幸太郎

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12/11/2024, 12:43:23 PM

小学生低学年くらいの頃、
「死ぬのが怖くて」
こっそり母の布団の中に潜り込んだ。
母は何も言わず抱きしめてくれた。

「なぜ死ぬのか?」
爺ちゃんに聞いたことがある。
「死んだことがないから分からん」
と、笑って言われた。
けれど、間を空けてから
「死が怖くない人間にはなるな」
と、真面目な顔で言われた。

あれから20年ほど経つ。
私は受験勉強やら社会人やらと
経験していく中でいつの間にか
「死ぬことについて」
何でもないフリをしている。
爺ちゃんは私が高校生の頃に亡くなった。

「死が怖い」のは
この人生が大切で失いたくないからかな?
と、なんとなく爺ちゃんの言葉を解釈している。
今の自分は子供の頃と比べてどうだろ?
「泣きじゃくる」ほどに今の人生が終わることに恐怖しているだろうか。

10/2/2024, 2:15:57 AM

※『たそがれる』とは
「日が暮れる」
「物事が衰える様子」の意味。
「物思いにふける」という意味はなく、
誤用だが俗語として許容されつつある。


たそがれて、宇宙を見上げる。
宇宙で生活する人類を想像した。
アニメや映画で観たシーンを素材に
無重力の中を飛び回る人々を頭の中で
創り上げる。
そこで、あることに気づく。
「無重力なら女性は
ブラジャーを付けなくても問題ない」
おっぱいがたそがれることはなくなる。
つまり、将来的に
男女関係なくトップレスになる時代がくる。
「生きねば…」
そう思った。中二の秋である。

9/29/2024, 11:49:59 AM

今日は給食のデザートに
サクランボが出た。
友達の山口君が
「サクランボの茎を口の中で
結べる人はキスが上手いらしい」
と、豆知識を披露した。
そこから話がクラス中に広まり、
みんなモゴモゴしだした。
先生もつられてやっていたけれど、
給食が終わらないことを危惧して
食事中は控えるようにと言った。
二人の生徒が上手く結べて
その二人はヒーローになった。

僕は悔しくて、
下校中でもモゴモゴした。
しばらくして舌がつった。
同時に茎を飲み込んでしまった。

翌朝、
静寂に包まれた部屋で
自分の排泄物と共に
『結ばれた茎』が出てきた。

コレは自慢出来るのか
しばらく考えたのだが、
僕は水に流した。

9/11/2024, 10:48:08 AM

食後にソファーに寝転ぶ。

ふと、
目の前のカレンダーに目が止まる。
A2サイズくらいの大きなカレンダーには
ところどころに書き込みが見られる。
「9月は30日まであるんだなー」
と気づく。

30という数字をボンヤリ眺めていると、
「そういえば、私は今年で30歳だな」
と思う。

カレンダーだと、
1ヶ月が終わるのか…
そう考えると
「人生なんて3ヶ月くらいしかないんだな」
と、意味なく哀愁のようなものを感じた。

8/26/2024, 1:06:42 AM

好きな女の子と
向かい合わせに座る。

俺は今日、告白する。

「愛してる」とか
「ずっと好きでした」とか
そんなありきたりな言葉で
想いを伝えたくなかった。
そんな売れない歌手の思考で、
俺は想いに英語を交えた。
ヒネリがないと思い、
スワヒリ語とヘブライ語も混ぜた。
なんなら
ミステリーサークルのイラストも添えた。

俺の想いの詰まった手紙を
目の前で彼女に渡した。

彼女は頬を赤らめて読んでいたのだが、
最後にはその色は青く変わった。

俺はふられた。

どうやら、
最後のミステリーサークルの意味が
「近づくなブス」
という意味だったらしいことに
後で気づいた。

宇宙人の彼女には
ストレートに響いたようだ。

俺が世界初の
ミステリーサークル翻訳家を目指した
きっかけである。


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