『ミッドナイト』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ミッドナイト
真夜中って意味らしい
久しぶりに見た単語
最近は寝てる最中かな
時間帯的には午前0時あたり
ちょっと前なら寝始める前後
ゲームしてたら1時か3時に寝てる
ゲームってかスプラ3
スプラ3のマッチングが終わってて
さらに粘着偏りマッチング
チーミングだと思ってる
抜けを許すは連続で突っ込むは
相手だけ連携取れてたり
サブスペほとんどこっちにきたり
訴えていいレベルで終わってる
味方にも敵にいてもチート
次のシーズンでほぼ引退すると思う
このままならやらない
ゲームバランスより
マッチング介入問題
任天堂ゲーム機はいいとして
任天堂の作品はほぼ要らない
携帯ゲーム機としてライトはいる
このように感じられる
こうゆうのも
一部のキチガイが集まって
どこかで偏ると
その全部が終わりに向かう
明確に終わらせるべきだと思う
満月。
今日は満月だ。
月の模様も肉眼で見れるほど大きくて近い。
冷たい風が頬を赤らめる。
白息が出る度に手を握る。
コンビニの灯りが私の目を輝かせる。
こんな時間まで開いてるのはネオンカラーの繁華街とコンビニくらいだろう。
入った瞬間からの暖かい空気と入店音が、心を躍らせる。
「いらっしゃいませ。」
もう聞き慣れた声だった。
緑色のカゴをとったとき、外はもうミッドナイトだった。
なんだか、この空間だけが時が止まっているような不思議な感覚。
少しの罪悪感を覚えながら、カップラーメンを手に取る。
ミッドナイトは、なんだか少しおもしろい。
『ミッドナイト』
『続きまして、ラジオネーム北風さん。しずくさん、こんばんは。はい、こんばんは。最近一段と冷え込んできましたが……』
窓際に動かした椅子に私は両膝を抱えて座る。
膝の上には冷えを凌ぐクマのブランケットと、うっすら明かりを帯びたスマートフォン。そのスマホに繋がったイヤフォンは私の耳まで延びている。
もこもこの上着に身を包んだ私は、遠くの誰かの声にそっと耳を澄ませる。
眠れない夜はこうしてラジオを聴く。布団に入って聴くことも多いが、目が冴えた日には椅子に座って外を眺めながら聴いたりもする。
昔はラジオを聴く習慣はなかったので、ラジオを聴くようになったのは大人になってからだ。
まったくの未知の世界だったが、飛び込んでみると案外面白かった。
聴き手はただの客ではなく、一緒にものを作る作り手でもあり、聴き手のセンスが番組のセンスを担っているようなところがあるように思う。
もちろん話し手や話の選び手の力があってこそだが。
『素敵なお話ですね。温かいお話は温かい気持ちになれてホッとします。こんな寒い日、私は家でいつもより甘くしたココアを飲むのがお気に入りです。さて、北風さんのリクエスト曲は……』
曲名を告げられたあと、すぐに音楽が流れ始めた。私の知らない曲だ。新しい曲だろうか。
最近は何事においても、自分の興味のある物事にしか出会わなくなり、新しいものに出会う機会は、ぐんと減った。
それは便利である一方、もったいないようにも思う。まだ出会っていない好きなものだって、世界にはたくさんあるはずだ。
ラジオではその点、いろんなものに出会える。
始めて聴く音楽、クスッと笑えるエピソード、自分と同じようにどこかの誰かが抱える悩み。
それらは自然と心地よく耳に入ってくる。喋る声の良さももちろんあるが、顔が見えないからこそ言葉がストレートに伝わってくることが私は心地良いのだと思う。
ラジオから流れる音楽を聴いていると眠たくなってきたので、素直に布団に入ることにした。
イヤフォンをしたまま目を閉じる。
この曲は何という曲名だっただろうか。曲終わりに確かめて、明日調べてみよう。
そんなことを考えながら、私は眠りにつく。
真夜中、私は一人ぼっちだと思っていた。
だけど今は違う。
こうして今も、誰かの声に耳を傾けているのだから。
ファミレスで
友人と待ち合わせ
特段、盛り上がる
会話はなく
目の前の相手と
SNSで繋がる
ミッドナイト
時折、
テーブルを挟んで
互いに表情が緩む
静かにね
まー
Skyしてる人居る?
もし良かったらフレンドになりたいのですが🥺
最近モチベもなくて😇
ミッドナイト
車1台通らない道路の真ん中に出て、カメラを構えた。
遠くから聞こえてくる、低音のエキゾーストノートは
違う2つの音をリズミカルに絡ませ合い、響音しながらこちらに向かってくる。
あと数秒。小さく喉をならした。
夜型人間の深夜0時。世間より遅れたゴールデンタイム。
日付が変わった? いや、まだ。
眠るまでが今日なのだ。
やり残した静かな家事をして、お腹が減ったからレンチン、SNSのチェックもしなきゃ。
夜が明けるまでまだ何時間もある。
たとえ一睡もせずに朝日を拝んでも、私が信じる限り今日は続くのだ。
そう、まだ2023年だしね。
お前の夢をみたよ…
想い出が聴こえる…
俺の青春だった…
お前の唄うミッドナイトブルース…
HEY HEY BLUES…
まるでjunkyなBLUES…
お前のシャウトは人の胸を揺する…
傷ついたアイツにゃ…
クレイジーレイジーなブルース…
ミッドナイトブルース…
聴かせてやりな…
……
ホセメンドーサ?カルロス・リベラ?トシキ?(笑)
キミは1000%♪(笑)
カルロス・ゴーン?(笑)
ミスタービーン?(笑)
たいへん😖💦失礼しました…♪(笑)
《ミッドナイト》
学校、病院、街並み……それらはどれも多くの人にはありふれて感じられるものだ。
だが『夜』という背景が付くだけで、その印象はまるで変わってしまう。
夜の学校はどこか恐ろしく、夜の病院はホラーな展開でも起こりそうである。夜の街並みは、どこか大人な雰囲気を感じさせるかも知れない。
本好きの市長が建てたと言われている、この大図書館も似たようなものとして挙げられるだろうか。
開館時間は八時から二十三時と、普通の図書館より長く開かれている理由は単純、多くの人に利用して欲しいからだそうだ。
閉館時間は、誰一人として館内にいない。
市立なだけあって、夜間のセキュリティは万全と言える。
二十三時から翌朝八時までの、司書が来るまでの時間を厳重に守っているのだ。
だが、そんな中を許可もなくカノンは入って行く。
セキュリティに止められることもなく、本棚の波を掻き分けたカノンはカウンターに向かう。
右から二番目のカウンター席。
何もない空間にカノンは声を掛けた。
「……司書さん、おすすめの本はどれですか?」
「——地下一階の00番の棚、その上の段の一番左にある本かな」
落ち着いた声が、カノンの耳朶を打つ。
最初からそこに居たかのように、着物姿の青年が悠然と足を組んで座っていた。
「司書さん、一緒に探して読んでくれますか?」
「もちろん。行こうか」
青年は立ち上がり、カノンの手を取って階段へと歩き出す。
そのまま特に何かを話すこともなく、目的の場所へと辿り着いた。
「さぁ、題名を読んでご覧」
カノンは促されるまま、不自然に仄かに光る本を引き抜き、題名を見る。
初めは何も書かれていない白い本だったが、カノンが手に取った傍から文字が現れていく。
「『言えない気持ち』」
「……さあ、貸してみて。読んであげよう。おいで、カノンちゃん」
いつの間にか現れていた椅子に座り、膝の上に座るよう彼はカノンに勧めた。
初対面で名を呼ばれたこと、距離の近さ、今更ながら自然と図書館に足を運んでいること。
考え出せば切りがない程、違和感だらけの夜。
カノンは思考を放棄して、彼の優しい手に導かれた。
「——これは、一人の少女の物語」
お兄ちゃんがいた。
お兄ちゃんは少し大変で、性格も他者に理解されにくい、そんな人だ。
だから、お母さんやお父さんが、お兄ちゃんに構ってばかりなのも仕方なかった。
けれど、自分自身で理解していた。
疲れちゃった。
頑張れない。
頑張りたいのに、できない。
どうすればいいのかもわからなくなっていく。
だけど、どんな言葉も当てはまらない。
その苦しみを初めて打ち明けたのは、友達でもなかった、オンライン上の誰かだった。
言葉がどれも優しくて、頑張ろうと思えた。
たとえその人が何か嘘を吐いていたとしても、それでもよかった。
それで、根本的には解決していなくても心の平穏へと近付いて行った。
なのに、たった一言そう言われただけで無理だった。
頑張れって言わないで。
お願い、そうじゃなくて、大丈夫って言って。
お母さん、お父さん。
そんなこと言わないで。
私にとっては『ちょっと』の努力が、すごく『たくさん』の努力なの。
そんな思いが溢れて、溢れて、零れて。
言わないつもりだったのに、絶対に家族や友達には言わない前提の気持ちだったのに。
そんな思いで支配されて、私は。
そうしていつしか、終わりを選ぶ。
それでも、忘れちゃいけないことがある。
それは、気持ちを打ち明けた私が、誰かに掛けてもらった言葉があること。
私なんか、は駄目だと言って貰えたこと。
大丈夫だよ。
僕はそんな君が好きだよ。
だから、何かあったら話してね。
きっと、絶対力になるから。
友愛で包んでくれた誰かを、忘れちゃいけない。
「——これはそんな、物語の幕引きだ」
本を読み終えて彼はカノンを見つめる。
カノンは、立ち上がり本を受け取った。
「司書さん、ありがとう。忘れちゃってたな、みなさんのこと。だから……」
カノンがたどたどしく続けようとした言葉を遮って、彼は。
「最期にリアルを見るくらい許されるだろうね。なんとかに口なしって言うからね、いいでしょ、まあ」
「……はい。いってきます、司書さん、ありがとうございました」
「いってらっしゃい」
カノンに手を振り返すと、微笑んで、カノンは去った。
大事そうに、一冊の本を抱えて。
青年は満足気に頷き、定位置のカウンターのある一階へと戻る。
それから書庫へと繋がる扉を開き、奥へと進む。古本の匂いが鼻を満たす。
彼は最奥へ辿り着くと、一番上の棚の隅の本を手に取った。
『鬼子の呪い』と書かれた本だ。
『鬼子』と呼ばれた少年には特別な力があった。人の望みを視ることができるのだ。
それ故に、望みを盗み見る少年のことを忌み嫌ったのだった。
皮膚をなぞるだけで裂く鋭い爪。およそ人間ではない、金色の瞳。尖った歯。
それらも少年を忌む対象とされた。
そんな物語だ。
彼は指の腹を爪でなぞり、溢れる血液を本に伝わせる。
次の瞬間、彼の姿はどこかへと消えた。
真夜中の司書は、利用者の声を聞いて初めてカウンターに現れる。
また、その利用者もセキュリティの反応しないモノだけだ。
——死者が為の、真夜中図書館。
それが、この図書館の夜の顔だ。
ミッドナイト ミッドナイト
真夜中、貴方と見た最初で最後の景色は人生の終わりには華やかすぎるモノだった。
競馬場とビール工場を通り過ぎながら、高速に線を描くテールランプに目を細めて聴くドライブソングは過去を思い出す事に余念がない。
ミッドナイト
戴冠式
痛みの城で
痛みを抱えている
私は女王さま。
王国に民はいない
代わりに
死んだ記憶たちが蠢(うごめ)いている
光の差さない大広間で
真夜中の戴冠式は続く
15日目【ミッドナイト】
眠い、でも眠れない。
だって。
ずっと好きだったあなたの腰に、つかまっているんだから。
ずっと憧れていたあなたの背中に、ほっぺたをくっけているんだから。
国道沿いは、キラキラと光っている。
このまま永遠に走り続けていたらいいのに。
大好き。
ミッドナイトは点だから、
真夜中なんてぼんやりしてない。
0時に動かぬ軸を持ち
1日1回しか来ない。
深夜の感傷に溺れたくても
あなたを包んでくれやしない。
midnight
たしかに姿かたちは綺麗かもしれない。
その一瞬に騙されて、
すり減ってくのはきっとあなただ。
ミッドナイト
音のなる靴で 夜を歩いたの
その日はなんだか風が心地よくて
景色はやけに明瞭で
私は紙束を抱え 誰もいない道を歩いたの
どこがで 水の音がしたの
その音はなんだか一面に広がって
波紋はラグを起こすことなく
見えた月は 人生でいちばん綺麗に見えたの
誰もいないのにね
誰も
どこかで 無人の駅を見たの
その暗い世界には私一人で
紙の束はただの荷物で
水の上に 線路みたいに惹かれたの
届けられなかったのね
何も
やけに明瞭に見えたのよ
月が
真夜中限定 読者不在の漫画を連載開始
何だって描ける 文字通り夢物語
内容はご自由に 展開は好きなように
瞼の向こうも こうなら良いのにね
寝ても醒めても 忙しいのは同じみたい
毎日がパレード 終わりはないよ
それは迷路 飽きた人からリタイア
少しずつ後悔を重ねて
持てなくなって 普通が難しくなった
その度に手離していくんだろう
呼吸を続けるって事
思ったより楽じゃないね
寝静まる音は案外やかましい。目覚めたときにぱっと消えていく。
#ミッドナイト
ミッドナイト…午前0時くらい
いま仕事が夕勤だからやっと寝る準備してるかな
あと異様に腹減る時間なんでだろうな
顔に絶え間なく当たり続ける水滴に意識が覚醒する。
「ここは…どこだ…」
アキラの視界には四方を囲む木々と、その間から薄暗い空が広がっていた。
頭を左に向けると、妹のヒスイが寝巻き姿ですうすうと寝息を立てていた。
アキラもヒスイも濡れ鼠の状態で、もともとそれぞれの部屋で寝ていたはずだ。
上体を起こし、周囲をぐるりと見回す。
四方は遺跡のような、崩れかけて、アキラの膝下程度の高さの壁、それ以外は鬱蒼とした木々に囲まれ、下は草の生い茂る地面だった。
ただ事では無いと思い、アキラらヒスイを揺すって起こす。
「おい、おい…ヒスイ、起きろ」
周りがよく分からない状況のため、自然と小声になる。
「ん…なに…」眠そうに瞼を開けたヒスイに少しほっとする。「え…ここ…え?」
ヒスイの声は困惑していた。
「俺も分からない。さっき起きたけど、気づいたらここにいたんだ」
「さむ…どういうこと…?」
濡れた身体を暖めるように自分の腕で抱え込む。
「ともかく、周りを確認してみよう。立てるか?」
アキラは立ち上がると、少し膝を曲げてヒスイに手を伸ばした。
左手は身体を抱いたまま、ヒスイはその手を取って立ち上がった。
起きた場所を起点にして渦を描くように、徐々に確認範囲を拡げたが、見知った場所はおろか、人里のようなものも、森の切れ目も無かった。
その頃には雨も止んだが、慣れない裸足での行動や、雨に濡れたことによる体温の低下、異常な状況における緊張で、特にヒスイの体力の低下は著しかった。
「お兄ちゃん…さむいよ…」
背に担いだヒスイが左耳そばで弱々しく呟いた。
「ともかく、休めるところがあれば…」
アキラはゆっくりと宛所なく歩を進めた。
と、向こうから、がさと音がしアキラは身構え、叢から出てきたものを見て驚愕した。
鋭い一対の鋏角、複数ある漆黒の眼、少しずんぐりとした、身体に対しては細い脚…蜘蛛だ。しかし大きい。ゆっくりと全貌を顕したその蜘蛛は体高がアキラの腰くらい、体長もアキラの身長かそれ以上あるだろうか。
どこを見ているか分からない。
分からないが、アキラは本能的にこちらに狙いを定めた事を悟った。
-まずい
大きさ云々は今はどうでもいい。
アキラは出来るだけ刺激しないよう後退る。
背中から、どん!という衝撃。
まさかと思い右肩越しに背後を確認すると、いつの間にか、忍び寄っていたもう一体の蜘蛛が、ヒスイに接触しているようだった。
「う、うわぁぁぁ!!」
アキラは堪らず走り出した。
ずるりという嫌な感触。
きっとさっきヒスイに牙のようなものが刺されていて、それが抜けたのだろう。
前方の蜘蛛に捕まらなかったのは僥倖だが、後ろから二体が追ってきているのがわかる。
「なんだよ!なんなんだよ、ここは!!」
叫びながら我武者羅に走る。
小石や枝が素足に食込み、刺さる。
それでもアキラは走り続けた。
黒い何かが横を通り抜ける。
え、と思わず停止して、振り返る。
“それ”は鎌鼬のように二体の蜘蛛の頸に巻きついたと思うと、次の瞬間、ぼと、ぼとと蜘蛛の頭が落ちる。
唐突に頭を喪った蜘蛛の身体は、そのまま慣性に従って進み、アキラの両脇の地面に滑り込んで止まった。
呆気に取られるアキラには、外套のようなものを全身にまとっている“それ”が、ちょうど光を背に受けて影にしか見えなかったが、すくなくとも、すぐに危害を加えてくるようなものでは無いことも理解できたのだった。
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※逆光のテーマです。
夜。ベランダでぽつぽつと見える明かりをぼんやりと眺めていた。
片手に、白く細長い大人しか吸えないようなものを時々口に咥える。
実は今日、仕事でミスをした。小さなミスだったが、滅多にしないものだったため、少し落ち込んだ。そして、その憂鬱な気分をぼかすためにこうして外にいる。
「......葉瀬(ようせ)...?」
私は振り返る。眠い目を擦りながら玲人(れいと)はそこに立っていた。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん...」
玲人はゆっくり歩いて、隣に来た。
「...葉瀬ってさ、吸ってたんだね」
「え?あ、これの事?」
私は右手に持っていたこれを玲人に見せた。
「玲人も欲しいの?あげる。美味しいよ」
「え、いらなi」
「いーからいーから」
私は自分のを口に咥えながら、器用にもう1本取り出す。
「ほひ(ほい)」
私は玲人の手に直接渡した。
「......」
「ふぁお......それ吸うんじゃなくて、舐めるの。ほら貸してみ」
私は玲人に渡したはずのそれを手に取り、ぺりぺりと紙を捲る。
真っ白く小さなチョークよりも細い棒が出てきた。
「あれ?それ煙草じゃ...」
「ふぉふぉあふぃあれっふぉ」
「何て?」
「ココアシガレット」
私がそう言うと豆鉄砲を食らった鳩の様な顔をした。
「......は?ココアシガレット?煙草じゃないの?」
「私、煙草吸えないもん。それに吸ってるなんて言ってない」
「はぁ?」
玲人は明らかにイラッとした顔をした。なんとなくその顔が面白くて、からかってみて良かったなぁ~、なんて事を考えてにやけた。
「何にやけてんの?キモッ」
「えー!ひどーい!玲人可愛いなぁって思っただけだよぉ!」
「更にキモさが増した」
「ガーン!!ショックだわぁ!!」
私はオーバーリアクションで会話を返す。
ガリガリとココアシガレットを噛り始めた。
「ん......甘さ控えめだね...」
独り言のように呟く。彼は何か思ったのか、こちらを向いた。
「葉瀬、今日何かあった?」
あまりにも直球過ぎて、手が一瞬止まってしまった。これでは図星だと言っているようなものだ。
「...へへっ」
「図星かよ」
なんでそんなに分かるんだろう?凄いな、スペックか?
「葉瀬、俺の前では無理して笑わなくていいんだよ」
なんとなく、胸にじわっと来た気がした。そして、玲人はココアシガレットを咥えた。
「......玲人」
「ん?」
「......撫でて」
私は少し屈んでで玲人に頭を向けた。
少し、沈黙が流れる。
恥ずかしくなって頭を上げようとすると玲人がガシッ、と頭を掴んで撫でてきた。
最初はわしゃわしゃされていたが、次第に愛でるような手つきへと変化していった。
「いい子だよ葉瀬。いつも頑張ってて偉いね」
「......本当に?」
「うん。偉い。葉瀬凄いよ」
「...ふふ、へへっ...」
私は段々と温かい気持ちになっていった。胸がぽかぽかする。玲人の甘やかしって本当、砂糖山盛り並みだよね。そういうの好きだよ。嬉しいし、私は私でいいんだって思えるよ、ありがとう。
心の中で感謝した。
「フッ...フェックシュッ...!」
長い間ベランダにいたせいで身体はすっかり冷えてしまっていた。
「大丈夫?寒い?」
「...大丈夫...はやく布団入ろ......葉瀬が温めて...」
「うん、じゃあ私も玲人で暖取っちゃお~」
「俺そんなに温かくないけど...」
「私にとっては暖です~」
そろそろ寒くなってきたから流石に入る事にした。
「玲人」
「ん?」
部屋に入ろうとする玲人を呼び止める。そして、
「ありがとう。玲人大好きだよ」
そう感謝した。
玲人が、俺も...と赤くなっているのがとても愛おしい。
そして私は部屋に戻る前に、夜の空にありがとうを流した。
お題 「ミッドナイト」
出演 葉瀬 玲人