『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【267,お題:何もいらない】
何もいらないので、消して下さい。
無が欲しい。それをおまえたちは「何もいらない」と言い換えるので思わず口を噤む。ドライアイスのかけらをコップに落とし、煙が床を這っていく。その煙の動きのような緩さと忙しなさが合わさったちぐはぐの欲求がここにある。空気の入れ替えをしなければ、と思う。途端に息苦しくなっていく。無を望む難しさに挫けそうになる。何もいらない、と言い換えてしまいたくなるばかりである。
何もいらない
私は辛いことが忘れられないし素直に笑うことが出来ない。素直に笑えた日に戻りたい
何もいらない。(十七日目)
何もいらないから、地獄から俺を救い出して。
何もいらないから、命でも捧げるから。
何もいらないから、この生き地獄から抜け出さして。
何もいらないから、目の前で死なせて。
何もいらないから、アンタらの心の中で微笑ませて。
何もいらないから、アンタらは後悔とか知らないと思うけど、その後悔の中で生きさせて。
何もいらないから、普通になりたい。
何もいらないから、やり直したい。
何もいらないから、アンタ以外の腹から生まれたかった
何も本当に、いらないから。
🍐
人は強欲だ。
「何もいらないからさぁ?飯奢ってよ?笑」
「何もいらないからさぁ?"コレ"やっといてよ笑」
「何もいらないからさぁ?"ココ"直しといて?笑」
『……そうですか、分かりました。ですが"ナニカ"はやってあげてるので今度食べる時、奢って下さいよね。』
『…私は善意でコレをしたくありません。なので私にも好条件でコレをします。』
『ココを直すという事をしてあげているということになるので貴方の何もいらないというのは少し無理ですねぇ……』
……なんて言えたらいいのに。
パッと見遠慮してるように見えるが結局はナニカはしてあげているからただの戯言にしか過ぎないんだよなぁ。
人間は言葉を作りすぎだ。だから"虚言"等の言葉が生まれ、人間は人間不信とかになってしまうんだろう。
知らんけど。
🍐
お題:何もいらない
心から湧き出た旋律
僕たちの原動力だ
この喉で音色を奏でる
心に誘われるまま動く身体
きっとあれが感情なのだろう
どうして、こんなに静かなんだろう
みんなの心の音色
君の心は何色?
色とりどりな君の心
鮮やかに変わっていく色を眺める
ああ、綺麗だな
僕の音色は見えないや
誰もがいつかは自分だけの音色を見つける
自分だけの旋律を奏でるようになる
将来の夢、人生設計
それぞれの生き方を見つけて進んでいく
旋律の奏で方も知らない
音色も見えない僕はどうすりゃいいんだよ
何者になるのかが当たり前
必死に自分だけの旋律を探す世界
別に何にもならなくなって、いいじゃないか
僕の音色は見えないけれど
僕は白くありたい
何にも染まらずに
色鮮やかな人の営みの中で
美しいこの世界を
ただ淡々と眺めていたい
感情なんて探すのはやめた
人の感情の真似っこもやめた
僕には必要ないから
美しいこの世界を
眺め生きてることが最高の幸せなんだ
感情なんてなくたっていい
ただ人の中で生きられるのなら
それ以上はなにも望まないよ
何もいらない...はずだった。
欲なんて産まれた時から持っていなかった。
何が欲しいかなんて分からない。
危険な目にあったとしても未来が欲しいなんて思わない。
自分の命すらいらなかった...はずだったのに。
君は余計なことをしてくれた。
君といたらゆっくりと深くまで欲に溺れて行った。
君との思い出
君からのプレゼント
君の笑顔
君からの愛
君の全てが欲しくてたまらない。
いなくならないでね。
君の余命はあと少しだね。
君が生きてくれるなら、私の命をあげるよ。
君が生きていてくれるなら、私は何もいらない。
それが無欲からくる言葉ではないことは、声で分かりました。
朝、「おはよう」と言うのと同じくらいの何でもなさで、会話の続きはもう無いのだと言わんばかりの素っ気なさで、それでも彼は笑うのです。
それは暗に、「本当に欲しいものは君から与えられるものじゃない」と言われているかのようでした。
――いえ、彼は本当に「何もいらない」のかも知れません。
彼の心の中には今も確かにあの方がいるのです。
私がもう顔を思い出す事すら出来ないあの方を、彼は今も胸に住まわせているのです。そんな彼に、私が与えられるものなどありはしないのだと、私自身がよく分かっていました。
「何もいらない」
そう言いながら、彼は今日も優しく笑って私の隣を歩くのです。彼が隣にいるという幸福を、共に肩を並べて歩ける喜びを、与えられているのは私の方でした。
自らが与えられないことを悔やみながら、彼から剥がれ落ちていく小さな欠片を拾い集めて浅ましく貪っている私という獣は、もう彼無くしては生きられないほどに、その味の虜となってしまっているのでした。
――あぁ、なんて、羨ましい。
彼の胸に住むあの方へ向けた感情は、醜くも愚かしい、決して彼に知られてはならないものでした。
END
「何もいらない」
「なにもいらない」
若いうちは、欲しいものがいっぱいあって、あれもこれもと、色々取り入れていく。
年を取るにつれて色々なことがわかって、洗練されてくると、一つ一つそぎおとしていき、最後には何もいらなくなる。
君は私に別れを告げた。
贅沢させてやれる金もない。
二人で広々と住める家もない。
共に居れる時間も余裕もない。
お前を幸せにはできないと、私の手を離したんだ。
君は何も分かっていないらしい。
私は君にケーキを買うようなお金が無いことも、
二人で住むには窮屈な家だということも、
共に思い出を作ることが難しいことも、
全てわかっていたよ。
それでも君を選んだんだよ。
ケーキよりも君のただいまが何より嬉しい。
窮屈ならばもっと寄り添えばいい。
どこかへ出掛けなくとも、
君と手を握れていればそれでいいんだ。
何もいらないの。君だけでよかったんだよ。
何もいらないなんて嘘だ。
何もいらないって言うのは、決まって本当に欲しいものが手には入らないときだ。
あれさえ手に入るなら何もいらないって。
結局ひとは何かを欲しがらずにはいられない。
私はまだ子供なのかもしれない。
私は15年も生きていない。
生きてきたのは14年と4ヶ月と12日。
これまで無くしてきたものは思い出せるほど少ない。
大切にしていたシール帳。
お気に入りのクレヨン。
転校した友達。
離任、退任した先生。
私は嬉しいことにまだ人が大切ということを習っていない。
これまでお別れで泣いたことはない。
悲しいと思ったこともない。
たとえ容姿をいじられ親友をなくしても。
好きな人を寝盗られても。
親に子供が出来ても。
たとえ1人になろうと。
私には私がいる。
そう私がいるの。
私が居ればいい。
そういうせかい。
それがしあわせ。
それがかんぺき。
そういうりそう。
あぁ。。。
きょう、くうそう、ひたる。
あした、げんじつ、もどる。
わたし、いきする、あるく。
わたし、いらない、なにも。
【何もいらない】
「何もいらない」
そう答える母の瞳に
欲しいもの探す
母の日の少し前。
そう言えてしまえたら楽だった。
そう吐き捨てれば良かった。
そう言い切るには僕は持ちすぎた。
いらない、なんてもう言えないよ。
それでも捨てたくなるのは僕が強欲すぎるだけなんだろう。
テーマ『何もいらない』
「君がいれば、何もいらない」
なんてクサイセリフ、人生に一度は言ってみたいもんだ
「酷いもんだ」
思わず、そんな言葉が零れる。その世界に蹲るもう一人の自分の姿は悲しんでいるような、怒っているような風に見えた。あるいはそのどちらでもあるのかもしれないし、またどちらでもないのかもしれない。
「覚者にでもなったつもりか」
声帯が錆び付いているかのような声が零れる。およそ言葉と言えるのかさえ怪しい音の羅列。耳を塞ぎたくなる衝動を堪え、己と向き合う。かつてはあった懐かしい記憶の数々。学校、ビル、アパート、橋、施設、塔……その全てが原型もないほどに朽ち果てている。
「分かってるだろ、俺が壊した。もう二度と、そんなものに縋らなくてもいいように。いらない、もう何もかも」
「そうだな……」
己の手のひらを開けて、見つめる。かつてはこの手が何もかも掴んできた。だというのに、この手のひらにはもう何も残っていなかった。
代わりに、ギュッとめいっぱいに握りしめる。それはもう、何もいらないという意思表示のようにも見えた。
何もいらない
あなたがいれば
何もいらない
…なんて、何も知らない
子どものセリフ
それでも思う
あなたがいれば
何もいらない、と
それは、もう決して
手に入ることのない
幸せだった日々
何もいらない
生きてさえいてくれたら…
あなたがいればいてくれさえいれば欲しいものは何もいらない。
でもその願いは届かない…
普通の人間だった頃は欲しいものがいっぱいあった。
富、声明、権力。ありとあらゆるものが欲しかった。そして、何も手に入らなかった。
結局のところ、ボクは『ボク』という一人称を使っているという理由だけで周りから異端だと思われて、女の子なのに男の子になりたいのか、なんて言われて、『ボク』という人間自身を蔑まれた。
この世界に来た最初の頃は欲しい物は信頼の一つだった。
とにかく二度と蔑まれたくなくて、富とか永遠の命とか欲しかったそういうものが全てどうでもよくなった世界だったから、権力者の集団に気に入られようとした。
今はどうだろう。
何が欲しいんだろう。
ボクは、今。
⋯⋯⋯⋯欲しい物、ではなく望みならある。
彼に振り向いてほしいし、彼と対等な者になりたい。
洗脳しないでみんなが幸せに望んでこの世界に住めるようにしたい。
でも、欲しい『物』と聞かれるなら。
欲しい物なんて、ない。
何も、いらない。
ぎゅーっと、小さな腕でめいっぱい抱きつく笑顔 ただそれだけで
何もいらない
※差別的意図は一切ございません
「ああ神様! 他には何もいりません」
少女は手を合わせる。神どころか管理人さえ失っていそうな神社は、ただ静かに佇む。
「世界を変えてください、あの子に他の人よりも親切にしてください」
少女は友人の幸福を願っていた。アレルギーで、世界の殆どに傷つけられてしまう無菌室の親友。
「お願いします! あの子ともう一度だけでも遊びたいの、話したいの……!」
少女の痛烈な思いは神に届いたのだろうか。
その次の日世界は変わった。
「りり! 遊びに行こうよ!」
――20☓☓年
「今日すっごい良い天気だよ、りりー?」
突如地球に衝突した隕石により、文明的建築物は壊滅。太陽の急激な接近による地上の高温化により先住民は地下シェルターに追いやられ、地上を走るのは宇宙からの移住者、そして新生物。
「756! 何してんだよ行くぞ」
彼らは全員数で管理されており、主となる――人は熱に強い身体と美しい容姿を持つ。
「でも、りりが――」
「地球人が地上に出てくるわけねえだろ。行くぞ」
地下シェルターの扉に後ろ髪を引かれながらも、756と呼ばれた少女は歩き始める。
りりが信じた親友はナンゴロと名乗る摂氏67度以下での生存が困難な移住者だ。純粋な少女は彼女のために祈り、そのためか否か世界は滅びた。
彼女が本当に願うべきだったのは、世界の変換ではなく少女二人の幸福である。
それを捨て置いた彼女の痩躯は、地下シェルターで蹲り、二度と動くことはなかった。
【何もいらない】2024/04/20
序盤の注意書きが何の予防線なのか気付いた人は気にしいかも。