『二人ぼっち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
前まではなんにも思わなかった
お前と2人だけの空間に。
ほぼひとりと変わらなかったから。
俺とお前は仲がいいなんて程遠いほど
お互いがお互いを理解しようとしていなかった。
ちゃんとお互い友達も居るが
浅い会話しかしない
そんなの友達って言えるのか?
俺もお前も本当は一人ぼっちなのかもな。
新鮮な空気を吸うため外に出た。
「「はぁ」」
俺もお前もため息シンクロって仲良いんじゃね?
あの日からお前は俺にやたらと話しかけてくる。
「一人ぼっち同士仲良くしてみない?」
「は?」
「これで二人ぼっちだね」
何言ってんのこいつ
なんて言葉押し殺して俺は黙った。
あいつは俺にここって居心地いいんだよね
そう呟いた時があった。
俺がそう感じ始めてきているのも事実だった。
あいつは俺を慕ってくれてるのか?
突然あいつは居なくなった。
居なくなるなら最初から知らなければ良かったのに
二人でいる楽しさ,居心地の良さなんて
結局一人になるなら
知らなければ良かったのに...
お前はどこにも行かないと思ってた。
俺はまた1人
ずっとあいつを待っているから
二人ぼっち
─────『二人ぼっち』
夜の海は幻想的だった。ささやかな星明かりに波の音。ざざん、ざざんと揺蕩って、夜光虫が海を青く光らせている。私たち以外にも見に来てた人がいて賑やかだったのに辺りを見回しても誰もいない。静謐と呼ぶにはぴったりだった。
「世界に『二人ぼっち』みたい」
広すぎる世界に私と彼だけ。片方が動くときっとはぐれてしまうから離れないように手を繋ぐ。世界に一人ぼっちなら気が狂っていたかも。
「綺麗な景色も君も独占できるなんて贅沢だね」
そう言われて、私も彼を独り占めに出来るのかと思うとそれはそれで良い気も…。
「誰も居ないって分かってるから、抱き締めたっていいし」
繋いだ手が離されて彼に覆い隠されるようにピタリと密着して、頬に手が添えられる。
「人目を憚らずにキスだって出来るわけだ」
言葉通りに目を閉じているとクスリと彼が笑って頬を弱くつねられた。か、からかわれた…!
「…ちょっと期待した」
「だろうね。可愛い顔してた」
彼の目は今の海と同じ。青くって綺麗で輝いて…吸い込まれてしまいそう。波の音だけが時間が動いてることを教えてくれる。彼が困った顔をするまでずっと眺めていた。
「そんなに物欲しそうに見られると…。『二人ぼっち』だから君が望んだところにしてあげる」
「どこがいい?」と聞かれれば素直に瞼を下ろして、再び笑った彼の気配が近づくのをじっと。添えられた手が耳を塞いで、さざ波も、もう届きはしなかった。
二人ぼっち
君と私のお墓を建てた。
早くに両親をなくした私たちには死んだ時に入る場所など知る由もない。
だから私たちは誓いあった。
生きてる間も死んでからも同じ場所であなたと一緒に。
泣く時も笑う時もあなたと分かち合いたい。
そんなお互いの思いから私たちはお墓を建てた。
お墓の横には名前が彫られるが、私たちの名前だけが刻まれている。
君と私の、二人ぼっちのお墓。
あまり、友達を作れる人間じゃなかった。
クラスのノリに馴染めずどこか浮いているような、僕はそんな子だった。
でも、ひょんなことから話しかけてくれたキミがいて、僕はぼっちではなくなった。
キミも同じようにあまり馴染めていない子だったね。
キミと僕、学校ではいつも二人ぼっち。
卒業してからあまり会えていないけど、元気にしてるかな。
“知ってる??”
“桜の枝って花が咲く前にその枝先を”
“ピンク色に染めるんだよ”
“なんだか素敵じゃない?”
“誰も見ていない時から”
“桜の木は春の訪れを知らせているんだよ”
月明かりに照らされた君は
ほのかに白く光っていた
桜の木を挟んで
立っていた
君は唇が弧を描くように笑うと
“また会えたね”
と呟いた
『2人ぼっち』より
私たち家族は、いつだって仲良し。
あの日までは。
私たちは今日も家族でゲームをしていた。気付いたときには私と妹だけ見たこともない所にいた。
私たち以外誰もいなかった。私たちはずっとさまよっていた。
私たちは二人ぼっちだ。
手と手を取り合って、2人で歩く坂道。他愛もない話をぽつりぽつりと交わし合って、時折笑いあって、ちらりと繋いだ手を見る。ああ、君がここにいる。それだけで十分なのだと心が言っている。
それ以上を望んではいないのに、酷なことに時間は過ぎていく。いつもの交差路で繋いだ手を離す。
「またね」
「電話するね」
「うん、待ってる」
数えるほどしか残されていない下校の度に胸が締め付けられる。大人になんてならなければいいのに。
【二人ぼっち】
私は、一人だったのかな…
小さい頃からどこのグループにも所属してなかった
今はグループに所属してるけど、
このグループは4月になれば終わり。
学校ってもんはそういうもんだ
でも1一人の中でもいい出会いが会ったんだ。
一瞬だったけど友達になってくれた"あの子"
その子は記憶の中にしかないけど
一生忘れることは無いと思う。
今はその子のおかげなのか、
性格は全然違うけど、一人だった子と友達になった
二人ぼっち。今そうなのかな。
―――――二人の一人
―二人ぼっち―
黄昏の日が
赤く染めあげた
帰り道
お互い相手の歩幅に合わせ
ゆっくりとした足取りで歩く
誰にも邪魔されない
二人ぼっち
二人の間に流れる沈黙
それは重たい空気ではない
寧ろ心地良さすら感じるほどに
沈黙が心地よく感じるのは
心の内を分かり合えてるから
この沈黙が
この幸せが
ずっと続きますようにと
ひっそりと願う二人ぼっち
私は夢の中。
ふと、懐かしくなる光景が目の前に広がる。
田舎、田んぼ囲まれた畦道、遠縁に望む山々、神社。
人集りの多い参道を眺めながら、右往左往しているとそばにあった梅か桜の木から気配を感じ、視線を木に向ける。
すると、その木の裏から着物姿の「白」が印象的な少女が現れた。
彼女はこちらを見て口を動かしているが、何を言っていたのか思い出せない。
この時から夢に変化があった。
それまで視界に写る景色は、なんの変哲もない色彩であったはずが、まるで暖かみを表現したがるような彩りが追加され、現実的な感覚が消えていくのを覚える。
人の気配がしない。
私は、いや僕は、目の前に立つ少女の姿をした何かと二人きり。
冷たさはなく、いつの間にか触れられていた手からは、生まれてはじめての温もりを、まさに胸一杯に感じさせる。
繋がれた手が握られ、参道を進み境内を越え、日当たりの良い秘密の場所へと誘われる。
僕はそこで目覚めるまで、あるいは目覚めを促されるまで、彼女と座って遠くを見ていた。
僕はこの一時に、現実でも涙を流していたほどの安らぎを感じていた。
少女に繋がれた手は、決して放されることはなくさいごまで強く握られた。
会話もしていたが、他愛もない内容だったのかあまり覚えていない。
ただ、夢の終わりに言われ言葉は鮮明に残っている。
「待っています」
温かな口調であった。
私は布団の中。
観た夢の余韻に浸るように、涙を流し、胸の苦さに困惑する。
それでも、こんな二人ぼっちも良いものだと思いながら、一人ぼっちの日常へ戻っていく。
一人ぼっちよりも
二人ぼっちの方が
困った時楽だよ
でもね
一人で何かに浸りたい、落ち込みたいときは
一人ぼっちの方がいいよね
でも2人ぼっちがふたりきりと違うところは
黙り込んでるけど二人でいるところだよ
だから片方が落ち込んでいても
もう片方はいつも通り黙り込んでる
好きなように浸ればいいよ
僕は黙って君のそばにいるから
漫画のタイトルになかった?
お題のネタ切れかな
複数人より2人が楽
お題 【二人ぼっち】
ひとり グループ活動する時最後まで残る 難しい。
さんにん 最終的に2:1になるのが大体 難しい。
よにん リーダー的存在が居て結局3:1 難しい。
ごにん 人数が増えてきて纏らない 難しい。
………
少人数すぎても駄目、大人数すぎても駄目。
結局はふたりが1番いい。
心から許し合える関係にまでなれるのならば、
狭く深くの世界でいい。
気を使わない相手がひとりでも居るのならば、
僕はもう大丈夫。
ひとり同士が一緒に居ることで、ふたりになれる。
1+1=2 最小限で大きくなれる数。
ふたりぼっちでも意外とやっていける。
ふたりぼっちっていいよね
貴方は、私とだけ一緒に
遊んでくれる。まるで2人の世界しか
望んでいないかのように。
だけど、時々…私は思うよ。
貴方はとっても素敵な人だから
もっと沢山の人に知ってもらいたいなって。
貴方は、よく言ってくれるよね。
困った事があったら2人で考えて
乗り越えていこうって。
いつまでも俺が居ますからって。
この気持ちを、どうやって言葉にしたら
良いのかな。
2人ぼっちの広い世界で
私たちは、今日も明日も2人で遊ぶ。
【お題:2人ぼっち】
東雲色の空を見ながら、君と二人、手をつないで歩く。
君の少し音程のおかしい、けれども飴細工のように甘くキレイなハミングが融けた朝の空気を吸う。
一拍、君の手を引いて僕は駆け出した。
転ばないように、手が離れてしまわないように慎重に走った。
甘い甘いハミングが二人分の笑い声にかわる。
小さな橋を渡り、ゆるい坂を登り、階段を二段飛ばしで駆け上がった。
やがて、走り疲れて立ち止まる。
ちょっとしたでっぱりのような山の上、金色の旭に照らされた世界が目の前に広がっていた。
汗ばんだ手を握り直し、君に寄り添う。
君のハミングを聞きながら、金色にとけていく。
これほどの幸福を僕は知らない。
テーマ「二人ぼっち」
『二人ぼっち』
一人ぼっちが二人集まっても、
それは二人の一人ぼっちでしかなくて。
決して二人になったからと言ってぼっちじゃなくなるわけじゃないし、二人ぼっちになるわけでもない。
二人ぼっちっていうのはもっと、私と貴方の世界なの。
限られた範囲内にいるのは私と貴方だけなの。
一人ぼっちと一人ぼっちじゃ成り立たないの。
私も貴方も孤立してるから。
私と貴方が孤立してるのとは訳が違う。
だから二人ぼっちに憧れる。
私と貴方の世界に行きたい。
だって一人ぼっちの私のことなんて、
誰も見てくれないでしょう?
誰も見てくれないから一人ぼっちなんだもの。
二人ぼっち。
昔は、一人ぼっち。
今は、二人ぼっち。
未来は、家族ぼっち。
将来は、沢山ぼっち。
ふたりぼっちなんて
ぼっちじゃないじゃないか
ふたりなんだから
ぼっちじゃない
ふたりぼっちなんて贅沢だ
ひとりぼっちの自分は
その言葉を鼻で笑った
ひとりぼっちでは生まれない感情を思いながら
『二人ぼっち』
入学してから一年半、図書室を開ければいつもの如く君はいた。
君はチラとこちらに目をやると、『時すでにお寿司』と刺繍されたナップサックから一冊の本を取り出して、僕に向かって差し出した。
僕はそれを受け取って、代わりの本を君に差し出す。
(こうして毎週金曜日、放課後にオススメの本を交換しだしたのは何時からだったか?)
お互いに無言のまま、僕は君から一番離れた席へと移動する。
そしてまた……二人ぼっちの時間が始まる。
──────
────
──
この高校に入ってから約一ヶ月。
主要な教室の場所をだいたい覚えて、学校で迷う事が無くなってきた時頃。
僕は学校内に自分の安らげる場所を探していた。
……いわゆる、穴場スポットのような場所だ。
例えば空き教室。
どこの教室も鍵がかかっていて自由に使わせては貰えなかった。
例えば屋上。
そもそも屋上への階段は封鎖されていて行くことは出来なかった。
例えば図書室。
建てられたばかりの新校舎なので明るく綺麗、それに加えて多くの人が訪れてきて落ち着かない。
(中々見つからないなぁ)
そんな事を思いながら、入学した時に渡されたパンフレットの案内図を見ていると、旧校舎の文字が目に入る。
……どうやら旧校舎にも図書室があるらしい。
(明日はそっちを探索してみるか)
── 次の日 ──
そんなこんなで翌日の放課後、有言実行とばかりに旧校舎へと足を運んだ。
こちらの校舎は三年生の教室があったはずだ、一年生と二年生は新校舎。
普通は逆だろうと思ったが、どうも三年生の多数がこの旧校舎に強い想い入れがあったらしく、そんな風に決まったとかなんとか。
あまり詳しくは知らないけれど、とにかく多くの要望があっての事なのだろう。
当たり前だが旧校舎の外観は新校舎と比べると寂れて見えた。
外壁に蔦が絡まっていたり、罅の入っている場所だってある。
そんな事もあってか、全体的に何処かノスタルジックな雰囲気を纏っていた。
……こういう雰囲気は大好きだ。
自分のテンションが上がるのを感じながら、手に持っているパンフレットへと視線を落とす。
(図書室は……一階の角か)
校舎に入り数分後、目の前の教室のネームプレートを見上げると、少し汚れたそれにはこう記されていた。
『図書室』
……やっと辿り着いたらしい。
少しのワクワクと期待を胸に、僕はついにドアを開いた。
図書室を覗いてまず目に入ったのは女子生徒だった。
誰か入って来るとは思っていなかったのだろう、先程まで寝ていたのか慌てた様子で姿勢を正している。
……正直自分も誰かがいる可能性を失念していたので驚いた。
そうして少し驚いていたのも束の間、僕は直感した。
(……あぁ、同類か)
すっと視線を切る。
そのまま適当な本を探して空いている席へと座った。
……もちろん彼女からは一番離れた席である。
今更だが僕はコミュ障だ。
入学してからこれまで友人は居ないし、これからも作れる気がしない。
自信を持ってぼっちだと言えるだろう。
だからだろうか?
自分と感性の近い人間かどうかが何となく分かるのだ。
ドアを開けてから数秒間だけ視界に入った女子生徒を思い返す。
髪はボサボサのセミロング。
テーブルの上に置かれていたのは黒縁メガネ。
何故か持ってきているナップサックのようなものには、『時すでにお寿司』の文字が刺繍されていた。
そして扉が開いた事に驚いていたあの反応、まさしく自分を見ているようではないか。
ガサツさ、センス、雰囲気の三拍子。
既に証拠は出揃っていた、彼女は間違いなく同類である。
そうと分かれば話は早い、お互いに無視をすればいいのだ。
それが精神安定上もっとも良い選択である。
あちらも僕には興味が無いだろうし、こちらも彼女に興味は無い。
出来れば一人が良かったが……僕が後から入ってきた身だ、贅沢は言えまい。
お互いぼっちだし気にするだけ無駄だろう。
── 一年半後 ──
図書室を開ければ、いつもの如く君はいた。
……お互い名前も知らないけどね?
《二人ぼっち》
世界が僕と君だけだったらよかったのに。
そうしたら全てを君にあげる。
嫌なことからは耳を塞いで、
目を覆って、見えなくしてあげたい。
楽しいこと、嬉しいこと。
幸せなことばかりの人生にしてあげたい。
こんなにも祈っているのに。
現実はそう上手くはいかない。
なんて無常なんだろう。
嫌なことからは目を背けられないし
耳を塞いでも隙間から流れてきてしまう。
それでも君は、強いから。
僕が守らなくたって一人で生きていられるんだ。
君は別に、世界に僕と君だけじゃなくていい。
僕だけだ。
君がいなきゃ生きていけないのは。
君と二人ぼっちになって
君を幸せにしたいと願う僕が、
幸せになりたいだけなんだ。