『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
〈冬のはじまり〉
マツモトキヨシに行くと、レジ前に「今年もお疲れ様でした!」とポップアートの張り紙が、ぺらぺらと風に揺れていた。
毎年恒例の冬のはじまり。
冬が始まると
なぜか夏が恋しくなる
夏の間は
冬が恋しかったのにね
なにもかも投げ出したくなった。
無意味な呼吸を続けることに意味を見いだせず、どうして生きているのだろう、なんてぼんやりと考えていた。
高校一年の、秋のおわりだった。
冬の冷たい空気を肺にめいっぱい取り込む。
それだけで自分の中の何かが新しく生まれ変わってくれるような気がした。
実際には私は私のまま、なにも変われていなかった。
理想像はやはり理想像だ。
数年前、数ヵ月前、数日前、数秒前に思い描いた自分にはなれていない。それが現状だった。
じゃあ、将来、未来からしたら過去だという今に思い描いた人間に私はなれているだろうか。
やはりどうしても、無理だと思えてしまう。
どうして私は無意味な呼吸をくりかえすんだろう、ふと当てはまるように言葉が降ってきた。
高一の、冬のはじまりだった。
─冬のはじまり─ #127
読書をし忘れた
あの子に貸してもらう予定だった宮本輝
スポーツをし忘れた
あの子に教えてもらうはずだったバドミントン
絵を描き忘れた
次会ったときに観察するはずだったあの子の横顔
そして電飾を灯し忘れたのを
あの子のせいにする冬がはじまる。
˗ˏˋ 冬のはじまり ˎˊ˗
「冬のはじまりに咲く想い」
冷たい風が街を包み込む午後、さやかはコートの襟を立てながら歩いていた。空は曇りがちで、雪が降り始めるのも時間の問題だろうと思う。彼女の手には、手作りのマフラーが握られていた。
駅前の広場には、すでにクリスマスのイルミネーションが飾られている。木々の間を通り抜ける光が、どこか暖かさを感じさせる。しかし、さやかの心はそれとは裏腹に、少し緊張していた。
今日、彼女は勇気を出して高校時代からの友人、蓮に告白をするつもりだった。
蓮とはもう5年以上の付き合いだ。気取らず、優しい彼はいつもさやかの隣にいてくれた。失恋したときも、就職活動で苦しいときも、彼の言葉に何度救われたことか。それでも、友人としての関係が壊れるのが怖くて、自分の気持ちを伝えられずにいた。
広場のベンチに座り、彼が来るのを待つ間、さやかは自分が編んだマフラーをじっと見つめた。茶色の毛糸と青のラインを組み合わせたデザインは、蓮に似合うだろうと何度もイメージしながら作ったものだ。
やがて、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返ると、蓮が手を振りながらこちらに向かってくる。いつもの笑顔だ。それを見るだけで胸が熱くなるのを感じた。
「さやか、待たせた?」
「ううん、大丈夫。」
蓮は隣に座り、さっそく軽口を叩き始める。さやかは少し笑いながらも、心の中で言葉を組み立てていた。そして、ふと蓮が「どうしたの? いつもより静かだね」と尋ねた瞬間、彼女は深呼吸をして覚悟を決めた。
「ねえ、これ。」
マフラーを差し出すと、蓮は目を丸くした。
「え、これ、俺に?」
「うん……。ちょっと早いけど、クリスマスのプレゼントみたいなもの。」
蓮はマフラーを手に取り、じっと見つめた。
「すごく綺麗だな。ありがとう、さやか。」
「それでね……実は、ずっと言いたかったことがあるの。」
さやかは手をぎゅっと握りしめながら続けた。
「私、蓮のことが好き。友達じゃなくて、もっと特別な存在になりたいって、ずっと思ってた。」
その瞬間、周りの音が遠ざかったように感じた。蓮は何も言わず、さやかの顔をじっと見つめている。
やがて彼は小さく息をつき、口を開いた。
「さやか、実は俺も同じことを思ってた。ずっと、でもタイミングがわからなくて……。」
彼の言葉を聞いた瞬間、さやかの頬は熱くなり、目頭がじんわりと熱くなった。
「ほんと?」
「本当だよ。」
蓮は笑いながら、さやかにマフラーを巻いた。
「寒くなってきたけど、これで暖かくなるな。」
その日の空は灰色のままだったが、二人の間には小さな春が訪れたようだった。冬の始まりは、彼らにとって新しい物語の幕開けとなったのだ。
冬が始まると、寒くなるよね。それは私の寂しさのように。私は、ちゃーんと、家族や友達親友が居る。だけどね、他の友達に親友をよく取られる。家族は、親に可愛いがられる事もあるけど、ほとんど妹。妹なんか産まれて来なければいいのに。。。って思う事あるけど、多分1番の味方だよ。。。親友は、目付きが悪いし怖いから、別にそんな好きでは無い。まぁでも「大好き♥️」って思う事も凄くある笑私コタツ好きだから、コタツのように暖かくなりたいなぁ
人間の心には小さな灯りがある
希望や目標に近づくと灯りは次第に大きくなる。
希望や目標に遠くなると灯りは次第に消えていく。
私はその灯りが見える能力がある。
幼少期の頃には皆見えるのだと思っていた。
自分の能力に気づいてから、私は看護師になった。
少しでも人々の弱っている灯りが
大きくなって欲しかった
冬のはじまり。街も輝いて、
子どもや大人の心に灯りが付く。
クリスマスはみんながとても楽しみにしている。
だけど、その楽しみな気持ちが味わえない
子どもたちだって沢山いる。
弱った体で毎日病と戦っていたり
家庭環境のせいで傷ついている子たち。
そんな環境で病と戦う1人の女の子が入院してきた。
その子の担当になってから毎日会う度に
「今日も頑張ろうね」と伝えていた。
心開いてくれなかったあの子も
徐々に話してくれるようになった
「退院したら、お母さんと一緒に遊園地に行くんだ!」
そう笑顔で私に伝えてくれた。
『お母さんもきっと喜ぶと思うよ。』
あの子にはまだ生きて欲しい。そう思った。
あの子は自分自身の余命が
わずかだと分かっていたのに。
心の灯りは大きいままだった。
だけど、そんな彼女の心の灯りも
月日が経つと徐々に消えかかっていく。
あなたはまだ生きるべきなのに。
あなたは必死に戦っているのに。
私は何もしてあげられなかった。
私は彼女の手を握って、
『頑張れ』と言うしかできなかった。
もっと幸せにしてあげたかった。
だけど、そんな彼女は、私の手を握り返して
笑顔で声を絞り出して言ってくれた。
「あ…りが…とう…」
「…来世でね…。」
あの子には、幸せになって欲しい_
明日には世界の風が澄みわたり六花を運ぶ準備ができる
冬のはじまり
電車の足元がふぁーっとあったかいとき
冬のはじまり
寒くてトイレで起きる朝
こたつにかけこんで
何もしたくなくなる
溜まりがちな洋服サンド
片付けないとなーと思いながら
サブスクで映画を見る
家に食べ物がなくなったら
やっとこさ腰を持ち上げて
買い物にいく
沢山買い溜める
まるで冬眠の前のよう
冷凍庫がもう少し大きければいいのに
食べるものも必然的に温かいものに
ああいつになったら春になるのか
冬には冬のいいところがあるというが
うちには生き残ったコバエが一匹いるんだよね
冬なのなんなのはっきりしてくれ
そんなこと考えてるうちに
今日も終わるんだ
明日はもう月曜日?
コタツスーツでも流行らないかしら
バカなこと言ってないで
早く寝ようかな
ああ冬のはじまり
ああ無情
「冬のはじまり」
ここらでは見かけないが
私の地元では
ゆきむしという小さな
白い虫が飛ぶようになる。
すっかり忘れていたよ。
本物の雪のように白いんだ。
冬の始まり
冬になると私の手は毎回カイロ代わりにされる
ほんとにあたし手暖かいんだよね。
どれくらいかって言うと鉄曇らせれるくらい。
中学の時は「手袋あっちぃ」つってカゴに手袋投げ入れて友達に引かれたっけな。
そんで今日、友達に手をカイロ代わりにされた
あー、冬が来たわ。って思った。以上。
『冬のはじまり』
少しずつ寒くなって行く
人肌が恋しくなる
どこにも私を抱きしめてくれる人はいない
これからの冬を1人で乗り越えなければいけないのか
抱きしめてくれなくてもいいから
この世界に一つ私の居場所が欲しい
お祝いもご馳走もいらない。春を迎えるには、先の長い夜を越えなければならない。
/お題「冬のはじまり」より
冬のはじまり
冬のはじまり
それはどんなものが知らせてくれる?
たとえば北風
耳をすませば
ザァーと音をたて
「こんにちは」と私の肌にあたる
あぁもう冬か
冬のはじまり
それはどんな動物が知らせてくれる?
たとえば熊
よーく目をかざすと
熊が冬眠の準備をしている
「急がなきゃ」と焦ってる
あぁもう冬か
冬のはじまり
それはどんな天気が教えてくれる?
たとえば雪
手を出して待っていると
雪がパラパラ降ってくる
「私は冷たいわよ」と自慢をしてくる
あぁもう冬か
「さむっ!!」
「寒いー!!」
車を降りると、一際強い風が俺たちの身体を撫でる。
今日はふたりともお休みを合わせたので、食料品やら生活必需品を買いに行こうと、デートがてら買い物に出た。
前回、買い物に来た時はこんなに寒くなかったぞー!!
上着を着ようか悩ましいけれど、駐車場からお店までの短い距離だ。俺は彼女の手を取る。
「せめて手ぐらい暖かくしよ」
目を見開いた彼女は、直ぐに満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
「うん!!」
彼女の指先が少し冷たくなっていたけれど、繋いでいくうちに暖かくなる。横にいる彼女を見つめると、目が合って嬉しそうに微笑んでくれた。
「あなたの手、あったかい!」
秋だとまだ暑かったけれど、堂々と彼女に触れても問題ない。そんな季節が始まったばかりだ。
おわり
一九七、冬のはじまり
冬のはじまり
つい一ヶ月前までは、あんなに暑かったのにね、と
あなたと帰りながら話した、帰り道
肌寒くなってきて、
「寒いから」
と言って、手を繋いで歩いたあの季節、あの時間
それはわたしにとって、とても幸せな時間だった
今になって、考えてみると
それは最初から決まっていた運命なのかもしれない
あなたと出会ったの場所と
あなたが天に昇ってしまった場所は一緒
そして、あなたと出会った日も、死んでしまった日も
今日みたいに、肌寒くて、
冬のはじまりを告げる季節だった…
"わたしはこの季節に遊ばれているのかもしれない"
「冬のはじまり」
昔で言うと暦がある。
今は正確に季節を分けられない。
暑くなったり、寒くなったり。
でもやっと冬になった気がする。
コートを着たり、
手がかじかんだり、
暖房を入れたり。
スイッチが入ったように
突然寒くなるここ最近。
じわじわではなく、いきなり。
冬の準備の衣替えが間に合わない。
そして、
コートを着たら暑くなるその日までが冬だ。
冬のはじまり、それは、今年の終わりを告げる、
その寒さに、心が悴むと思ってしまうが、
今年はちょっと違うのだ、それは恋人が居ること
寂しくも感じず、温もりを感じて、
幸せを噛み締める、そんな日々が過ごせるのだ。
それだけが、楽しみ過ぎて、早くクリスマスが、
待ち遠しく感じてしまう。早く来てね。
ちょっと期待もしつつ、デートどうなるかな、
淡い恋を叶えて、二人だけのデートなのだから、
恥ずかしく感じてしまうな、去年はゆったりで、
寂しく一人で楽しんでたのに、ようやく、
自己肯定感を下げて、差別化して、病んで悩み、
苦しむことのない、人生が始まって繰れるのだ、
だから、楽しみだ。二度とあんな気持ちに、
なるものか、ならせるものかと願う日々だ。
"今年こそは、平和で何もありませんように。"
彼氏は、今頃くしゃみを、しているだろうな。
可愛くコーデするから、待っててよね!
11/28(遅れてすみません)
終わらせないで、その言葉に、胸打たれて、
振り返ってしまう、僕がいる、振られたと思い、
帰ろうとしていたら、貴女から声をかけてきた、
戸惑って、何も言えずに、慌てて、引き留める、
貴女の顔を見ただけで、惚れた日々が思い出して
涙が溢れ出してしまった、早くこの顔を一秒でも
見られまいと、立ち去りたかったけど、貴女は、
行かせてくれなかった、パクパクと言っていて、
分からず、何を言っているか、聞いてみたら、
"あの……さっきは、ごめんなさい…。
嬉しくて、思わず言ってしまったのですが……
お返事は、よろしくお願いします……!!"
その言葉を聞いたら、嬉しくて、抱き締めて、
腕の中で、納めておきたい、その気持ちになった
彼女は、嬉しくて、抱き締め返してくれた。
こんなにも淡い恋をして、結ばれる事はないと、
感じていたが、結ばれたら分かる、その感情に、
今日も振り回されたが、別なものにも、
惑わされたのは、彼女には、内緒だよ?
それじゃあ、幸せになって来るからね、
また何処かで、喋るかもね、バイバイ。
「冬の始まり」
冬だなと感じる時はいつか。
風が冷たくなったとき
家にこたつを出したとき
みかんが美味しい季節になったとき
上着を着ないと外を歩けないとき