とある中学生

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冬は一緒に。

君はそう言った。
まだ紅葉さえない、緑の木が山を覆い山が緑に染る、そんな季節。

まだ先だろ?と僕は問い掛けると君はくすっと笑った。

「約束は早い方がいいでしょう?
それとも私との約束を忘れてしまうのですか?」

意地悪そうに笑う君に、僕も呆れたように笑う。
君はいつもそうだ。先の事を決め、ずっと未来を見て前へ進んで行く。
そんな君に僕はきっと置いて行かれてしまうのではないか。と不安になる時がある。
だが、心配も消し去るような向日葵によく似た君は決して僕を置いて行くことなんかしないと思う。

例えば僕が、その場に蹲った時には必ず傍に来て話を聞いてくれる。
慰めてくれるのかと思えばガツンと一発叱ってくれる。

君のような人に出逢えて本当に良かった。


雪が舞い、この話をした時の緑に染った山は無く、山も衣替えをする季節。

冬は一緒に。
叶わなかったが、きっと君は僕の傍にいてくれるのだろうか?そんな疑問も抱く間もなく、君と話した日々が蘇るように思い出す。
君は変わらず僕が蹲った時にはそばに居てくれるだろう。

嗚呼。    君の話す未来を実現したいと思えたよ。




 出来れば君と

12/18/2024, 2:08:09 PM