手と手を取り合って、2人で歩く坂道。他愛もない話をぽつりぽつりと交わし合って、時折笑いあって、ちらりと繋いだ手を見る。ああ、君がここにいる。それだけで十分なのだと心が言っている。それ以上を望んではいないのに、酷なことに時間は過ぎていく。いつもの交差路で繋いだ手を離す。「またね」「電話するね」「うん、待ってる」数えるほどしか残されていない下校の度に胸が締め付けられる。大人になんてならなければいいのに。
3/21/2023, 10:15:36 PM