『冬は一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
冬は一緒に。
君はそう言った。
まだ紅葉さえない、緑の木が山を覆い山が緑に染る、そんな季節。
まだ先だろ?と僕は問い掛けると君はくすっと笑った。
「約束は早い方がいいでしょう?
それとも私との約束を忘れてしまうのですか?」
意地悪そうに笑う君に、僕も呆れたように笑う。
君はいつもそうだ。先の事を決め、ずっと未来を見て前へ進んで行く。
そんな君に僕はきっと置いて行かれてしまうのではないか。と不安になる時がある。
だが、心配も消し去るような向日葵によく似た君は決して僕を置いて行くことなんかしないと思う。
例えば僕が、その場に蹲った時には必ず傍に来て話を聞いてくれる。
慰めてくれるのかと思えばガツンと一発叱ってくれる。
君のような人に出逢えて本当に良かった。
雪が舞い、この話をした時の緑に染った山は無く、山も衣替えをする季節。
冬は一緒に。
叶わなかったが、きっと君は僕の傍にいてくれるのだろうか?そんな疑問も抱く間もなく、君と話した日々が蘇るように思い出す。
君は変わらず僕が蹲った時にはそばに居てくれるだろう。
嗚呼。 君の話す未来を実現したいと思えたよ。
出来れば君と
【冬は一緒に】*191*
みんなでコタツ鍋とかね
今日キムチ鍋食べたから浮かんじゃった笑
で、さりげなーく、ほんとさりげなーく…
鍋つつきながら目合ったり
脚が触れたり
とかね♡
一緒にしたいことなんていくらでも妄想できちゃう!笑
冬は、ご伴侶と一緒に何度も旅行に行きましたね。
それはとても楽しい時間でした。今思い出しても、貴女は温かい気持ちになります。
けれど、今旅行に行っても、きっと同じほど幸福には感じられないのではないかと、貴女は恐れています。
気持ちが変わっていくのは、悪いことではないのです。
どうか、その変化をなかったことにするのだけは止めてくださいね。
貴女の心の指し示す方に、進んでいってくださいね。
'24年12月18日 冬は一緒に
お正月は帰ってくるの?って母から電話。
たぶん日帰りかも、って言ったら残念そう。
今住んでる自分の家が『我が家』になってきたから、実家と言えども落ち着かない。
子供の頃、お正月の定番は銭湯の朝風呂だった。
行きは寒くて億劫なんだけど、帰りは体がホカホカして外の風は氷のように冷たくて、それがとても気持ち良かったな。
あの時の銭湯はもうなくなっちゃったし。
母に電話で伝えよう。
たまには温泉にでも行こうか。
冬だしみんな一緒だと暖まるよね。
冬は一緒に……
冬は一緒に……
思わず、何もかもを
吐露しそうになるのを
ゴクンと、飲み込んだら
思った以上に、それは硬い
石のようで
心が痛くて、涙が出た。
でも、今年の冬じゃなくてもいい
次の冬でもいい。
冬じゃなくてもいい
いつかの、いつかでいい。
見つめる鍋は煮えない。
そう思えばいい。
自分の出来る事を、繰り返し
丁寧に過ごしてゆけば
きっと、あっという間に時は経つのだ。
【お題:冬は一緒に】
濃紺に染まりかけた空に雪が舞い出した頃、千代若はかじかむ指先を温めようと火鉢に擦り寄った。この江戸にも雪が降り始める時期になったのも風情か。庭師によって整えられた千代若の父の屋敷が雪化粧を纏う姿は圧巻である。
屋敷の障子がカタカタと寒風にあてられ、音を立てる。
こんな夜冷えするのなら下女に火鉢をもう一つ仕込ませるべきだったな、と千代若は悔いた。
寒くて書を読もうにも火鉢から離れられないでいると、外の木戸が開く音がした。
こんな時間に誰だろう、と障子を少し開け庭に目をやると、千代若のよく知る少年が寒さに凍えながら庭をかけてくる。
千代若は障子を開けながら彼に声をかけた。
「与次郎じゃないか。こんな時間にどうしたんだい。」
与次郎は息を弾ませ駆けてくるなり、草履を脱ぎ捨て縁側に駆け上った。
「いやぁ、今日そこの神社の冬祭りだっただろ?お前の顔が見えねぇもんだから、土産にと思ってさ。悪ぃ、ついでにさみぃから少し温まらせてくれ。」
千代若と与次郎は身分こそ違えど、この夏同じ十四になったばかりの良き友であった。
自室に招き入れ、二人火鉢の前に並ぶ。
「与次郎、きみがこんな時間に屋敷に忍び込んだと父上に知れたら」
「わーってるって。ばれねえように上手くやるからさ。そんなことより、ほら土産だ。どうせ"若様"は、いいもん食ってるんだろうけどさ。」
与次郎は袂から金平糖の入った袋をひとつ、千代若の手に握らせた。
「その呼び方、気に入らないからやめろと言ってるじゃないか。」
ふん、と千代若は鼻を鳴らし金平糖を一粒、口に放り投げる。
千代若は続けて三粒ほど、与次郎の口に捩じ込んでやった。
12/18 冬は一緒に
冬は一緒に
冬は家族団欒でこたつに入って
お鍋を食べたりクリスマスケーキを食べて
騒いだり大晦日には年越し蕎麦を
食べて冬は一緒に誰かと過ごす
そんな平凡な日々がただ幸せだと感じている。
だから、そんな風に平穏な日々を
これからも過ごせますように。
親愛なる君へ
毎年、冬は一緒にいたよね
君はそっちでも元気?元気ならいいんだけど
俺はまだこの生活に慣れてないなぁ…なんだかんだ寂しいな
今年の冬、君は何してますか?
そういえば君は昔雪が好きだったよね
今でも雪は好き?無邪気で遊んでる君が俺はほんとに好きだったな…
でも、もう見れないんだよね
上の方の国では、雪は降ってますか?
まぁでも雲の上に雪は積もるわけはないけど…
でも、地上で雪が降ったときは少しは楽しめるんじゃないのかな?
いつか、夢を叶えて迎えに行くから
その時は、冬だけじゃなくて春も夏もずっと一緒にいようね
俺を心の底から笑わせてくれてありがとう
おやすみ。
冬の夜の冷たさは
いつも以上に心を独りにさせる。
そんな時を傍で
一緒に独りになってくれる人がいれば。
┊︎冬は一緒に┊︎
絢爛。しかしどこか寂寥とした夜を彷徨うように帰路に着く。これが私が社会人になってからの毎日だ。初めて東京に来た時は夏で、地元と比べてこんなに暑いんだから冬はあったかいんだろうと思っていた。ここまでつんざくような寒さだとは初めは露にも思っていなかった。
ここは東京丸の内。新築のオフィスビル群が迫り出すように立ち並ぶ一等地一番街。寒空で輝きを放つシステマティックな星々をぼんやりと眺めると、自分はこの街を構成する一つの部品だと思えてくる。
そういえば親から私の近況をそれとなく聞き出したい気持ちが伝わるLINEが来ていたが、仕事に押し潰されて返信する気持ちにもなれず、既読だけつけてそのままにしていたのを思い出した。
「年末はどうか。帰るのか。」
地元か。これから年末年始くらいは帰ってみるか。
何せ私ももう58歳。星としての役目は終わりかけているからな。
【冬は一緒に】
冬は一緒にお布団に入って
あったかくて
眠たくて
笑って
その時がとっても幸せです
息子を持つ母
【冬は一緒に】
レースのカーテン越しに覗き込んだ世界が
薄い水色の空に陽の光が線になって見える
そんな朝をぎゅっとかき集めて
澄んだ季節にだけ特別に世界にばら撒かれたよう
宙にいる間も落ちていたとしても輝きを絶やさず
ただ触れるとすぐに溶けて消えてしまう
この身体できみに触れられたのなら
燻って離れない突っかかった想いも
溶けて消えてくれるかもしれないけど
この体温の違いがどうしようもなく心地よいから
保たれた関係であることも僕が1番理解しているから
だから、今年の冬も一緒に居て
2024-12-18
冬は一緒に
ストーブの前で温まろう。
みんなといるともっと温まるよ。
雪だるまを作って かまくらを作って
雪山を作ってソリで滑って
冷たいお布団に一緒に入って眠るまで温めてもらった
暖かな思い出が冷え切った頃
あなたの体も完全に冷えた
「冬はいっしょに」
「約束だよ。」
アイツの優しさで、俺の心は溶けていく。
「兄を見習いなさい。」「双子のくせに。」
小さい頃から散々言われてきた。双子の兄は優秀で、弟の俺は劣等。兄は人気者だけど、俺は苛められっ子。そんな正反対の双子が俺たちだった。当然、両親は兄を可愛がった。そして俺には、いつだって呆れた眼差しを向けた。いつまで、続くんだろう。きっとこれからも変わらない。漠然とそう思っていたが終わりは近かったらしい。
兄が交通事故に遭い、亡くなった。
兄が亡くなってからは、両親は喋らなくなった。それもそうだ。愛息子がもう還らないのだ。俺としては、幸いだけども。だって、文句を言われなくなったのだから。
「やっとお前の呪縛から解放されたよ。」
ふと兄の部屋に入っては、そんな憎まれ口を吐いた。誰も聞いてはいない、そう思っていたのに、返事が来た。
『僕の呪縛って、まだ厨二病治ってないの?』
懐かしい声だった。俺と同じ生意気な言葉だった。振り返ると兄がベットに腰掛けていた。
『お父さん達は元気?』
「…死体みたいだよ。毎日毎日。」
『元気そうで良かったよ。』
「用件はそれだけ?なら今すぐあの世に還れ。」
『もう一つだけある。…君は僕の事を恨んでいるかな?』
「当たり前だろ。お前のせいで俺はどれだけ惨めだったか。知らないだろ?人生勝ち組のお兄様はよ。」
『僕はね、君が弟で良かったよ。僕が素で話せるのは君だけだもん。』
何だよそれ。俺の中の憎悪が消えていく。雪解けのように跡形もなく。あれ、何で俺はこんなにコイツが嫌いなんだっけ?別にコイツから嫌な事された事はないのに。
「俺だって、お前が兄貴で良かったよ…。」
不意に口についた言葉。その言葉を聞いた兄は、心底嬉しそうに笑った。
『約束だよ。毎年冬は一緒に過ごそう。』
「何で冬限定なんだよ。」
『だって、冬は僕達の誕生日があるでしょ。それに毎日会ってたら、感動も何もないよ。僕達には、この距離感が丁度良いと思うんだ。』
「分かった。冬だけは、お前に構ってやるよ。」
冬は一緒に
暖かさを求める
冬は
伸ばす手が触れ合あって
それはスイッチとなり
笑顔の電流が流れて
胸の中心もほんわかとなる
一緒に
手を繋ごうか
冬は一緒に
※本日体調不良のためお休みです。
急に冷えてきましたので体調に気をつけて
お過ごしください。
「元気だった?」
半年前に別れた彼女は、以前と何も変わらない屈託のない笑顔で、僕を待っていた。
駅前のロータリー。
夜の遅い時間のためか、駅から出てくる人の数も少ない。
「特に変わらないよ。遅くなってごめん」
「君が時間通りに来るなんて思ってないよ。何年付き合ったと思ってんの」
いたずらっぽく笑う。何も変わっていない。
「…で、話って何?」
彼女から突然呼び出された。
『私の話を聞く気があるなら、今夜11時に駅前集合!』
これだけ。
腹を立てる気にもなれない。
そんな彼女だった。
とりあえず、ファミレスに移動。
それなら最初からファミレスで待ち合わせすれば、と思うが、彼女のスタイルとしては、『駅前で寒さに凍えながら(元)彼を待つ自分』というのを演出したかったらしい。
「ここはあったかいね。美味しいものもたくさんあって最高」
「小学生かよ。何度も来てるファミレスじゃん」
「だから最高なの。いつも私達を温かく迎えてくれる」
「お金を払うお客様だからな。で、話とは?」
彼女のペースに乗ってしまうと、朝まで無駄話になってしまう。
付き合ってた頃は、それが楽しくて仕方なかったけど。
「まあまあ、そう焦りなさんな。コーヒー、飲む?」
僕の答えも聞かずに、彼女が立ち上がってドリンクバーへ向かう。
その後ろ姿が、半年前のあの日を思い出させる。
別れた理由は、彼女からの一方的なサヨナラだった。
「付き合っていけなくなったの。だからサヨナラ」
そんな感じだった。
僕に背中を向けて去ってゆく。
ちょっと待って、なんて言葉はあの日の公園に置いてきぼり。
それから半年間、何の音沙汰もなく、今日突然の招集命令となる。
まったく、彼女らしい。
「どうしてたの?この半年間」
「どうしてたって…そりゃ普通に生きてたよ。突然彼女に捨てられたら、休日に出掛ける場所も限られてくるし」
「私のせい?…まあそうか、突然だったもんね」
「他人事みたいに言うなよ。理由も聞かされてなくて、納得できると思うか?」
思わず責めるような口調になるが、彼女に気にしてる様子はなく、淡々と話し始める。
「あの夏ね、私の弟が、同級生を刺しちゃったの。命に別状はなかったんだけど、弟は逮捕されて、居づらいよね、この町。君に迷惑かけるのも嫌だったし、今はおばあちゃんちで生活してるの」
簡潔にまとめられた事後報告。
「なんで…あん時に言わないんだよ」
「だから、迷惑かけたくなかったし、言ったところで、でしょ。きっと君は、『そんなの関係ない』って言ってくれて、今まで通り接してくれようとするし、私がそれを許せなかっただけ」
彼女の言い分はよく分からない。
でも、それも含めて彼女は彼女のままだった。
僕が大好きな、彼女のままだった。
「それで、今日は?話って何だったの?」
「うん。言いたいこと言うね。あのね、せめて、冬の間だけでも一緒にいたいの。おばあちゃんち、おばあちゃんと猫一匹しかいなくて寂しいんだ。おばあちゃん、足腰弱ってるから買い物とか付き合ってもらえないし、猫はいっつも寝てばっかりで…」
「あーもーいいよ、話は分かったから。要するに、よりを戻そうってこと?」
「よりを戻すって…別れたつもりないけど」
「マジで言ってる?サヨナラって言ったのに?」
「だから、しばらく会えないからサヨナラって。別れるなんて言ってない」
「無理だよそんなの。無理がありすぎる」
「無理なの?じゃあ、冬も一緒にいられない?」
冷めたコーヒーが苦すぎて、これ以上飲めそうにない。
そしてもう、自分の気持ちすらよく分からない。
振り回されて、バカにされているようで、でもきっと彼女は彼女なりに一生懸命なんだって、分かってる。
そして、そんな彼女が僕は好きなんだって。
「えーとね、ひとつ約束してくれる?」
「何何何?」
「冬の間、僕はホットカフェオレを飲みたい。だから、勝手にブラックを選ぶのはやめて」
「うんうんうん。それで?」
「それで…いや、それだけ」
「それだけ?じゃあ、カフェオレ持ってくるね」
「ちょっと待って、受け入れが早いって」
で、今年の冬は一緒に過ごすことにした。
半年前のように恋人として…いや、また最初からやり直しかな。
だって、きっと彼女は、新しいスタートを切りたいんだろう。
彼女の中で、家族の不祥事を受け入れて、自分を許す時間が必要なんだと思う。
そして、その間の寂しさを埋めるのが、彼氏としての僕の役目。
うん、悪くない。僕は彼女が好きだから。
冬が終わっても、君には寂しがっていてもらいたい。
冬になると
途端に人の温もりが欲しくなる
炬燵よりも石油ストーブよりも
人の温もりが欲しくなる
ほんの少しだけ感じる
暖かさが欲しくて
或いは大切な人に触れて
安心したくて
冬はそんなふうに一緒に
暮らしてみたい
それゆえ私は
途端に人の温もりが欲しくなる
彼は、自分を信じて疑わなかった
その為の努力を惜しむ事もない
(もっと、足を使わなきゃダメだ!)
(腕じゃない、胸から動かすんだ、力強く!)
今日こそできる
彼は一声をあげ、足を蹴った……
「コ~ケコッコー!」
「じっちゃ、大変じゃ、ケンタが!」
「ほぅ、飛んだか?」
「いや、飛ばね、おぢた……」
「したば、ほっとけ…ニワトリば飛べね」
とりとべのない話
【とりとめのない話】