幸太郎

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小学生低学年くらいの頃、
「死ぬのが怖くて」
こっそり母の布団の中に潜り込んだ。
母は何も言わず抱きしめてくれた。

「なぜ死ぬのか?」
爺ちゃんに聞いたことがある。
「死んだことがないから分からん」
と、笑って言われた。
けれど、間を空けてから
「死が怖くない人間にはなるな」
と、真面目な顔で言われた。

あれから20年ほど経つ。
私は受験勉強やら社会人やらと
経験していく中でいつの間にか
「死ぬことについて」
何でもないフリをしている。
爺ちゃんは私が高校生の頃に亡くなった。

「死が怖い」のは
この人生が大切で失いたくないからかな?
と、なんとなく爺ちゃんの言葉を解釈している。
今の自分は子供の頃と比べてどうだろ?
「泣きじゃくる」ほどに今の人生が終わることに恐怖しているだろうか。

12/11/2024, 12:43:23 PM