『七夕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「七夕」
七夕の夜に願いをひとつ
今宵、戦場にいる、あなたの
愛しい人が無事でありますように
七夕の夜に願いをひとつ
食べるものがなくて
飢えている人がいませんように
七夕の夜に願いをひとつ
世界のどこかで誰かが誰かを
殺すことがないように
七夕の夜だけで良いです
彦星さま織姫さま
どうか願いを叶えてください
そっと、扉を叩く音がする。
そこから顔を覗かせた、一年ぶりの愛しい人ーー彦星ーーに駆け寄り、私たちは抱きしめあった。
「変わりはないか?」
そう尋ねてくれる優しい声に、うなずく。
彦星は、私に一つの贈り物を持って来てくれていた。
包みを開けてみると、丸い小さな鏡が出てきた。無数の光がちりばめられて、手のひらの中で輝きを放っている。
「綺麗…」
「星の欠片を集めて、磨いて作ったんだ」
と、彦星は自分の懐からも同じものを出した。
「これで、離れていても、お互いの顔を映し出すことができる」
声は届けることができないんだが、と残念そうに言うけれど、私は、その気持ちがうれしかった。
「牛追いの仕事の傍ら、これを作るのは大変だったでしょう」
しかも、私の父である天帝の見張りの目が、光っている中で。
「いや、会えないことに比べたら、そんなことはない」
彦星は、星の鏡を持つ私の両手を、しっかりと握った。
「もう少しの辛抱だよ」
「ええ、私の方も、もうすぐ伝え終わるわ」
数年前に、こうして会った時、私は彦星に心の内を漏らした。ーーやはり、一年に一度しか会えないのはおかしい。遥か昔、私たちが共に暮らしていた時、仕事に身が入らない落ち度はたしかにあった。けれども、もう今はそんなことはないのに、と。
いくら天帝であっても、こんなやり方は横暴だと訴える私の話を聞いていた彦星が言ったのだ。一つ方法がある、と。
それは、私たちの仕事を周りに伝え、分けること、だった。私の機織りの術を、共に暮らす側女たちに。彦星の牛の扱い方を、周囲の童たちに。
二人が少し持ち場を離れても、天界の動きが決して止まらないように。
「年数はかかるが、これなら会う時間を作れるようになる。きっと天帝もお許しくださるよ」
私たちは目を見交わして、その日が来ることを心から願った。
『星の鏡』
(七夕)
祈りを
遠くに鮮やかなオレンジに近い赤色がみえる。私は髪をゆってお釜でご飯を炊いていた。闇市でこしらえたものだ。
「お母ちゃん、お腹すいた」
育ち盛りの育之介が言う。こんな状況でももちろん減るものは減る。今日は七夕だからちょっと奮発。
嘘だ。本当は今日はあの人の誕生日だったのだ。この醜い争いに命を焼かれてしまったあの人。帽子を振って私に笑いかけ、空に舞っていったあの人。あなたにもう一度。
【七夕】
七夕
一年に一度、会うことができる日。会わない時間が、愛を育むのよ、と母は言った。
ああ、たしかに愛は育まれていたみたい。ただ、母と父の間に、ではなかったけれど。
他へと目移りし、別の人の元へと父は行ってしまったけれど、母は毎年必ず川のほとりへと行く。
その大きな川にかけられた橋を渡ることなく、ただただその対岸で待っているのだ。
愛が、もう一度そこへとやってくることを。
「年にたった1日だけ、それも天の川を挟んでしか逢えないなんて、なんだか寂しい」
私がそう言うと、貴方は穏やかに言う。
「その1日のために残りの364日を一生懸命生きるのも、僕は素敵だと思うけどな」
私はまだ食い下がる。
「でも、その1日も触れ合ったりは出来ないんだよ。やっぱり寂しいよ」
貴方は少し沈黙した後、静かに言う。
「たとえ触れることが叶わなくても、顔を見られるなら僕はそれで満足だ。大好きな人が同じ空の下に生きてる。それを実感できるだけでも、十分に幸せだよ」
「欲がないんだね」と私が言うと、貴方は笑って言う。
「だって、大好きな人が同じ空の下に生きてること自体、それだけで奇跡だと僕は思うよ」
二度と会えない人の話をするとき、人はこんなに悲しい顔をするんだと私ははじめて知った。
貴方と別れた後、私は商店街の片隅に置かれた笹飾りに短冊を結びつけた。
「いずれ、貴方が星空の元へ還ったときには、貴方の大切な人と再会できますように」
織姫と彦星。
たった1日だけの対面だけども、どうか今年も会えたことを喜んでいてほしいな。
中学生になってからというものの、
毎日の時間が一瞬にして消え去っていく
何とも言えない気持ちに襲われることがある。
わたしってまだ子供だよね?
知らないうちに大人になってないよね?
変な疑いを自分に向けるわたし。
わたしに聞いても分からない。
今年のお願い事決まったよ
#七夕のお願い事
地元の星まつりには何だかんだと行ってしまう。
夏の夜空を覆い尽くす、くす玉や吹き流し、さらさら揺れる笹の葉には、いろとりどりの短冊と願い。
明るい夜に、星はすっかりみえない。
でも、織姫と彦星はどうせ雲の上で会っている。
お祭りの味がするぶた玉をちまちまと食べながら
7日の夕方だから「七夕」なのかと、今まで考えもしなかった由来が気になりだす。
金銀の砂のように散らばる天の川をいつかみてみたいものだけれど。
You In The Day Of Tanabata
In the day, I was surrounded by lots of people, which was like that their existence became more valuable than your existence.
My feeling for you is special.
Probably, there is a person who knows many things about you.
When I think about the person, I’ll envy him and go mad, so I never think about him.
I just wanna live near you for an year left.
In the end of that day, I received happiness from her because I could see her cute smile.
I wanna live so important because my current life will be toward the end.
I wanna be taught about you a lot until I say “It’s enough”.
I wish stars fulfilled my hope.
きょう、この川を渡ったら君に逢えるかな?
ずっとずっと逢いたかったんだ
僕の願いが叶う時、
みんなの願いも叶うといいな
【七夕】
スーパーで見つけた大きな笹に色とりどりの短冊。
「将来〇〇になりたい」とかそういうのばかり。
小さい頃はこんな楽しかったな。
大人になってやらなくなったけど。
…でもいまもし願うなら何を書くんだろうか。
「なにしてんの?」
ふと後ろから聞き覚えのある声がした。振り向くと、私の大好きな人。
「七夕?なんか願い書いたの?」
「まだだけど、」
そんな会話をしながら、彼は短冊へと手を伸ばす。
「なんかこういうのドキドキするよな。一緒に書こうぜ。何色がいい?」
私は赤色の短冊を手にした。迷った末、
『大好きな人に想いが届きますように』と書いた。
そして彼に見られないように、そっと笹の葉に吊るした。
「できた。…ってもう書いたの?俺も飾ろうかな」
彼が青い短冊を吊るした。そして満足そうに笑った。
「よしっ。…なんて書いたの?」
「言わないよ。なんか言わないほうが叶いそうじゃない?」
「そういうもんなの?まあいいけど。…俺の願いごと気になる?」
彼は飾った短冊を掴み、見せるようにこちらへ願いごとを向けた。
『いま隣にいる君と来年も再来年も隣にいられますように』
「この願いごと、叶えてくれませんか?」
「…私でいいの?」
「うん。君じゃなきゃイヤだ。」
「…私で良ければ喜んで。」
私の願いごとが叶った瞬間だった。
年に1度だけじゃなく、これからずっと側にいられますように。
七夕に
願い事
織姫と彦星
縁側
ビール
枝豆
願い事
休み欲しい
七夕、至る所に竹と短冊が飾られている。そんなことだけで願いが叶うというのだろうか。
私には信仰心というものがないからそれは未だに分からない。でも、今年は書いてみようか。
と思ってそこに寄ってみる。するとみんな
彼女欲しいだとか健康でいたいだとか。そういう私利私欲や人体のことを気遣っているということが分かった
成程。そういうのを書けばいいのかそこにおいてあった短冊の人気に無い色なのだろうか。
灰色の短冊を手に取りネームペンを左に持ちサラサラっと願いを綴る
内容は
「離れ離れになっている大好きな人に会えますように」
だった。あと5年ほどで会えると思っているがその5年を少しでも短くしたいのだろうか。私はそう書いてはこの中に入れてその場から去る。
叶ったとして、それは私の理想の中だけの話なのだから。
七夕の夜に叶わない願い事をしてみる。
彼が靴屋さんで靴を吟味する様子をずっと見ていたい...
願い事が最近欲張りになっていく..もっと欲出しちゃうと、
声聴きたい。某SNSでの声じゃなく地声の方。あの声聴いてるととても落ち着くから。
後、セットされてない癖毛に触ってみたい。もふもふしてみたいかな。
いつもより乙女モード加速してて私の頭が大分狂ってる自覚あり。
彦星と織姫様、今日も彼が好き過ぎて今いっぱいいっぱいで余裕ないです泣
願い事
叶えたい事
夢見ている事
少しぐらい
星に願ったって良いよね?
----------------------------------------願い事
縁起
なかなか会えない
でも今日なら
出会える気がする
スリーセブンも溢れてるし
※ 七夕
ウチの若い子が
離れて暮らす奥さんと
今日この日に会うんだと
嬉しそうにしていたんです
あ、そうか七夕か
その若い子は
遠い異国の地からやってきた
真面目なお父さん
早く家族で暮らせる日が
やってくると良いね
おばちゃんも
願っているよ!
「七夕だねぇ」
「本当や。なんか書いたん?短冊」
「画力画力画力~画力が欲しいのです♪(さかなさかなさかな~さかなを食べると~の替え歌)」
「毎年それやんけ」
「そう言うお前はまたこんなしょーもないこと書いちゃってまあ」
「しょうもなくない!真面目に!本気で!君とお付き合いしたい!」
「書いてあるのは同性婚ありになれー!だけど?」
「将来的には結婚したいなと思って。」
「フラれてしまえ!」
七夕の今日、友達とした会話です。同性婚ありになれー!!!!!!!
七夕
私が子供の頃は、8月7日が七夕だった…時季になると、近所のお店では、七夕セットや笹、折り紙や千代紙が沢山並んでいた…短冊も沢山書いた記憶が…風に揺れる七夕飾りは、綺麗でちょっと気恥ずかしい様なそんな感じが…今でも七夕飾りを見かけると、あの頃の記憶が蘇る…そして、その片隅で手を繋ぐ私とあの人の姿…
「雨でよかったねぇ」
雨がしとりと街全体を濡らすのを見つめながらそう呟いた妹に思わずコントローラーを握る手が止まる。昨日までは晴れないと天の川が見えないと天気予報に文句を言っていたというのに、一体どうしたというのか。
「雲の上は晴れてるんでしょ?」
「まあ」
「ならやっぱり雨でよかったね」
窓に当たって流れ落ちていく雨粒を指先で辿りながら、雲で隠れてないとイチャイチャできないもんね、とおませな妹はくすくすと笑った。
/七夕
一年に一度。
川を越えて会えるのに
毎年のように雨が降る。
そうこうしてるうちに
どんどん霞む織姫の星。
会えないけど愛し合う
川の向こう側の人。
願いをかける短冊は
風に乗って空を舞う。
今年は晴れて良かったね。
今宵も二人が
愛し合っていますように。
–七夕–