『今一番欲しいもの』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今欲しいものというお題が出た。
この私は、強欲なのだ。
欲する気持ちは抑えられない。
知識欲もあれば、ゲームやアニメ、マンガも好きだからお金も欲しい。
さて困った。
どう答えようか。
話を変えるが、私はある精神疾患を患っている。
元々は双極性障害(またの名を躁鬱)であったが、それとは別に医師から認められたのだ。
その疾患とは、ゲーム障害(インターネット依存症)である。
この投稿を見た人で無知または未知な人は
〝ゲーム好き〟〝ネットなら私もずっとしてるし〟って思ってしまうのだろう。
悪いことではない。悪いことではないのだ。
ただ、疾患なのだ。
日常生活がまともに送れないほどの重度の精神疾患なのだ。
主治医に言われた。
〝これからどうしたい?〟
私は言った。
〝ゲームに心を奪われた。取り返したい。〟
私は欲しいものは?というお題でこう答えよう。
〝依存をしない心〟が欲しい。
日常生活をマトモに送れるくらいの 〝普通な〟精神状態になりたい。
うつ病が招き入れた来客はあまりに対価が大きかった。
心の余裕と時間の余裕が欲しいです、神様。
明日明後日はお休みになりましたので、今度こそ執筆したく存じます。
どうぞ、首という首を伸ばせるだけ伸ばして、
生暖かく見守って頂けますと幸いに存じます。
では、寝ます。
お腹減りました。
でも、寝ます。
今一番ほしいもの
あなたがほしい、部屋の穴から覗き見る。
けど、あの女はいらない。
私はその女を殺した、最後まで苦しめるように生きたまま山に埋めた。
そして、彼も殺した。
ずっと愛し合えるように、そばに入れるように、
自分の好きな生き物のグッズと好きなアニメのグッズが欲しいです。
でも親が実際買ってくれなくて大変です。
お金があるのに子供の、好きなものを買ってくれないし、すぐケチるから嫌です。
なのに自分の欲しいグッズだけ買ったり服も買ったりしていてまたもや子供に我慢させて可哀想だと思いません?
私はそう思います。
自分で買えって言われてもお金が無いから買えないわけですよ!ほんとに酷いと思います!
でも1番欲しいものは、みんなが持っていると思うけど私には、とても難しいありがとうと言う事が一番自分で言うのが難しいことでいつも言おう思っていても自分のプライドが許さないからなかなか言えないんです。
また、私は小学生の2か3の時に発表で間違えて周りに笑われてしまいそれから話すことも親に素直に思っていることがいえなくなってしまったということがありそれ以来素直に言えるように頑張ってはいるけどなかなかいえなくてごめんなさいと思ってしまう事が沢山あって私がもしも素直な子だったらと思ったら私は、どんどん自分を責め続けてしまうかもしれないでも私は送り迎えなどをやってくれている親が心の中では、大好きなんだということは、分かってる!でも言えないんだ.........
あぁ…自分ってやっぱりダメな子だったんだと責めてばっかりの私は素直さというのが今1番欲しいものだ!
と言いたい!
それが私の欲しいもの
あの、悲惨な事件から2週間とちょっと。みんなに心配をかけさせないように、元気な自分を演じて学校に通っていた。事情を知っている友達は、無理しなくて大丈夫って言って私に休息を促してくる。
だけど、私はまだ休めない。休めるのはもう一度、彼に会ってから。そう自分に言い聞かせながら、
大丈夫、と妙に上手くなった作り笑顔で答える。
今迄は、これで良かったんだ。
けど
最近、夢を見るようになったんだ。それも、彼が死ぬ瞬間の夢。
目の前で大切な人が命の光を、自らの手で消した。
その躁鬱たる姿は私が最後に見た姿とは全然違った。
元々あった目の隈はさらに濃くなり、幾つもの痣が出来ていた。でも、表情は笑っていた。
そんな彼をどうして助けられなかったんだ。そう思うと泪が溢れ出して、
あの時、私に勇気があれば。
私は彼を救うことが出来たのかもしれない。
っていう夢。
私はあの時からずっと、
あなたを救うための勇気を求め続けている。
「『一番欲しいもの』?多分このアプリで言えば、有料で良いから広告削除プランか、もしくは文章に過去投稿分へのリンク埋め込む方法よな」
4ヶ月以上前から、なんちゃっての続き物で書いてきてるから、伏線回収が面倒なのよ。某所在住物書きは
スマホを下から上へスワイプし続けながら言った。
4月1日投稿分の文章になかなか辿り着けないのだ。
「後々の投稿の、ネタになればとバラまいたはイイものの、いざ回収するとなると『あの伏線いつの投稿で書いたっけ』だの、『そもそも伏線どこに張ったっけ』だの」
ここで続き物を書くの、なかなかにひと苦労。物書きはうなり、ため息を吐き、またスワイプし続ける。
――――――
7月17日か18日あたりから始まった、ありふれた失恋ネタの続き物も、これで一旦の小休止。
最近最近の都内某所、某アパートに、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が住んでおり、
元々家具の最低限最小限しか置かれていなかった部屋は、更に縮小的に整えられていた。
いつでも部屋を引き払えるように。執着の強かったらしい初恋相手の追跡から、すぐ逃げられるように。
部屋の主は名前を藤森といった。
「あのひとと、バッタリ会った」
生活感少ない部屋に唯一ある底面給水式の鉢を、そこに咲いた白花を、近くに置き、無念の寂しさで見つめて、藤森が言った。
部屋にひとりの来客があったのだ。
「初恋で失恋の、例の。加元さんに」
客は十数年来の親友で、職場の部署が隣同士。宇曽野という。藤森が「藤森」になる前、旧姓の頃からつるみ、笑い、悩みを共有し、たかがプリン一個でポコポコ喧嘩してはケロリ仲直りを繰り返している。
「居場所がバレたかまでは、分からない。でも、
……でも今のうち、言える間に、『こんな私を見捨てず、友人でいてくれてありがとう』とは言っておく」
「加元か。8年前あれだけ、『地雷』だの『解釈不一致』だのと、影でお前をこき下ろしたくせに」
初恋相手が藤森にした仕打ちを知っている宇曽野。花をチラリ見遣り、ため息をつく。
「なんでまた、その地雷を今更追っかけるやら」
フウロソウやモミジガサに似た葉は、ひとつひとつ形が違い、上の葉ほど丸く優しい。
花本来の時期に先んじて開いた白は、己の花言葉のもと、藤森の苦しみと悲しみと寂しさを、一身に引き受けているようである。
誠実に、礼をもって、弱きに寄り添う。
それは「騎士道」を花言葉にもつ、白花のトリカブトであった。
「私も、毒が、チカラが欲しい」
「ん?」
「こいつのように、人間を追っ払って遠ざけられるだけの毒が。誰も近づけさせない毒が。私も、欲しい」
「残念ながらお前は『附子』だ。人を救う薬であって、人を害する毒じゃない」
「くすり、」
「お前に今必要なのは、お前が本当に今一番欲しいと思っているのは――」
本当は、 、じゃないのか。
宇曽野はそれを口に出すことはせず、かわりに少しイジワルに笑い、空っからに透明なプリンの容器をポケットから取り出して、藤森に振ってみせた。
「おまえ、また私のプリン食ったのか」
「お前の大事な天目茶碗を割っちまったんでな。附子食って詫びようとしたんだが。おかしいなぁ」
「はいはいウソ野ジョーク。私の部屋に天目茶碗など無いし、それの元ネタ、プリンではなく砂糖か水飴だろう。で?」
「新しいの買いに行かないか。どこか近場で」
「道中であのひとに会ったら一生お前を恨んでやる」
「どうぞ。ご自由に。好きなだけ」
<今一番欲しいもの>
欲しいものなんてたくさんある
お金、友達、恋人、安定…
思いつくだけでもたくさんあるけど
やっぱり一番欲しいものは
たくさんの事から逃げてきた自分も
ネガティブで自分に自信が持てない自分も
言い訳ばかりな自分も
話したらイメージと違うって言われちゃう自分も
悪いとこなんて叩けば埃のように出てくる
自分だけど
そんな自分もひっくるめて
自分なんだって笑って逃げずに生きられる
前向きな自分が欲しい。
銀行強盗が雪山に逃げ込んで、寒さに耐えきれずに現金を燃やして暖をとったって言うお話あるよね。
私の実家は貧しかったからお金を燃やすなんてと幼心に思ったけれど、冬の寒い日にストーブがつけられなかった日には何か燃やしてでも暖を取りたいと思った。
私は勝気で自分で言う事ではないけれど、美人。
貧しい生活だけは嫌だの一心で勉強し、良い大学も出た。その後もとんとん拍子で優良物件と言われる男と結婚。
家と言えないほどのお屋敷に住む。
広すぎる庭は定期的に庭師が管理してくれる。
食品は無農薬で安心安全な物を定期宅配。
月に一度来るデパートの外商さんに欲しいものを言えばその日のうちに届いたりする。
美容師もエステも、なんなら病気の時すらその手のプロが来てくれる。
子供は結婚した翌年から次々と生まれ、年子ばかりの子沢山。
子育ては母の仕事と、姑にはマリア様の様な嫁を求められ、夫には常に綺麗でいて欲しいと言われる。
最も困るのが子供の教育。
有名幼稚園に通わせる為の幼児教室は胎児の頃から始まる。
最低でも有名私立小学校。
子沢山な私だけど子育ては私の仕事とばかりの姑。
そうやってもらって育った一人っ子の夫も姑と同じ意見らしい。
ご飯はお母さんの手作りで。
お母さんが手作りした幼稚園道具で。
洗濯物のたたみ方、箸の持ち方はお母さんが教えるもの。
寝る時こそ親子の時間ですとばかりに日本だったりグリムだったりの童話を子供が飽きるまで読む。
次の子が生まれ何年も何年も何度も読む。
頭がおかしそうになる。
私の望むお金に困らない暮らしは手に入れた。
失ったものはない。
ただただ今、欲しいものはと聞かれたら人権しかない。
私は人でありたい。
最後の1秒まで前を向け
君に幸あれ
これから先も
今一番欲しいもの
欲しいものはあるけど
ものに限るにしても
どれが一番とかはないね
買えるものなら
いずれは買えはする
でもお題は今一番欲しいもの
特には浮かばないね
成長と結果
成果ってやつくらい
何が鍛えれてるかは謎なんだけど
毎日必ずここにあるはずなんだよなぁ
朝、同じバスに乗る君
イヤホンをしながら、少しユラユラしている君
眠たくなったのか、スマホを持ちながらウトウトしている君
毎朝訪れる幸せな時間
───君に話しかける勇気をください
-今一番欲しいもの-
2日目
「今欲しいものか、」
そう聞かれて答えるのはただ一つだけ。
「小説、かな」
小さい時から難しい本ばかりを読む私を両親は軽蔑していた。
大きくなった今でも毎日肌身離さず本を持ち歩いて、隙があれば読んでいる。
そんな私を同級生も軽蔑していた。
でも、私はやりたいことをしていたいし、好きな本を好きなだけ読んでいたい。
だから何回聞かれても私は答える。
「小説が欲しい。」
時間がほしいかな~
小説を書く時間。否、時間はたっぷりあるな、モチベーションかなぁ?
それと後セカンドハウスが欲しい。
菩提心
湧き出るもの
感謝
そんなに欲ばっかり出さなくてもいいのかも
世の中のこと知りたい
と言いながら
実際関わって行こうとすると怖くなる
今あるものに感謝
息子の幸せ
息子が決めること
今一番欲しい物
それは、
"正直な心"が欲しい
私は正直に言ったことが
少ない
ほとんど皆んなに合わせる
だから
"正直な心"が欲しい
自分の本当の姿で
過ごしてみたい
一度でいいから
正直になってみたい
お題 「今1番欲しいもの」
今1番欲しいものは刺激だ
今は討論とか荒らしとかアンチがめちゃくちゃ減って、あまり刺激がない
ドMってわけでは無いケド…
自分に関する人アンチがいると思うだけで面白いですね
見ているだけでワクワクして、その話に自分が入ることでスリルを感じる。
実際暴力とかの痛い刺激は嫌だね。
あと、2つ目に欲しいものがあって、それがふっかふかのベッド
1度だけふかふかのベッドに寝転んだことがある。
寝転ぶと眠くなくてもすぐに眠りにつけそうだ
過眠症だと疑われているが、やはり眠気には抗えないのだ
床も冷たくて最高だが、硬いし寝心地が悪くて背中が痛くなるのだ
刺激とベッドが最高
今一番欲しいもの
手
差し出された手を掴む勇気
自分の中の声をよく聞いて
その声にだけ従って
思い切って素直に表現してみたら
そしたら友達が離れちゃった
だけど意外にいい感じ
これでいいんだって気楽な感じ
今一番欲しいもの
本当に感じてることを表現していいんだよ、大丈夫だから、ほら!
って差し出された自分の手
その手を掴む勇気
駐輪場から青い車が見えた ダメ元で20mくらい離れた所から「先生ー!」って叫んでみた
気づいてくれて止まってくれた とっても優しい先生だ
でもね 先生は意識してないだけかもしれないけど私の目を見ては話してくれない、視線はいつも隣だ
私今日で気付いたことがあった
どんな時もA先生だけは私を見ていてくれてた
"今1番欲しいもの"
『今日は業務が早く終わった』
『今からそちらに行く』
ベッドの枕の横に置いていたスマホから、アイツからのチャットの通知音が鳴って、メッセージを見て何とか気持ちを抑えて返信する
『わかった』
気圧のせいか、今日はすこぶる体調が悪い。緊急通報に向かって着いてすぐ変身して何とかバグスターを倒せたが、体が思うように動かず頭も上手く回らなくてそのせいで、そこまで苦戦しないバグスターだったのに時間がかかった気がする。その後は誰かが何か言いかけてたが、さすがに立っているのも辛かったので「急用がある」などと言葉を切って、帰ってきて居室に入った途端糸が切れたかのようにベッドに突っ伏して、それからしばらくスマホを枕の横に置いて横になっていた。
2時間くらい経っただろうか、それでも全く良くならず、ずっと辛い状態が続いていた。
───頭が痛い、重い、辛い…。
「───飛彩…。」
ふと何故かアイツの、しかも呼んだことの無い下の名前が口をついた。それに返事をするようにアイツからのチャットの通知音が鳴り、来たのが上のメッセージ。嬉しくて少しばかり返事をするのを忘れてメッセージを見ていたが、何とか気持ちを落ち着かせて返事をした。その後すぐ既読が付いて嬉しくていい歳して柄にもなくはしゃいでしまったが、すぐに我に返る。───まずい。今のままアイツが来たらどう反応されるか。というか、こんなメッセ送ってくるという事は何か用事か?いつも通り振舞ってさっさとアイツの用事を終わらせよう。そしてアイツが帰った後すぐドラッグストア行って頭痛薬買ってこよう。
ある程度の計画を立て、まずはいつも自分のいる診察室に向かおうと上体を少し起こすが、頭が枕から離れた瞬間とてつもない頭痛が襲ってきて思わず顔をしかめた。起き上がる事が出来ず、再び横になる。
───クソッどうすればいい。『急用ができたから無理だ』と、メッセを送るか…。
そう思ってスマホに手を伸ばしたが、遠くで扉が開く音と聞き慣れた足音が聞こえてきた。
───アイツ、もう来たのか!?
あのメッセージと既読から今までの、予想していた時間の間隔の短さに驚く。距離的に恐らく診察室の前か、そこで足音が止まる。いつもそこにいる自分がいないのを確認して、帰っていくかと思ったが更に足音が大きくなり、扉の外から小気味良いノック音が部屋の中に響き、扉越しに
「おい、居るのか?」
と、鏡の声がする。驚きのあまり声を出せずにいると
「…。」
再びノック音が聞こえた。声の代わりに、壁をノック音と同じリズムでノックして入室の許可をする。
───聞こえたか…?
少し心配したがすぐに
「入るぞ。」
と扉が開いた。入ってきて早々、人の顔色を見て眉根を寄せる。
「…やはりな。」
「はぁ?」
"何が「やはり」だ。"と言葉を続けようとしたが、ふと鏡の手元に視線を落とすとビニール袋を持っていた。不透明のため何が入っているのか分からないが飲料は確実に入っている。飲料と、他の何かがビニール袋の中に入っている。するとツカツカと近づいてきて、横の棚の上にビニール袋を中身取り出し置いた。ビニール袋に入っていたのは、ミネラルウォーターと頭痛薬。
───ッ!?なんで…。
それは俺が買いに行こうとしていた、何度か使っていた頭痛薬だった。不思議に思い疑問を口にしようとしたが、声にする前に止めた。
───コイツの事だ、きっとたまたま目に付いただけだ。
そう自分の疑問を片付けた。
「起き上がれるか?」
などと考えていると不意にそう問いかけられ、我に返る。腕に力を込めて再び上体を起こそうとするが、先程と同様に頭が痛み顔をしかめる。それでも今度は無理やり上体を起こそうとすると、鏡が俺の両肩を、そっと掴んで再び横になるように促し、──というより力が強くて、普段ですら片腕で持っていかれたりするくらいなので逆らおうにも逆らえず、その上今は頭痛と重さで力が上手く入らないので──大人しく再び横になる。
とここでオペの後、俺が体調不良なのを察して業務を終わらせた後"うちに来る"なんてメッセージを寄越して、おまけにこっちに来る途中でドラッグストアで必要な物を買って、ここに来た事に気付いた。
するとビニール袋の中にまだ何か入っているのか、カサカサと音がして音の在処を見ると鏡が薬呑器(やくのみき)を手に持っているが目に入ってきた。
───んなもんまで買ってきてやがったのか、用意周到すぎんだろ… 。
ビニール袋をよく見るとまだ何か入っているような膨らみをしていた。恐らくこの体調で物をまともに食ってない──そもそもまともな食事すらない(実際あるのは栄養補助食のブロックとゼリー飲料のみなので正解だが)──と思って軽食も買って来たのだろう。
なんて考えいたら、コポポポと音を立てながら薬呑器にミネラルウォーターを注ぎ、頭痛薬の箱を開けてフィルムを取り出す。更に取り出したフィルムから2錠押して出すと
「ほら、口を開けろ。」
と、1度手のひらに押し出した2錠を摘んで俺に近づけてきた。一瞬恥ずかしくて躊躇ったが命令通りゆっくりと口を開いた。すかさず薬を口の中に入れられ、間髪入れず今度は薬呑器の口を俺の口の中に入れ、水を飲ませててきた。とても恥ずかしくて余計頭が痛くなった気がするが俺の体調を気遣っての事だし、こういう時の鏡は頑固なので素直に聞き入れてされるがままにした方が良い。そうな事を思いながら、口の中に入れられた頭痛薬と水を、コクリ、と飲み下す。喉仏が下がったのを見たのだろう、飲み下した後に鏡が僅かに顎を引く。
「食欲はあるか?ひじき煮を持ってきたんだが。」
と、またビニール袋から今度は小さなタッパーとプラスチック製のスプーンを取り出した。透明なので中身がよく見えるが、レンジで温められたのか中は外との温度差で若干結露が発生している。また素直に、今度は声を出して短く「あぁ。」と答えると「そうか。」と返事をして「借りるぞ。」と言って近くにあった椅子を引き寄せて座り、タッパーの蓋を開ける。ひじき煮の良い匂いが鼻腔をくすぐり、そういえば今朝から何も食べてないなと気付くと急に空腹感が襲ってきた。
すると鏡がタッパーの中のひじき煮をスプーンで掬って
「ほら。」
と、口に近づけられた。2度目だからさすがに躊躇いはなく口を開けたが、やはり恥ずかしい。今度はゆっくりとひじき煮を乗せたスプーンを口の中に入れられ、俺が口を閉じるとスプーンを俺の口の中から引き抜いてひじき煮を舌の上に乗せる。スプーンが完全に引き抜かれて舌の上のひじき煮を咀嚼する。味は甘めでしっかりしていて、人参や油揚げなど味が染みて大豆も味が染みていて且つホクホクで、こんにゃくは歯ごたえがあり、ひじきや蓮根はシャキシャキで美味しい。
「どうだ?」
「ン…。まぁ、悪くねぇよ。」
「そうか。」
するとまたスプーンでひじき煮を掬って俺の口に近づける。また口を開いて、入れられたら口を閉じて、スプーンが完全に引き抜かれたら咀嚼を始めて飲み込む。その繰り返しをしていると鏡が急に「フ。」と笑った。俺は顔をしかめて
「…何笑ってんだよ。」
少しキレ気味に言い放った。
───テメェが頑固で、抵抗すんのがめんどくせぇから素直に聞き入れてやってんのに。
「いや、可笑しくて笑ったのではない。ただ、貴様が他人の言うことを素直に聞いているのが意外だ、と思ったからだ。」
5年前の俺なら、他人の言う事を素直に聞き入れ行動していたが、あの出来事以来誰も信じられなくなって、"素直"なんて言葉とは縁遠い性格になって久しいのに、そんな事を言われたもんだから当てつけのように顔だけそっぽを向いて反論する。
「…フン、気のせいだ。ただテメェ相手に変に抵抗すんのが疲れるだけだ。」
「そうか。」
またそんな相槌を打つと、また掬ったひじき煮を近付けてきて、仕方なく向き直ってまた口を開けて、また繰り返し始める。
しばらく繰り返していると、飲んだ頭痛薬が効いてきたのか少しずつ頭の痛みが収まってきて、また掬って近付けようとしてたのを手のひらを突き出して制止し、上体をゆっくり起こしてる「ん。」と突き出した手のひらを今度は上に向けてスプーンを寄越すよう要求する。するとすんなりとひじき煮を乗せたスプーンを俺に寄越し、更にひじき煮が入ったタッパーを差し出してきたので、もう片方の手で受け取る。それからは自分の手で残りのひじき煮を食べていく。不意に視線を感じ、鏡を見る
「…んだよ、人の顔見て。何か付いてんなら言えよ。」
「…いや、違う。ただ美味しそうに食べるなと思っただけだ。」
───俺そんな風に食ってるか?
不思議に思いながらも、考えるのは無駄だと言わんばかりに
「そうかよ。」
と返事をして食事を再開する。また視線を感じたが今度は気にせず食べ続け、完食する。
「ごちそうさん。待ってろ、今タッパー洗って返すから。」
そう言ってベッドから起き上がろうとすると
「別にいい。それにまだ万全に動けないだろ、無理するな。」
ベッドの上に居ろ、と言わんばかりに制止され、仕方なく体を戻す。
「そろそろ行く。ゆっくり休め。」
そう言って鏡が椅子から立ち上がろうとしたが
「ッ…。」
咄嗟に鏡の腕を掴んで制止させた。
───嫌だ、行かないで。
何て言えばいいのか分からず、ただ無言で鏡の顔を見つめて腕を掴む。鏡は俺の方を見て目を大きく見開いて驚いていたが座り直して、掴まれている腕とはの反対の手で、腕を掴む俺の手を優しく包み込んだ。
「分かった。」
その言葉を聞いて、腕を掴んでいた手を少し緩め、その手をスルスルと下げて
───頼む、こういう時だけはお前を一人占めさせてくれ。
そう思いながら、鏡の指をキュッと握る。伝わったのか
「あぁ、分かった。」
と答える。
「喉は渇いていないか?」
と言ってまだミネラルウォーターがたっぷり入ったペットボトルを差し出してきた。また素直に受け取り、指を握っていた手を一度離して蓋を開けて喉の渇きを潤す。蓋を開けると、先程と同じ方の指を再び握る。
「そんな事をしなくとも、どこにも行かない。」
微笑み、俺を見ながら言う。
「いいだろ別に。どうしようが俺の勝手だろ。」
「…そうだな。」
誕生日
何欲しい?
うーん…
だって
欲しい
って思ったら
自分で調べて
買っちゃうし
誰かから
プレゼントされる
なんて
あまり経験ないから
何を
リクエストしたら
いいんだろ?
あ。
あった。
欲しいもの。
あなたの名字
が欲しいかな。
恥ずかしくて
言えないけど。
#今一番欲しいもの