極短SF! お題一つにつき2個!

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タイムマシーンだって時間がかかるものだと知っているか?ひとっ飛びなんて言うが、流石に数億年単位だとワープ空間での時間も馬鹿にならない。
その場所でも時間が、過ぎることは自明である。
当たり前だ。例えばその場所に入って知識をつけまくって戻って知識無双なんて不公平であろう。
意識と時間経過、それを両立させることは出来ないのだ。
ワープ空間と実際の私の体は密接につながっている。
だから現実でタイムマシーンに乗った者がその瞬間とても老いているなんてよくある話だ。
さて、私たちの研究隊は70億年前にタイムリープ中なのだが、こうも大規模だとワープ自体に100年かかる。それでものもの凄い圧縮率である。計算して見てほしい。
そして私は2年目にワープ空間で生まれた。
今までワープ空間を出たことは無い。そして寿命は長くても90だから、わたしは一生出れずに終わる。そうなると私の使命は、子供をつくるということだけだ。
科学者というのは聡明である必要があるが、親の努力は遺伝しないってのがあるので、俺は親の明晰な頭脳の遺伝子の中継役に過ぎない。だから俺は生殖可能な年までは子供を作り続けて、そんな体力もないくらい歳をとったら、殺されてワープ空間から適当な時間に放り出される。
まぁ俺も毎日そうならないための努力をしているがどうも最近女を見ても…
だって有限の容積の宇宙船で、なるべく科学者の卵がいた方がいいのだ。中継地点の俺は要らないからな。

____

おい!あいつを呼べ!
博物館で展示中のタイムマシーンが忽然と消えた。
そしてなんと、管理役ごと消えてしまった!
どうするよ!あいつに任せるんじゃなかった!あいつ昨日
時間玉手箱も無くしやがってついに大目玉のタイムマシーンもかよ!
もう未来展開催できないじゃん!
23年後の流行りお菓子で満足すると思うか!?あーもうおしまいじゃん!どうにでもなれじゃん!
博物館責任者は前日までやけ酒をし続けた。博物館の存亡を掛けた一大プロジェクトだったのだ。
もう俺も終わりだと永遠と繰り返しては飲んでいた。
そのとき博物館から電話がかかってきた?
あぁ?なんだよお前ら!いいよな、お前らは。いいよお前らの分も俺が被ってやるから。その代わり俺が路上にいたら酒くらい、
ちょっと待ってください。
タイムマシーンが戻ってきたんです!あいつと一緒に。
え?
わたしは交通に関するあらゆる法律を破り散らかして飛ばした。
博物館に着くと、あいつがみんなにヘコヘコ頭を下げていた。あいつの背中にはタイムマシーンがあった!
俺は安堵でいっぱいだったし正直あいつを抱きしめたかったが、威厳というのがあるので毅然とした態度で問いただした。
何をしていた?
迷惑かけてすみません、手紙くらい残せば良かったです。なにせ焦っていたもので、、すみません。
で、何しに行ったんだよ。
過去に戻って時間玉手箱取り戻してきました。だとしても取り返しただけであって最初から何かが増えた訳では無いと思いまして、迷惑かけておいて手ぶらじゃ帰れんと思ったもんですから、未来に飛んでこの博物館にいき、未来のあなたと交渉してクロノストーンを頂戴しました。あなたは君のおかげで今の私がいる、ぜひ持って言ってくれとか言って快く下さいました。
そう言うと奴は時間玉手箱とクロノストーンを差し出した。
わたしは思いっきり抱きしめた。

これは余談だが、管理役は未来の俺から俺宛に数十万を貰っていた。私は君へのお礼だろうといって受け取らなかったが、あとから来た警察に罰金として徴収された。




1/22/2024, 1:22:28 PM