『ルール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この村のどこかにあるという財宝を求めて
私は一人はるばるやってきた
「村の外れの森にある洞窟には絶対に入ってはいけない」
数日滞在する旨を伝えると
村の長にそう忠告された
複雑な迷路になっていて出て来られなくなるだとか
さらには恐ろしい怪物が潜んでいるだとか
いかにも胡散臭いことを言っていた
活気がまるでなく風が吹けば飛んでいきそうな村だ
洞窟について村民へ情報を伺う
噂によると
道を間違えなければ帰って来られるそうだが定かではなく
そもそも怪物を恐れて誰も立ち寄らないらしい
私は道具屋でロープを買い占めた
崩れ落ちそうな店でロープもボロボロだったが問題は無い
すぐに自前のランプを持って洞窟へ向かった
買ったロープを繋ぎ合わせて近くの木に結び
もう片端を体に結んだ
聞いたとおり洞窟の中は複雑に入り組んでいて
ロープがなければ脱出は困難だろう
柔らかい土の感触を得ながらいくつもの分かれ道を進み
しばらくして行き止まりにたどり着いた
地面に散らばっているものを照らした瞬間
頭に強い衝撃を受けて私は倒れた
この村に来たことを後悔した
ここには怪物しかいない
意識が遠のき
おびただしい数の骸の中で私は眠りについた
~ルール~
ルール
守らなければ
いけないとは思っていても
抜け道を探したくなる
決められたことを
どう捉えるかは自分次第
すごく外れることはしないけど
ちょっと位は外れたい
そんな風に思ってしまう
付き合ってる中で絶対必要なものなのかな、、
#ルール
題 ルール
本が読めなくなりました。
嘘だとお思いになるでしょう、そんな馬鹿なことあるはずないと思うでしょう。でも本当なんです。
高校二年生になった時分、私は突然、本が読めなくなりました。目を失った訳でも、偶然、両目が同時に麦粒腫(モノモライ)になったわけでもありません。
⋯⋯ いえ、日本語は理解出来るのです、例えば、「平成」と書かれていれば、それは年号だと分かるのです。しかし、「平成26年10月7日、太郎は東の山へと向かった。古より残されしモノノケを倒し、世界に平和を取り戻すためである」と書かれると、途端に理解できなくなるのです。つまりは脳がバカになっていました。
それというのも神経衰弱によるものです。新たなクラスとなって、私は、新たな友人たちを信用出来なかったのです。仕方の無いことでした。けれど私には、それが、冤罪にもかかわらず与えられた、天からの罰のように思えたのです。
ご飯が食べられなくなりました。
人間不信は、私の望とはウラハラに、深い所まで来
ていたのです。しかし世間というものは、世間の敵を嫌います。私は一所懸命、敵ではないと、笑って、笑って、笑っていました(それが世間のルールだからです)。初夏に差し掛かったのをいいことに、お弁当を食べられないのを、「夏バテのせいよ」と、友人(本当に?)に笑っていました。
おそらく信頼していた家族にも、惨めな私を知られたくなくて、寂しさを隠していました。学校以外の時間は、ほとんどを涙とともに過ごしました。イジメられた訳でも、暴力に会った訳でも、何も無いのに、寂しくて、部屋で独り泣いていました。
しかし母というものは存外偉大でして、私の秘密などアッサリ見抜くのです。夏バテという言い訳は、母には通用しませんでした。ご飯を食べられない以外にも、私の異常を何かしら感じ取っていたのでしょう。
それでも私は、意地を張って話そうとしませんでした(恥ずかしい話ですが、私は、自分でナントカしなければと思い込んでいたのです、そんなはずは無いのに)。しかし母は、無理やりにでも私に口を割らせるようでした。何度も問いただされる内に、私はついに、涙とか嗚咽とかとともに、苦しみを吐き出したのです。
母は、学校を休んでもいい、と言ってくれました。けれど私には、母の本心を見抜けないはずがなく、それも少しだけ相まって、「1度休んだら、きっと元には戻れないから」と、今まで通り、学校に行くことにしました。私はそういう、変にプライドが高くて、真面目で、面倒臭いニンゲンなのです。
結局のところ、母に話したところで、現状は何も変わりませんでした。学校ではいつも、他人を信じられず、毎日毎日、友人(本当ではない)と過ごさなければならない休み時間が億劫で、早く終われと願っていました。そういう状況が、卒業まで続きました。
しかし、もしあの時、母が気づいてくれなかったら、私はおそらく、世間の言うところの、社会的脱落者となっていたのでしょう。今思えば、世間で生きることを諦めなくて良かったと思えるのです。
卒業してから半年以上経って、私はようやく、やっと、200ページの新書を読み切るまでになりました。読み終わると同時に、涙が出ました。
私は、本が読めるようになりました。
これは、私の経験をほとんどそのまま書いたものです。
本が読めなくなる、ご飯が食べられなくなる。日常の当たり前が、少しずつ欠けていって、やがて何もできなくなる。そして、友人も家族もいるのに、私はひとりぼっちなのだと盛大な勘違いをする。そんな勘違いをしたまま、自分が自分を深いところまで沈めていくんです。
歯磨きが出来ない人、お風呂に入れない人、電車に乗れない人。
どうか、世間が当たり前と決めつけていることをできない人がいたとしても、笑わないであげてください。
ルール
ハンディという言葉がある。おそらく英語だと思うが、制裁と関係がある言葉だ。生まれながらハンディを背負う人がいる。気の毒だと思う。障害を持って生まれるわけだ。小学生の頃は運動会で障害物競争をした。障害をもった子供たちのクラスもあった。身近に障害者と一緒に暮らしていた。しかし、高校受験で選抜され障害者とは距離を置くようになった。急に大人になったようで得意になった。しかし、その後に経済的な障害があることを知った。身体障害、知的障害、精神障害、経済障害。人生にはいろいろな障害がある。社会も障害者に理解を示すようになって来ている。
【ルール】
我が家には、夕食に関するルールがある。名付けて「食べる人作る人洗う人」方式。要するに、家族内の分業制である。ただし、父と我が相方の2人は常に「食べる人」。私と母の2人が交互に調理と片付けを担当することになっている。
少し前までは、私が夕方まで仕事で出ている日は母が調理担当、それ以外の日は私が作るということにしていた。片付けの担当は決めずに「気が向いた人がやる」ということにしていた。が、なかなか2人とも気が向かず(そりゃそうですよね)、翌朝痺れを切らした母が朝食の準備とともに片付けを済ませてくれていた(ごめんね母ちゃん)。
これでは何とも不公平で、母のご機嫌も大層よろしくないので最近このルールが一部改訂された。私が仕事が休みの2日間は「母が調理で私が片付け」、それ以外の5日間は「私が調理で母が片付け」。これで今のところはなかなか上手くいっている。
ちなみに、今日は私がオムライスと春雨スープを作り、食後すぐに母が片付けてそれぞれの任務は完了さした。明日は担当が逆転する。家族みんなで美味しいものを美味しく食べるために、ルールを守って楽しい食卓にしたいものだ。
あ、たまに父や相方が作る「めっちゃ手の込んだカレー」はすごぉ〜く食べたいなぁ。もっとも、台所もめっちゃ手の込んだ散らかり方するんだけど…
ルールに従って誠実に生きること。
ルールってなに?
難しいんだわルールって。
ルールがあってそれを無視して悪事をしても
同情とか共感される理由があれば
ルールなんて関係なくなっちゃうもん。
ルールなんてあくまで仮定で
結局は全部人による。
自分が過去に身内を亡くしていたら
「早くに身内を亡くした」という言葉を聞くだけで
過去を思い出し、涙が溢れる。
そうすると感情的になっちゃうでしょ?
ルールなんかよりもっと厳しくて、恐いのは
『人の感情』だよね。
ルールなんって
なくなって仕舞えばいいのに
そう思った
なんの鎖もなくただただ
自由に生きたかった
家のルール
そんなの要らないのに
なんで要らないのをわざわざ付けるの?
これがあるから、それがあるから
僕は自由に羽ばたけないし、どこにも行けない
本当、家族なんて嫌いだ。
だって、血のつながりのあるただの他人に
なんで僕は、そんやつに縛られなきゃいけないのさ
本当、嫌いだ、ルールなんて大っ嫌いだ
ルール
僕と貴方の、きまりごと
もう縛られることはないはずなのに
あの時よりも
貴方のことを気にしてる
君との未来が約束されるなら
どんなルールもぶち壊してやる
どんな世界にも、どんなことにも、決まり事はあるよね~。
それを無視したり、平気で破ったりしたらどうなるか、なんて、きっと誰もが知ってることで。
ーーーでも、ボクには関係ないんだよねぇ。
決まり事は、実は穴だらけって知ってる?
だからこうなったんだし、こうなることも想定できたはずなんだよね~。
それができなかった時点で、ボクはその”ルール”から外れてるって訳。
……間違ってはいないよ?
だって、ボクには過去と今しかないんだから、ねぇ?
ルール
[ルール]
気怠げな空気の中で、貴女は緩慢な動きで俺の手に触れる。
「どうかした?」
「……違うなぁ、って思ったの」
「違うって、何が?」
「あの人の手と、君の手は違うなぁ、って」
「どう、違うの…?」
「君の手は私を愛してくれる、やさしい手。大好き」
貴女と目が合い、どちらともなく唇を重ね合わせる。
ただ唇を重ね合わせるだけの子供騙しの口付けが、さっきまでの行為よりも気持ちが良くて、ずっとこうしていられたらいいのに。
「俺も貴女の手が好きだよ」
この指先で求めている人が俺じゃないとしても、貴女が俺を捨てたとしても貴女を愛し続ける。想い続ける。
隣に居られなくても、触れられなくても、俺は貴女が好きだよ。きっと二度と貴女以上に愛せる人と出会えない。
(だから、どうか……)
彼女に俺の想いが悟られませんように。
そして、どうか。
どうか、俺への罪悪感を貴女が抱きませんように。
『ルールを決めようよ』
『そう、私達の中の唯一で、絶対的なルール』
『何かって?』
『別れる時は、必ず私を憎むこと』
「分からないことや聞きたいことがあったら手を挙げて質問してください。」
「はーい!せんせー結婚してるのー?」
「そういったことはあまり聞いてはいけませんよー。まだ結婚はしてません。」
ねえ先生。
いまここで手を挙げて、わたしのこと好き?って聞いたら、先生は教えてくれるの?
#ルール
赤く光る信号を見つめる。
右を見ても、左を見ても、車の影はない。もう渡ってもいいのでは、という誘惑をふりはらって、ただじりじりと、にらめっこを続ける。
信号が赤から緑に切り替わった。
思いっきり足を伸ばして、白線を選んで渡っていく。だって、海に落ちてサメに食べられちゃうからね。
ルール
校則だとか法律だとか家の言いつけだとかルールなんて数多あるけどそれに文句言えてるくらいが楽で幸せだって気づいた方がいい。縛りがあるから自由がある。
(わりと極論だけど生なきゃいけないから人生っていう自由が許されてる、みたいなね。)
古臭いけど私は本家の長男の第一子なので一家の跡取りとして家業を継ぐことが決まってた。本来は。だけど親が親族と縁を切ってるおかげで幸か不幸かそれは無くなった。
だから私は行きたい大学に行ってやりたいことをやれる。だけどやりたいことを探すには世界が広すぎて、私が未熟すぎていま険しい山を登ってる。
だったら不満を垂らして友だちを羨みながら家業を継いだ方が安泰だったのかもな、なんて思う。
自己中心的で贅沢すぎる考えだけどね。
愛してはいけないものを愛した時、人の真価が問われる。
そんな言葉を信じるのだとすれば、きっと私は愚か者だろう。
アンドロイドを愛してはいけない。そんなことは子どもだって知っている。彼、彼女らは見目麗しく、聡明だ。その頭脳には、どうすれば人が喜ぶのかというパターンが、幾万も組み込まれている。そして感情がないからこそ、その規則に従って振る舞うことができる。だから人がアンドロイドに惹かれるのは当然なのだ、と。
わかっている。そんなことはわかっている。だが目の前にいるこの年老いたアンドロイドに、私は手を差し出さずにはいられなかった。
見目麗しくもなく、返答も遅く、頼りない足取りで歩くこのアンドロイドが、祖母のように思えてならなかった。
何のためにそう作られたのかわからぬこのアンドロイドを、私は愛しているのだ。
そのつぶらな瞳が私を捉え、名を呼ぶ。たったそれだけのことで、目頭が熱くなる。亡き祖母とは似ても似つかぬこの機械に、何故思いを重ねてしまうのか。
わからない。わかるのは、私が愚かであることだけだ。
私はきっといつかこのアンドロイドを所持することになるだろう。そうして周囲から笑われながら、幸せ者となる。その確信だけが、この胸にはあった。
ルールは、守るように定められたもの。
マナーは、決まりではないけれど、
他人に嫌な思いをさせないように定められたもの。
小さな子供にとっては、
ルールとマナーの違いが、難しい。
もはや、何を守ればいいのか。
他人が嫌なことは、どんなことなのか。
自由にしていては、なぜいけないのか。
#ルール
ルール
ルールはなんのためにある?皆が安全に遊ぶため?誰しもが平等に生きるため?普通の人間をつくるため?
ルールが人を守ってくれるのならどうして僕を守ってくれないの。こんなに苦しんでいるのにルールは適用されないの。人生のルールには弱いものを殴って蹴っていじめては行けないというルールがあるはずでしょう。どうして僕は無視されるの。どうして平等に生きさせてくれないの。僕が何をしたっていうの。
○月○日
とある学校のとある教室。いつもは整っている机の列が大いに乱れ、ホコリのように生徒が教室の隅で彼らを見ている。彼らとは、被害者と加害者。いや、加害者だったものと、被害者じゃなくなった者と言ったほうがいいだろうか。椅子の四肢の一つからは赤い液体が床へ落ちていく。それを持つ生徒の目は冷ややかだった。彼が目を向けるのは頭から血を流した男子生徒の一人だ。いじめの主犯だった彼はうめき声をあげることしかできないようだ。
大きな足音が教室へ近づいてくる。どうやら大人たちが生徒に呼ばれて来たらしい。加害者生徒は取り押さえられた。彼は少しも抵抗しなかった。そればかりか大人に身を委ねるように体から力が抜けていた。不思議と、彼は笑っていた。それは、嬉しそうな、何もかもが馬鹿馬鹿しくなったような微笑みだった。
さくさくとわたしの前髪を手際よく梳いていくきみが、銀にひかる、きれいでひんやりとしたはさみが好きだった、じかに肌にふれるくすぐったさで目をぎゅっと閉じた、陽光と暗闇の狭間にわたしはいた、ふと手が止まると同時に瞼をひらいた、やけに明るんだ世界できみはわたしだけを刺すように見つめてそれからすぐ逸らした、わたしはその熱を孕んだ目にひどい痛みをおぼえて、もうきみを正面から見ることはできないと思った、さっききみがふれていただろう黒い束束が褪せた新聞紙にばら撒かれていたのを見て、もっと胸が潰れるようだった
「ルール」
ルールが無ければ
好きなことが出来て幸せだっただろう
髪を染めて
ピアスを付けて
メイクをして
毎日が楽しいだろうな
でも
ルールがあるから正しく楽しむことが出来るのかも