もうすぐ春が来るという時期に、タンスの断捨離をしていると、普段は使わない引き出しの奥に懐かしい香水を見つけました。
高くもない、知名度もない、ひどく甘ったるい。そんな香水。
けれど誰とも会わないことをいい理由に、ひと吹きしてみました。
匂いはたぶん、香水を纏っていた当時の記憶が蘇らせる力がある。
4年間好きだった彼のこと。
今は疎遠の、無愛想で理屈ばかりの友人のこと。
今は流行らないであろうシンガーソングライターのあの曲。
だから私は何かの区切りに身に纏う香水を変えることにしています。
大好きな彼を思い出すため。
当時の感覚を取り戻すため。
大切な記憶を忘れないため。
いいえそれよりも、
私が私を失くさないように。
3/23/2023, 4:12:44 AM