あの、悲惨な事件から2週間とちょっと。みんなに心配をかけさせないように、元気な自分を演じて学校に通っていた。事情を知っている友達は、無理しなくて大丈夫って言って私に休息を促してくる。
だけど、私はまだ休めない。休めるのはもう一度、彼に会ってから。そう自分に言い聞かせながら、
大丈夫、と妙に上手くなった作り笑顔で答える。
今迄は、これで良かったんだ。
けど
最近、夢を見るようになったんだ。それも、彼が死ぬ瞬間の夢。
目の前で大切な人が命の光を、自らの手で消した。
その躁鬱たる姿は私が最後に見た姿とは全然違った。
元々あった目の隈はさらに濃くなり、幾つもの痣が出来ていた。でも、表情は笑っていた。
そんな彼をどうして助けられなかったんだ。そう思うと泪が溢れ出して、
あの時、私に勇気があれば。
私は彼を救うことが出来たのかもしれない。
っていう夢。
私はあの時からずっと、
あなたを救うための勇気を求め続けている。
7/21/2023, 1:55:45 PM