『上手くいかなくたっていい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
上手くいかなくたっていい
仕事はそこそここなして、そこそこ生きている。
億万長者になって、とかいろんなことを考える。
長年仕事をしていた。
そんなある日、急に私はしんだ。
心臓病だったらしいが無意識的だったため無理だった。
地獄から、もう一度、一度でいいからあのうまくいってなかった仕事をしてそこそこの生活をしたい。
夜遊びって絵の具セットみたいにあざやか。ヘルメットを浅くかぶって立ち漕ぎしてみると、うなじがすうすうして、そこらじゅうにばかみたいな量のひかりがあふれかえっていることがよく分かる。好奇心のままに辺りを見つめていると、ひかりも息をしているようにみえ、いまなら、体すべてで悪びれても許されるような気がしている。
上手くいかなくたっていい
夜の街に雨が降っている。電話ボックスの窓を水滴が絶え間なく伝っている。僕は震える手で受話器を握りしめている。
「もしもし……俺だけど」
こんな時間にどうしたのよ、と君が言う。話すのは久々だから、こんな状況でもつい頬が緩んでしまう。
「やっと見つけたんだよ。あいつ……」
だから何? どうするつもりなの? と君が言う。きっと心配そうに怒った顔をしている。
「上手くいかなくたっていい。それをやることに意味があるんだ。君のためじゃない。これは俺が、」
お願い待って、と君が言う前に僕は受話器から手を離して外に出た。ポケットにしまったナイフの感触を指でなぞって。今から、僕は、君を弔うために。
——外されたままの受話器からは、雨の音が聞こえる。
上手くいかなくたっていい___
彼と付き合って3年目の記念日、
今年の記念日は少し高いレストランを彼が
予約をしてくれていた。
記念日が近付くにつれ、彼が妙に
ソワソワしていたのに気付いていた私は
心の準備をしていた。
当日、高級感のあるレストランで食事を注文した。
「こんな所来るの初めて、高かったでしょ?」
「う、うん、」
彼はとても緊張していて、会話にあまり
集中できていなかった。
注文した物が運ばれきて、食事をとりはじめる。
「ん、これ美味しいね!」
「う、うん、おいしいね、」
食事をしている最中、彼はずっと無言で
少し焦りが見えていた。
食事をとり終え、帰ろうとしていた時、
彼が勢いよく立ち上がり、
「あ、え、えっと、け、」
結婚してください!!
レストランで食事をとっていた他の人達は
一斉に私達の方を向く。
「全然作戦通りに上手くいかなかった、ごめんね、
こんな僕ですけど、
僕のお嫁さんになってくれますか、?」
私は彼の言葉に続いて涙を流して返事をした。
「はい、笑」
私が彼に返事をした瞬間周りから拍手が聞こえ、
「おめでとう」と祝杯の言葉が聞こえてきた。
「やった、やったぁ、笑」
彼は私に抱きつき涙を流しながら喜んでいた。
帰り道、彼と恋人繋ぎをしながら、
川沿いを歩いた。
「ごめん、ちょっとダサかったかも笑」
「貴方らしくて、私は逆に安心したよ笑」
上手くいかなくたっていい、
貴方が私と生涯を共にしたいと思ってくれていた事が
何よりも私は嬉しいの
そんな言葉をかけようとしたけど、
私はその言葉を口にする事をやめた。
彼が照れくさそうに笑う姿を見て、
私はこの人に出会えてよかった。
そう改めて実感をした。
適当すぎた
上手くいかなくたっていい
張り詰めた自我はある時ぷつりと切れてしまった。
満点に近くて、でも完璧には物足りない解答用紙。平均よりは上だけど、秀でているとは言い難い体力測定の結果。可も不可もなく、そこそこに培われた社会性。主張するほどの自我はなく、周囲を伺いより心象の良い方へ傾く毎日。
嫌われたくなくて、人よりも優れていたくて、誰からも見下されたくなくて。そうして歩んできた僕の人生は、傍から見ればそこそこのものだろう。金にも生活にも困らない、友人にも恵まれた、人並み以上の幸せ。けれども、いつもどうしようもない虚しさがまとわりついて仕方なかった。
頑張らなくてもいいよ。
言葉を額面通りに受け取っていた頃は、その言葉に救われる思いだった。人の在り方を、努力を、認めるような響きの言葉は許しの形をしていた。ありのままでいていいと、自分そのものを受け入れてくれるように錯覚させた。
何度目かの優しさに似たその言葉を吐かれた時に、僕はその目を見てしまった。言葉にしなくても目は雄弁に語るのだ、僕にこれっぽっちも興味が無いことを。その目には僕なんて映ってなんかいなかった。僕を映さない目は、僕よりも劣っているはずの彼奴だけを見つめていた。
悔しさとかやるせなさとか、そんな思いも悪戯に惨めな思いになるだけで見返してやろうだとか、そんな気持ちもすっかり萎んでしまった。
生まれ持った才能には勝てないのだ。世の中、どうにもならないことがある。
それに気付いて、いや、最初から気付いてはいたのだ。ただ、目を逸らしてきた事実を目を背けられないほど眼前に突きつけられてしまって。ちっぽけな見栄の為に保っていた意地は、小さな亀裂からいとも簡単に瓦解した。
上手くいかなくたっていいよ。そんな言葉を聞く度に、呪いのように声が聞こえる。
あなたに期待なんかしてないから。
ーーーー
認められたい人に認められないなら、何もかも無意味に感じるのです。僕は、あなたに認められればよかったのに。
【上手くいかなくたっていい】
思えば昔から、人の顔色ばかりうかがって生きてきた。だから、人の好かれるような言動ばかりしていた。
それは今から思い返せば、の話で、昔は無意識でやっていた。今だってそうだ。クラスの人達、先生の前で、私はきっと無意識に猫をかぶっている。
無意識に人がほしい返事を考えて、無意識に声色を変えて、無意識に媚びを売ったような動作をする。意識してやっていたのは好きな人の前くらいだろうか。
小学生の頃だったか、友人達に私のイメージカラーを聞くと、それぞれまるで違った色を答えたことがある。
「青じゃない?」「いや黄色だよ」「ピンクだと思うけどな」なんて言われて、心の中で薄ら笑っていた。人によって態度を変えている証拠だと、思った。
本当は、汚い灰色じゃなかろうか。
私がこうなったのは、多分幼稚園に入った頃くらい。妹が生まれて、母親がよく怒るようになった。怒り方があんまりよくない親だった。さっきまで笑っていたかと思えば急に怒りだし、私がなにか気に入らない発言でもすれば、容赦なく拳が降ってきた。
それと、人の失敗を見てよく笑う親だった。よく笑ったし、怒りもした。まだ幼稚園生なのに、分数なんかやらせて、間違えたら机を力任せに叩いて脅した。
だから、失敗した姿を見られるのは、私にとってこの世の何よりも屈辱で、嫌なこと。
恥ずかしいことだと思っていた。人の前で失敗することが。弱い部分を見せることが。
自分の失敗を人に言えない子供になった。
例えばトイレに行きたくなったとき。「なんでさっきの休み時間にトイレに行かなかったの?」と聞かれるのが怖くて、トイレに行けない子供だった。
例えば図工の時間に間違えた色を塗ったとき。それだけで顔が真っ赤になるほど恥ずかしくて、手で覆って誤魔化したりした。
小学校の高学年になれば、失敗を笑うことで少し恥ずかしくなくなることが分かった。
体育の跳び箱で失敗したとき。算数のテストで悪い点数をとったとき。習字で先生に修正されたとき。
いつも笑って、周りにその失敗を見せていた。失敗を見せることは辛くて、恥ずかしくて、その度に死にたくなったけど、それでも他人に見つかるよりは、自分から言った方が幾分かマシだった。
それを注意された時は、本当にびっくりした。
悪いことだと思ってなかったから。むしろ良いことだと思っていた。そこら辺の感覚が、鈍っているのかもしれない。思い返せば、八方美人の意味を知った時も、ずっと良い意味だと捉えていた。本当は悪い意味なのに。
とにかく、そんな先生の一言が、私にはけっこう衝撃だった。先生は多分覚えてないけど。
それからは努力した。失敗しても笑わないように。
その頃からは、委員長なんかして、前に出ることも始めた。それはしょうに合っていたようで、何かをまとめることや発表することは楽しかった。
まだ人の目を気にする子供ではあったけど、それでも殻を破るような気持ちで、大声を出して発表もした。
今の私が完璧になったかといえば、全然そんなことはない。
まだ人の目は気になるし、失敗することはこの世の何よりも怖いし、きっと八方美人のままだ。
誰に話しかけられても愛想笑いしてしまうし、自分のイメージを下げるような真似はしたくない。その癖に結構顔に出る。
劣等感の塊だし、人を攻撃することに罪悪感があまりないし、嫌いな人も多い。
けど、それでも。
「上手くいかなくてもいい」と思えるようになった。
人に弱みを見せられるようになった。
人に甘えられるようになった。
苦手な人から遠ざかれるようになった。
失敗した自分も受け入れられるようになった。
自分の努力は認められるようになった。
自分を肯定できるようになった。
自分を少しだけ、信じられるようになった。
それだけでも、今の所はけっこう楽しい。
上手くていいとか、下手でもいいとかじゃない。
勝手に基準を作ってるだけ。
上手いも下手もないから。
出来るだけ世界を、上下を付けない目で見ていたい、
私は日々「上手くいかなくてもいっかー」と思いながら生活しています
たった1つ失敗したってそんな簡単に人生変わらないし!
やめない限りもう一度挑戦できる
それに、上手くいかなかったと言えるのは挑戦した人にしか言えない言葉
上手くいかなくたっていい
いきなり上手くはいかないよ
そもそも最初に上手いはない
繰り返し更新していった、その結果
それでもまだまだ
上手くなれるかもしれない
途上であって
いままでよりである
手応えは最初からは掴めない
これまでがあるから掴めるもの
にしても
上手くいかなくたっていい
これからがあることに限るよね
失敗しても次がないことはほとんどない
たとえ次がなくても
改善していくうちに再評価はされるから
他のことで取り返しはつく
それまでしかないなら
次の為にこれから改善したらいい
生きてる限り続きがある
死んだらどうなのかはわからない
上手くいくに越した事はないんだけど
刑務所のマーボードーフBセット
ごくらく、に春とは地獄へ駆りたてる櫂
お題『上手くいかなくたっていい』
『いいですか、主様。上手くいかなくたっていいんです。もちろん上手くいった方がいいかとは思いますが、一番大事なのは楽しめるかどうかではありませんか』
貴族に招かれたパーティーで上手くワルツを踊れなかった主様に俺が言った言葉だ。
それは主様が11歳だったときのこと。履き慣れないヒールで思いっきり俺の足を踏んでしまい、下手くそなパートナーでごめんなさいと謝られたときに咄嗟に口から出てきた。
俺の言葉を聞き、涙目を手の甲で拭いながらこくんと頷いた主様に俺はお願いした。
「もう一度、俺と踊っていただけませんか?」
あれから二年後。
「うう、俺はなんてダメな執事なんだ……」
今日も失敗をしてしまった。主様と出かけた際に起こったトラブルに気が回らなかったのだ。そういうわけで今は書庫でひとり反省会をしているところだ。
「わっ!!」
「うわっ!?」
突然背後で大声を上げられ、俺は椅子から転げ落ちるところだった。振り向けば主様がいて、ニシシと笑っている。
「フェネス、昼間に私が街で転んで膝を擦りむいたことで落ち込んでるでしょ?」
「……本当にすみませんでした……」
俺が項垂れればそのまま両手で頬をベチッと挟まれた。
「確かに膝は痛いけど、それよりもフェネスが凹んでいる方が私の胸は痛い。それにフェネス、私に言った事があるでしょ? 大事なのは結果より過程だって。私はフェネスとふたりで久しぶりに街までお出かけできて嬉しかった。だからフェネスもそれを楽しんでくれてたらもっと嬉しい」
ああ、優しくお育ちになられたなぁ。
そのことも日記に書き留めておくことにしよう。
今日が上手くいかなくたっていい。
明日はきっと上手くいくから。
ありきたりな言葉かもしれない。
だけど、この言葉で救われた人がどれほどいることか。
〜上手くいかなくたっていい〜
上手くいかなくたっていいんだよ
そんなところも含めて君が好きだから。
上手くいかなくたっていい
間違いも自分の1部だと
胸を張って言える人間になりたい。
夏。
長年勤めていたゲーム会社を辞め、十数年ぶりに実家へ帰省した。
いや、辞めた、というよりは
辞めさせられた、の方が的確だろう。
ただ、リストラに遭ってしまっただけだから。
そんな私を、祖母は暖かい手で優しく包んでくれた。
私は、祖母の八百屋を継ぐ事になった。
生きるのは決して楽じゃないけど
澄んだ空を見る度に思う。
「上手くいかなくたっていい」
-上手くいかなくたっていい-
目標を持って目指す心構え
それが思い通りにいかなくたって少しずつ進めばいい
進むことが出来ないなら足を止めて休めばいい
進めるときに進めばいい
ただ努力をしていることを忘れないでほしいだけ
上手く出来なくても完璧は難しいから
出来なくても、少しずつ、少しずつ直していけばいい
上手くいかなくたって、それが成果の粒となるから
上手くいかなくたっていい
お題をなぞってタップしてみたけど、
今の私には染みるお題だった。
現に今、上手くいっていない真っ只中なので…。
すごく優しいお題をありがとうございます。
上手くいかないって辛いよね。
一生懸命やってる時ほど
上手くいかなかった時のダメージは大きい。
自分を全否定したくなるし、自信喪失もする。
でも上手くいかなくたっていいの?
そうなんだ、じゃあまあいっか。
お腹すいたしなんかドーナツでも食べよっかな
みたいな感じ、いやされるよね。
上手くいかなくたっていい
上手くいかなくたっていいよね
だってもうお母さんいないから
上手くいかなくたっていいよ
だって友達に見せなくていいから
上手くいかないよ
どうせもう年だから
上手くいかない
うちの旦那じゃ
上手くいく?
あの頃の私なら
上手く…
星に願いを
あきかぜ
神様に気に入られた人は早く死んでしまう。あの人はもうこの世のどこにもいない。あの人は神様に気に入られたから、連れて行かれてしまったんだ。そう思わないと、あの人のいない世界で生きていくことはできなかった。後を追うことも考えた。だけど私は、神様に嫌われているらしい。三回も追い返された。残された選択肢は一つ。生きていくしかない。
そういえば、あの人の遺書に「上手くいかなくたっていい」と書いてあった。つまりあれは、「上手く死ねなくても、また死ねばいい」という意味だと思っていたが、違ったようだ。何回も死に損なっていれば嫌でも分かる。死ぬのは苦しい。その後、無理に優しくされるのも、怒られるのも辛い。私は神様にもあの人にも愛されていなかった。
あの人は私に暴力を振るうことに生きがいを感じていた。そんなあの人を愛せるのは私だけだと思っていた。だから、あの世で神様に愛想を尽かされ、私を待っている。そう思っていたのに、ふと気付いた。私ばかり辛い想いをしている。許せない。なんで、私ばかり罵倒を浴びせられ、殴られ、蹴られ、腫れ物のように扱われ、三回も死に損なう。その瞬間、あの人のことは好きじゃなくなった。嫌いになった。大嫌い。好きな人を死なすなんて考えられない。だから、間違って私が解釈したんだ。あの人は暴力は愛だと言った。あの解釈は間違っていないといけない。
それにしても、あの人も自殺するなら心中してくれれば喜んで着いて行ったのに。
…じゃあ、だとしたら、「上手くいかなくたっていい」というのは、どういうことなのだろう。分からない。今も考え続けている。
『上手くいかなくたっていい』