『タイムマシーン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あの頃に戻れたらな。君が生きていた頃に。
君からずっと辛い苦しいって言われてたのに、
僕は話を聞いてあげることしかできなくて。
君がほしい言葉かけてあげられなくて。
ほんと最低だ。「君は頑張ったよ」って言えてれば。
「家族も先生も同級生も信じれない。信じられるのはあなただけだよ。私の一番はあなただけ。」
その言葉が僕には重すぎて受け止めきれなかった。
君の一番だったのになんにもできなかった。
君は去年の春、天使になった。
崖から海に飛び降りたらしい。
君の部屋には遺書だけ。
「大切なあなたならきっと分かってくれるよね。
さきに逝って待っとく。ごめんね。」
ただそれだけ。分かってあげたかったな。
『タイムマシーン』
「助手くん! 助手く〜ん!」
「なんですか、知性と美貌を兼ね備えた女神のような博士」
「えっなにそのほめごろし。怖いんだけど……。
や、そうじゃなくて。助手くん聞いてくれ。ついにタイムマシーンが完成したんだ!!」
「……おめでとうございます。
っても半分くらい僕が手伝いましたけどね」
「そこはまあそれとして。
私はこれからさっそく、過去に戻ってこようと思う」
「……いつの時代に戻るんですか?」
「私が女子中学生だった頃だよ」
「戻ってどうするんです?」
「……私が中学時代にいじめられてたことは話したよね。その頃に戻って、私をいじめた奴らを返り討ちにしてやるのさ」
「ああ、その目的を果たすために、博士は研究者になったんでしたっけ」
「そうだとも。やっと長年の夢が叶えられそうで嬉しいよ」
「では博士、目的を達成した後は、どうするんですか?」
「えっ」
「そのあとの博士の人生、研究の道に進む必要がなくなりますよね?」
「……それはまあ、そうだね」
「この研究所にも、入らない」
「……かも」
「僕とも会うことはありませんね」
「……」
「さみしいです、僕」
「…………。
……とりあえず、今日はやめとこっかな、疲れたし」
「コーヒーでもいれてきましょうか?」
「うん、よろしく頼むよ」
◇
「……あっぶねー、僕が手伝ったところの設計図の計算式、間違ってたのさっき見つけててよかった……。起動したらどうなるか……。
めちゃくちゃ言いづらくてごまかしたけど、やっぱ言わないとだめだよなぁ……」
『タイムマシーン』
やはり貴方はひどい人だ。
どうして置いて行ったのか。どうしてあの時「好きだ。」と言ったのか。葬儀も通夜も終わった。貴方は結局何も教えぬまま遠くに行ってしまった。
これは貴方が書いた遺書だ。
「もう声も出なくなりこうして手紙で伝えることお詫び申し上げます。病室で朦朧とした意識の中貴方が私の手を取ってくれたのを朧げに覚えている。私は貴方が好きだ。口でも言ったが、もう数少ないだろうしやはり貴方に伝えたくなった。嗚呼もう前が見えない。これは病気によるものだろうか。それとも涙なのだろうか。貴方も泣いているのだろうか。どうか泣かないでください。貴方は私を嘲笑うべきです。涙より笑った顔の方が美しいですから。
もう見れない貴方の笑顔を思いながら眠ります。おやすみなさい。好きです。」
嗚呼やはり分からない。
どうして「好きだ」と言ったのか。
こうしたら貴方を諦めきれないじゃないか。
タイムマシーンがあるのなら是非本音を晒してもらいたいものだ。
もう一度 あなたと生きる時間なら
過去でも未来でも構わない
【タイムマシーン】
ようやくだ…!ついに、遂に…終に!!
この時を待っていたよ。
ずっと、ずっとずっとずっとずっと!!
やっと完成した。
想い描いていた楽園も、実現したかった夢も、今、ここで、全て叶う!!
ああ、愛しているよ、家族たちよ。
どうか赦しておくれ。
_2024.1.22「タイムマシーン」
ちゃんと愛せなかったこと。
なかなか会えずにいること。
愛している事実を伝えなかったこと。
そして、
あんなタイムマシーンなんかを造ったこと。
最近サボっててすみません。ちょっとテストが近づいてきて忙しく…なんて言い訳ですけど、勉強は続けることで力がついていくと信じているので、このアプリもちゃんと続けます。
ハートマーク押してくれていつもありがとうございます!
pkmn。
この世界は
「こんにちは!ストーカーさん!」
黒いフードを被った男は幼児の目線に合わせて膝をつく
普通と呼ぶには少し歪で
これが彼女の毎日の日課だった
「夕陽、行ってきます」
「いい子にして待ってるんだぞ」
「…うん!」
この声を聞いたのはいつだっただろうか
両親は共働きでいつも忙しい
だからお金だけを置いて、私はいつも自分で買う
毎日自分でご飯を作って、お風呂を沸かして自分の敷いた布団で寝る
でも悲しくはなかった
だって私の誕生日には大きなホールケーキを持ちながらお父さんとお母さんが必ず帰ってきて笑顔で出迎えてくれるから
だから学校でのお勉強もずっとずっと頑張った
だって、頑張ったらお父さんとお母さんが帰ってくるから
少女は人の感情を読み取る能力に長けていた
「サナちゃん!パン食べたいでしょ?私の食べていいよ!」
「お腹痛いね。せんせに言ってくるね」
「ハナ人形のおもちゃ!欲しいよね!一緒にあそぼ!」
彼女はサナちゃんが大好きだった
でも“好き”は行きすぎると段々と形を変え
「昨日ね!サナちゃんの好きなお花___」
「なんで分かるの…気持ち悪いよ」
異常になった
「(みんな、私が変みたいに言う…わたしはみんなのこと大好きなのに……)」
でも、お父さんとお母さんはわたしのことが大好き
だって今日は誕生日だから!
玄関のドアを開けてランドセルをベッドに投げる
少女はキッチンに立ち、夕食を用意する
小さな手からは想像ができないほど傷ができており、しかし料理をしている彼女からは幸せを感じ取れた
「まだかなぁ……!」
「お仕事忙しいのかな…」
「…ご飯冷めちゃった。でもあとちょっと!」
「帰ってくるよね…何かあったのかなぁ…」
「ぱぱ……まま…」
「………」
いくら待てども両親の姿は見えない
お父さんとお母さんはいつまで待っても帰ってこなかった
初めての日
何かが壊れた音が聞こえた
「(学校もつまんない…おかあさんも、おとうさんも帰ってこない…)」
暫く経って、よく公園に訪れるようになった
ベンチで足をぶらぶらと揺らす
ほんの少し前までは横には友達がいて
家に帰ると両親がいた
ずっとあると思っていた安心感
「悲しい」というよりも
「つまらない」気持ちが濃くなる
だが、私に変えられる力などどこにもないのだ
昔のことが、両親が、友達が羨ましく思う
「(こんな時______)」
夕陽を遮って、大きな影が映った
思わず視線を上を向けると、どうやら先ほどの大きな影は男のものらしく、フードを被っているせいか夕方の今でも顔が全く見えない
「誰…ですか」
「君の……ストーカー」
その男は俯きながらそう言った
「、ストーカーさん」
「私…」
「要らない子…なのかな…」
見ず知らずの男に抱きつき、懇願する
ストーカーだと言う怪しい男の服を強く握りしめて抱きしめた
話を聞いてもらえたなら、誰でもよかった
だから黒いフードの男を見つければ嬉しそうに声を上げ、なりふり構わずその元へ駆けて行った
時が経つといつしかストーカーさんと話す事
それだけが私の世界だけの楽しみになっていった
ストーカーさんはあんまり喋らない
というか喋るのが好きじゃないみたい
日が経つにつれて一緒に過ごしているとストーカーさんの気持ちはいつも手に取るようにわかった
悲しい時は一緒に居るし、嬉しい時はストーカーさんの代わりにたくさん笑う
互いが、1人の自分を慰めたかっただけなのかもしれない
でも、嘘でもなんでも良かった
互いが必要とし必要とされる関係
それは側から歪で異常な光景だった
家に帰る途中、フードを深く被った男が1人で座っているのを見つける
「横、座るね」
ベンチの横にちょこんと座る
「よしよし」
男よりも小さな手でわしゃわしゃと頭を優しく撫でた
「かなしいねぇ……辛いよね…もういなくなっちゃいたいって思うよね…」
「でも大丈夫」
「あのね、すきなの」
「私はストーカーさんのことが好き」
「私だけはストーカーさんは必要だよ。大好きなんだよ。」
「ストーカーさんは、私のこと…好き?」
深くフードを被り、コクンと頷く
男の頭に手を置きながら自分を褒めてくれる彼女のことを無視出来ずにいる
駄目だと分かっていながらも心の底では心地が良いと感じていた
本来は入りっこないはずの胸の奥底にの場所に水が入るように満たされていく
「ふふふ」
「2人で…どこか遠くに行きたいね」
「ずーっとずーっと遠ーい」
「誰も私達の事を知らない場所に」
「………」
男は何も言わなかった
今日は、下から覗き込んだストーカーさんの顔が少し暗く見えた。
そして日が傾き始めた頃、その生活は終わりを告げた。
家に帰ると家の鍵が空いていた。
中に入ると盛大なクラッカー音と共に視界を開ける
すると私の大好きなものがあった
「お父さん……?!」
「おかえり、太陽」
「お帰りなさい」
「おかあさん……!!」
「好き…!好きだよ!」
真っ直ぐ私に抱きつき、小さな身体を2人が包み込む
ずっと玄関で待っていたらしく、冬のせいか久々に触れた父と母の手は冷たかった
何ヶ月ぶりかもわからない家族との再会
少女には憎いという感情は無かった
ただただ自分を見捨てていなかったという「好き」があること
そのことが嬉しかった
「今までごめんな……1人にして」
「本当にごめんなさい…でもこれらはずっと一緒よ」
ずっと待っていた暖かい愛をただ受け止める
その声は、綿のように軽くて少しの風で飛んでしまいそうなほど微かに聞こえた
「ずっと…?ほんと…?!」
「あぁ…父さんと母さんはな、自宅でお仕事ができるようになったんだ。だから朝から寝るまでずーーっと一緒だぞ?」
「やった!やったぁ!」
うさぎのようにピョンピョンと跳ねて、彼女の幸福度は頂点に達していた
すると、玄関のチャイムが鳴る
「あっ…チャイムだ!私、出てくるね!」
ドアを開けるとひやりとした風が頬を撫でると同時に見慣れた格好の男が目に入った
ドアを開けると夜の冷たい風が頬をよぎる
上を見上げると見慣れた姿があって
遠くで走る電車の音と共に私はストーカーさんの懐へ引っ張られた
男は奥に居る両親たちを死んだような正気のない瞳で見つめる
「誰だっ……お前…」
「ストーカーさん!あのっ、あのねっ!!」
今の喜びを伝えようとストーカーさんの裾を握る
ストーカー、という言葉を聞いて父親の顔が更に曇っていた
「太陽から離れろ!!」
そう言ったと同時だった
片方の耳を塞がれ、2発の酷い銃声音が響き渡る
「……?」
ドサリと重たい何かが倒れた
なんだ、と目を動かす暇もなく、男は玄関に倒れた両親を通り過ぎてキッチンの奥にあるクローゼットの中を漁っている
時折チリンと音がするのはお金の音だったらしい
私は、目の前の父と母の姿に目を離せずにいた
私の視界には二つの血溜まりが見えて父親は胸を、母親は頭を打たれている
酷く脈を打って、血が地面に溺れて、今にも溢れ出しそうな___
何が起こったのかわからないまま酷く匂う部屋の中
2人の倒れた姿を見た瞬間、何かが動く音が聞こえた
巻かれていた時計の針が動き出す
__の置いた___を震えながら___、私は___
小さな部屋から3発の銃声の音が鳴った
5月7日午前5時7分、高王市竹田区。
近隣住民から銃声音がするとの通報があり、胸や頭部などから血を流し、倒れている三名の死体が見つかった。
被害者の日下部那次郎氏と日下部由鶴、銃撃犯の男とその子供が血塗れのまま壁掛け時計を持ったまま抱き合っている所を警察が発見し、保護した。
時計は本来の時間とは合っておらず、推測される死亡時刻は約4時29分頃。
日下部那次郎氏と日下部由鶴 には2発、男には1発の弾丸が正確に撃たれており、男の明確な意思を持った無差別殺人事件と扱われている。
しかし、銃には子供の指紋がついており、一部では男を撃ったのだろうと言われているが、何も証言がない事から一時期ネットで有名になり、謎めいた点も多い事から「真相解明をしてくれ」との声が相次いだ。
お題 タイムマシーン
もしもタイムマシンがあるなら、誰かは必ず言うだろう。タイムマシーンなんてね。
もしもタイムマシンがあるなら俺は過去に行きたい。未来に行っても本当の未来なんてわからないから。
だけど、過去も危ないか。まあ、タイムマシンがあっても意味が無いだろう。どうせなら現代人が求める人生リセマラスイッチでもほしいね。前世の記憶があるまま生まれ変わるとか転生とかいいよね。物語の主人公になったりさ。なんて夢みたいなことだよね。
俺はタイムマシンがあっても今を生きるよ。
君の見える世界は
私が見ているこの世界 君の見ているこの世界
それはそれは美しい それはそれは汚いらしい
私が見ているこの世界 君の見ているこの世界
それはそれは汚い それはそれは美しいらしい
さて、タイムマシーンをいつ使おう
《タイムマシーン》
タイムマシーンねぇ…
過去も未来も うーーーん?
今が最高!
この瞬間が!
だから、私の過去も未来も 見なくていい
過去があって 今がある
未来は 今 作っている!
今、まさにこの瞬間が サイコウダー!
いつもの帰り道が涙でぼやける。輪郭が曖昧になった点字ブロックの上を意味もなしに歩く。
A社に送るはずの書類を誤ってB社に送ってしまった僕は社員全員の前で怒鳴られた。公開処刑された僕は居心地が悪くトイレで一度落ち着くことにした。
自責の念に押しつぶされそうな自分を便器に支えてもらいながら自分を励ます。これが僕なりの応急処置だ。少しずつ、少しずつズタボロにされた心を縫合していく。
大丈夫だ、やってしまったことはしょうがない。反省して、切り替えていこう。そう言い聞かせながら針を縫う。遠くから二つの足音が近づいてくるけど、気にしない。個室だから僕の存在は隠されている。いま、この空間は誰にも罵倒されない僕だけの空間だ。誰も介入させない。呼吸と卑下しがちな思考を落ち着かせる。一定のリズムで刻む足音は僕の扉を通り過ぎて、やがて止まった。
「なんでこんな簡単なこともできないんだ。ふつーできるだろ、あいつ今まで何やってきたんだ」
一瞬の沈黙のあと、聞こえてきたその声は聞き覚えがあった。きっと、上司だ。いや、絶対上司の声だ。
血の気が引いて、世界が遠のく。ほんとそうですよね、と嘲笑を含んだ相槌が鼓膜にねっとりこびりつく。この声は普段仲のいい同僚の声だ。
2人は間違いなく僕の話をしていた。心臓が早鐘を打ち、その鼓動に合わせて心を縫った自己肯定感が引きちぎられていく。
「あいつまじ馬鹿ですよね、知能が低い」
「人事部はなんであんな出来損ないを採用したんだろうな」
あぁ、耳が言葉を拾ってしまう。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
「バレてないだけで絶対やらかしたの今回だけじゃないですよ」
「ほんとお荷物でしかないんだよな」
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。
「もうあいつが視界に入るだけでイライラするんですよね」
「いない方がこっちは助かるんだけどな」
2人は「あいつ」に対して尊厳破壊してトイレから出て行った。「あいつ」がすぐそばにいることに気付かずに。
その後のことはよく覚えていない。間抜けの殻で、いつの間にか終業の時間だった。何も考えず、何も感じずオフィスを出た。電車の音も街の喧騒も全てがどうでもよくて、自分の体を家へと運んでいた。
どこで間違えたんだろう。ぐちゃぐちゃにされて荒野と化した心で考える。今回のミスで僕の評価が露呈されただけで、元々職場の人からよく思われていなかったのかもしれない。多分、今回のが引き金になっただけで少しずつ印象を下げていたんだろう。じゃあどうすれば良かった。別に今回だけで他にミスはしていない。それにも関わらず表でも裏でも最低な評価だ。
最悪だ。
戻りたい。トイレに入る前に。
戻りたい。メールを送る前に。
戻りたい。この会社に入社する前に。
戻りたい。楽しかったあの頃に。
戻りたい。ストレスなんて言葉を知る前の僕に。
戻りたい。無邪気に笑える僕に。
でも、時計は無常にも右にしか回らない。
タイムマシーンは、存在しない。
その事実がただ、夜に浮かぶ信号機を涙目で見つめる僕に降り注いでいた。
日記を書いている人は少ないの?
2024/01/22
昨日から書いています。
皆さんの投稿を読んだら
お題に則した詩や散文か小説だった。
日記は見なかったな。
そっかー、ここは書くのが大好きな
文才さんたちの集まる所だったか。
僕は場違いだったか。
でも書かせて。
文才さんたちと比べて
昨日の日記を読み返したら
「〇〇んだけど」が多かった。
恥ずかしいわ。
良いなと思ったのは
連投が出来ないこと。
1人1投稿ってこういう意味だったんだね。
長文をなるべく書かないようにして
今日はアプリの感想。
おやすみ。
タイムマシーン
タイムマシーンなぞ
どうぞ壊して仕舞って
そんなモノ有ったところで
あの時の私は救えやしないから
望みを断ち切るが如く
はやく壊して仕舞って
2ヶ月ほど書く習慣、お休みしてました
ゆるりと復活しようと思います
書きたい日だけ書くつもりです
どうぞよろしくお願いします
ことり、
タイムマシーン
もしあったら絶対過去に戻る
もしあのときこうしていたら
こう話せていたら
こう接していれば
もっと今幸せだったかもしれない。
そんなものないってわかってるけど
そんな妄想してないとやってられないから
タイムマシーン
時空を超えて移動が可能になった、近未来。
僕は中古で、帰れるかどうかも怪しいボロいタイムマシーンを買った。
僕のなけなしの貯金で買えるくらい安かった。
この時代のものはたいてい置いていく。
記録用のカメラ(カメラがない時代は使えない)、携帯ペン、まっさらな分厚いノート、いちおうのナイフ、
いろいろ入るカバン、持ち物はそれくらい。
お供はくだけた感じの人型アンドロイド(タイムマシーンとセットだった)。
さぁ、時空の旅が始まる。
行く先は決まっていない、着いた先が目的地だ。
オンボロエンジンが、軋んだ音を立てて、発進する。
ータイムマシーンー
魅力的なもの、私はそれが存在した時、1番に何がしたいだろうか。
魅力的なもの、それは時を見返すもの。
魅力的なもの、それは人々に感謝できるもの。
タイムマシーン。魅力的な、過去へ行けるもの。
タイムマシーンというものがもし存在したならば、
今生きているこの世界を作ってきた人達に会えるだろう。
タイムマシーンというものがあれば、後悔したあの時を取り戻せるだろう。
タイムマシーンというものがあれば、あの忌まわしい、憎たらしい出来事を無くせるだろうか、
タイムマシーンというものがあれば、もう居ないあの人にも会えるのだろうか、
タイムマシーンとは魅力的なもの、私はそれが存在した時、1番に何をするだろうか。
ほんの少しの変化が、後に大きくなるであろう歴史を、たくさんの生命に溢れ、しかしながら少しずつ終わりへと進むこの世界は、私一人が踏み込んでいい場所なのだろうか。
タイムマシーンとは魅力的、しかしきっと、人々にはまだ早いものである。
いつの日か勇気のある者、世界を救うものだけが、この魅力的な物にありつけるのであろう。
その者こそ─────────
いらないよねタイムマシーンなんて過去でも未来でもない今きみの腕の中
〈タイムマシーン〉
脳みその電池残量減っているタイムマシンに乗る暇がない
タイムマシーンに乗って懐かしい人にひたすら会いたい
11日目【タイムマシーン】
子供の頃、机の一番手前の引き出しが。タイムマシーンだったらいいなって思っていた。
大人になって、ドラム式洗濯機が、タイムマシーンだったらいいなって思ったこともあった。
おばあちゃんになってしまった私は、今、人生の最後を迎えている。
走馬灯ってタイムマシーンに乗って高速移動することなのね。
若くて綺麗な娘さんがいたと思ったら、あっという間に結婚して赤ちゃんを産んで、赤ちゃんはあっという間に、小学生、中学生…最初の娘さんとは似てるけどちょっと違う、若くて綺麗な娘さんになっていた。
そしてその娘さんも、あっという間に結婚して赤ちゃんを産んで、子育てに奮闘し、あっという間に子供達は家を出ていき、旦那さんと旅行に行ったりしてたかと思ったら、旦那さんが出てこなくなり…
気がついたら今の私に戻っていた。
タイムマシーン。こうして振り返ると、劇的な出来事は何一つなかったけれど、小さな幸せがたくさんあって、恵まれた人生でした。
孫達よ、私のお通夜とお葬式では、たくさん笑ってね。
良かった、良かったって言ってね。
ありがとう。
タイムマシーンだって時間がかかるものだと知っているか?ひとっ飛びなんて言うが、流石に数億年単位だとワープ空間での時間も馬鹿にならない。
その場所でも時間が、過ぎることは自明である。
当たり前だ。例えばその場所に入って知識をつけまくって戻って知識無双なんて不公平であろう。
意識と時間経過、それを両立させることは出来ないのだ。
ワープ空間と実際の私の体は密接につながっている。
だから現実でタイムマシーンに乗った者がその瞬間とても老いているなんてよくある話だ。
さて、私たちの研究隊は70億年前にタイムリープ中なのだが、こうも大規模だとワープ自体に100年かかる。それでものもの凄い圧縮率である。計算して見てほしい。
そして私は2年目にワープ空間で生まれた。
今までワープ空間を出たことは無い。そして寿命は長くても90だから、わたしは一生出れずに終わる。そうなると私の使命は、子供をつくるということだけだ。
科学者というのは聡明である必要があるが、親の努力は遺伝しないってのがあるので、俺は親の明晰な頭脳の遺伝子の中継役に過ぎない。だから俺は生殖可能な年までは子供を作り続けて、そんな体力もないくらい歳をとったら、殺されてワープ空間から適当な時間に放り出される。
まぁ俺も毎日そうならないための努力をしているがどうも最近女を見ても…
だって有限の容積の宇宙船で、なるべく科学者の卵がいた方がいいのだ。中継地点の俺は要らないからな。
____
おい!あいつを呼べ!
博物館で展示中のタイムマシーンが忽然と消えた。
そしてなんと、管理役ごと消えてしまった!
どうするよ!あいつに任せるんじゃなかった!あいつ昨日
時間玉手箱も無くしやがってついに大目玉のタイムマシーンもかよ!
もう未来展開催できないじゃん!
23年後の流行りお菓子で満足すると思うか!?あーもうおしまいじゃん!どうにでもなれじゃん!
博物館責任者は前日までやけ酒をし続けた。博物館の存亡を掛けた一大プロジェクトだったのだ。
もう俺も終わりだと永遠と繰り返しては飲んでいた。
そのとき博物館から電話がかかってきた?
あぁ?なんだよお前ら!いいよな、お前らは。いいよお前らの分も俺が被ってやるから。その代わり俺が路上にいたら酒くらい、
ちょっと待ってください。
タイムマシーンが戻ってきたんです!あいつと一緒に。
え?
わたしは交通に関するあらゆる法律を破り散らかして飛ばした。
博物館に着くと、あいつがみんなにヘコヘコ頭を下げていた。あいつの背中にはタイムマシーンがあった!
俺は安堵でいっぱいだったし正直あいつを抱きしめたかったが、威厳というのがあるので毅然とした態度で問いただした。
何をしていた?
迷惑かけてすみません、手紙くらい残せば良かったです。なにせ焦っていたもので、、すみません。
で、何しに行ったんだよ。
過去に戻って時間玉手箱取り戻してきました。だとしても取り返しただけであって最初から何かが増えた訳では無いと思いまして、迷惑かけておいて手ぶらじゃ帰れんと思ったもんですから、未来に飛んでこの博物館にいき、未来のあなたと交渉してクロノストーンを頂戴しました。あなたは君のおかげで今の私がいる、ぜひ持って言ってくれとか言って快く下さいました。
そう言うと奴は時間玉手箱とクロノストーンを差し出した。
わたしは思いっきり抱きしめた。
これは余談だが、管理役は未来の俺から俺宛に数十万を貰っていた。私は君へのお礼だろうといって受け取らなかったが、あとから来た警察に罰金として徴収された。