美味しい食事を摂り、ふかふかのベッドで眠る。
家は広くて、外車を乗り回し、高級なスーツを着る。
けれど、なにもかも虚しかった。
君さえいれば、他には何もいらなかったのに。
他の全ては手に入ったのに、君だけがここにいない。
大きなソファも、二つずつあるカトラリーも、並んだ枕も、全部が苦しいのは。
きっと君の分が、ぽっかり空いたままだから。
君さえいれば。
六畳一間のボロアパートでも、コンビニ弁当でも、薄い布団でも、幸せだっただろう。
君さえいれば、何もいらなかったのに。
4/20/2024, 3:16:25 PM