『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君は私に別れを告げた。
贅沢させてやれる金もない。
二人で広々と住める家もない。
共に居れる時間も余裕もない。
お前を幸せにはできないと、私の手を離したんだ。
君は何も分かっていないらしい。
私は君にケーキを買うようなお金が無いことも、
二人で住むには窮屈な家だということも、
共に思い出を作ることが難しいことも、
全てわかっていたよ。
それでも君を選んだんだよ。
ケーキよりも君のただいまが何より嬉しい。
窮屈ならばもっと寄り添えばいい。
どこかへ出掛けなくとも、
君と手を握れていればそれでいいんだ。
何もいらないの。君だけでよかったんだよ。
何もいらないなんて嘘だ。
何もいらないって言うのは、決まって本当に欲しいものが手には入らないときだ。
あれさえ手に入るなら何もいらないって。
結局ひとは何かを欲しがらずにはいられない。
私はまだ子供なのかもしれない。
私は15年も生きていない。
生きてきたのは14年と4ヶ月と12日。
これまで無くしてきたものは思い出せるほど少ない。
大切にしていたシール帳。
お気に入りのクレヨン。
転校した友達。
離任、退任した先生。
私は嬉しいことにまだ人が大切ということを習っていない。
これまでお別れで泣いたことはない。
悲しいと思ったこともない。
たとえ容姿をいじられ親友をなくしても。
好きな人を寝盗られても。
親に子供が出来ても。
たとえ1人になろうと。
私には私がいる。
そう私がいるの。
私が居ればいい。
そういうせかい。
それがしあわせ。
それがかんぺき。
そういうりそう。
あぁ。。。
きょう、くうそう、ひたる。
あした、げんじつ、もどる。
わたし、いきする、あるく。
わたし、いらない、なにも。
【何もいらない】
「何もいらない」
そう答える母の瞳に
欲しいもの探す
母の日の少し前。
そう言えてしまえたら楽だった。
そう吐き捨てれば良かった。
そう言い切るには僕は持ちすぎた。
いらない、なんてもう言えないよ。
それでも捨てたくなるのは僕が強欲すぎるだけなんだろう。
テーマ『何もいらない』
「君がいれば、何もいらない」
なんてクサイセリフ、人生に一度は言ってみたいもんだ
「酷いもんだ」
思わず、そんな言葉が零れる。その世界に蹲るもう一人の自分の姿は悲しんでいるような、怒っているような風に見えた。あるいはそのどちらでもあるのかもしれないし、またどちらでもないのかもしれない。
「覚者にでもなったつもりか」
声帯が錆び付いているかのような声が零れる。およそ言葉と言えるのかさえ怪しい音の羅列。耳を塞ぎたくなる衝動を堪え、己と向き合う。かつてはあった懐かしい記憶の数々。学校、ビル、アパート、橋、施設、塔……その全てが原型もないほどに朽ち果てている。
「分かってるだろ、俺が壊した。もう二度と、そんなものに縋らなくてもいいように。いらない、もう何もかも」
「そうだな……」
己の手のひらを開けて、見つめる。かつてはこの手が何もかも掴んできた。だというのに、この手のひらにはもう何も残っていなかった。
代わりに、ギュッとめいっぱいに握りしめる。それはもう、何もいらないという意思表示のようにも見えた。
何もいらない
あなたがいれば
何もいらない
…なんて、何も知らない
子どものセリフ
それでも思う
あなたがいれば
何もいらない、と
それは、もう決して
手に入ることのない
幸せだった日々
何もいらない
生きてさえいてくれたら…
あなたがいればいてくれさえいれば欲しいものは何もいらない。
でもその願いは届かない…
普通の人間だった頃は欲しいものがいっぱいあった。
富、声明、権力。ありとあらゆるものが欲しかった。そして、何も手に入らなかった。
結局のところ、ボクは『ボク』という一人称を使っているという理由だけで周りから異端だと思われて、女の子なのに男の子になりたいのか、なんて言われて、『ボク』という人間自身を蔑まれた。
この世界に来た最初の頃は欲しい物は信頼の一つだった。
とにかく二度と蔑まれたくなくて、富とか永遠の命とか欲しかったそういうものが全てどうでもよくなった世界だったから、権力者の集団に気に入られようとした。
今はどうだろう。
何が欲しいんだろう。
ボクは、今。
⋯⋯⋯⋯欲しい物、ではなく望みならある。
彼に振り向いてほしいし、彼と対等な者になりたい。
洗脳しないでみんなが幸せに望んでこの世界に住めるようにしたい。
でも、欲しい『物』と聞かれるなら。
欲しい物なんて、ない。
何も、いらない。
ぎゅーっと、小さな腕でめいっぱい抱きつく笑顔 ただそれだけで
何もいらない
※差別的意図は一切ございません
「ああ神様! 他には何もいりません」
少女は手を合わせる。神どころか管理人さえ失っていそうな神社は、ただ静かに佇む。
「世界を変えてください、あの子に他の人よりも親切にしてください」
少女は友人の幸福を願っていた。アレルギーで、世界の殆どに傷つけられてしまう無菌室の親友。
「お願いします! あの子ともう一度だけでも遊びたいの、話したいの……!」
少女の痛烈な思いは神に届いたのだろうか。
その次の日世界は変わった。
「りり! 遊びに行こうよ!」
――20☓☓年
「今日すっごい良い天気だよ、りりー?」
突如地球に衝突した隕石により、文明的建築物は壊滅。太陽の急激な接近による地上の高温化により先住民は地下シェルターに追いやられ、地上を走るのは宇宙からの移住者、そして新生物。
「756! 何してんだよ行くぞ」
彼らは全員数で管理されており、主となる――人は熱に強い身体と美しい容姿を持つ。
「でも、りりが――」
「地球人が地上に出てくるわけねえだろ。行くぞ」
地下シェルターの扉に後ろ髪を引かれながらも、756と呼ばれた少女は歩き始める。
りりが信じた親友はナンゴロと名乗る摂氏67度以下での生存が困難な移住者だ。純粋な少女は彼女のために祈り、そのためか否か世界は滅びた。
彼女が本当に願うべきだったのは、世界の変換ではなく少女二人の幸福である。
それを捨て置いた彼女の痩躯は、地下シェルターで蹲り、二度と動くことはなかった。
【何もいらない】2024/04/20
序盤の注意書きが何の予防線なのか気付いた人は気にしいかも。
美味しい食事を摂り、ふかふかのベッドで眠る。
家は広くて、外車を乗り回し、高級なスーツを着る。
けれど、なにもかも虚しかった。
君さえいれば、他には何もいらなかったのに。
他の全ては手に入ったのに、君だけがここにいない。
大きなソファも、二つずつあるカトラリーも、並んだ枕も、全部が苦しいのは。
きっと君の分が、ぽっかり空いたままだから。
君さえいれば。
六畳一間のボロアパートでも、コンビニ弁当でも、薄い布団でも、幸せだっただろう。
君さえいれば、何もいらなかったのに。
「何もいらない」
「君さえいれば何もいらない」って、
それっていちばん欲張りなんじゃないかしら。
何もいらない、と言えるのは、
そもそもそれを持っている証拠です。
人は持っていないものほど欲しがるものです。
だから私はあなたの視線が欲しい。声が欲しい。
優しく抱擁する腕も、歩幅を合わすその足も。
時間も、人生も、運命も、あらゆるすべて。
あなたの存在まるごとをこの手に収めたい。
私のこの手の中にあなただけがいない。
望まぬものはたくさん持っているのに、
一番欲しいあなただけが手に入らない。
私はあなた以外何もいらない。
けれどそれは決して手に入らないものなのです。
【何もいらない】
題名何もいらない
何もいらない。
何もかもあるから。
金も。愛も。友人も。娯楽もある。
なのになぜこんなに満たされない?
おかしい。
世界一幸せで、可愛くて、頭良くて、金持ちで、何でもできるのに。
ああそうか。
私は、〜〜〜がほしかったんだ。
呼吸の仕方さえ、忘れてしまった。
君が僕の前から消えたあの日から。
君は僕の全てだった。
僕の全ては君のものだった。
君がいたから僕は笑えた。
君の隣だから息ができた。
「大切」なんて、そんな稚拙な言葉で表したくはない。
けれどそれが僕が表す最大限の言葉だった。
君がいなければ意味がない。
君がいなければ呼吸さえできない。
君がいないなら、僕は何もいらない。
僕はね。君がいてくれたらもう何もいらないんだ。
お金だとか財力は、まぁあっても困らない。けど、ありすぎても面倒だし、正直そこまで興味もない。だから、お金はいらない。
名声だとか権力なんてもっといらない。だって、そんなものあったって、別に何か物が買えるわけでもなければ、お腹だってふくれない。そんなものあったって無駄なだけだ。
力は……まぁ欲しくないかって言われたら多少は欲しいよ?僕だって男だし。ヒョロッヒョロなのは男としてなんか格好つかないし、いざって時に頼りないよりはいいでしょ?とはいえ別にムキムキの筋肉ダルマとかそんな感じになるつもりはないし、必要性も感じない。そもそも適度に筋肉があれば生きていけるからね。
いろいろ言ったけどさ、僕が心から伝えたいことは一つだけ。
僕は君がいれば幸せだし、君以外は何もいらないってこと。
テーマ:何もいらない
『何もいらない』
君には幸せでいてほしい
君が幸せでいられるのなら私は何もいらない
お金も、力も、自分の命でさえもなくなってしまってもかまわない
でも君が私のいない世界などいらないと
幸せになどなれないと
そう言うから
だから私は生きるのだ
君の幸せを守るために
私の願いを叶えるために
テーマ“何もいらない”
「もう、愛してくれなくていい」
そう伝えられたのなら
どれだけ楽だっただろう。
誕生日プレゼントも
クリスマスプレゼントも
私以外の誰かと
私の為に選んでくれてたみたいだけど
その誰かの方が好きだった事知ってるよ。
私に、何を渡したらいいか分からないからと
わざわざ口実を作って
プレゼント選びという名のデート
してくれてた事知ってるよ。
私と行ったことも無いオシャレなカフェで
私に向けてくれたことのない笑顔で
二人で笑いあっていたみたいだね。
ごめんね。
健康じゃなくて。
私、もうすぐ、逝くから
その人と仲良くね。
もう、何もいらないから。
貴方の記憶からも消えてあげるから。