『今日にさよなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日は祖母の誕生日だ。満年齢98歳、つまり今日から99年目を生き始める。最近の、気温の大きく乱高下する気候には皆疲れているが、祖母も例外ではない。眠り込む時間が増えている。
人間の自我意識領域は、眠りとともに意識の深淵に沈むそうだ。目覚めるとき、昨日とは別の自我が、新しく生まれて「咲く」。昨日の自我から今日の自我へ、「自我領域の仕事」は完璧に引き継がれ、人間は今日の目覚めで自分自身の「現実をハンドリングする自己意識」が「全く新しく生まれた」ことに気づかない。“人間は毎日新しく生まれる”という表現はたまに見かけるが、これは例えじゃなくガチの事実だ。
今日にさよなら、今日の自我ともさよなら。
目覚めておはよう、新しく花が咲くように新しく生まれた今日の自我と協力して「存在が表現する」。
人間は「古びてゆく」暇などない。毎日新しく生まれるのだから。
明日に行く為に
明日に生きる君に会う為に
明日に思い出す君と出会う為に
今日にさよならする
過去の僕とも
昔のトラウマとも
全部全部
さようなら
お題『今日にさよなら』
ずっと辛い思いをしてきた。失敗したとか、ああしておけばよかったとか、考えてばかり。人間関係の悩みは増えるばかりで泣けてくる。でも、そんな今日にさよなら。いっぱい寝て、楽しい明日に備えよう。
銀砂を一面に散らしていた黒は、
やがて薄く青を帯び、
柔らかく光を帯びる白を経て、
日が上る時には赤橙を染める。
或いは、
灰白を点々と散らす青が、
端から強い赤に飲み込まれ、
緩やかな紫を緩衝に、
とぷりと黒に移ろい行く。
昨日と今日の境は見えず、
今日と明日の境も触れられない。
それでもどうして、
一昨日まで在った筈のモノは、
明後日には此処に存在しない。
<今日にさよなら>
薄黄色の毛布が無いと眠れない子だったという。
大きくなるにつれてサイズが合わなくなり、
蓄積した汚れが落ち切らず酷い有り様になったけど、
それでも毛布が無いと泣き喚いたそうで、
ある時それは縫いぐるみへと加工された。
小学校位までは抱いて、大きくなる頃には枕元へ押し遣られた。
それでも、他の縫いぐるみや玩具とは異なり、
手放すことだけはしなかった。
やがて大学に進学し、一人暮らしを始めた際も、
唯一その縫いぐるみだけは実家から持ち出した。
相変わらずねぇと笑う両親に、曖昧に微笑み返す。
なにか特別好きだった訳じゃない。手触りも、デザインも、もしこれがお店に並んでいたとて私は通り過ぎたろう。
ただ生まれた時から側に居たモノは、既にほぼコレだけだと思えば、捨てるのも手放すのも惜しかった。
他に欲しがる人が居るでもない、多分、棺まで連れていくだろう。私の、人生の見届け者として。
<お気に入り>
喧嘩したとか
怒られたとか
上手く出来なかったとか
ああすればよかったとか
もっとよく出来たとか
もう考えなくていいんよ
今日はもうすぐおーわり!
一日が終わりそうなんだからあとはYouTube見て
好きなお菓子食べてゆっくりお風呂入って
好きな人とちょっとLINEして
明日話せるといいなって思って寝るの!
今日にさよなら!
さあ来い楽しい明日!
今日は、ちょっとイヤなことがあったし、寂しい思いもした
でも、少し前から書き始めている新しい小説は、わりといい感じに書けて楽しかったし、これからの展開を考えるとわくわくする
多分今夜も、小説のことを考えながら眠りにつくと思う
もうすぐ終わる今日にさよなら
明日はイヤなことが何もなくて、また楽しく小説が書けるといいなあ
うーん、今日にさよなら…。
嫌な事にさよならかなー。
今はそんな嫌な事はない。
コロナになってた自分にさよならしたいかなー
『好きです!!』
そういって告白してはや五年
今は彼氏である
でもそれも今日で終わり
ばいばい私の恋
「今日」
それは、毎日来るもの。
言わば ”人生” ということになる。
僕は、そんな ”今日” に、別れを告げにわざわざ休日に学校の屋上へ足を運んだのだ。
〖……〗
ここに来たのは初めてでは無い。
何度も何度も、この ”目的” を叶えようとここへ来たが、
恐怖や周りの人間が邪魔をして何度も失敗に終わった。
けど今日は違う
僕はもう疲れたんだ。
ガシャン…スタッ
安全対策にはあまりにも低すぎるフェンスを越えて、
少し、下を見てみた。
〖…ははっ…笑〗
不思議と恐怖心はなく、乾いた笑い声が響く。
〖…やっと終わる。〗
”今日にさよなら。”
残高316円
さぁどうするか。
俺は今年で27歳になる社会人。
今年で5年目の春だった。
そう。会社が急に倒産したのだ。
俺は彼女いない歴=年齢でもあるが、
その前にどう生きて行けばいい?
残高は316円。
コンビニでやっすいおにぎりを2個
買えるか・買えないかくらいだ
この先どうしたらいいんだよ〜…‼️‼️‼️
ほんと、これで今日が俺の人生
さよならかもな…
いや、俺は諦めないぞ。
絶対諦めない。
……
今日人生にさよならするくらいなら、
這いつくばってでも生き残ってやる
今日にさよならなんか絶対しない
俺は生き残るんだーーー!!!
毎日の終わりに自問する
こんな日で良かったのか、と。
正直、毎日そんな辛気臭い訳では無いが、
これが、一日の供養の仕方かもしれない。
名のない日はない。何も為せぬ日もない。
いずれ忘れてしまう毎日に花を手向けて。
お題「今日にさよなら」
昨日と今日と明日とをほんとうに隔てているのは、時計の針ではない。
深夜、時計の上ではもう昨日だけど、この瞬間はまだ今日で。
時計の上ではもう今日だけど、夜明けの先には、まだ明日が控えている。
わたしたちはそんなふうに、真夜中の底で時間を曖昧にする。
午前一時二十三分。今日からはみ出した今日。本当は明日だったはずの今。
布団に入って目を閉じて、今日もまた、カギカッコつきの『今日』にさよならをする。
わたしたちは毎日、瞼で日付を切り分けるのだから。
#今日にさよなら
今日にさよなら
今日にさよなら、明日におはよう。
夜の夢の中の夢で見る夢。
朝方に見る夢。
すっかり忘れているけれども、
布団の暖かさが、ぬくぬくで、
相変わらず、朝、起きれない。
目覚ましの音と共に、朝の訪れを
感じる。
太陽の暖かさも。
もう、春が近いね。
我が愛猫もゴロゴロと喉を鳴らし嬉しそうだ。
にゃんざぶろう
今日にさよなら
嬉しかったことも悲しかったことも辛かったことも楽しかったことも全部ぜんぶ今日に置いていこう
明日、昨日を思い出せるように
幾年後こんな日もあったなと思い出せるように
一期一会の今日を全力でいこう
お疲れ様、ありがとう
今日にさようなら
毎晩寝る前に唱えてねる。
そうするといい夢がみられると言い伝えがある。
『今日にさよなら』
・柚穂(ゆずほ)
・秋人(あきと)
「いつまでもウジウジ泣くな馬鹿柚穂」
「だ、だって、うぅぅ……ごめんな秋人……」
しゃくりをあげている柚穂の頭に軽くグーを落とす。泣き虫な幼馴染はどうにか涙を引っ込めようと、目元を力ませ、下唇を強く噛み締めている。
やれやれだ。ぼくは大きく息を吐き、先程の惨状を思い出した。
三月二十九日はぼくの誕生日。今年で二十三歳だ。
「今年は頑張って秋人にケーキ作るんだ!」
そう張り切って出来上がったものは、ごく普通のショートケーキ。店で売るには少し不格好な、それでも柚穂が精一杯の気持ちを込めてくれたのであろう、店で見る品物とはまた違う特別なケーキだった。
夕飯も終え、よし食べようと柚穂が冷蔵庫から取り出し机に運ぶまでの間。
彼は椅子につまずき、それはもう絵に描いたのうな大転倒であった。
ケーキがどうなったかは言うまでもないだろう。
「あのな柚穂」
「うっ、うぇっ、おれのせいでゲーギが……」
「……柚穂」
「あぎどにも作るのてづだっでもらっだのに」
「…………」
「…いっだあああ! お、おでこ……」
強めにデコピンされた箇所を柚穂は手で押さえ、涙でいっぱいになった目でぼくを見た。
服の袖でぐしぐしと涙を拭いてやり、ぼくはもう一度、次は軽めにデコピンをしてやった。
「仕方ないだろうが、落ちたんだから。泣いて元に戻るんだったらぼくも泣く。でもそんなこと無理だろ。
柚穂が頑張って作ってくれてたのはちゃんと知ってるから、いいんだよもう」
「でも、一緒に食べたがっだ……」
全く、ケーキを落としてしまったくらいで泣く奴はこいつだけだろう。超がつくほどお人好しで間抜けで愚直で、良い奴め。
ぼくは柚穂の髪をワシワシと掻き乱して、彼を元気づけるつもりで言った。
「誕生日は今日しかないけど、ケーキはいつでも食える。また作ればいいだろ」
「……うん。ありがとな秋人」
ようやく泣き止んだ柚穂が、ほんの少しだけ寂しそうに笑った。ぼくの誕生日をぼく以上に喜んでいるのもこいつくらいだろう。
明日、ショートケーキの材料を買いに行くことをぼくは思い、柚穂の頬にある乾いた涙の痕を強く擦った。
「……柚穂の誕生日は、ぼくがケーキ作るか」
「ほんとか!?」
「それで、椅子につまずいて落としてやる」
「え……でも、おれも落としちゃったもんな……」
「馬鹿柚穂。冗談だよ」
今日にさよならを言おうとする刹那、新たな今日がやってくる。
今日にさよなら
毎日が一生に一度しか来ない特別な日。
朝ふと目覚めたら、布団の中に飼い猫が潜り込んでいて、すやすや眠っていた。起こさないようにそっと体勢を変える。
わが家には2匹の猫が同居している。毎朝だいたい5時くらいになると、わたしの枕元に座りに来て、時にはちょいちょいと頭を小突いて起こしてくれる。もちろん、ご飯の催促なのだけど。
冬の季節は寒いからか、猫たちも少し朝が遅い。時には寒すぎてなのか、今朝みたいに布団に潜り込んでいることも多い。ほんのりとした温もりは心をほっこりさせてくれ、すやすや眠っている顔は愛おしくてたまらない。
でも...ずっと嫌いだったのよね、猫。わたしの人生に猫が加わる予定なんてまるでなかったんだけど。ある時、猫のかわいさに気づいてしまったのだった。その理由は割愛するけれど、とにかく、いまは約4年のキャリアを誇る(笑)愛猫家なのだ。
さようなら、猫を嫌いだったわたし...
『今日にさよなら』
個人的な記念日というものは、大なり小なり持っている。
それが殊更大切な日だったとしても他人から見たら「なんで?」となるものがほとんだし、ある日を境に自分にとってもなんでもない日に戻ることなんてのもよくある話だ。
「じゃあ、これで」
「うん」
素っ気ない言葉で立ち去った元彼女の後ろ姿を見ながら、今日が初デートの日だったことなんて彼女にすら意味がなかったんだな、と痛感させられる。
同時に自分にとってもそう、なれば良いのに。
「初デート兼別れた記念日はあんまりすぎだろ」
そんな日も寝て起きたら明日に変わる、とりあえずはそれで乗り切ろう。
そして、いつか「そんなことあったな」になってくれることを祈ろうと思う。