七夕一年に一度、会うことができる日。会わない時間が、愛を育むのよ、と母は言った。ああ、たしかに愛は育まれていたみたい。ただ、母と父の間に、ではなかったけれど。他へと目移りし、別の人の元へと父は行ってしまったけれど、母は毎年必ず川のほとりへと行く。その大きな川にかけられた橋を渡ることなく、ただただその対岸で待っているのだ。愛が、もう一度そこへとやってくることを。
7/7/2023, 3:06:21 PM