『伝えたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「伝えたい」
はっきりくっきり明確で明解に。
「―――。」
言葉が出て来ないのだ。
頭の中には、心の内には、残酷な程の冷たい言葉が浮かんでいるのに。
(それを言っちゃぁ、おしめぇよ。)
それは良心の呵責なのか、品性を貶めない為の矜持なのか。
相手は、残酷な程に躊躇なく、こちらを踏み躙ってくるのに。
「どうして何も言わないのか?黙っていては解らない。何故解決策もなしに相談してくるのか。言っている意味が分からない。」
ドヤ顔で偉そうにニヤニヤと嗤う小男を遠い目で眺めた。
身体の真ん中に風穴が空いたみたいだった。
報連相って、何なんですかね。
自分の手に負えない、解決できないから相談したのに?
(てめぇで、なんとかしろよ。)
きっと、言っても言わなくても、答えは決まっていた。
きっと、私はただズタボロにされる為に誂えられた、人柱だったのだ。
病院の前の
少年像がラッパを吹く
その音を雨がかき消す
半分、傷を分けてほしい
相合傘
いつもこんな駄文を読んでくれてる
紳士、淑女の皆さんに
心からの感謝を。
口にしたら二度と会えなくなりそうで胸に秘めよういいんだこれで
#伝えたい
<言葉>
言葉には色々な使い方がある。
声に出して使う。
文字にして使う。
手話にして使う。
点字にして使う。
どれも言葉を使う方法。
けれどそれは生きているうちにしか使えない使用期限付き。
死んでしまったら使えないから。
どうなってるか、どう思って言葉を受け取ったか分からないから。
だから、私は今日も貴方に言うよ。
ー「いつもありがとう」
【お題 伝えたいこと】
伝えたい
2026年2月13日金曜日
もし今程なく、自分の命を絶たねばならぬとした時の、心残りを考えた。年の若さを肝要とは思わないから、やり損ねたことばかりが思い連なる。
買い置いてからまだ新品の消しゴムたち、3年前に貰っておいて未だに埋まらない日記帳。利用しきれていない物は、やはり勿体なく思われる。
伝えていない思いというのも、たくさんある。家族親類や大好きな友達へ、多量の感謝が並ぶ中、引っ掛かるのは、出来ていない謝罪だ。
あの男に、背を蹴ったことを謝らなければならない。名前で呼ばれるのが屈辱だからよせと、あれは出任せだったと伝えなければならない。何言うことなく部活を抜けて、廊下ですれ違っても目を合わせなかったこと、詫びねばならない。
話し掛けるには時機が掴めないからと、手紙を書こうとしたことがあった。十行書いたところでそれを失くした。だから何か、書き直して、奴の肩を叩けばそれで良い。それを知って尚筆を取らないのは、私に勇が無いからだ。伝えてせめて、自分の否を認めるくらいはしたいというのは、本音なのに。
明日死ぬとなれば、まともに贖罪が出来るのだろうか。
もし悩んでる君に私の想いを伝えられるのなら
「相談に乗るよ」が一番適切かもしれない。
だけど私はこう伝えたい。
「君の目の前にあるそのイスは
君の中の苦い思いを吐き捨てる権利を与えるツールだよ。
そこに座れば心のモヤモヤの霧が晴れるから。
小さな勇気を持った時に少しだけだけでも話してみて。
私はそのイスに出会えなかったから、
君には私の二の舞になってほしくないから」
ある休日の昼下がり。食後の心地よい眠気に揺蕩っていた俺は、電話の鳴る音に意識を浮上させた。
「ふぁ……誰だよこんな時に……」
寝起き特有の苛立ちを隠しもせずに愚痴を吐きながら受話器を取る。見覚えの無い番号だったので、セールスか、あるいは詐欺かと余計腹が立った。
『お、やっと出た!元気してた?』
電話の向こうの声は、やたら明るい男の声だった。なんとなく、聞き覚えがあるような気もする。しかし、電話の声なんて現実とは違っていてあまり当てにはならないのだ。きっと間違い電話か何かだろうから、適当に話を遮って切ろうとした。
「あー……すんません、多分間違い電話っす……それじゃ……」
受話器から耳を離そうとした瞬間、煩いくらいの、音割れした叫び声が聞こえた。
『あー!!ちょっと待って!!ちょっとだけでいいから!』
あまりの煩さが頭に来て、文句の一つでも言ってやろうとまた受話器を手にした。その時だった。
『もー……覚えてないの?確かに電話番号変わったけどさぁ……ほら、高校の時一緒につるんでた!』
そう言われて、ふと思い当たる人物が一人いた。当時は体格に恵まれた事もあって周囲から避けられていた俺に、唯一馴れ馴れしく絡んできた変な奴だ。言われてから聞けば、声もそいつと合致する。
「……弁当忘れて草食おうとしてた?」
『なんで声忘れてソレ覚えてんの!?そうだけど……!』
合っていたらしい。見知らぬ電話番号がソイツの電話番号に変わったところで、当初の疑問は拭えない。
「……で、何の用だよ。つかどこで俺の電話番号知った。」
そう、携帯番号ならまだ、昔の友人なんかを伝手に知ることもあるかもしれない。しかし、今電話しているのは家電。よほど身近な人物か、あるいは公的な機関とのやりとりにしか使っていない。
[ん〜?……秘密。まぁ細かいことはいいじゃん?それより、言いたいことあったから電話したの!』
露骨に誤魔化された気もするが、まぁいいだろう。アイツは俺の母さんと面識があったはずだ。きっと、そこからだろう。そう信じて、話を聞いた。
「……んだよ。」
『僕、来週そっち引っ越すから!んでお前と同居する!あ、これお前の母さんが決めたから拒否権無しね!それじゃ!』
一方的にまくし立てられ、電話はぷつりと切れた。やっぱり母さんか、とか、引っ越すのか、とかどうでもいい考えは浮かんだものの、一番重要な情報は中々飲み込めなかった。
「…………は?」
アイツの「伝えたいこと」は、どうやら俺に大波乱を持ち込んできたようだ。俺はしばらく呆然としたまま、受話器を置くことさえできないでいた。
テーマ:伝えたい
あなたに「伝えたい」ことは ただひとつ。
あの頃 伝えたかった この想い。
何十年と月日が経っても
あなたにだけ伝えなかった あの想いに
後悔だけが残る。
「伝えたい」
この想い。
今だったら たくさん言えるのに…。
電車に乗っていると、前に座っている人がじーっとこちらを見ている。気のせいかと思って、しばらくしてまた顔を上げると、やっぱり見ている。なんだか居心地が悪い。
視線の先をよく見ると、上のほうにある。帽子? 今日はベレー帽のようなのをかぶっていた。そういえば、電車に乗った時、何か小さな黒いものが、ふうーっと一緒に乗ってきた。
あ、目が合った。その人は、自分の頭を指差してみせた。何かついてる? 帽子をそっととってみると、黒いてんとう虫みたいなのが、そこでじっとしていた。どうしよう。帽子を少し動かすと、ふいに飛んでどこかへ行ってしまった。
前の人とまた目が合う。何となく笑い合って、軽く会釈を交わした。
「伝えたい」
伝えたい
もう一度会って、「ありがとう」と伝えたい。
そんな人が、誰の人生にも一人くらいはいるのではないだろうか。
二十年前、私は名古屋の小さな食品卸売会社で営業として働いていた。
学生時代、特にやりたいこともなく、受かった数社のうち唯一の内定先だった。
あの頃の私は、どこにいても居場所がないような感覚を抱え、何をしても没頭できずにいた。
営業の仕事は、今のようにスマートフォンやAIのない時代だった。
一軒一軒チラシを配り、反応のあった家を地図を頼りに訪ね、会員を獲得していく。
ある日、上司から、大きなマンションの最上階の一室を訪ねるよう指示された。
オーガニック食品の顧客は、退職後にゆとりのある人か、子育て中の家庭が多い。
扉を開けると、初老の女性が立っていた。
私は営業用の笑顔をつくり、いつものように商品と会員制度の説明を始めた。
そのとき彼女は、ふとこう言った。
「あなた、若いころの私に似ているわ」
私は思わず、彼女の瞳を見つめた。
彼女もまた、静かに私を見返していた。
「きっと今のあなたのように、私もどこにいても所在がなかったの」
彼女は玄関先に腰を下ろし、少し笑った。
「こんなおばあちゃんでもね、昔はけっこうモテたのよ。
かっこいい恋人が何人もできても、仕事で成果を出しても、心は満たされなかった」
そして、少し間を置いて言った。
「そんなとき、私を満たしてくれたのは、本だったの」
「本の中には、私がいた。
それが嬉しくて、食事から栄養を吸収するみたいに、本を読んだの」
「するとね、少しずつ世界が輝きはじめた。
日常のすべてを感じられるようになったの」
「私にとって生きることは、手で、目で、鼻で、口で感じて、想像することなの」
彼女は、穏やかに微笑んだ。
「そして今、私は小説を書いているの」
気づくと、私は涙を流していた。
「だからあなたも、きっと大丈夫」
それからどうやって会社に戻ったのか、
そのマンションがどこにあったのか、
二十年の歳月が記憶から消し去ってしまった。
彼女は、もうこの世にいないかもしれない。
それでも、彼女の言葉は今も私の中に残っている。
私はもう、あの頃のように居場所を探してはいない。
私の居場所は、彼女と同じように――言葉の中にあったのだから。
伝えたい
初めて会ったときの私の開ききった瞳も、
話すたびに上がってしまう口角も、
胸が締め付けられるような苦しさも、
初めて触れ合ったときの鼓動も、
全部懐かしく感じるね。
喜びも驚きも、
嫉妬も怒りも、
あなたに対して抱いた感情。
もしわたしに感情がなくなってしまっても、
もしすべて忘れてしまっても、
もしわたしが消えてしまっても、
わたしがあなたを想っていたことは
どんな未来が訪れようと変わらぬ過去だから、
いつか思い出してほしい。
そしてささやかに
あなたとあなたの大切な人たちが
幸せになることを願っています。
"伝えたい"
小学校を卒業する時に、タイムカプセルというものを作りまして。
何年も経ってから、掘り起こす際には立ち会わなかったけど中身が郵送されてきた。
未来の自分に伝えたいこと、という命題で閉じられた封筒を開けると、中には一週間分の献立レシピが入っていた。
詳細な手順解説付きで。
そういえば、伝えたいことなんて何も無いのに"書きなさい"って何枚も便箋を渡されたからとりあえず時間潰しで書いたんだよな、と懐かしく思った。
とりあえずその日から一週間はその献立表に沿って食事を作ったんだけど、これがなかなかに手が込んでいる。
授業中に手紙を書く時間ってことで結構な時間が割り当てられていたから、本を見ながら栄養価計算までしていたんだよな。
暇な奴だなぁと過去の自分に呆れ半分、感心してしまった。
私の胸の内
伝えたい
小瓶に手紙を詰めて海に?
山に向かってこだまに乗せて?
タイムカプセル?
誰かと飲みながら?
本人に面と向かわないと
伝わらないわね
❇伝えたい❇
よかった、帰ってきてくれて
ずっとここで待ってたんだもの✴
約束したから
みんなで決めたから、
集合はここねって❕
みんなで待ってるから🙋
ずっとここで待ってるから🙌
伝えたい/書いて伝わるといいな
気持ちを伝えたいのに
うまく伝わらない
言葉を変えてみても
伝わらない
書いた言葉で伝えたいって
とっても難しい
あなたの気持ちを考えないで
いくら書いても
伝わらないよね
話せたらいいな
仲良く話せたらいいな
でもそれも難しい
書いた言葉でも伝わるなら
本当はたくさん伝えたい
ことがいっぱいあるけれど
「まま だいすき」
画用紙に描かれた似顔絵の横に、アクロバティックな動きを見せた文字が添えられている。
「ま」の最後のまるっとしたところが思いっきり反転している。
「い」は「す」を突き抜けちゃっているし、
「き」なんてとんでもない場所に着地している。
毎日欠かさず言葉で伝えてくれているけれど、その手で文字を書いて、伝えようとしてくれたことが、こんなにもうれしいなんて知らなかった。
キミのママへの愛情はめいっぱい伝わっているよ。
「ありがとう、ママも大好きだよ」
『伝えたい』
—沈黙の恋—
私は、生まれつき声が出せない。
そのせいでみんなとの会話にも入れないし、私と関わる度に周りの人が遠慮しているのがわかる。
だから、友達は一人もできなかった。
「東條」
隣から男子の声がした。
そちらをみると、彼は両手を使って『おはよう』と言っていた。
私も手話で『おはよう』と返した。
高校に入ってから、初めて会話ができるようになった。
隣の彼は、手話ができる。
彼の母親がろう者のようで、手話を必死に勉強したと以前に言っていた。
『小テストの勉強した?』
『してきたよ。あなたは?』
『ゲームに夢中で、してくるの忘れた』
彼は眉を下げて、肩を落とした。
私は思わず笑みをこぼした。
楽しい。誰かと会話をするということが、これほど素晴らしいことだとは知らなかった。
『自業自得だね』
『テストで出そうなところ、教えてくれよ』
『いいよ』
私は、教科書を両机の中央に開いておいた。
彼との距離が近くなって、心臓の鼓動が速くなる。
この気持ちに、私はもう気づいている。
しかし、それを彼に伝えて拒まれたら。彼と会話できなくなってしまったら。
私は元の暗い生活に戻ってしまう。
いつかこの気持ちは伝えたい。
でも今はまだ言えない。だから、胸の奥に大切にしまっておこうと思う。
お題:伝えたい
「ところで」
「ところで?」
「伝えれば良いのでは?」
「なんだかよく分からないけど、ノンデリな気がする」
「そうかな?」悩む時間が無駄なんて思ってしまうけど」
「出た、ノンデリ発言」
「ノンデリ連呼もノンデリぽいけどね」
「はっ、誰かのが移ったかも」
「ノンデリだ」
「あ、そんな気がしてた」
「伝わってるから良いんじゃない?」
「かも」
お題『伝えたい』
『伝えたい』
過去の自分に伝えたいことがある。
教室という空間に苦しんで、人間関係もつらくて。
図書館と保健室に逃げていた。
朝起きることすら嫌で、泣きながら自転車を漕いだ。
周りが何も見えていなくて、
自分だけがつらいと思った。
誰にも声を届けることが出来なくて、
ひとりで苦しみもがいていたあの頃の私へ。
私は今、自由だよ。
今も苦しい時はあるけど、教室という空間がない今、
私を苦しめるものはほとんどない。
だいじょうぶ。
未来の私はちゃんと生きれているよ。