『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何もいらないというよりも、そもそも何も持っていない。
何かを手にしたらどう変わってしまうのか、想像もできない。
きっとこのまま何も手にすることはない。それで構わない。
何も持っていないからこそ、何でもできる。
僕は無敵だ。
そうして今日も、ギリギリを生きていく。
『何もいらない』
結局のところ、きっとあの世には何も持っていけないのだから。
私は手元には何もいらない。
ただ、心意気だけがあればよい。
#16 【何もいらない】
どんなに苦しくたって
どんなに悲しくたって
前を向いて進むしかない
何が起きようと
進むんだ
離れていく人
陰口を言う人
どんな人達に
妬まれても
もう何も思わない
もう何もいらない
そういう気持ちで
これからも生きていく
学校帰り、空をふと見上げると快晴だった。
また、君がいない夏を一歩進む。
昔にお揃いで買ったヘアピンは今では輝きを失ってすっかり黒ずんでしまった。
私の心みたいだなと髪につけていたヘアピンに触れる。
君が見せてくれた世界はどんなこともキラキラして見えた。
君がいない実感は、何年たってもわかない。
「「あなたがいない世界なんて何もいらない」」
_どこかで君もそう呟いた気がした。
『何もいらない』
世の中何もいらないことなんてない
鼻腔をくすぐる匂いにうっすらと目を開ける。いつの間にか朝になっていて、自分が寝ているところが柔らかなベッドの上だと思い出す。映る天井は懐かしい我が家、ゆっくりと体を起こし匂いのするキッチンへ向かう「起きた?おはよ、ちょうどホットケーキ焼いてたけど食べる?」「ああ、よく寝た、おはよう」すでに起きていた彼女の姿に帰ってきたのだと実感する。その足で洗面所に向かい、顔を洗う、鏡に映る自分の姿はいつもと変わらない。昨日まで傷だらけで戦い、生死と隣り合わせにいたはずなのに、後ろを気にせず顔を洗う余裕のある生活に戻ってきた「何度経験しても慣れないな」冷たい水が頭を覚醒させる。リビングに戻ればすでに皿に盛られたホットケーキ、グラスを持った彼女もゆっくりと席につき「食べよ」穏やかに笑う「いただきます」ひとくち、口に運べば広がる甘さが幸せを体現する「ん、おいしい」「ああ…」食事に執着はない、出されたものを食べるし、こだわりもない。それでもこうして楽しむことは遠征中はできない。何度行っても変わらない、常に緊張が纏わりつき、心が休まることなどない「蒼也、今回も、無事に帰ってきてくれてありがとう」これも何度目かの彼女のセリフ、毎度のことなのにこうして言葉にしてくれることが嬉しい「今回は少し長かったから、ちょっと不安になっちゃった」「俺も、早く会いたかった」正面に座る彼女の頬に指を沿わせればくすぐったそうに笑う。触れられる距離にいる愛おしい存在「幸せだな」「どうしたの?珍しいこというのね」「後悔したくないんだ」当たり前の日常を、それだけを祈る日々
何もいらない
お題:何もいらない
俺は今、何もいらないと強がっている。
あと少し、あと少しだけなんだ。
あと少し我慢すればいいだけのことなんだけど……
分かってる。俺のこの思いが、願いが不条理なことはわかっている。
俺はカレンダーと財布を見ながら、何度もため息を付いた。
そんなときは兄さんの顔がよぎる。
だけど、どんなに乞い願っても、兄さんへこの願いは届かない。届いたところで、決して受け入れられるはずのない願いだから。
だからもう、何も期待しないと。
言い聞かせても我慢できない思いを抱きながら、午後から授業の俺は、朝10時頃に震える手で兄貴のドアをノックした。応答はまったくない。
よく考えたら、兄さんは出勤していた。そりゃいないよな。
俺は空きっ腹を抱えて午後の講義に出るのだった。
……ここのところ俺は、兄さんの顔を思い出しては、顔を見ては、何度もため息を付いている。
決して無理とわかっていながら、それでも期待してしまう自分が苦しい。
言い出せない自分が、とても苦しい。
そんな思いを抱いて2日後。
夕食を食べているときに、兄さんが俺の名を呼んだ。
「どうしたんだ。ここのところ俺の顔を見ては悩んでいるように見えるのだが、何か言いたいことがあるのか?」
「うっ」
俺は慌てて首を振った。
「それなら良いのだが」
兄さんはそう言うと、再び食事を始める。
食事の間中、俺達の合間に嫌な沈黙が落ちる。
しばらく続いた沈黙を破ったのは兄だった。
「本当に、何もないのか?」
兄さんが、うつむいている俺に向かって名前を呼んだ。
ドキリ。
俺の心臓は高鳴った。
兄の顔を見ることが出来なくて顔を上げられない。兄さんは一体どんな顔をしているのだろう。それがとても怖かった。
その時が来たのだと、覚悟していた。
兄さんに、この思いはすでに届いていたのだろうと思って、俺はぎゅっと目をつむった。
もう、黙ってはいられなかった。
「兄さん、俺はもう兄さんからは、今は何もいらない……返せないから。だから借金の返済だけは待ってほしいんだ」
「そうか。分かった」
兄はあっさり俺の願いを聞き入れてくれた。
俺の胸のつかえが降りて、ホッとしていると兄が続けた。
「今日はボーナスが入ったからお前が欲しがっていた財布を買ったのだが、俺からは何もいらないようだな。ならば俺が使うことにしよう」
「えっ」
それとこれとは全然別だから!!
待ってー!!
何もいらないなんてそんなことないから!!
俺は兄さんの言葉の取り消しを乞い願い、だいぶご機嫌を取った後、欲しかった財布を貰ったのだった。
塩にぎり
塩分13%梅干しのおにぎり
おかか混ぜご飯のおにぎり
豆腐とおあげさんのみそ汁
理想のおにぎり朝ご飯
他は何もいらない
貴方との夢を見た 青白い夢.
薄暗い部屋で2人,愛で快楽に満ちていた.
首に手がかかると同時に息が詰まった.
でもその行為を愛好した私がいた.
自分以外の奴とやるなとばかりに強く強く愛された.
貴方の愛以外いらない.
私の身体以外いらない.
意識が飛ぶ.
目が覚めると虚しさで,もう.
- ''何もいらない''
【何もいらない】
夫と猫と
春の陽気と青空と、
5000兆円さえあれば
他には何もいらないよ
何もいらない
赤いのも 黄色いのも 白いのも
キラキラも ふわふわも
あれも これも それも
ぜ〜んぶ ぜ〜んぶ
私は欲しい
何もいらないなんて
もったいないわ
k
黒猫はきょとんとした顔をしている。
言いたいことは“そんなことないよー”だろうか。
すう、と短く息を吸う。
「私も、あなたの声がそのうち聞こえなくなる。
私は大人……大人じゃないといけないから。」
そう、もう子供じゃいられない。
小さい頃から家でも学校でも居場所がなくて、甘えるなんてこと親にも出来なかったけれど。
だって、何か下手なことをして相手を不機嫌にしたら面倒だ。
だから私には反抗期らしい反抗期もなかったと思う。
私が不機嫌だったり怒ったりすれば、母親はその倍不機嫌や怒りを露わにすることが目に見えていたから。
大人じゃないといけない、なんて思いながら私はとっくに大人の真似をせざるを得ない環境にいたのだ。
「何で?」
「……え?」
「何で大人じゃないといけないの?」
「何で、って…。」
「何で大人は夢を見れないの?」
「それは…。」
「お姉さんはー…」
ー 大人になりたいの?
質問ばかりしてくる黒猫に大人になりたいかと問われ、何も言えなくなる。
大人になりたいのだろうか、私は。
私はー…。
「もう、リン。遅いですよ。」
「あ、スイだー。」
「早くしないと本当に日が暮れてしまいますよ。」
「だってお姉さんが来てくれないんだもん!」
「またリンが話したいことだけをいっぺんに話したんじゃないんですか?」
「そんなことないよー、ねー?」
「ねーって……い、いやいや!何ちゃっかり不法侵入してるんですか!?」
足音ひとつ立てずにさっきの自称神様がいつの間にか部屋に入ってきていた。
そういえば猫は、この自称神様を“すい”と呼んだはずだ。
つまりさっき、待っていると言っていたのはこの人が待っていたということなのだろう。
「不法…ああ、勝手に入ってきてしまって申し訳ございません。
リンが連れてくると言ったのになかなか降りてこないものですから。」
「リンのせいじゃないのに。」
「リンのせいだとは思っていませんよ。
ただ手間取っているのだろうな、と思ったので私もお邪魔したのです。」
お喋り猫は「そっかー」なんて言いながら尻尾を揺らしている。
どうしよう。
どうやって逃げよう。
そもそも家まで知られたらもうどこにも逃げ場がない。
2人、いや、1人と1匹が呑気に話しているところで私は必死に逃げ道を考えていた。
考えがまとまらないうちに神様が「さて」と私の方へ視線を移す。
驚いて思わず肩を揺らした。
「私と共に来ていただけますか?」
「…え?」
「私と共に来ていただきたいのです。
あなたの願いのために。」
「え…い、嫌ですけど。」
「?何故ですか?」
「何故って…あなたのこと知らないし、神様とか変なこと言い出すし、その化け猫?と話してるしで、怪しさしかないと言いますか…。」
「リンはお喋り猫ー!」
「ご、ごめん…。
とにかくそんな怖い人と一緒になんて行けないです。」
そもそも何処に連れて行くつもりなのだ。
何一つ情報がないのに「いいですよ」なんてついて行く人はいないだろう。
すると神様は少し考え込んだような仕草をしている。
ぶつぶつと「んー、どうやったら信じてもらえるでしょうか……元の姿に…いや…。」などと呟いている。
何を見せられても信じるつもりはないが、神様は何か閃いたらしい。
「あ、そうです!
何か欲しいものはありますか?」
「欲しいもの…?」
「はい、あなたが欲しいものを贈ることができます!」
「いや、別に…何もいらない。」
「…そうですか。困りましたね。」
いきなり欲しいものなんて浮かぶわけがないだろう。
特に私のような死にたがりの人間なんて、物が増えるだけ虚しさも増すものだ。
ただ物がないのもそれだけ価値がないという事実を目の当たりにするようで虚しく、自分はとにかく面倒な部類の人間だと思う。
西陽が傾いて、部屋に淡いオレンジ色の光が刺す。
その光を見てお喋り猫はまた、くわっと大きくあくびをする。
「ねえ、スイ。
早くしないと本当に帰れなくなっちゃうよ。」
「おや、本当ですね。
仕方ないです、今はこれであなたを繋ぎ止めておくことにいたします。」
「な、何?」
「失礼しますね。」
そういうと私の左手をとった自称神様は私の前へ膝をつくと懐から水色と透明な石がついた指輪を取り出し、それを私の薬指へ通した。
神様の容姿も相まって、“少女漫画みたいだ”なんて思ってしまう。
その指輪は私のために作られたかのようにぴったりのサイズだ。
何でこんなにしっくりくるのだろう。
「何、この指輪?」
「次また会えるように、というおまじないとでも思ってください。」
「おまじないって…いや、こんなの渡されても困ー…」
「さあ、リン。
今日は帰りますよ。」
「はーい!」
私が文句を言い切る前に自称神様と黒猫は部屋を出て行ってしまう。
一瞬遅れて急いで玄関へ向かい扉を開けると、祖母と鉢合わせた。
「びっくりしたー」という祖母に、髪の長い人と黒猫が出てこなかったか尋ねる。
「いやー、すれ違ってもいないと思うけどねえ。」
「で、でもついさっき出てったばっかで…。」
「それにここら辺に髪の長い人なんて、りさちゃんぐらいしかいないよー。」
「すぐ夕飯の支度するからねえー」なんて言いながら家の中へ入って行く祖母とは正反対に私は玄関を出て、辺りを見渡す。
しかし祖母が言う通りにどこにも先ほどの神様とお喋りな黒猫はいなかった。
「どうしよ、これ…。」
左手の薬指なんて意味ありげなところにある指輪を見ながらぼそっと呟くと、遠くで夕焼け小焼けが聞こえてきた。
何もいらない
与えられるのはもういい
奪ってやる 獲ってやる
そしたらやっと始められる
題 『何もいらない』
「何もいらない」
⚠️ヤンデレ、監禁表現アリ。
苦手な方は自衛をお願い致します。
僕は恵まれていた。
両親は大企業の社長だった。
小さい頃から欲しいものは全て手に入った。
おもちゃ、ゲーム、友達。金で手に入った。
運動も、勉強もできた。顔も良かった。
自分がすることなすこと、欲しいものは全て手に入る。そう思って生きてきた。
だけど、唯一手に入らないものがあった。
それが、君だった。
最初は、一目惚れ。長い髪の毛が風に靡いて、静かに笑う君に周りで騒ぐ女なんて目に入らないほど魅入った。
少し強引に誘えば、コロッと落ちるかなって思ったけど、君は全然落ちなかった。
面白いって思ったし、絶対手に入れたいと思った。
君がいたら、何もいらない。
そう思った。
何をしていても、君のことを考えてしまう。
君の仕草も、匂いも、甘い声も。全てが僕を狂わせていく。あぁ、大好きだ。
しかし美しい君には、たくさんの虫が寄ってくる。
光に魅入られた虫が。ほんとうに気持ちが悪い。
君に触っていいのも、君の姿を見て良いのも全て僕だけ。君に見合う男なんて、僕以外いないのだから。
このまま僕のモノになれば良い。
いくらでも、待つつもりだった。けど、気が変わった。
君は最近虫と付き合い始めたらしい。幸せそうに笑う君の目には僕が写っていないみたいだ。
許せない。君は僕のモノだ。
「そうだろう?」
目の前で泣きじゃくる君に話しかける。
彼女は目を腫らしながら、僕を睨んだ。
あぁ、可愛い。大好きだ。
「君がいれば、何もいらない。」
甘い香りのする彼女をそっと抱きしめた。
君は僕の大切なヒト。やっと手に入った可愛い彼女。
題 何もいらない
何もいらない、何一ついらない
私は何も必要ないよ。
お願い神様
だから奈々の恋を叶えてほしい。
私の唯一の大事な親友だから。
そんなふうに願った日。
親友の奈々は、振られた。
よりによって・・・。
よりによって相手は私が好きだと言ったらしい。
許さない。
私の大事な奈々を泣かせて。
何で私なんか好きになるの?
奈々の方がずっとずっと可愛くて、素敵な性格なのに。
私には絶対に理解できない。
その前に・・・奈々を泣かせた相手が許せなすぎて。
奈々は気にしないでって言ってくれたけど、当然ぎこちない感じになってしまった。
嫌だ。
奈々と元のように笑いあいたい。
何もいらないなんて嘘だ。
大嘘。
私は奈々とずっと一緒にいたい。
誰かの戯言のせいで、奈々といられなくなるなんて絶対に許容できないよ。
お願い神様、奈々の側にいさせて。
一緒にいられなくなってこんなに奈々が大事だって気づくなんて。
大好きだよ。
この気持ちは恋とは違うけれど限りなく近い。
私の失えないものを再認識した日。
私は必死に元の関係に戻れるよう祈り続けていた。
何もいらない
あなたさえいればなんて思ってた
もうあなたさえいらない
いま何がしたいとか、何が食べたい、何が欲しい、どこに行きたいとか
そういうのは全然ないんだけど
何もいらないってわけでもないんだ。
【何もいらない】
仕事を辞めた。幸いにして、贅沢しなければ一年位は好きにしていても大丈夫な程、蓄えはある。
暗黙の了解の時間外労働(しかも無給!)、出だしから不機嫌な声の電話、ミスを許さないばかりか何日経ってもその事でネチネチ言ってくる上司、もっと些細な事で仲間外れにしてくる同僚。
(もう、何もかも自分とは無関係になるー)
朝、目覚めて二度寝出来る。それだけで、布団にくるまりながら笑いが出る。
さて、これから買い出しに行かねば。食べるものが無いし。何を食べるか、悩む幸せ。
「楽しいなあ……」
口から、不意に出る。
色々不安はあれど、今は今のこの状態だけで、後は何もいらないのだ。
ゆっくり立ち上がる。
まだまだ、ここから。
何もいらない
私は、あなた以外何もいらないと言った。
でも、彼はそうじゃないと言った。
それはそうだ。恋愛だけで生きていけないし、
仕事もしないと行けないわけで。
結婚して専業主婦だけではいられない、
この世の中。
健やかなカラダとココロ欲してる何もいらない振りなんてしない