幸太郎

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9/11/2024, 10:48:08 AM

食後にソファーに寝転ぶ。

ふと、
目の前のカレンダーに目が止まる。
A2サイズくらいの大きなカレンダーには
ところどころに書き込みが見られる。
「9月は30日まであるんだなー」
と気づく。

30という数字をボンヤリ眺めていると、
「そういえば、私は今年で30歳だな」
と思う。

カレンダーだと、
1ヶ月が終わるのか…
そう考えると
「人生なんて3ヶ月くらいしかないんだな」
と、意味なく哀愁のようなものを感じた。

8/26/2024, 1:06:42 AM

好きな女の子と
向かい合わせに座る。

俺は今日、告白する。

「愛してる」とか
「ずっと好きでした」とか
そんなありきたりな言葉で
想いを伝えたくなかった。
そんな売れない歌手の思考で、
俺は想いに英語を交えた。
ヒネリがないと思い、
スワヒリ語とヘブライ語も混ぜた。
なんなら
ミステリーサークルのイラストも添えた。

俺の想いの詰まった手紙を
目の前で彼女に渡した。

彼女は頬を赤らめて読んでいたのだが、
最後にはその色は青く変わった。

俺はふられた。

どうやら、
最後のミステリーサークルの意味が
「近づくなブス」
という意味だったらしいことに
後で気づいた。

宇宙人の彼女には
ストレートに響いたようだ。

俺が世界初の
ミステリーサークル翻訳家を目指した
きっかけである。


8/21/2024, 11:13:46 AM

I wish I were a bird.
と、英語でカッコつけた。
「鳥のように自由に空を飛べたらな〜」
と、特に不遇なわけでもないのに
思春期の頃は空を見上げた。

さて、俺は今、
鳥になっているわけだが、
まさかニワトリになるとは
思いもしなかった。

目に見えるのは地面ばかりだ。

I wish I were a bird.
明日はカラアゲにされているかもしれない。

8/19/2024, 12:19:37 AM

小学生の頃、
合わせ鏡をして鏡の中を
観察するのが好きだった。

無限に続く世界に好奇心を抱き、
「不思議だな〜」と思っていた。
5つ上の姉から
「妖怪が出てくるから止めなさい」
と言われたことがある。
私はそれはそれで興味深くなり、
一人でコッソリ続けたのだが、
妖怪には会えなかった。

日本には『八百万の神』がいるらしい。
そして、
『百鬼夜行という妖怪達』もいるらしい。

日本人は外国人の区別は出来ない。
逆もまたしかりである。

はて?
日本人はどうやって、
妖怪と神を区別しているのだろう。

8/16/2024, 12:21:51 AM

夜の海を眺める人はこう思う。
「怖い」と。
認識できる範囲が狭くなるからだろう。
危機感を覚えるのは生物として当然である。
では、
「生まれつき目が見えない人はどうか」
彼らにとっては朝の方が
「怖い」のではないか。
それは人間社会の動く音とか。

目が見える私達は
目で「眺める」のではなく、
耳で「眺める」ように切り替えたとき、
世界の価値観が変わるのだ。

いつでも「切り替えられる」
能力があるにもかかわらず、
それをしない人間は多い。

能力があり過ぎて
どこでどう切り替えれば良いのか
分からないらしい。
「五感を減らす」行為が
「劣化」だと認識するなら無理もない。

人間がこの「切り替え能力」を
上手く使いこなせたなら、
それは進化なのではないか。

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