祈りを遠くに鮮やかなオレンジに近い赤色がみえる。私は髪をゆってお釜でご飯を炊いていた。闇市でこしらえたものだ。「お母ちゃん、お腹すいた」育ち盛りの育之介が言う。こんな状況でももちろん減るものは減る。今日は七夕だからちょっと奮発。嘘だ。本当は今日はあの人の誕生日だったのだ。この醜い争いに命を焼かれてしまったあの人。帽子を振って私に笑いかけ、空に舞っていったあの人。あなたにもう一度。【七夕】
7/7/2023, 3:17:09 PM