『二人ぼっち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『二人ぼっち』
一人ぼっちが二人集まっても、
それは二人の一人ぼっちでしかなくて。
決して二人になったからと言ってぼっちじゃなくなるわけじゃないし、二人ぼっちになるわけでもない。
二人ぼっちっていうのはもっと、私と貴方の世界なの。
限られた範囲内にいるのは私と貴方だけなの。
一人ぼっちと一人ぼっちじゃ成り立たないの。
私も貴方も孤立してるから。
私と貴方が孤立してるのとは訳が違う。
だから二人ぼっちに憧れる。
私と貴方の世界に行きたい。
だって一人ぼっちの私のことなんて、
誰も見てくれないでしょう?
誰も見てくれないから一人ぼっちなんだもの。
二人ぼっち。
昔は、一人ぼっち。
今は、二人ぼっち。
未来は、家族ぼっち。
将来は、沢山ぼっち。
ふたりぼっちなんて
ぼっちじゃないじゃないか
ふたりなんだから
ぼっちじゃない
ふたりぼっちなんて贅沢だ
ひとりぼっちの自分は
その言葉を鼻で笑った
ひとりぼっちでは生まれない感情を思いながら
『二人ぼっち』
入学してから一年半、図書室を開ければいつもの如く君はいた。
君はチラとこちらに目をやると、『時すでにお寿司』と刺繍されたナップサックから一冊の本を取り出して、僕に向かって差し出した。
僕はそれを受け取って、代わりの本を君に差し出す。
(こうして毎週金曜日、放課後にオススメの本を交換しだしたのは何時からだったか?)
お互いに無言のまま、僕は君から一番離れた席へと移動する。
そしてまた……二人ぼっちの時間が始まる。
──────
────
──
この高校に入ってから約一ヶ月。
主要な教室の場所をだいたい覚えて、学校で迷う事が無くなってきた時頃。
僕は学校内に自分の安らげる場所を探していた。
……いわゆる、穴場スポットのような場所だ。
例えば空き教室。
どこの教室も鍵がかかっていて自由に使わせては貰えなかった。
例えば屋上。
そもそも屋上への階段は封鎖されていて行くことは出来なかった。
例えば図書室。
建てられたばかりの新校舎なので明るく綺麗、それに加えて多くの人が訪れてきて落ち着かない。
(中々見つからないなぁ)
そんな事を思いながら、入学した時に渡されたパンフレットの案内図を見ていると、旧校舎の文字が目に入る。
……どうやら旧校舎にも図書室があるらしい。
(明日はそっちを探索してみるか)
── 次の日 ──
そんなこんなで翌日の放課後、有言実行とばかりに旧校舎へと足を運んだ。
こちらの校舎は三年生の教室があったはずだ、一年生と二年生は新校舎。
普通は逆だろうと思ったが、どうも三年生の多数がこの旧校舎に強い想い入れがあったらしく、そんな風に決まったとかなんとか。
あまり詳しくは知らないけれど、とにかく多くの要望があっての事なのだろう。
当たり前だが旧校舎の外観は新校舎と比べると寂れて見えた。
外壁に蔦が絡まっていたり、罅の入っている場所だってある。
そんな事もあってか、全体的に何処かノスタルジックな雰囲気を纏っていた。
……こういう雰囲気は大好きだ。
自分のテンションが上がるのを感じながら、手に持っているパンフレットへと視線を落とす。
(図書室は……一階の角か)
校舎に入り数分後、目の前の教室のネームプレートを見上げると、少し汚れたそれにはこう記されていた。
『図書室』
……やっと辿り着いたらしい。
少しのワクワクと期待を胸に、僕はついにドアを開いた。
図書室を覗いてまず目に入ったのは女子生徒だった。
誰か入って来るとは思っていなかったのだろう、先程まで寝ていたのか慌てた様子で姿勢を正している。
……正直自分も誰かがいる可能性を失念していたので驚いた。
そうして少し驚いていたのも束の間、僕は直感した。
(……あぁ、同類か)
すっと視線を切る。
そのまま適当な本を探して空いている席へと座った。
……もちろん彼女からは一番離れた席である。
今更だが僕はコミュ障だ。
入学してからこれまで友人は居ないし、これからも作れる気がしない。
自信を持ってぼっちだと言えるだろう。
だからだろうか?
自分と感性の近い人間かどうかが何となく分かるのだ。
ドアを開けてから数秒間だけ視界に入った女子生徒を思い返す。
髪はボサボサのセミロング。
テーブルの上に置かれていたのは黒縁メガネ。
何故か持ってきているナップサックのようなものには、『時すでにお寿司』の文字が刺繍されていた。
そして扉が開いた事に驚いていたあの反応、まさしく自分を見ているようではないか。
ガサツさ、センス、雰囲気の三拍子。
既に証拠は出揃っていた、彼女は間違いなく同類である。
そうと分かれば話は早い、お互いに無視をすればいいのだ。
それが精神安定上もっとも良い選択である。
あちらも僕には興味が無いだろうし、こちらも彼女に興味は無い。
出来れば一人が良かったが……僕が後から入ってきた身だ、贅沢は言えまい。
お互いぼっちだし気にするだけ無駄だろう。
── 一年半後 ──
図書室を開ければ、いつもの如く君はいた。
……お互い名前も知らないけどね?
《二人ぼっち》
世界が僕と君だけだったらよかったのに。
そうしたら全てを君にあげる。
嫌なことからは耳を塞いで、
目を覆って、見えなくしてあげたい。
楽しいこと、嬉しいこと。
幸せなことばかりの人生にしてあげたい。
こんなにも祈っているのに。
現実はそう上手くはいかない。
なんて無常なんだろう。
嫌なことからは目を背けられないし
耳を塞いでも隙間から流れてきてしまう。
それでも君は、強いから。
僕が守らなくたって一人で生きていられるんだ。
君は別に、世界に僕と君だけじゃなくていい。
僕だけだ。
君がいなきゃ生きていけないのは。
君と二人ぼっちになって
君を幸せにしたいと願う僕が、
幸せになりたいだけなんだ。
二人の世界で生きていくなんてそんなこと出来るはずがないと思ってた
ずっとそう思ってた
そんな私とは裏腹にあなたはそれを叶えようとした
あなたはずっと私に必死な顔で、目で話してくれたね
でもそんな強いあなたとは裏腹に、私は臆病だから聞く耳をもたなかった。
それが良くなかったんだね。
あんな風に離れ離れになる前に、私もあなたみたいに強くなりたかった。
ごめんね。
そしてありがとう。
私はこの愛を抱いて私の中の ふたりの世界 で生きていく。
一人ぼっちは寂しい。
だけどみんなといると息苦しい。
だから大切な誰かと二人きりでいたいな。
私が死んだら悲しんで欲しい。
あなたが死んだら悲しんであげたい。
だけど両方は出来ないから、二人ぼっちも悲しいな。
(二人ぼっち)
からから ぽこぽこ しゃかしゃかしゃか…
脳に注がれる とくとく入ってくる
ころころ からから きゅぽきゅぽきゅぽ…
目を瞑り 脳内るんるん
私の世界 音と二人ぼっち
寂しいよ、とあなたは囁いた。
勤勉で実直なあなたは、それでも真っ暗に塗りつぶされた空でまたたく星を見上げながら何度も、何夜も幾百幾千日も寂しさを消すことはなかった。
だったらどうか。どうかこのひとの寂しさをどうぞ誰か消してあげてくださいと祈りを捧げ続けた。
そうして遂に神は土をこねて新たなひとを創られた。
わたしの心はあなたから離れて、あなたとわたしは一人ぼっちじゃなくなった。
あの二枚舌が現れなければ、あなたとわたしは永遠に二人ぼっちでいられたのでしょうか。
二人ぼっち
一人でいるのが好きなんだ。
一人でいると楽だから。
大人数でいるのは苦手なんだ。
どうしたらいいか分からなくなる。
それでも、一人ぼっちは嫌なんだ。
不安で怖い。
理不尽なのは分かってる。
我がままでごめんなさい。
誰か、一緒に二人ぼっちになってくれませんか。
『二人ぼっち』
貴方には私だけでいいんだよ。
貴方もそれをわかっているはず。結局寂しいだとかは、身体的な勘違いなんだよ。一人きりなのが、恥ずかしいことだと思わないで。みんなには私が見えていないだけ。いつも貴方のそばにいる。
形として見えることだけが愛じゃない。
貴方は決して孤独じゃないよ。
ずっと貴方の心臓に張り付いている。
本当は貴方にキスをしていたいし、ハグもしたい。
それが叶わないことだけが、もどかしいな。
ねえ、振り向いて。
こんなに貴方を想っているのに。他の人なんて見ようとしないで。せめて、今はまだ。精一杯抱きしめているから、だから二人きりでいよう?
世界戦争を巻き起こして
私と貴女以外の人間全てを
この世から焼き尽くしてしまえたら
隔てるものがなくなった世界で
ずっと自由に歩けるのにな
私と貴女だけしか知らない
二人だけの空の下で
#二人ぼっち
【初めての投稿】
二人ぼっちって、寂しいと感じる人もいるかもしれないけれど、私にとっては落ち着く人数かもしれない。一人でいいときももちろんある。
でも、一人ごとをずっと言ってばかりだと何か物足りなくなって、誰かの相槌がほしくなることもある。
話し相手がいるだけでどこかホッとしたり、他愛もない話から笑いが生まれることもある。
自分だけじゃなくて相手にも刺激があるし、二人だけの空間、場の空気があるってすごく心地よく感じる。
久しぶりに誘われたコンパの二次会でカラオケに行くことになった。
そもそもボクは人数合わせなだけで、二次会まで付き合わされるとは思っていなかった。
早く帰りたい、、、
カラオケ開始10分、選曲しているふりをしつつ帰る口実を探していた。
それなのに、、、
真面目に口実を探していたボクを嘲笑うように、不自然な程に何かと理由をつけて仲良さげに男女が次々とカラオケを後にする。
取り残されてしまった、、、
歌い手が居なくなってメロディーだけが流れる部屋の中でひとり呆然と画面を眺めていると突然部屋のドアが開いた。
「あれ?みんな帰っちゃいました??」
店員かと思ったその女性はコンパのメンバーのひとりだった。
お手洗いに行って戻ってきたところだと言い、ボクの向かいの席に着く。
この子のことは覚えている。大人しそうな感じで一次会のときは端に座り、時折会話に交ざりつつ微笑みながら飲んでいた様子が、ボクと同じで仕方なく着いてきた感じがして親近感が湧いていたからだ。
「勝手ですよね、誘っておいて先に帰るんですから」
ボクがやれやれと失笑して言うとその子は
「えっと、、、ごめんなさい、実はわたしがみんなに頼んだの」
顔の前で手を合わせ少し申し訳なさそうに、でもどこか楽しそうな目でボクを見た。
いつの間にか選曲されていた歌は全てなくなり、部屋の中は静かになっていた。
「あなたと、その、、、ふたりぼっちになりたくて、、、」
さっきの悪戯っ子のような顔から、酔いとは違う赤い顔でボソボソと言う彼女を見て、ふっと顔が綻ぶ。
「ふたりぼっち、、、ふたりきりのこと、だよね?ふたりぼっちって言うの可愛いね」
カラオケ開始40分、クスクス笑うボクと更に頬を赤くする彼女。
ふたりぼっちのこの部屋には可愛いキューピッドの罠が仕掛けられていたらしい。
いつもと変わらぬ毎日を友人と過ごしていた。
朝起きてご飯の支度、仕事に行く準備をしたりしていた。
ふとした瞬間、私たちは見知らぬただ真っ白な空間に立っていた。
私たちの周りには何も無い。天井を見上げるとそこは、天窓になっていて、真っ青な空が広がっていた。でも、他には何も無い。
私たちだけの空間に、世界に、二人ぼっち。
世界が滅んでどのくらいたっただろうか。
「薪、持ってきたぞ」
「あぁ、ありがとう」
錆びついたライターで手早く火をつける。満点の星空の下でボロボロのテントが揺れた。遠くには倒れたままの電灯が見える。
「ここにも人はいないわね」
「生き残ってる人間をさがすなんて、砂漠の中から針を見つけるようなものだ。生き物の気配すらも感じることが難しくなってきている」
不意に彼女が私の方を見た。長い黒髪が揺れる。
「なぁ、なぜ夜は眠るんだ? 私たちなら夜歩けるだろう」
ひらりと上げた無機質な手。夜闇を見通すガラスの目。食べ物も睡眠も必要としない鉄の体。
「人間というものを忘れないためよ」
私はそのまま寝転がった。冷えたコンクリートの地面。その冷たさももう分からなくなりつつあった。
「そうだな。私たちが機械であることを忘れない為に」
生き物の鼓動のない大地の冷たさを感じながら私は眠らない目を閉じた。
二人にしか判らない言葉で話す時
二人にしか知り得ない思い出を語る時
ふと「二人だけでいいよ」と
そんなふうに思ってしまう
僕をどうか詰ってほしい
なぜなら君は僕とは違うから
君と離れてしまった途端
上手く生きられなくなった僕と違う
君はきっと僕無しでも、
なんて言ったら君はきっと本気で怒って
口を聞いてくれなくなるだろう
どうして君は僕にこだわるの?
どうして僕を選んだの?
どうしてそんなに優しくするの?
本当に分からないんだ
分からないから不安なんだ
痛いんだ
いつか君がふっと僕に飽きてしまうような妄想が
確かに幸せなのに常に脳裏から離れないんだ
いつかに君が失恋をした時
一緒にカラオケで散々歌った
突然君は持ち込んだプチシューを
「口開けて」と言って僕の口に突っ込んだ
目を白黒させながら噛み締めたそれは
ラズベリーの味だった
君は椎名林檎の歌を自棄になって歌っていた
僕は口の中の甘酸っぱさを噛み締めていた
【二人ぼっち】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
3/21 AM 10:30
「雪山で遭難して、偶然見つけた
小屋とかで、人肌で温めあう
シチュエーションって、
萌えるけど危機感もスゴいよね」
「なんでそんなことになったのよ」
「わかんない! 何しろ夢だから、
シーン同士がちゃんと繋がってなくて」
暁が、今朝見たという夢の内容を
宵に語っている。
『なんか楽しい夢見た!』と思って、
起きてすぐ、急いで覚えていることだけ
スマホのメモアプリに打ち込んだらしい。
「遭難だと、二人きり、って言うより、
二人ぼっち、って感じだよね。
不安が押し寄せるっていうか」
「まぁ……命の危機だから、暁みたいに
ときめいてる場合じゃないとは思うけど」
「大正浪漫から始まったのに、最後の方
まさか雪山遭難することになるなんて、
自分の夢ながらびっくりだよ」
「支離滅裂だからこそ、夢らしいけどね」
この世界には私ともう一人の私がいる。
楽しいときも辛いときもいつもそばにいてくれる。
正解を求めてしまう私にもう一人の私は、
もっと自由になって。答えを求めることも
大切だけど自分がしんどいって思ったら
続かなくなっちゃうよ。って教えてくれる。
今日、生きられているから
明日も生きるかもしれない。
残された時間は永遠なんかじゃないけど、
繋がっている。
ついつい、忘れちゃうことがある。
無理したら無理した反動が返ってくるのも
嫌だけど、頑張ってみたいと思ったら
気持ちを尊重したい。
できたって思っても、
一週間たったらできなくなってしまったことなんて
たくさんある。
今は、22時30分には布団に入るって約束したのに
部屋片付いてないし、布団敷いてないのもあって
布団に入れてない。
布団に入るまでの壁を
小さくしないと続かなそうだ。
布団を敷くスペースだけは
何も置かないようにしよう。
今日も気づかせてくれてありがとう。
もう一人の私。
「二人一組になって」という指示を出された時
友達がクラスに居る人間ならば困ることはないだろう。
俺はクラスに友達と呼べる程親しい奴は居ないから
いつも1人だ。
しかし同じクラスにもう1人同じく大して親しい奴が
居ない人間が居る。
お互い、名前と顔くらいしか情報が無いが
毎回1人同士で余るせいで強制的に二人一組に
させられる事数知れず、
いつしかそういった場面におかれた時
無言のまま横に並ぶようになった。
基本事務的やり取りしかしないというのに
クラスの連中は俺とアイツが仲良しだと思っているらしい。
面白い事を言う。
アイツと俺は二人のぼっちが利害の一致で
二人一組になっているだけの関係しかないというのに