『バカみたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#60 馬鹿を見たことについての内省
ずっとこんなにも一生懸命だったのに
浮気されたあげく
あっさりと別れを切り出された
このやろー!!
と泣きじゃくりながら蹴りを入れたい気持ちを抑え、
気持ちが離れたのであれば
どのみち仕方のないことだと自分に言い聞かせる
何というか
「性分」と言えばそれまでだ。
ジタバタと足掻くのはみっともない...と
どこで仕込まれたのかわからない常識が
こんな時は私を支配する。
そして、こんな時こそ
どういう訳か
物分かりのよい大人を気取りたいのだ。
.....
あぁ バカみたい
空に吐き捨てた言葉が墜ちてくる。
あぁ 馬鹿を見た
そうだ、私は今、馬鹿を見ている。
次もまたこんなことがあったら
絶対!絶対!めんどくさい女になってやるっ!!
と空に強く誓った___
(今誓うべき方向性は
そうではないような気もするけれど...)
お題「バカみたい」
町をぐるりと囲むあの山のどこかに馬と鹿を混じり合わせたような姿の神様が住んでいて、住処に迷い込んだ人間の願いを何でも叶えてくれる。そんな文字通り馬鹿みたいな噂話が、私の住む土地にはある。
金曜夜にたまーにやってる国民的アニメ映画じゃあるまいし、居ないでしょ、現代に。そもそも山で迷った人の願いなんて十中八九「家に帰りたい」だ。少なくとも〝何でも〟は叶えてくれないだろう。まあ、大方軽い気持ちで登山した奴が遭難した不安感からただの鹿を見間違えて、偶然生還できたのを「山神さまのおかげ」だと思い込んでるだけだと思うけど。
そんな馬鹿げた存在が、こんな身近にいるワケが無いのだ。ましてや私の目の前になんて。
「……居ない、はずなんだけどなあ」
気づけば桜と紅葉が同時に色付くあべこべな世界の中、馬とも鹿とも言えない奇妙な生物がじっと私を見下ろしていた。頬をつねれば痛い。残念ながら夢じゃないらしい。
軽トラック位の大きな身体。黒豆みたいな目がはめ込まれた面長の顔から、おばあちゃんが使ってる樫の杖みたいな、艶やかで硬そうな角が生えている。首元はふさふさの白い襟巻が着いていて、角と同じ色の蹄は馬と同じで割れていない。
景色も目の前の生物も、見れば見るほど奇妙だ。もう一度、今度は反対側の頬をつねってみたけども、やっぱり痛い。馬鹿みたいな生物が目を細める。なんだか笑われてるみたいで少しムカついた。
おかしい、絶対におかしい。山に近づいた覚えなんてさらさらない。ついさっきまで友人と、取り留めもない会話を楽しみながら帰り道を歩いていたはずだ。二駅隣に最近出来た喫茶店の話とか、飼い犬が可愛くて堪らないだとか。どうせ行くなら山なんかじゃなく、喫茶店の方が何十倍も良い。
ならば目の前の光景はどういうことなのか。痛む左右の頬っぺたが、夢ではないと訴え続ける。まあ自問自答を繰り返しても、やっぱり答えることは出来ないわけだけど。
奇妙な生物は鳴くことも無くじっと私を見下ろしたままだ。時折瞬きをして小首を傾げる。その様子は何かを待ってるみたいにも見える。……もしかして、願いを言えって事なのか。
何だかもう考えるのも馬鹿らしくなってきた。馬鹿馬鹿考えて馬鹿がゲシュタルト崩壊しそうだ。というよりすでにしている。
ようし、分かった。願ってやる。どうせならバカみたいな願いを言ってやるぞ。私の願いは――
「遊んで暮らせるだけのお金が欲しい!」
奇妙な生物がぷるる、と鳴いた。
××××
「――がね、こがね。聞いてる?」
友人の声で我に返る。あんなに鮮やかな色を放っていた桜も紅葉も、視界のどこにも見当たらない。勿論あの奇妙な生物も。何だ、やっぱり夢じゃないか。友人の顔を見れば怪訝そうな表情でこちらを見つめていた。ほんのちょっとだけ、あの生物に似ている。
「ごめん、少しぼーっとしてた」
「大丈夫? テスト明けの疲れが出てんじゃない」
「あはは……そうかも」
そうしてまた取り留めのない話をしながら家路を歩く。幻覚が見えるほど疲れているとは、今日は早めに寝ようかなあ。そんな事を考えて、友人の話に相槌を打っていれば、いつの間にやら自宅の前……なのだが。
「何これ、落ち葉の山?」
ぽかん、と口を大きく開ける友人。玄関扉のすぐ横、インターホンに届かんばかりの落ち葉の山がこんもりと鎮座している。ぴゅうと風が吹いて、何処からか飛んできた早咲きの桜の花びらがその上に落ちた。見覚えのあるその色彩に、思わず吹き出してしまった。
お金が欲しいと願ったら沢山の落ち葉が家の前に置かれていて、まるで狐か狸に化かされたみたいだ。いやあれは馬か鹿か……馬鹿か。馬鹿に化かされるなんて、駄洒落みたいな話だ。
見た目もやる事もばかばかしい奴だったけど、まあ存在は認めてやっても良いかもしれない。神様かは別だけど。
「え、ちょ、ちょっと、こがね!」
いつの間にか落ち葉の前にしゃがみこんでいた友人が、今度は目をまん丸に見開いて振り返る。
「なんか、落ち葉の中から、お札いっぱい入った鞄、出てきた」
「へ?」
「どどど、どうする?」
「とりあえず、交番持ってこうか……」
町をぐるりと囲むあの山のどこかに馬と鹿を混じり合わせたような姿の神様が住んでいて、住処に迷い込んだ人間の願いを何でも叶えてくれる。そんな文字通り馬鹿みたいな噂話は、もしかしたら本当なのかもしれない。
【バカみたい】
真姫ちゃんを見て、私は絶句した。
晴々しい色とりどりの晴れ着の中に
ポツンとうかぶ小さな漆黒。
姫野真姫ちゃん
仲良しグループの中の1人。
小柄で細身で、
ミニスカートとロングヘアが良く似合う、
かわいいかわいい女の子。
のはず、だった。
今日は卒業式だ。
みんな各々、綺麗で可愛い特別な着物を着て、
晴れやかな顔で私の横を通り過ぎてゆく。
なのに、真姫ちゃんだけスーツを着てきた。
しかも男の人みたいにネクタイをしめて。
あんなにトゥルトゥルで絹糸みたいだった髪も
どこにも見当たらない、メイクだってすごく薄い。
みんな真姫ちゃんを見てひきつった。
え、どうしたどうした
なにがあった笑
失恋したの!?
てきとうに茶化す周りに囲まれて、
真姫ちゃんは笑っていた。
元から綺麗な顔をしていたから、
どんな姿になってもその笑顔は魅力的だ。
でも、私はそれを見てなんだか腹が立ってきた。
みんなで一緒の晴れ着を着て、
一緒に写真を撮って、
最後まで同じ感じで仲良くしたかったのに、
自分だけ勝手に自分を出して、
少数派にでもなったつもりなの。
「真の姫って名前なのに全然姫みたいじゃない」
その一言で空気が固まった。
気づけば私の唇は動いていた。
「みんなこんなに可愛い格好してるのに何考えてるの
男の人みたいにカッコつけて、バカみたい」
口に出して驚いた。
私はこんなことを思っていたのか。
慌てて俯いた。
真姫ちゃんだけじゃなく、
周りの視線も一直線に私を刺してきたから。
ポツリ、と
私の鼓膜を震わしたのは、
聞きなれた真姫ちゃんの可愛らしい声だった。
私は返事をしなかった。
これだけ酷いことを言ったのだから、
どんなに怖い言葉を返されても仕方がないと覚悟して
おそるおそる顔を上げる。
男の人でも、女の子でもない瞳が私を見ていた。
真姫ちゃんは、
本当に綺麗な顔でこちらを見つめていた。
ねえ、ほら、写真撮ろうよ!
そうだよ、そうだよ、みんなでさ!
危うい空気を察したのか周囲がワッと声を上げた。
そのせいで、
真姫ちゃんの唇が動いたのに、
その声が聞こえてくることは無かった。
その後のことはよく覚えていない、
もう真姫ちゃんは私と目を合わせなかった。
ー
家に帰って重くてキツイ着物を脱ぐと、
身体中に跡が付いていた。
スマホを開いて写真を見る。
何度見ても真姫ちゃんの髪は短くて、
スーツを着て、ネクタイをしめて、
男の人みたいだった。
卒業しても会おうね!
グループのメッセージには、
真姫ちゃんだけ反応がなく、
私は今日のことを一生涯後悔することになると思う。
桜が満開の春、春休みの終わり。
花びらが一枚窓から落ちる。
自室には一人、部屋の主がいた。
あたりには中途半端に黒く塗りつぶされたキャンバスの山。
パレットから色をとる。
イーゼルに乗っている描きかけの絵に、
黒い絵の具を上塗りした。
(あーあ、またやっちゃった。)
頭の中で何回も、おととい言われた言葉を反芻する。
『下手くそだね。』
ただその一言だけで、すっかり描けなくなってしまった。
何を描いても、失敗作に見えてしまって。
「はぁ……はは、やめりゃいいのにね、馬鹿みたい。」
私はため息混じりに自嘲した。
✨バカみたい✨
バカみたいに落ち込んでも
バカみたいに笑っても
流れる時間はみんな同じ💚
笑ってても良いし
泣いてても良いし
あるがままの自分を
そのまんま受け止めて
バカみたいに
がむしゃらに生きていきたいな🩷
親友と笑い転げるのばかみたい
それができるのも、時間をかけて作った大切なもの。
ずっと前から分かっていたことだ。
彼は私を愛してなんかいないし、好きでもない。それどころか、邪魔だと思っている。
それならそれでさっさと別れを切り出してくれていれば良かったのだが、便利な女を手放したくはなかったのだろう。
そうと分かるほど、私は彼に夢中だった。彼が望むなら何でも言う通りにしたし、別れを切り出されるのが怖くて不審な行動も見て見ぬ振りをしてきた。それなのに。
−−バカみたい。
点々とアスファルトが色を変え、次第にその面積を増やしていく。
春とはいえまだ冷たい雨に、歩いていた人達が悲鳴をあげて足早に私の横をすり抜けた。
同じように慌てて避難しようとしていた男女は、目の前に立ちはだかった濡れ鼠を見てギョッとした顔をした
「−−こんにちは」
女は訳が分からず不安そうに男にしがみつき、男は男で驚いたように私を見た。どうして、と呟いた、それは私の台詞なのだけど。
睨み返すと女は状況を悟ったのか、「サイテー」と吐き捨てて彼の頬を平手打ちして去っていった。
それが少し羨ましい。そんなことを言ったら彼女に呆れられてしまうだろうか。
「合鍵、返さなくていいよ」
どう言えば誤魔化せるのか悩んでいたのだろう、私の言葉に彼はほっとした顔をして、けれどそれだけ。
謝罪するでもなく、平然とした顔で今日の夕飯の献立を尋ねてきた。挙句、遊ぶ金を要求してくる始末。厚顔無恥とは彼のことを言うのだと、妙に冷静にことわざを思い出す自分に笑ってしまう。
「もしも…っ」
通話ボタンを押した途端に怒鳴りつけられ、咄嗟に耳を塞ぐ。スピーカーにしておいて良かった。
『っお前、どういうことだよ!?』
「どういうことって?」
『だから……−−!』
よほど焦っているらしく、罵詈雑言ばかりで説明は要領を得ない。
時々聞こえる「金」「飯」「部屋」から推察するに、彼−−もう元彼−−は、結局あの夜は私の部屋を訪れなかったらしい。私が夕飯を彼の苦手な料理だと言ったからだろう。
そして数日後、部屋を訪れて驚愕したらしい。
『どうして部屋にいないんだよ!』
「どうしてって……引っ越したから?」
『だから何で!』
「別にいいでしょ? 私達もう別れたんだし。浮気するってそういうことだよね」
そう言うと彼は呆気に取られたように黙り込んで、慌てて捲し立てる。
そんなつもりはなかった。俺にはお前だけだ。なんて、慌てて猫撫で声で擦り寄ってきて、本当に気持ち悪い。
『とにかく会って話そう。今どこ−−』
「悪いけど。他人にプライベートは教えられないよ。新しい彼女さんとお幸せにね。あ、合鍵は返さなくていいよ」
さっさと通話を切って、すぐに何度もかかって来る電話を着信拒止すると今度は友人経由で連絡してきて、見苦しいにも程がある。
幸い、友人達は事情を話すと納得してくれた。中には「だからあいつは止めろって言ったのに」と叱ってくれる人もいるのだからありがたい。
友人達に説明を終えて息をついていると、桜の花が窓越しに見えた。
新しく移った部屋は日当たりが良く、少し暑いくらいだ。
たまに友人が教えてくれる情報によると、元彼は随分荒れているらしい。新しい彼女に復縁を迫ったものの、また平手打ちを食らったらしいのには笑った。懲りない男だ。
「−−バカみたい」
自然に漏れた言葉は春の柔らかい陽射しに溶けた。
温か過ぎて
信じきってた
きっとどこかで
自惚れてた
いつかまた・・
ううん
そんなの求めない
空白の時間を
埋める度量は無い
なのに
この手から
こぼれ落ちた砂を
まだ
かき集めてる
バカみたい
バカみたいね・・・
「バカみたい」
《バカみたい》
私が好きだった人は、
ガリ勉で、友達といつも楽しそうに笑ってて、テストで満点取ってて、学年1位で、生徒会にも入ってて、気付けば誰かと付き合ってて、結婚してて、子供が2人いて、家を建てて・・・・。そして、私と子供達を置いていっちゃった。完璧な人生なのに、ほんとバカみたい。そう思いながら出てくるのは笑いではなく、涙だった。
#バカみたい
毎回毎回『上手く笑えたかな』とか
『今の発言良かった?』とか。
なんで自分はそんなことしか考えれないの?
ほんと…バカみたい。
バカみたい
自分だけバカみたい
結構な頻度で
心の中に唱えてる
たぶん卑屈な性格で
たぶん気持ちが狭い。
そして人といつも比べてる。
少しだけ角度を変え
見える世界を変えれば
もっと、自分の心根を
変えられると思う。
わかっているけど
バカみたいが口ぐせ。
自分を解放。
心おおらかに。
海に行って
「私ってバカみたい」って叫んで
バカみたいな私の心をポイっと捨てて
こようかな。
バカみたい
いつもはお酒を飲んで酔ってないと触れてこないのに
今日は職場で触れてきた
どーしたどーした
なのにうかれてる私
舞い上がってる私
そんな気がないはずなのに
バカみたい
でも嬉しい
いい歳して、息子と張り合ってる。
キャッチボールでは、早い球投げようとするし、ゲームでは、息子が泣くまで勝っちゃう。
その癖、その後はゴメンねと言いながら遊んであげてるけど。
この前だって、私が好きなキャラクターのぬいぐるみを2000円もかかってUFOキャッチャーでとって来たのよ。
それもね、とってからウチに帰るまで、息子には触らせないの。
私へのプレゼントだからだって。
本当に
バッカみたい。
本当にね。
いつも人の目気にしてバカみたい。
みんなに愛想笑いしてバカみたい。
思ってない事ばっか言ってバカみたい。
人なんて所詮みんなバカ。
自分が思ってるよりバカなんだから。
どうでも良くない?
変な事ばっか気にしてもただのバカ。
疲れるだけ。
それならいっそ、盛大に嫌われて好きにしてる方が
いいわ笑
バカみたい
バカみたい
スマホを開いた途端に目に入ってきたこの5文字。
僕と付き合ってた頃の君の口癖。
新しくできた彼氏に送ろうとした言葉なのだろうけど
君の中に、まだ僕が残っているようで
不思議と嬉しかった。
こんなことを考えている僕は本当に
住めば都というけれど、ど田舎生活は楽じゃない。
特にアップデート不可の老人には泣かされる。
車で外出しようものなら、怖い顔して怒鳴り込んでくる隣の婆さん。
「あんたのこと毎日見張っているんだから」
婆さんちの車でも、嫁でもないのに。
犬の散歩をする爺さんは、私の家の庭に犬を放す。
庭にいた私に吠えかかってきた。
「俺の庭に入ったら、この犬噛むからな」
何で噛む犬を他人の庭に放すのか。
こんな老人たちに振り回されっている私はバカみたい!
バカみたいというとなんだろう。生きていることそれ自体がばかばかしくてほかのことなんて誤差みたいなものだ。
だけどあえて言うならソシャゲと食事かな。どちらも刹那的な快楽でしかないのに我慢できない。
昨日ソシャゲのガチャで爆死してストレスを溜めてるがそんなのソシャゲをやめればそれで終わる話だ。だけどついやってしまう、やめる気になれない。
別に大して面白くもないのに惰性で続けている。
食事は毎日デザートを食べている。朝食に一個つけるだけだけどこれをやめれば痩せられるし健康的になれる。なのにやめられない。
デザートは心の栄養を接種するための必須栄養素だ。とはいえそんなのが言い訳でしかないのはわかっている。
弱い。あまりにも弱い。だが根本的な問題としてこの二つをやめてどうするという話でもある。
生きるための目的がない。ぼんやりとした夢はあるがやる気にならない。惰性で生きている。そんな人間が時間と健康を取り戻したところでなにになるというのか。
そうして今日もデザートを食べてソシャゲをする。なんともバカらしい。
いつも他人の評価ばかり気にしてバカみたい。
いつも他人の顔色ばかり伺ってバカみたい。
いつも他人を優先してバカみたい。
いつも要らない気ばかり張ってバカみたい。
バカみたい。バカみたい。バカみたい。
でも、こんなバカみたいな性格でも、バカみたいなこの世の中を生きていける。
同じバカだから?
それでもいっか。
バカみたいに生きていればいいのさ。
『バカみたい』
書けない事なんて
作家じゃあるまいし
悩むなんて
バカみたい
確かに寂しいけれど
私は本物じゃないのだから
バカみたい
本当に
もうすぐ春が来るという時期に、タンスの断捨離をしていると、普段は使わない引き出しの奥に懐かしい香水を見つけました。
高くもない、知名度もない、ひどく甘ったるい。そんな香水。
けれど誰とも会わないことをいい理由に、ひと吹きしてみました。
匂いはたぶん、香水を纏っていた当時の記憶が蘇らせる力がある。
4年間好きだった彼のこと。
今は疎遠の、無愛想で理屈ばかりの友人のこと。
今は流行らないであろうシンガーソングライターのあの曲。
だから私は何かの区切りに身に纏う香水を変えることにしています。
大好きな彼を思い出すため。
当時の感覚を取り戻すため。
大切な記憶を忘れないため。
いいえそれよりも、
私が私を失くさないように。