『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
なんでもないふり
なんでもないふりは得意。
物事に対する不安、
ついていけない会話、
泣き出したい心。
みんなの前では、なんでもないふり。
辛くないふり、元気なふり。
誰にも心配かけないように、演じる。
なんて大層なものではないけれど。
目に見えない小さなトゲにも、
気が付かないふり、平気なフリ。
これでいいんだ。
これでいいんだ。
これでいいのか。
これじゃだめだ。
気づいて欲しい。
全然大丈夫なんかじゃない。
元気じゃない。
辛い。泣きたい。
助けて。
【なんでもないふり】
詩的な感じで。
何でもない…フリをするのは案外簡単だけど、
それは良いことなのか悪いことなのかは
分からないね
無理をしない事が大事なのかな
急に子どもが私に向かって走ってきた。後を追うように、その子の父が走ってはダメだと注意を呼びかける。私のもとに辿り着いた頃には歩いてやってきた。
その子は、図書館でお菓子を食べていけないのならアメもダメなのかと尋ねてきた。私はそうだよ、いけませんよと答えた。
子どもは私の答えを聞いて満足したのか、父親の所へまた駆け出して戻っていった。おそらく父の言うことが正しいのかどうか確かめたかったのだろうか
マスク越しで私は思わず頬を緩めた。数分前まで飴を舐めていた舌先で、よくもまあ何でもないフリをして言いくるめたものだ。
(241211 何でもないフリ)
[お題]なんでもないフリ
声かける 林檎のような 赤い目に
なんでもないフリはよくします
元々形から入るタイプでした。眉間にシワがよると考えている感じがするので、良い考えを出すために、シワを寄せてみたり。また、イラっとした時にニヒルに対応したらクールかなと思い、チックのように片方の口角だけ上げてみたりとかしてました。
でも実際は、シワがよっても良い考えは浮かばないし、片方だけ口角を上げても、イライラは変わらないので、形だけ変えても、あまり変わりませんでした。
同様に、なにもないフリをしても、なにもない訳ではないので、フリをしてもあまりメリットないのはわかります。
でも、なんでもないフリは、気を抜くとしてしまいます。動揺していない方がクールに見えるからか、感情を出すのが疲れるからか、感情よりも対応が先だからか。とにかく、気がついたらフリをしてます。
それは、元々は意味があったのかもしれないけど、今となっては、ただのクセかもしれません。かといって、どれくらい変える必要があるのかはわからないけど。まあいいか。
私の為に死んでください。
私の為に無様に死ぬ様子が見たいのです。
その綺麗な四肢が投げ出され、他の人間と同じ、ぼろ切れのような姿になるのが見たいのです。
けれど、美々しく命の灯火を燃やす貴方はとても輝いてみえる。
その姿はこの世でいちばんに見えるけれど、憎らしくもあるのです。
だって貴方は決して私のことを見ないから。
私の胸がきゅうと締め付けられる感覚を、貴方はマッタク知らないのでしょう。
だから、私のために死んでください。
──今日くらいは。
このひとは、隠し事をすることが得意なのだとつくづく感じる。
料理の味付けで塩と砂糖を間違えても平然と食べてしまうし、どれだけ疲れていても欠伸のひとつさえ零しはしない。
つまり、自分の限界を越えるところまで我慢して我慢して、それが決壊する時に一気にいろいろなものに飲み込まれてしまう、とも言える。
***
「お疲れになる前に早く休んでください、と何度も言ったでしょう?」
「……いっていない」
昨日から高熱を出して寝込んでいる相手は、拗ねたように言って目を逸らす。
「いいえ、言いました」
「……」
毛布を目元まで引き上げて隠れようとしているのが、なんだか子供みたいだ。氷水で濡らしたタオルを絞って、ぬるくなったものと交換する。
「体が限界だったんですよ。この機会にゆっくり休んでください」
「休んでいる、ひまなど」
「本調子でなければ動くことなんてできませんよ」
再びの無言。
体調を崩して、心も少し弱ってしまっているんだろうか。普段ならすぐに返ってくるはずの反論もない。
「ちゃんとお布団に入っていてくださいね。また様子を見に来ますから」
「……いやだ」
「早く治って欲しいんです」
毛布から覗く金色の瞳が、発熱のせいで頼りなさげにゆらゆら揺れている。
「……そばに、いてくれ……」
熱い指先がセーターの袖を掴んだ。もう瞼が閉じてしまいそうだ。
「子守唄でも歌いましょうか?」
「きみのうたは、へんなかんじがするから、いい」
「失礼な方ですね」
「となりにいてくれれば、いい」
返事をする代わりに、袖に添えられた手をゆるく握る。かろうじて開いていた瞼が完全に落ちる。
「……おやすみなさい」
今日くらいは、ゆっくり休んでくださいね。
(何でもないフリ)
「何でもないフリ」
会社の先輩を好きになって1年が過ぎた。先輩は困っている人がいると、雰囲気で察知して直ぐに声をかけてくれる、まあ、誰にでも優しいのだけど…その優しさに私は、やられてしまった。
コンコンと、デスクを同僚がノックをするように叩いた。
「今日、仕事終わったら飲みに行かない?」
「いいよ。店は任せるね」
久々に飲んで帰れると思ったら、あっという間に時間が過ぎたように感じた。仕事が終わり、会社の外でみんなを待っていると先輩が1人で降りてきた。
「え? 先輩も今日飲みに行くんですか?」
「あれ?聞いてなかった? 俺、今度転勤決まったんだよ。そしたらみんながお別れ会してくれるって言うから」
転勤?!え?!
ドタドタと音を立てて駆け寄ってきた同僚の目が泳いでいるように見えた。
「先輩、もしかして今日の飲み会の目的、言っちゃいました?」
「あ、うん。いまさきっき」
「そうなんですねぇ。すみません、この子にまだ言ってなくて、びっくりしちゃったかも」
そう言いながら、私の背中を見えないようにゆっくりとさすってくれた。
私に気を使って言わないでくれたのか…言わなくても直ぐに分かることなのに…。
同僚に小声で【大大丈?】と聞かれたから、私は口角を上げて「大丈夫」と答えた。
何でもないフリ
浮気に気付いた時
何だろう?
いつもと何かが違うと感じて
これは?って思う
あの勘の鋭さ
子供が大事で、
生活が大事だったから
責めたけど、責めきれなくて
知らないふり
騙されているふりをした私
今現在を考えると
その「ふり」は
正解だったんだと思う
だけどね
やっぱり許してない
許せない
いつか許せる日が来るとも思えない
ブラック企業
大変です
でも
やりがいがある
その企業を救う為
ブラックが何が悪い?
ブラックを楽しもう!
闇バイトより
マシでしょ
ドラマもあり
コントあり
今のバイトはありますか?
「ブラックですね·」
「ブラックじゃないんです!」
「 何かありましたか?」
そう言える人になりたい
テーマ「何でもないフリ」より
何でもないフリ
なんて
しないでちゃんと
聞かせてよ
弱音だって
吐いていいんだよ
涙だって
みせていいんだよ
ほら
少しずつでいいから
教えてよ
聞かせてよ
くそったれ。
僕はいつだってそうなんだな。
気分が明るい日なんて滅多になくて、いつも辛気臭い顔をしちまうんだ。背骨だって爺さんみたいに曲がってら。
かといって明るい気持ちが体の内側から滲み出るような日も良くないんだ。
この間なんて調子に乗って休日にチーズケーキを焼いたんだけどさ。そのあと高熱がでてケーキを食べるどころじゃなくなっちまったんだ。3日も寝込んだよ。
僕ってやつは、どうにも仕方がないんだな。
今日も鏡に映る僕は最後の審判を待ってるような顔をしている。どうにも仕方がないんだ。
どうせ誰も助けちゃくれないんだからさ。
だから、これからだって虚勢を張ってでも、なんでもないように生きていくしかないんだな。これが。
「別に優勝目指してたわけじゃねえし」
重い空気を入れ替えるつもりだった。
青春の最後の日がこんなに湿っぽいのは嫌だと思ったから。
空気は入れ替わるどころか止まってしまった。
「お前、3年間必死に優勝目指してやってきたわけじゃねえのか!?」
「さすがに空気読めよ!」
「俺ら一緒に頑張ってきたのに」
仲間からブーイングの嵐が巻き起こった。
いや、そうじゃなくて…
何を言っても嵐はおさまらない。
「てめえ!二度と顔見せるな!」
3年間の絆はあっけなく途切れてしまった。部室から追い出され、手持ち無沙汰で学校を出る。
思い出が走馬灯のようにぐるぐる頭を駆け巡る。部活は辛かった。やたらと体を痛めつけられて、根性論を叩き込まれた。のんびりと高校生活を過ごすつもりだった俺は早々に入る世界を間違えたことを悟った。
だが3年間も続けてきた理由はあいつらだった。
確かに俺は優勝とかどうでも良かった。たかが部活の大会で優勝したところで何になる。
ただ、あいつらが優勝したがってたから頑張ってただけだ。やっと終わったんだ。
ちょうど校門を出ようとするときに顧問と鉢合わせた。
「反省会は終わったのか?」
「いや…」
空気読めなくて追い出されました、なんて最後の最後に言えるわけない。
「試合終了の時のボール」
顧問の声が柔らかくなる。
「あそこで点を取っていたとしても、どうせ負けてた。お前なら分かってたよな?
いつも冷静に試合の盤面を見てたんだから。
どうして諦めなかった?」
ボールを捕らえた時に聞こえたタイムアップのブザーが甦る。
「1秒でも続けばいいと思って。」
優勝なんか目指してない。部活も早く辞めたかった。
けれどあいつらとの時間を1秒でも長く続けたかった。それだけの思いで体が動いていた。
顧問がいつもの説教の調子で言う。
「なんでもないフリをするな。3年間を無かったことにするな。お前の気持ちを素直に伝えてこい。」
涙がこぼれ落ちる。俺は部室に走った。
ボールに飛びついた時よりも早く体が動いた。
「仲間」「何でもないフリ」
あのね、聴いて
好きな人出来たんだ、
弾んだ声で話す彼女
に、息が止まりそうになった
相手は同じ部活の先輩で
やれ、ここが好きとか
好きな人の話をする時の彼女
は、楽しそうで
輝いて見えた。
だから、ほんの少しだけ感じた胸の痛み
は気づかないフリをする
気づかないフリ/夜凪
【温かい冬】
中村さんから話を聞いて以来、私の心は深く沈んでいた。
奥さん、病気で苦しみながら亡くなったんだ。
「サヨナラ」も言えなかったって。
この話を消化するには、とてつもない労力が要るみたいだ。
あれから、中村さんと会うことは無かった。
―――――――――――――――――――――
「今度の土曜日、3人で駅前のイルミネーション観に行こうよ」
と言って誘うと、あいりちゃんは少しだけ渋い顔をした。
「イルミ、かぁ……」
「だめ、かな?」
「いや、だめやないけど…行けるかなぁ…」
「もしかして、用事あったりする?」
かのんちゃんがお弁当を頬張りながら訊いた。
「うーん……、行けんかも。
ちょっと考えとくな。」
あいりちゃんにしては元気が無い。
そんな気がした。
気のせいだろうか。
「ま、まあ、イルミなんていつでも行けるし…」
少しだけ浮かない顔をして俯くあいりちゃんが見えた。
その途端、何を言えばいいのか分からなくなってしまった。
私は家に帰ると、電気もエアコンもつけずにソファに倒れ込んだ。
「はあぁぁぁ」と特大の溜息をついてみるも、部屋中に虚しく響くだけだった。
お母さんは仕事だし、オトウサンは天の上だ。
こんな溜息、誰も聞いちゃいない。
私は額に手を当てて、暫く考え事をした。
中村さんの奥さんのこともあるけれど、やっぱり気になるのはあいりちゃんのこと。
いつも元気なあいりちゃんが、あんな顔をしたのがショックだった。
「イルミ、行きたくないのかな」
ぽつんと漏れたその声は、やはり虚しく響いた。
翌日。
私達はいつもと同じように会話して、笑っていた。
いつもと同じ。
あいりちゃんも、いつもと同じだった。
私達は、いつも2階のテラスみたいなところで昼ごはんを食べる。
今日も変わらず、テラスで昼ごはんを食べる。
「あ、そういえば、イルミどうかな?
都合悪かったりする?」
かのんちゃんが、今日はおにぎりを頬張りながら訊いた。
「あぁ、イルミ…な。」
あいりちゃんの顔から、さっきまで浮かべていた笑顔が消えた。
やっぱり、昨日のアレは気のせいではなかった。
「……、これ、今話すようなことじゃ無いと思うけど、ええかな?」
「うん」
私は頷いた。
隣を見ると、かのんちゃんも頷いていた。
「実はな、」
「…うん」
「ウチの親、再婚しとんの。
ウチが小学4年の冬の終わりに親が離婚して、中1の夏に再婚したんや。
再婚するまでの間はずっとおとんと2人暮らしやってんけど、今は新しいお母さんと3人で暮らしとる」
「そうなんだ…」
「ほんでな、離婚する前の最後のお出かけがイルミネーションやった。
途中までは楽しかったんやけどな、
おかんが少し神経質なところがあって、
些細なことで夫婦喧嘩が始まったんや。
それでどんどんエスカレートしていって、
周りの人も観とるし、
あまりに辛ぉて泣いてもた。 」
あいりちゃんはご飯を食べる手を止めて、俯いた。
その表情は、前髪に隠れてよく見えなかった。
今、どんな顔をしてるんだろう。
涙を堪えてるのかもしれない。
歯を食いしばって、自分が背負っているものの重みに耐えているのかもしれない。
「……今はな、素敵なお母さんと頼れるおとんがいて、毎日楽しい」
「……そっか」
そんなことしか言えなかった。
「……なんか、めっちゃスッキリしたわ!
やっぱり、イルミ行きたいわ」
あまりに唐突で、ビックリした。
かのんちゃんはキョトンとしている。
「いや、今まで、イルミ避けとったんよ。
っちゅうのも、イルミ見たらあの日の事を思い出して苦しなってもうて。
せやけど、友達と一緒なら楽しいはずやし。 やっぱり行きたいわ」
私はかのんちゃんと顔を見合わせて、ふふっと笑った。
きっと、かのんちゃんも心配していたんだと思う。
でも、私達が思っているよりもあいりちゃんは強い子だった。
なんだか、安心した。
「じゃ、土曜日の5時に駅前集合でどう?」
「うん、いいね!」
「楽しみやわぁ!」
こうして、土曜日の予定はすんなりと決まった。
寒いはずなのにポカポカする。
それくらい、私達の関係は温かくて優しいのだ。
気にしないで
大丈夫だよ
ツライのに、大丈夫じゃないのに、傷ついてるのに、
平気なフリをして笑っている。
きっと、
少しでも優しさに触れると涙が止まらなくなってしまう。
みんなに心配を掛けてしまうかもしれない。
そんな事で弱音吐くの? なんて事を言われるかも。
限界を超えているかもわからない。
でも、まだ我慢できるかもしれない。
だから、何でもないフリをする。
みんなは知らない。
気持ちは辛い、苦しい、助けてほしい。
でも、口から出る言葉は
『なんでもないよ』
また、何でもないフリをする。
「何でもないフリ」
彼は、ふいに何でもなフリで、私に意地悪をしてくる。
おちゃめな彼。私も、彼の意地悪を可愛いと思っている。
ラブラブなこのときが、幸せ。これこそが、
何でもない幸せなんだぁ
と思う
小学生低学年くらいの頃、
「死ぬのが怖くて」
こっそり母の布団の中に潜り込んだ。
母は何も言わず抱きしめてくれた。
「なぜ死ぬのか?」
爺ちゃんに聞いたことがある。
「死んだことがないから分からん」
と、笑って言われた。
けれど、間を空けてから
「死が怖くない人間にはなるな」
と、真面目な顔で言われた。
あれから20年ほど経つ。
私は受験勉強やら社会人やらと
経験していく中でいつの間にか
「死ぬことについて」
何でもないフリをしている。
爺ちゃんは私が高校生の頃に亡くなった。
「死が怖い」のは
この人生が大切で失いたくないからかな?
と、なんとなく爺ちゃんの言葉を解釈している。
今の自分は子供の頃と比べてどうだろ?
「泣きじゃくる」ほどに今の人生が終わることに恐怖しているだろうか。
何でもないフリ
ひとつの歌詞・ひとつのコード
いつも通り考えて綴る
いつも通りネットに上げて、皆の声を聞く。
「最高!」
「神曲またキター!!」
コメントひとつ読むのも楽しい
僕のたったひとつの息抜き。
学校で
わざともの隠されて
黒板に酷いこと書かれて
蹴られて
転ばされて
他にも沢山。
先生に「大丈夫?」
って、可哀想な目で見られながら言うけど助けようともしてくれないくせに僕の気持ちが何かひとつでも分かるのか?
こんな事が毎日ある。
けど僕は、笑顔で乗り切る。
陰口言われても、何でもないフリ。
夜
また最新曲をネットに上げる。
「心に響く…」
「初めてコメントします!とても素敵な曲。学校生活が浮かぶ笑」
コメントを読む。
ん?
2個目のコメントの名前。どこかにいた。
頭に浮かぶ。あいつが。
思い出したくもないが、鼻で笑ってしまう。笑
だが僕は、"何でもないフリ"をする。
なんでもないフリばかりしてたら
自分のホントの気持ちがわからなくなって
「さみしくないの?」
寂しがるとさ、面倒な女って、なるじゃん
「なにが?」
まるで気にしてないかのように振る舞っていたのに
君は、心配するんだ。
「本当に?」
「うん」
「嫌じゃないの?」
「別に」
「素直じゃないね」
君に何がわかるのかと
少しイラッとしてしまった
ハァ、とため息がきこえる
ふいに
ただ、抱き締められた。
「俺は、寂しいよ」
耳元で君は、呟く。
その一言で、
たったその一言で私はね
寂しがられても、嫌な気持ちにならないと
知れたの。
君が、教えてくれた。
さみしいと、素直に伝えても良いのだと。
嘘つくとね、胸が苦しい。
なんでもないフリは
今はもううまくできない。