笑顔になるけれど
黙っている時はたいてい泣いてる
暖かい車の助手席のドアを開け
あなたに声をかけられやすいようゆっくり
車から降りる
『電話するよ』の一言が欲しくって
帰りの一歩進む先に
あの頃の私には未来なんて見えなかった
この冬は一緒に、、なんて
言えなかった僕と君
ごめんね、、、夏
【お題:冬は一緒に】
物語には分岐点が必要だ。
長ければ長い程、その分岐は重要となり、物語の世界を変え、揺るがすものとなる。
雪が降る。まだ、積もってはおらず、積もる程激しくない。
しんしんと、静かに、まるで世界を覆うように。
「雪か……」
「柘榴? 外にいると風邪を引くぞ」
呼ばれた男は振り返る。同じく空を眺めていた彼に、微かに笑顔を返すと、また空へと目線を戻す。
「憖か、もう冬になるな……」
「あぁ、そうだな。雪が積もる前に全ての片がついて良かったよ」
「何を言う、何も解決してないだろう」
呆れたようなその声も、その後の返しも、雪のように解けていく。
静かに、静寂をもたらすその気配を、誰が目ざとく察する事が出来ただろう。
物語には分岐点が必要だ。
長く、長く、その中心を変えて進む物語は、氷河期へと進んでいく。
「空気が冷たい、これは長くなりそうだ」
誰がが、その空に向かって手をかざす。手に乗った雪は溶け、水へと変わる。
水は凍り、また雪が積もる。
「レイ、どうかしたのか?」
「……青龍、雪が長くなりそうだ。どうやらレースロワの分岐点らしい」
「分岐点? 何を言ってるただの雪だろ」
「ただの雪にしては、空気が冷た過ぎる」
何か魔法のような気配がする。その言葉を聞いていた、青龍は、顔を顰めた。
大地に降り注ぐ雪は、平等に、公平に振り積もっていく。
まるで、皆に冬は一緒にやってくる。そう告るかのように。
世界を覆う冬がやってくる。
ーあとがきー
今回のお題は冬は一緒に。
多分、恋愛系のお題だとは思うのですけど、全くもって不穏な空気だけが漂いました。
今回の語り部はなしっ!強いて言うなら、司書エルちゃんが近いかもしれません。ありがとう、ごめんね、の時の語り部ですね。
抽象証言だけの短編。レークスロワという大陸の話のみを書いていますが、お題によって時間軸もバラバラ、キャラクターもバラバラとなっておりますが、きちんと時間軸はあります。
今回の時間軸は、前の話とりとめのない話からは、数十年前。
まぁ、時間軸が大幅に他短編と同じくらいまで戻ってきました。なんて不安定。
裏話をいたしますと、レークスロワ自体に冬が来ることはあまりありません。年中冬の国はありますけれど、四季折々なのは、それこそ、桜花國くらい。なので、全土で雪が降るのは異常事態だったりします。
だからこその、分岐点。この「冬」の話も、どこかで描ければ良いのですのが…
それでは、この辺りに致しましょう。
また、どこかで。
エルルカ
もうすぐクリスマス・・・
と言えばミニスカートサンタさん
と×××な事したいね😍
私と一緒に冷たくなる。私も冬も冷たい。
私と一緒に着ぶくれ。私も冬も着ぶくれ。
私と一緒に静かになる。私も冬も静か。
私と一緒に過ぎ去る。私も冬も足早。
私と一緒にすごしてる。ちょっと友達でちょっと敵。
冬は一緒に
冬は一緒に
公園で雪だるまを作ろう
コタツでお鍋を食べよう
その後は人生ゲームしよう
負けた人が勝った人に
みかんの皮を剥いてあげる
どうかな?🤗
✴️245✴️冬は一緒に
『冬は一緒に』
ぼっちな私は一緒にいる人がいない。
でも冬は大好きで、クリスマスや年末年始
外を歩くのが今も好きだ。
最後に 一緒にいた友達と 歩いた 冬の寒さはいい思い出だ。
今年も、冬は一緒に過ごす人はいない。
だからその分、おせちにちょっとお金をかけた。
若い頃、ひとりぼっちのイヴを過ごすことが、なぜあんなに嫌だったんだろう。
結局は恋人のいない男友達で集まって馬鹿騒ぎして慰め合うことの方が多かったんだけど。
マスメディアや企業の戦略に洗脳されて踊らされてたってコトなのかな。センチメンタルなクリスマスソング(名曲揃い!)の世界に浸って酔いしれてた。
冷静に考えると年中彼女は欲しい訳だし、イヴに恋人と過ごさなきゃいけない理由なんか何も無いのにね。温もりの恋しい季節ではあるけれど。
忙しそうな君に訊けずにとりあえず
イヴの予定は入れないで置く
#冬は一緒に
ホワイトアウト寸前の吹雪の中。
ようやく辿り着いた藁葺の古民家の引き戸を薄く開ければ、袂に包まれてヌクヌクとしていた黒猫が「お前はもう用済みだ」とばかりに私の腕の中から抜け出して、軽快な足取りで戸の内へと入っていった。
薄情なヤツだな、ため息一つ吐いて再び引き戸に手を伸ばせば、ガララッと音を立てて引き戸が全開になる。
「こんな日に当たるなんて、災難だったな」
ホラ早く入れ、と綿入れを羽織った君がニカッと笑った。
最近では、ヒートショックという危険なモノが流行っているそうで。
「足先とか手とか、末端から掛け湯するんだぞー」
と、浴室と脱衣所を隔てる薄い摺り硝子越しに声をかけられた。
「はいはい、わかりましたよ」
そう言って、手桶になみなみ入った湯をザバッと豪快に肩にかけると、君の忠告を無視して湯船に飛び込んだ。
テーマ「冬は一緒に」
吐いた息が白に染まる。
「……冬だ」
また、あの日が来る……といいな。
俺は一人学校へ向かう。
◇◇◇
しばらく経ったある日、登校しようと思った時ふとインターホンが音を鳴らす。
俺は誰かも確認せずに扉を開けた。
開けると近くの女子高の制服を身に包む女性がこちらを見つめていた。
真っ直ぐ下ろす黒髪が風に揺れる。大きな瞳に吸い込まれる。
美しい。同い年の異性にそう思ってしまった。
「おはよ。寒いね」
事前に連絡があった訳ではない。
でも驚きは少なかった。
彼女は幼馴染だから。彼女は毎年冬になると俺の傍にやって来る。
理由は温かいから。
単なるストーブ代わり。でも、嬉しかった。
俺は彼女が好きだから。
「おはよう。寒いな」
俺たちは他愛の無い話をしながら学校へ向かった。
「じゃあ、また放課後ここでな」
「うん、ありがとね」
幼馴染を学校まで送り俺も学校へ向かった。
◇◇◇
放課後、自宅のリビングの炬燵で彼女と勉強を始める。
「ここ教えてくれー」
「あーそこね。そこはねぇ……」
彼女の顔が近づく。
俺は思わず見惚れていた。彼女の声は音楽のメロディーだけが入ってくるようで、歌詞は入ってこない。
ふと昔のことを思い出す。
小学校までは何をするにも一緒だった。彼女のことは一番大切な親友だと思っていた。
中学校に入ってすぐ、それが恋心だと知った。気恥ずかしくなった俺は彼女を避けてしまった。何も言わずに。
彼女は何も聞いてくれなかった。
次第に距離が遠のくばかり。苦しかったが、自分の本心を伝えて拒絶されるのが怖くて逃げた。
更に距離が遠のく出来事が起こった。
彼女が告白された。
彼女は誰よりも可愛くて何でもできて優しい。
モテないはずが無かった。
対して俺は全てが平凡だった。
釣り合わない。
俺は諦めたかった。無理だった。
彼女への恋心は強く根付いてしまっていた。
でも、忘れたいから友達とバカやって我武者羅に楽しんだ。
秋が終わる頃には、恋心はだいぶ心の奥まで沈んでいた。
だが、冬に突然前触れもなく彼女は俺の家の前にやって来た。
「……寒い。一緒に学校に行ってもいい?」
恋心が再び熱を持ってしまう。
俺はイケナイと知りながら、「いいよ」と頷いてしまった。
彼女が俺と一緒にいるのは俺が温かいから。
そう直接言われて理解した。なのに、それ以外の理由を期待している俺が嫌になる。
俺は、彼女と一緒に居られる冬が好きだけど嫌いだ。
コツン、と右肩に何かが乗る。
彼女の頭だった。
穏やかな寝息を立てていた。
「バカ、炬燵で寝たら風邪引くぞ」
俺は近くからブランケットを手繰り寄せ彼女の胸に掛けた。
口角が少し上がった。
「……はあ、俺がその気だったら危なかったぞ?」
両親はまだ帰ってこない。二人きり。
まあ、何もしないが。
こんな関係、彼女に恋人が……いや、好きな人が出来た瞬間に消滅する。
来年、明日にはなくなるかもしれない。それを態々自分の手で壊したくなかった。
ズキッ
「情けねぇな」
彼女が他の女になると思っただけで痛い。
なのに、俺は今を変えることを恐れてしまっている。
ああ、いっそフってくれねぇかな。
そんな最低な願いさえ浮かんでくる。
「悠人、あそぼうよ……」
「え?」
突然名前を呼ばれ驚き彼女の顔を見る。
彼女は眠っていた。寝言のようだ。
だけど、寂しげな表情をしていた。
そうさせたのは、きっと俺。
もしかして、俺が距離を取ってしまって悲しかった?
……そりゃそうか。親友だったからな。
「好きだよ、凛」
俺は寝ている彼女の耳元にそう告げる。
どうして今更伝えようと思ったのか分からない。でも、彼女の表情を見て伝えないと、伝えたいと思ってしまった。
心臓がバクバクする。
今はこれが限界。
されど、大きな一歩だって自分を称賛する。
「春が来る前にちゃんと言うから」
◇◇◇
冬が好きだ。
だって彼に触れ合えるから。
中学に上がって疎遠になった。異性だから仕方ないことなのは分かっていた。
でも、寂しかった。
あまり感情を出さない私と一番仲良くしてくれた彼は大切な親友だったから。
彼と出会ってから初めて独りで過ごす冬は寒かった。
どれだけ暖かくしても温まらなかった。
拒絶されるかもと怯えながらも、彼の家の前に立った。
玄関から出てきた彼は私を見て驚いていた。
「……寒い。一緒に学校行ってもいい?」
彼は更に驚きながらも了承してくれた。
そして、彼の隣はとても温かかった。
そっか。寒かったのは身体じゃなくて心だったんだ。
私は冬が好き。
彼と触れ合えるから。
『春が来る前にちゃんと言うから』
目が覚めると彼はそう言っていた。
何のことかは全然分からないけど不安はない。彼が穏やかな笑みを浮かべていたから。
その日が来るのを楽しみに待とう。
……でもそれが終わったら春が来る。
いつも考える。冬だけじゃなくて毎日一緒に居たい、と。
彼に言おうとするたびに心臓が痛くなる。
そして、その時だけ全身が焼けるように熱くなる。
この気持ちは一体何なの?
【冬は一緒】
冬は一緒に花火がしたい。
花火は夏にするものだけれど。
澄んだ星空の下に弾ける火花を見るのは、きっと気持ちがいい。
寒風はきついが、ぱちぱち言う音が暖かいと思う。
最後には線香花火をして、長いような短いような刹那を目の前の炎に燃やす。水滴のようにあっけなく火が落ちる。
そうして、楽しげな二つのシルエットだけが残る。
北の空に北極星がかがやきながら。
私、冬は一緒に花火がしたい。
いつも冬はひとり
イベント嫌いな家族は付き合ってもくれないし
寒さを感じる頃になるとなぜか恋人もいなくなる
クリスマス、年末年始も、変わるのはテレビ番組と広告チラシの中身だけ
挙句の果てに、その後に巡ってくる誕生日もね
さらにヴァレンタインとかね
あぁ、もう、ね
でも先日、君が声をかけてくれた
一緒にこたつで飲もうよってね
親友よ、心の友よ
いつまでもそばにいておくれ!
ぁ、やっぱダメかぁ…
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【冬は一緒に】
一人暮らしでクリスマスに実家に帰る
家族と過ごせる喜びがある反面、まだ一緒に夜を共にするパートナーがいないやりばのない心の傷がじんじんとしみる
自分にないものを比べて何度もわるいところをぶつけてしまう
今年のクリスマスは友達の投稿も目に入れたくない
もう少し自分を褒めたい
3次元で心が瞳が熱くなる出会いを追い求めている
そんな体験を頭の中で妄想する今日の1:54
春は一緒にお花見に行こう。
夏は一緒に海に行こう。
秋は一緒に紅葉狩りに行こう。
冬は一緒にイルミネーションを見に行こう。
ずっとずっと一緒にいよう。