『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ブランコを最後に漕いだのは、いつだっただろうか。
私は、昔小さい頃ブランコが好きだった事を、家の近くの公園を見て思い出した。
幼稚園に、4つ並んだブランコがあったのだが、昼間は大抵年中の子達に独占されてしまうのもあって、私は外があまり好きじゃなかった。
そういう時間は、絵本を読むことで別世界に没頭して現実からは逃げていた。
そうする事で、少しでも孤独的な空間から離れることを選択していたのだ。
私は、公園の奥に2つ並んでいる内、左のブランコに座った。
あの日と違うのは背丈と座り心地の悪さだけだった。
ブランコは、私の過去の思い出を具現化してそこにいる。
お終い
今日こそって前に出て
やっぱりダメだって戻って
勇気が出て前に出て
でもやっぱりダメって戻って
次 前に出る時
靴がポーーンって飛んだら
キミに当たって振り向いてくれたら
「おはよう」って言うんだ
全然乗っても構わないのに。
何故か大人になってからは躊躇うようになった
毎日朝早くに通る家の近くの公園で
誰も乗ってないそれを見ると無邪気にこいでいた小さい頃を思い出す
もう揺れないそれは、寂しそうに見えた
『ブランコ』
大きく揺らしたブランコから飛び下りる遊びが流行った保育園時代。
みんな豪快に飛び下りきれいに着地していく横で、私は顔から着地し潰れたカエルのように地面にへばりついていた。
痛かったよりも着地できなくて悔しかったのを今でも覚えている。
ーブランコー
この公園の
このブランコに君がいる時は
何かあったとき
君にとっては辛いんだろうけど
僕は君に会えて嬉しい
この時間は僕だけの君
#ブランコ
風もないのに
揺れるブランコ
何故か懐かしい香りがした
目を閉じれば
ブランコを力いっぱい揺らして
空に飛び出しそうな
キミがコッチを見て笑う
競争だよ!って言いながら…
風もないのに揺れたブランコ
今年も会いに来てくれたの?
寂しがりの私を笑わせる為に
ブランコ
ギィ……ギィ……
残業がやっと終わりいつものように背を丸めて歩いていたとき、微かに錆びた鉄の擦れるような音がした。それは、小さな公園に近づくほど大きくなる。
ギィ……ギィ……
誰か遊んでいるのだろうか。でも、こんな時間に一体誰が?残業の疲れと、得体のしれない音への恐れを好奇心が僅かに上回った。息を殺すようにして公園に足を踏み入れた。
ギィ……ギィ……
何の変哲もない質素な公園で、ブランコだけが息をしていた。ひとりでに。
「ひっ。」
思わず漏れた声を掻き消すように勢いを増す揺れが恐怖を倍増させる。
「こんにちは。おじさん。」
後ろから声がした。声変わりもまだしていない少年のような声だった。
「だ、誰だ!?」
声がひっくり返ると同時に、足を踏み外して尻餅をついた。
「僕だよ。」
やはり声から想像されるような、かわいらしい少年だった。少年は、ブランコを指差していった。
「あれを動かしていたのは、僕だよ。」
「え?」
少年の言っていることを理解できなかった。ただ、少年があどけない笑顔を向けるので、先程までの恐怖は消えていた。気がついたら少年はいなくなっていて、ブランコも風で時折揺れるだけだった。
『……続いてのニュースです。〇〇市の✕✕公園で、8歳の男児が遺体で見つかりました。遺体は……』
「ブランコ」
あー,,本当イヤな人生だ、みんな日にあたり優しくして貰っているのに、僕だけ日にあたらないところで、眠っている。みんなイヤでも早起きして家を出て行く。でも僕はイヤでも起きれなくて家からでれない、家を出たところでまた日があたらないところでこんなマイナスなことを長々と考える。あーブランコの下はイヤだな、と今でもブランコの下の土に眠っているタンポポが言っている。
ブランコこいで高く高く高くと
大空の向こうへ何処までも何処までも
入道雲を突き破り何処までも何処までも
右足大きく振り切って!
飛んでけ!飛んでけ!飛んで!
自分に重ねて大空の向こうへ
飛んでけ!飛んでけ!飛んでけ!
子供の頃
靴飛ばし!しませんでしたか?
何処までも何処までも行けると…
そう思ってませんでしたか?
あきらめたことありますか?
あきらめたままですか?
その胸の傷みは本物ですか?
あきらめたままで良いんですか?
まだ間に合うと思ってますよね!
まだ行けると思ってますよね!
まだまだ大丈夫じゃないですか?
まだまだぜんぜんいけますよ!
その気持ちを正直に話せば良いんだよ!
目の前の人に言えば良いんだよ!
さあ 行きましょ!思い描いた明日へ
忘れてた思いを叶えに行きましょ!
行こう!!行こう!!行こう!!🍀
笑顔の彼方へと…
小学校の頃、
友達がいないわけではなかったけど、
転校をよくする環境にいた。
一年生の時に始まり、2年生の時は数回、
その後の学年も、とにかく、
よく転校しなきゃならなかったんだ。
だから、深く仲良くなった子はいなかった。
そうなる前にお別れなんだ。
三年生の時の転校したところは、家が公園の前だった。
だから、そこのブランコでよく遊んだ。
だってドアを開けるとすぐなんだ。
真ん前なんだもん。
その日も、ランドセルを家に放り込んで、
おしっこして、牛乳飲んで、ブランコしに行った。
ギーコ、ギーコって。
僕はいつも、水平、鎖も振り切れろ!ってくらい、
立ち漕ぎで急加速。
いつもの通りだったはずだ。
世界がいきなりひっくり返った。
ぶん回されたみたいだった。
ガーンと衝撃、耳鳴りがし続けた。
何が起こったかわからなかった。
裂けるように右足が痛い。
肘を擦りむき、右の太ももには、
深い傷口が開いて、血が流れ出ていた。
空に落ちたみたいだった。
地面にいるのにクルクル上昇している気だった。
僕は鉄パイプの下敷きになってた。
やっと理解した、ブランコが倒壊したんだ。
僕は大声で泣き叫んだ。
でも、真昼なのに、夜みたいに、静かなんだ。
誰も姿がないんだ。
助けて〜、痛いよおおお!と、
喚いても、誰も来てくれなかった。
不思議なんだ。
街の中にあり、車通りもある、
人の目にもつきやすい、
人通りだってある公園なんだ。
なのに、その日は、僕が鉄パイプをどかそうと
もがいて、大泣きして、大騒ぎしたって、
誰一人、僕を助けに現れなかった。
おじさんがあの時、家にいたはずなんだ。
でも、聞こえなかったんだって。
あんなにすごい崩壊音、
何より、僕が必死に助けを求めたのに。
僕なやがて泣き疲れた。
悟った。
誰も来てくれないぞ、。
助けてくれないんだ、。
自分でなんとかしなきゃって、。
なんとか身を捩って、
地面に僕を押し付け、
挟みつけていたブランコの支柱から抜けた。
その時、Tシャツが破れ、胸を擦りむき、ギャッ!
と叫んでいた。
その時、擦りむいてできた傷跡が今も左胸にある。
服は破れ、僕は知らぬ間に、
トイレに行ったばかりなのに、
恐怖で、おしっこを漏らしていた。
半ズボンの股が丸く湿っていた。
顔は、涙、鼻水で歪み、
服は破れ、血と泥、砂で汚れていた。
膝と膝を擦りむき、特に、
腿の傷が深く、血が流れていた。
頬がひりひるする、指をやるとぬるりとした。
指に血がべっとりと付いた。
僕は大声で、泣きながら、二十歩程度の目の前の家に帰った。
僕は今さっき、元気で、この家を飛び出したはずなのに。
痛いよおお!って、泣き続けた。
その時になっても、まだ、静寂で人気がない。
僕は玄関を開けて、叫び続けた、。
大人達はその段になって、ボロボロの僕を見て、
仰天し、騒然となった。
やっと、あたりに音や人の気配が戻ってきた。
嘘みたいに騒がしくなった。
家の前、公園にも人だかりができていた。
さっきまで、僕だけ取り残されていた世界が、
嘘のようだった。
僕は、病院に連れて行かれ、太ももを5針塗った。
幸い、それ以外は泣き叫んで消毒され、
大きめの絆創膏や、包帯の処置で済んだ。
骨折などの大怪我にならなかったのが不思議である。
9歳のあの日、判った。
いざという時、都会、人目の中でも、
助けてもらえないことがあると、。
たとえ家の真ん前だとしても、
何が起こるかわからないって、。
必死に大声をあげても、
泣き叫んでも、誰にも聞こえない、届かない。
親、大人たちが近くにいたって、
人通りがあるからって関係ない、。
人や動きがなくなる、
真空状態みたいになる隙間があるんだ、。
子供達が事件や事故に巻き込まれるのは、
あんな時間、隙間にストンと入っちゃった時だろう。
僕はいくら助けを呼んでも助けてもらえない
恐怖、闇の深さを少しは知っている。
ブランコをこぐことができない。
街の公園にある、普通のあのブランコだ。
膝を伸ばして前に揺れ、膝を曲げて後ろに退がる。みんながやってるのを見ればやり方はわかるけど、同じにやろうとしてもうまくいかない。鎖につかまり、お尻を台座に押し付け、えいっと膝を伸ばす。
びよょん。動かない。
曲げ伸ばしのタイミングが、とにかく悪いのだろう。
どうしてみんな、特に何も考えるでもなく自在に操れるんだ?タイミングを考えれば考えるほど身体がこわばって鎖がガチャガチャ音を立てるだけだ。
ブランコがこげない奴なんか他にいない。ブランコなんてつまんないよと嘯いて、ボールを蹴ったり木にぶら下がったりして遊ぶのが常だけど、ブランコが目に入れば心がざわつく。
公園に誰もいない時に1人で練習することがある。誰もいない公園で1人ブランコをこぐ(こげてない)図はいかにも寂しげだけど、寂しいとかじゃない。必死だ。
ある日同じ年頃の子がやってきて公園の反対側の鉄棒にとりついた。ブランコに座って考え事してるだけという風でチラと見ていると、逆上がりの練習を始める。できてない。
体育の授業でブランコのテストは無い分こっちは気楽かもな、と思いながら足を曲げ伸ばしてはキイキイ金属音を鳴らしていた。
なーーーんでうまく行かないかなぁ、、、
その時突然、ふわぁっと前に大きく揺れた。おおお!
そのまま大きく後ろに揺れる。おおお!
また前に戻る時、誰かが背中を押してまた大きく揺れた。鉄棒の子だ。向こうもこっちを見てたんだな…。繰り返し背中を押してくれて、伸ばす、曲げる、と言う声に従って足を動かす。何かぎこちないけど、揺れが気持ちいい。でも、自力でやろうとするとやっぱりダメだ。
互いに逆上がりのお尻を支えたり、ブランコの背中を押したりする日がしばらくあって。どうしてもお互い自力じゃ出来ないこともわかってきた。でも絶望感とかはなくて、なんだかこのままでもいいじゃん、て気持ちになってる。背中を押してもらえる嬉しさと、お尻を支えてあげる楽しさと、出来ないことも笑える心地よさで気分がいい。
そのうち出来るかもしれないしね!
「ブランコ」
#319
ゆーらゆーら。
そんな音が本当に聞こえそうなくらい、隣のあの子の乗るブランコは現実の音を一切出さずに揺れている。
私の乗るブランコはギィ、カチャ、と金具が擦れる音が断続的に鳴っている。
この違いはなんだろう。
あの子がこっちを見た。にこっと笑うと、ブランコから飛び降りる。
両足をそろえて音もなく着地したその子は、もう一度こちらを振り向いて笑ってみせると、公園の出口へと走り去っていった。
私も真似してブランコから飛び降りる。
ギッ、と金具の擦れる音、次いでドシュッ、と私の着地する音。
どうしてこうも違うのだろう。
体重の違いかな。もしかして私、重いのかな。
そう思いながら、公園の出口に向かう。
そして気づく。
昨日は雨が降ったせいで地面はぬかるんでいて、後ろを見れば私の足跡が点々とついてきていた。少し左には公園に来たときにつけた靴の形が。
それ以外の足跡は、どこにもない。
だけれど確かに、背後のブランコは2つともゆーらゆーらと揺れていた。
小さい頃、ブランコが大好きだった。
立ち漕ぎしたり、靴を飛ばしたり、鎖をぐるぐる捻ってスリルを味わってみたり。
夕焼け空とブランコって、何だか絵になるよね。
朧気な思い出と共に、そんな情景が浮かんでくる。
むかーしむかーしある所に僕の家の近くの友達の家の近くの公園のブランコに乗ってました。そのブランコは近所の人から人気のブランコで怪我した人は居ませんでした。すごくないですか?
こどもの頃は
思いっきりブランコを漕げた
あの青空のもっと上まで翔んでいけるように
雲の上にはラピュタや
ドラえもんの雲の王国があると思っていて
危ないくらいの立ち漕ぎで
挑んでいた
大人になったら
ブランコは漕げなくなってしまった
三半規管がパニックになるから
あの空は夜空が常になり
月が浮かんでいる
生きてるうちに月に住めるようになるかな
ホットココアを飲みながらのブランコは
寄り道の定位置になった
今日も届かない月を恨めしそうに眺めている
ブランコ
ちいさいあの人と並んでブランコに乗る
上手く漕ぐことが出来なくて横を見る
視線の先でブランコを漕いでいるあの人は楽しそうで
その横顔をメモリに保存する。
ブランコ
子どもたちのいない
公園で
久しぶりの
乗り心地
昔はいろいろな
乗り方があった
いろいろな形の
ブランコ
なな🐶
2024年2月1日387
ブランコ
小さな頃
小さな公園で
幼い弟と、ブランコに
2人乗りした
大きく漕いで
空に放り投げた
靴二足
惜しむことなく
心から笑った
またブランコで遊ぼうよ
たった2人の姉弟なのだから
空できっとパパも見てるよ
ブランコ
僕の住んでいる地区には公園がある。
遊具は少ないけど、かなり広い公園だ。
春には桜が咲いてとても綺麗。
その中にもブランコはある。
2人分のブランコ。
小さかった頃は取り合いしてたな。
どこまで高くこげるか。
よく勝負したな。
懐かしい。
けど、成長していくにつれて公園すら行かなくなった。
友達と遊んでいる時に気が向いたらホントに時々散歩ついでに行く程度だ。
その時には鉄棒したりブランコしたり、砂場でも遊んだな。
城なんか作ってた。
砂場に絵を描いたりしてた。
ああ、懐かしいな。
今では友達と集まることすらほぼない。
寂しいのかわからないけど、無性に会いたくなる時がある。
その時はまた、砂に絵を描いて、鉄棒で酔うまで回って。
ブランコで誰が1番高くこげるか勝負したいな。
星屑のブランコ。
漕ぐ度、キラキラと音が鳴る。
女の子、両方の赤い靴をそろえて、茶色い紙を真空に揺らしながら、天の川を越えていく。
ゆらぐ鼓動と、月まで登れそうな加速度と、プラネタリウムみたいな空の公転。
美しくそよぐ、母さんの横顔をした、月の砂漠。
カノープスのサソリの心臓。
ヘラクレスの腰帯。
カストルとポルックスの双子の兄弟。
おおぐま座の尻尾。
南から北まで見渡すと、北斗七星の柄杓が、ちょうど、ブランコの形をしていることに気づいたよ。
ハレルヤと母さんが歌う。
星たちよ、今日はもうお眠りよ。
女の子もはにかんで、一緒に節をつけて歌ったよ。
父さんはギターを鳴らし、弦の音が夜空に澄み渡った。
おやすみ、ハレルヤ。目覚めない時も、また幾月も、神様が降りてくるまで。