両親の認知症予防のために、
認知症サプリの購入を検討している。
どこの商品が良いのか口コミをチェック。
「飲んで一ヶ月目です。頭がスッキリしているように感じます」
ふむふむ。
と読み進める。
「スッキリし過ぎて、物忘れが気になりません!」
ん?
「すごく良いです。今日、いくつ飲んだか忘れましたが、続けていこうと思ます」
この人がヤバいのか。
それともサプリがヤバいのか。
自己啓発本を読んでみた。
「◯◯すると良い」
エビデンス(根拠)を示すために、
他人のベストセラー書籍や、
他人の研究データを引用する事が多い。
あれ?
間違えて「自己啓発本の広告本」
を買ってしまったかな?
と錯覚するくらい、
他力本願なエビデンスである。
しかし、
読者を説得するには必要なことだ。
「三丁目の豆腐屋のオジサンが、タバコ吸っている時に気づいた真理です」
よりも、
「ハーバード大学名誉教授の長年の研究により示された結果です」
の方が信用できる。
ならば、
そのハーバード大学名誉教授の本を読めば良いのではないか?
と思うのだが、
「難しい事はいらないから、要点だけ教えて欲しい」
という凡人には、自己啓発本でまとめてくれた方が助かる。
読者が気をつけないといけないのは、
自己啓発本の著者が、まるでハーバード大学名誉教授だと思い込んで、
「このひとのおかげで変われた」
と陶酔し錯覚することである。
いやいや、
まとめてくれたのは感謝します。
その才能にも感謝します。
ですが、
研究したのも、ベストセラー書籍を書いたのも、アナタじゃない。
本の帯に
「累計(出版した本あわせて)100万部!」
とか記載してますけども、
素材全てアナタのモノではないですよね。
と、ツッコんでしまう。
それなら、もういっそのこと、
「このタイプのあなたには、この本がオススメ!」
という、全力で他力本願した自己啓発本の紹介雑誌で充分な気がしてくるのである。
とはいえ、
お手軽に要点だけ教えてくれる本は助かる。
もしかしたら、
AIが自己啓発してくれる未来があるかもしれない。
え?もうある?
それはそれで、
「怖い部分もあるな」
とワガママを言う自分がいる。
よく、物語で『花言葉』とか、
それが意味する内容が、
ストーリーに華を添えることがある。
『カクテル言葉』というのもある。
例えば、
ブルー・ムーン というカクテルは、
「出来ない相談」「奇跡の予感」
という意味がある。
酒場でしつこい求愛をする相手に、
そっとブルー・ムーンを差し出すとか、
とても大人な雰囲気である。
まあ、意味分かってない相手だと、
「あっ、おごり?ありがと~美味し〜。それでさ〜」
と、自分に気があるから「おごってくれた」と勘違いするかもしれない。
知的な人かどうか、そして、空気を読める人かどうか、知りたければ良い方法かもしれない。
先日、
夜景の見えるオシャレなBARで飲んでいる夢をみた。
青いドレスの美女が、
カウンターの一番奥の席に座っていた。
私はカクテル言葉で、
美女と会話していた。
美女からマスター経由で、
キールというカクテルが私に届く。
「最高のめぐり逢い」「陶酔」
という意味である。
私は美女に、
カシス・ソーダ を返す。
「貴方は魅力的」
そんな、キザッたい大人のやりとりをしばらくしていたのだが、
最後に美女から届いたモノに、
私は驚いた。
「あちらのお客様からです」
とマスターがカウンターから取り出したのは、なんと『とんこつラーメン』だった。
ラーメン言葉なんて知らない。
私が中学生時代、
「これはいくらなんでも、配慮なさ過ぎだろ」
と思った事がある。
それは検尿検査の時である。
透明な小さな容器へ、
採取した尿を入れて、専用の紙袋にしまって、学校に持っていった時である。
そこまでは良かったのだが、
当時の教師は何を思ったのか、
透明なビニール袋を二つ、黒板の前にマグネットで止めて、
「検尿集めます。ここに紙袋から出して入れるように」
と言ったのである。
黒板に「男」「女」と書かれたところに、ビニール袋を放置しておいて、後で教師が集める方式だった。
思春期の私はびっくりしたものだ。
「え?紙袋のまま集めるんじゃないのか?」
という疑問があったが、当時はなんの知識もなく、教師に従った。
(スマホなんて無い時代である)
クラスの男女が、
どんな色の尿を持ってきたのか、丸見えだった。しかも、透明の容器にはマジックで苗字を書かされた。
容器に名前を書くように言ったのも、
その教師だった。
専用の紙袋に書いてあるのに、
わざわざ容器だけ回収したのである。
そんなことは知らされていないので、
当然、書いてきてない生徒が大半だった。
紙袋から取り出して、油性マジックで書いていた。
専用の紙袋はどうしたのか覚えていない。
それが放置され、溜まっていく。
誰でも目につく黒板の前に、
誰が入れたかも分かる。
べっこう色の尿が積もっていった。
はっきり言って狂ってる。
当時、教師が勘違いしたのか。
古い人間が「自分の時はこうだった」
という流れでやったのか。
定かではない。
「近所の山田さんの奥さんが亡くなられた」
と母が夕食の時に言った。
山田さんは、共に七十過ぎの老夫婦であった。奥さんは老人ホーム入居中に亡くなったそうだ。
「仲睦まじい夫婦」とは言えず、
旦那さんは口が悪く、いつも大声で奥さんを罵倒していたという噂をよく耳にした。
暴力は分からないけれど、
近所付き合いは良かった夫婦なので、
そんな噂は無いと母は言う。
まだ身体に不自由の無かった頃の奥さんは、いつもビクビクしている様子だったらしい。
いつしか、痴呆症が進み、
老人ホームに入居することになった。
近所の人達は、
「あの口の悪い旦那のせいで、ボケたんじゃないか?」
「毎日あんなに罵倒されてたら、そりゃね〜」
と口々に言っていたそうだ。
しかし、
「奥さん。なんにも分からなくなってたそうだけど、なんとなく、この人の近くにいるのが当たり前と思ってたみたいで、旦那さんの側から離れようとしなかったみたい」
と母が言った。
よく、畑仕事の時に、
ちょこんと旦那さんの隣に座る奥さんを見かけた近所の人がいたらしい。
私は婚期を逃したので、
夫婦関係というものがよく分からないけれど、そんなシーンをイメージすると、
「なんか良いな〜」と思う。
来世に結婚できたら、
罵倒とかしない旦那さんになろうと決意した。