とある恋人たちの日常。

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「さむっ!!」
「寒いー!!」
 
 車を降りると、一際強い風が俺たちの身体を撫でる。
 
 今日はふたりともお休みを合わせたので、食料品やら生活必需品を買いに行こうと、デートがてら買い物に出た。
 
 前回、買い物に来た時はこんなに寒くなかったぞー!!
 
 上着を着ようか悩ましいけれど、駐車場からお店までの短い距離だ。俺は彼女の手を取る。
 
「せめて手ぐらい暖かくしよ」
 
 目を見開いた彼女は、直ぐに満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
 
「うん!!」
 
 彼女の指先が少し冷たくなっていたけれど、繋いでいくうちに暖かくなる。横にいる彼女を見つめると、目が合って嬉しそうに微笑んでくれた。
 
「あなたの手、あったかい!」
 
 秋だとまだ暑かったけれど、堂々と彼女に触れても問題ない。そんな季節が始まったばかりだ。
 
 
 
おわり
 
 
 
一九七、冬のはじまり

11/29/2024, 11:36:04 AM