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「助手くん! 助手く〜ん!」

「なんですか、知性と美貌を兼ね備えた女神のような博士」

「えっなにそのほめごろし。怖いんだけど……。
 や、そうじゃなくて。助手くん聞いてくれ。ついにタイムマシーンが完成したんだ!!」

「……おめでとうございます。
 っても半分くらい僕が手伝いましたけどね」

「そこはまあそれとして。
 私はこれからさっそく、過去に戻ってこようと思う」

「……いつの時代に戻るんですか?」

「私が女子中学生だった頃だよ」

「戻ってどうするんです?」

「……私が中学時代にいじめられてたことは話したよね。その頃に戻って、私をいじめた奴らを返り討ちにしてやるのさ」

「ああ、その目的を果たすために、博士は研究者になったんでしたっけ」

「そうだとも。やっと長年の夢が叶えられそうで嬉しいよ」

「では博士、目的を達成した後は、どうするんですか?」

「えっ」

「そのあとの博士の人生、研究の道に進む必要がなくなりますよね?」

「……それはまあ、そうだね」

「この研究所にも、入らない」

「……かも」

「僕とも会うことはありませんね」

「……」

「さみしいです、僕」

「…………。

 ……とりあえず、今日はやめとこっかな、疲れたし」

「コーヒーでもいれてきましょうか?」

「うん、よろしく頼むよ」



「……あっぶねー、僕が手伝ったところの設計図の計算式、間違ってたのさっき見つけててよかった……。起動したらどうなるか……。
 めちゃくちゃ言いづらくてごまかしたけど、やっぱ言わないとだめだよなぁ……」



『タイムマシーン』

1/22/2024, 2:02:51 PM